戦わなければ生き残れない!
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「いやまさか、シルビアさんとエルザくんが知り合いだっただなんてね!」
あの戦いからしぶとくもとい、無事生き残ったファーリス王子に紹介された『尊敬する人物』とはまさかのシルビアさんのことだった。
曰く、少し前まで腑抜けていた自分の性根を叩き直してくれたとのこと。
それから騎士として少しでも追いつけるように、努力を始めたことをファーリス王子は嬉々として語ってくれた。
それ自体は立派だし感動的だし、なんともシルビアさんらしいエピソードなのだけど。
この人冗談抜きで何者なんだろう。
という疑問を目線でグレイグさまに向ける。
しかし、この中でシルビアさんの過去を知る唯一の人物は、少し困った顔をしつつも黙って首を横に振った。
俺に振るなということらしい。
「それにしても、みんなはどうしてここへ?いや、お陰で助かったわけだけど」
「うむ。本来は別件でケトスに乗っておったんじゃが…」
「ケトス?」
「空飛ぶクジラちゃんよ」
ぱちんと可愛らしくシルビアさんがウインクする。
色々とぶっ飛んでてツッコむのもダルかった。この人たちマジでなんでもアリだな。
「着陸場所を探しておる内に、あのデスコピオンの群れを見たというわけじゃ」
「予定変更してすぐにでも向かおうとしたんだけど、結局着陸場所を探すのに手間取ったのよね」
ロウさんの説明に、マルティナさんが補足する。
「遅くなって悪かったわ」
「いやそんな」
「正直エルザの醜態は笑えたけど」
閉口。
魔物が原因とはいえ悪魔化するようになってから、この人は性格が悪くなった気がする。
逆に親しみやすくはなったからプラマイ0で良い気はするけれど。
「ま、良かったんじゃねーか。結果論だが王子サマやエルザが時間を稼いでくれてたお陰で、オレらも間に合って、国にも大した被害が出なかったわけだし」
カミュくんが笑う。
どことなくシニカルでも、前向きな物言いなのは間違いなかった。
「まったく恩に着るよ。キミたちには感謝してもしきれないくらいだ」
何より、ファーリス王子がオッケーを出したのだから、これ以上言うことはない。
彼の物言いも、被害は全くゼロではないという戦績をどこまでも現実的に受け止めた上での感謝だった。
「ところで…キミたちはこの後どうするつもりだい?」
全員の動きが、ひたりと止まった。
皆を代表して勇者様が――ではなくセーニャさんが答える。
「魔王を、倒しに行きます」
勇者様が頷いた。そこまでして喋りたくないのだろうか。
とはいえ、発言は発言だ。
ファーリス王子は驚き、しかしすぐに落ち着きを取り戻す。
「…そうか。そうだな。キミたちにならできるのかもしれない」
そう言って、腕をあげる。
「応援しかできなくて申し訳ないが。…でも、信じているよ。必ず、勝ってくれ」
そこに勇者様が、力強く自分の腕をぶつけた。
あの戦いからしぶとくもとい、無事生き残ったファーリス王子に紹介された『尊敬する人物』とはまさかのシルビアさんのことだった。
曰く、少し前まで腑抜けていた自分の性根を叩き直してくれたとのこと。
それから騎士として少しでも追いつけるように、努力を始めたことをファーリス王子は嬉々として語ってくれた。
それ自体は立派だし感動的だし、なんともシルビアさんらしいエピソードなのだけど。
この人冗談抜きで何者なんだろう。
という疑問を目線でグレイグさまに向ける。
しかし、この中でシルビアさんの過去を知る唯一の人物は、少し困った顔をしつつも黙って首を横に振った。
俺に振るなということらしい。
「それにしても、みんなはどうしてここへ?いや、お陰で助かったわけだけど」
「うむ。本来は別件でケトスに乗っておったんじゃが…」
「ケトス?」
「空飛ぶクジラちゃんよ」
ぱちんと可愛らしくシルビアさんがウインクする。
色々とぶっ飛んでてツッコむのもダルかった。この人たちマジでなんでもアリだな。
「着陸場所を探しておる内に、あのデスコピオンの群れを見たというわけじゃ」
「予定変更してすぐにでも向かおうとしたんだけど、結局着陸場所を探すのに手間取ったのよね」
ロウさんの説明に、マルティナさんが補足する。
「遅くなって悪かったわ」
「いやそんな」
「正直エルザの醜態は笑えたけど」
閉口。
魔物が原因とはいえ悪魔化するようになってから、この人は性格が悪くなった気がする。
逆に親しみやすくはなったからプラマイ0で良い気はするけれど。
「ま、良かったんじゃねーか。結果論だが王子サマやエルザが時間を稼いでくれてたお陰で、オレらも間に合って、国にも大した被害が出なかったわけだし」
カミュくんが笑う。
どことなくシニカルでも、前向きな物言いなのは間違いなかった。
「まったく恩に着るよ。キミたちには感謝してもしきれないくらいだ」
何より、ファーリス王子がオッケーを出したのだから、これ以上言うことはない。
彼の物言いも、被害は全くゼロではないという戦績をどこまでも現実的に受け止めた上での感謝だった。
「ところで…キミたちはこの後どうするつもりだい?」
全員の動きが、ひたりと止まった。
皆を代表して勇者様が――ではなくセーニャさんが答える。
「魔王を、倒しに行きます」
勇者様が頷いた。そこまでして喋りたくないのだろうか。
とはいえ、発言は発言だ。
ファーリス王子は驚き、しかしすぐに落ち着きを取り戻す。
「…そうか。そうだな。キミたちにならできるのかもしれない」
そう言って、腕をあげる。
「応援しかできなくて申し訳ないが。…でも、信じているよ。必ず、勝ってくれ」
そこに勇者様が、力強く自分の腕をぶつけた。