シルビアさんに壁ドンしてみた
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人は見た目より中身だという。
確かにそうだ。
シルビアさんの高潔さは魅力的に映るし、カミュさんのクールだけど優しい性格は、きっと女性ウケがするだろう。
しかし、だ。
やはり見た目も大事なのだ。
…今例に出した二人は決して不細工なのではない。
むしろかなり美形の類に属する。
それでも、それでもだ。
キレキレの冷蔵庫のような筋肉で美しいポーズをキメるメガトンケイル様が、今の私にとっての一番だ。
中身が二の次とは言わない。
けれど、魔物でありながらあんなにも美しいメガトンケイル様が、悪い奴なはすがない。
「ちょっと、エルザちゃん!?あぁんもう!しっかりしなさいよ!!」
「しっかりしてる」
昨日の友は今日の敵と言う。
シルビアさんより魅力的な男がこの世に存在することに驚いた。
そしてその男が鋭くもどことなく愛嬌のある単眼で、シルビアさんを倒せと言う。
「だって好きな人のためならなんでもしたいって。シルビアさんもおとめならわかるでしょう?」
火炎斬りの構えを取る。
「私はあなたを倒したい」
「…完全に魅了がキマッてるじゃないの」
大きく踏み込み、剣を振り下ろす。
シルビアさんはバックステップを踏むことでそれを避けたが、後続のメガトンケイル様が彼を殴り飛ばそうと振りかぶる。
「遅いわ」
小癪なことに、それすらシルビアさんは踊るように華麗にかわした。
そんなに甘い相手ではないことはわかっていたから、心は動かないで済んだのが救いか。
否、むしろメガトンケイル様との初めての共同作業だ。
必ず勝ってみせる。
「でも私もいるのよ!」
火炎斬りでなぎ払う。
またもやシルビアさんには当たらないが、顔には余裕がない。
「ツッコミが足りないわね!」
次の一撃がシルビアさんを捉えたと思われたが、服を僅かに切り裂くに留められた。
そしてメガトンケイル様の一撃が掠る。
非常に素早い相手だが、攻撃を当てるまではもう一歩だ。
そして。
「もう後がない」
それより先に、シルビアさんの運が尽きた。
何せここは洞窟の中だ。
動き回るにも限界がある。
壁に追い詰められた彼に笑いかける。
後は、切り殺すだけの簡単なお仕事。
背後に視線をやると、メガトンケイル様が四本の腕のうちの二本を組んで見つめてきていた。
すごいかっこいい。
「エルザちゃん…考え直さない?」
「何を」
「アタシを殺すの。多分後悔するわよ」
冷汗を垂らしながら説得してくるシルビアさんが、なんだかとても情けない。
端的に言えば、無様な命乞いに見えた。
なんで私この人が好きだったんだろうと、冷えた鉄の塊が喉を通った気がして、胃がムカムカする。
「しないと思う」
「本当に?」
「愛に生きるの、私。そう決めた。後悔する余地がどこにあるか、聞かせてほしいくらい」
シルビアさんの双眸が、呆れたように冷たく細められた。
心のどこかに刺さった気がしたが、気のせいだと振り切った。
そしてそれ以上に腹が立っていた。
「何その目」
シルビアさんは自分よりだいぶ背が高い。
それでも追い詰めていることには変わりない。
威嚇に、彼の胸の横に杖を突き立てる。
壁ドンの亜種だとやって気づいたが、今更この人相手にそんなロマンスを演じる気はなかった。
「…やっぱりツッコミが足りないわ」
思いがけないことが起きた。
基本的にはシルビアさんの方がはるかに強い。
そのくせして、一度本気になれば相手が誰であろうと常に油断なく隙を窺っている容赦のないタイプだ。
そしてそのシルビアさんの言うところの隙が私にはあったらしい。
…油断なんかしていなかったはずなのに。
「ん!?」
突然、彼が動いた。
と思いきややはり唐突に頬を手で挟まれ、強制的に上を向かされる。
視界が極端に陰り、一瞬何も見えなくなった。
唇に柔らかいものが触れる。
もう一度明るくなる頃には、シルビアさんがいたずらっぽい笑みでウインクした。
「略奪愛、やってみたかったのよ」
次いで唐突に、わざとらしくもキザったらしい口調になった。
「…目は醒めましたか?マドモアゼル」
「え、えっと…ごめんな」
「あら、まだみたいねぇ。もう一回する?」
「とっても目が醒めました!メガトンケイルぶっ殺す!」
まさかの展開に戸惑うメガトンケイルに向き直る。
改めてシルビアさんにバイキルトをかけ直す。次いで――
「もう大丈夫よ。ありがとねん」
歌うように、踊るように前に出る。
その足取りの華麗さと美しさは、一挙手一投足をとってさえ、魔物などとは比較にならない。
