小話的なの
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「…何を食べているか聞いてもいいか」
「ポッキーよポッキー。しらないのぉ?やだグレイグったらほんとおじさんねぇ」
「貴様俺とそう年齢が変わらなかったはずだが?というか…」
そう言ってグレイグは、赤い箱に目をやる。
「ちょっといいお酒買ったらおまけでくれたのよ。それはいいけど、中々世界観無視してるわよね」
「うむ…」
頷くグレイグに、シルビアはポッキーの小袋を差し出す。
「おいしいわよ。お一つどうぞ」
「すまんな」
いい年した男が二人並んで可愛らしい菓子を頬張るのもどうかと彼は思ったが、正直ポッキーはうまかった。
「…さて、そろそろかしら」
意味深なことをシルビアは言う。
何かとグレイグが聞き返そうとするより先に、その『そろそろ』が起きた。
「シルビアさーん!何かいいものくれるって!」
「あらエルザちゃんいらっしゃい。待ってたのよ」
自分に対するそれよりずっと愛想よくシルビアはエルザに対応する。声など作りすぎて気持ちが悪いくらいだ。…とはいえ、今更しかも男にこんな声音で話しかけられても正直困るが。
そんなことを思いながらグレイグは事の成り行きを見守る。
「ごめんね!やっと仕事おわったの!それでなんの…ってわあポッキー!!」
「やーん!エルザちゃんもうお目々キラキラじゃなぁい!!かわいい!かわいすぎるわ!!」
どうやらポッキーなる面妖な菓子の存在を知らないのはグレイグだけだったらしい。おかしい、何かがおかしい、菓子だけに。我ながら吐き気がするほどつまらなかった。
「すごいね、シルビアさん。どこで手に入れたの?っていうか貰ってもいいの!?」
「んー、買い物のおまけなんだけどね。もちろんあげるわよ、そのために呼んだんだから…ただし」
シルビアは優雅な手つきでポッキーを一本手に取ると、チョコのついてない方の端をそのまま咥える。
「ここから取って」
「えっ」
「もちろんエルザちゃんのかわいい口でね」
俺は何を見せられているんだ。とグレイグは内心で頭を抱える。偶然居合わせた罰としてはあまりにもしんどい光景だ。地獄と言っても大袈裟ではないかも知れない。
あるいはこれも、邪神の仕業だろうか。
「でもグレイグさまが…見てる」
見てない。というか見たくもない、とグレイグは思った。
「グレイグはいないものと思っていいと思うわよ」
シルビアの、フォローしているのかいないのかもわからない言葉に甘えてグレイグはその場を後にすることにした。
今日は酒飲んでさっさと寝よう、と心に決めながら。
「俺は…泣いてなどいない」
【後日談】
「姫様、ロウ様。ポッキーという菓子をご存知ですか」
「もちろん知っておるぞ。昔はユグノアに工場もあったくらいじゃ」
「私子どもの頃結構好きだったなぁあれ。今じゃすっかり希少になって…っていうかグレイグ知らないの?」
「どんな幼少生活を送ってきたんじゃ…察するに余りある」
なんか同情された。
という夢を見た。
とかだったら良かったのになぁとグレイグは思った。
「ポッキーよポッキー。しらないのぉ?やだグレイグったらほんとおじさんねぇ」
「貴様俺とそう年齢が変わらなかったはずだが?というか…」
そう言ってグレイグは、赤い箱に目をやる。
「ちょっといいお酒買ったらおまけでくれたのよ。それはいいけど、中々世界観無視してるわよね」
「うむ…」
頷くグレイグに、シルビアはポッキーの小袋を差し出す。
「おいしいわよ。お一つどうぞ」
「すまんな」
いい年した男が二人並んで可愛らしい菓子を頬張るのもどうかと彼は思ったが、正直ポッキーはうまかった。
「…さて、そろそろかしら」
意味深なことをシルビアは言う。
何かとグレイグが聞き返そうとするより先に、その『そろそろ』が起きた。
「シルビアさーん!何かいいものくれるって!」
「あらエルザちゃんいらっしゃい。待ってたのよ」
自分に対するそれよりずっと愛想よくシルビアはエルザに対応する。声など作りすぎて気持ちが悪いくらいだ。…とはいえ、今更しかも男にこんな声音で話しかけられても正直困るが。
そんなことを思いながらグレイグは事の成り行きを見守る。
「ごめんね!やっと仕事おわったの!それでなんの…ってわあポッキー!!」
「やーん!エルザちゃんもうお目々キラキラじゃなぁい!!かわいい!かわいすぎるわ!!」
どうやらポッキーなる面妖な菓子の存在を知らないのはグレイグだけだったらしい。おかしい、何かがおかしい、菓子だけに。我ながら吐き気がするほどつまらなかった。
「すごいね、シルビアさん。どこで手に入れたの?っていうか貰ってもいいの!?」
「んー、買い物のおまけなんだけどね。もちろんあげるわよ、そのために呼んだんだから…ただし」
シルビアは優雅な手つきでポッキーを一本手に取ると、チョコのついてない方の端をそのまま咥える。
「ここから取って」
「えっ」
「もちろんエルザちゃんのかわいい口でね」
俺は何を見せられているんだ。とグレイグは内心で頭を抱える。偶然居合わせた罰としてはあまりにもしんどい光景だ。地獄と言っても大袈裟ではないかも知れない。
あるいはこれも、邪神の仕業だろうか。
「でもグレイグさまが…見てる」
見てない。というか見たくもない、とグレイグは思った。
「グレイグはいないものと思っていいと思うわよ」
シルビアの、フォローしているのかいないのかもわからない言葉に甘えてグレイグはその場を後にすることにした。
今日は酒飲んでさっさと寝よう、と心に決めながら。
「俺は…泣いてなどいない」
【後日談】
「姫様、ロウ様。ポッキーという菓子をご存知ですか」
「もちろん知っておるぞ。昔はユグノアに工場もあったくらいじゃ」
「私子どもの頃結構好きだったなぁあれ。今じゃすっかり希少になって…っていうかグレイグ知らないの?」
「どんな幼少生活を送ってきたんじゃ…察するに余りある」
なんか同情された。
という夢を見た。
とかだったら良かったのになぁとグレイグは思った。
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