「決めるわよ」
シルビアさんの全身が白く輝き出す。
「アタシのジャスティス、魅せてあげる」
確かにそうだ。
シルビアさんの高潔さは魅力的に映るし、カミュさんのクールだけど優しい性格は、きっと女性ウケがするだろう。
しかし、だ。
やはり見た目も大事なのだ。
…今例に出した二人は決して不細工なのではない。
むしろかなり美形の類に属する。
それでも、それでもだ。
キレキレの冷蔵庫のような筋肉で美しいポーズをキメるメガトンケイル様が、今の私にとっての一番だ。
中身が二の次とは言わない。
けれど、魔物でありながらあんなにも美しいメガトンケイル様が、悪い奴なはすがない。
「ちょっと、エルザちゃん!?あぁんもう!しっかりしなさいよ!!」
「しっかりしてる」
昨日の友は今日の敵と言う。
シルビアさんより魅力的な男がこの世に存在することに驚いた。
そしてその男が鋭くもどことなく愛嬌のある単眼で、シルビアさんを倒せと言う。
「だって好きな人のためならなんでもしたいって。シルビアさんもおとめならわかるでしょう?」
火炎斬りの構えを取る。
「私はあなたを倒したい」
「…完全に魅了がキマッてるじゃないの」
大きく踏み込み、剣を振り下ろす。
シルビアさんはバックステップを踏むことでそれを避けたが、後続のメガトンケイル様が彼を殴り飛ばそうと振りかぶる。
「遅いわ」
小癪なことに、それすらシルビアさんは踊るように華麗にかわした。
そんなに甘い相手ではないことはわかっていたから、心は動かないで済んだのが救いか。
否、むしろメガトンケイル様との初めての共同作業だ。
必ず勝ってみせる。
「でも私もいるのよ!」
火炎斬りでなぎ払う。
またもやシルビアさんには当たらないが、顔には余裕がない。
「ツッコミが足りないわね!」
次の一撃がシルビアさんを捉えたと思われたが、服を僅かに切り裂くに留められた。
そしてメガトンケイル様の一撃が掠る。
非常に素早い相手だが、攻撃を当てるまではもう一歩だ。
そして。
「もう後がない」
それより先に、シルビアさんの運が尽きた。
何せここは洞窟の中だ。
動き回るにも限界がある。
壁に追い詰められた彼に笑いかける。
後は、切り殺すだけの簡単なお仕事。
背後に視線をやると、メガトンケイル様が四本の腕のうちの二本を組んで見つめてきていた。
すごいかっこいい。
「エルザちゃん…考え直さない?」
「何を」
「アタシを殺すの。多分後悔するわよ」
冷汗を垂らしながら説得してくるシルビアさんが、なんだかとても情けない。
端的に言えば、無様な命乞いに見えた。
なんで私この人が好きだったんだろうと、冷えた鉄の塊が喉を通った気がして、胃がムカムカする。
「しないと思う」
「本当に?」
「愛に生きるの、私。そう決めた。後悔する余地がどこにあるか、聞かせてほしいくらい」
シルビアさんの双眸が、呆れたように冷たく細められた。
心のどこかに刺さった気がしたが、気のせいだと振り切った。
そしてそれ以上に腹が立っていた。
「何その目」
シルビアさんは自分よりだいぶ背が高い。
それでも追い詰めていることには変わりない。
威嚇に、彼の胸の横に杖を突き立てる。
壁ドンの亜種だとやって気づいたが、今更この人相手にそんなロマンスを演じる気はなかった。
「…やっぱりツッコミが足りないわ」
思いがけないことが起きた。
基本的にはシルビアさんの方がはるかに強い。
そのくせして、一度本気になれば相手が誰であろうと常に油断なく隙を窺っている容赦のないタイプだ。
そしてそのシルビアさんの言うところの隙が私にはあったらしい。
…油断なんかしていなかったはずなのに。
「ん!?」
突然、彼が動いた。
と思いきややはり唐突に頬を手で挟まれ、強制的に上を向かされる。
視界が極端に陰り、一瞬何も見えなくなった。
唇に柔らかいものが触れる。
もう一度明るくなる頃には、シルビアさんがいたずらっぽい笑みでウインクした。
「略奪愛、やってみたかったのよ」
次いで唐突に、わざとらしくもキザったらしい口調になった。
「…目は醒めましたか?マドモアゼル」
「え、えっと…ごめんな」
「あら、まだみたいねぇ。もう一回する?」
「とっても目が醒めました!メガトンケイルぶっ殺す!」
まさかの展開に戸惑うメガトンケイルに向き直る。
改めてシルビアさんにバイキルトをかけ直す。次いで――
「もう大丈夫よ。ありがとねん」
歌うように、踊るように前に出る。
その足取りの華麗さと美しさは、一挙手一投足をとってさえ、魔物などとは比較にならない。
「決めるわよ」
シルビアさんの全身が白く輝き出す。
「アタシのジャスティス、魅せてあげる」