DQ11
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反射的に逃げようともがいた手は、空気をかくに留まった。
お腹の圧迫感、背中のぬくもり。
自覚をすると、一気に力が抜けてゆく。抵抗は飽くまでも反射的だった証拠のようなもの。
「エルザちゃん!うふふ、捕まえたわ!」
いとも容易く私を捕獲したシルビアさんはご機嫌そのもの。
酔ってるのかこの人と毎回一瞬思うけれど、大抵素面だし今回も例外ではない。
つまりシルビアさんは素面で酔ったような言動ができるのである。
「捕まっちゃった」
わざとと書いてわざとと読むくらいわざとらしく唇を尖らせてみる。
こういう傍から見るとドン引きするような言動をよくするようになったなぁとかすかに羞恥心を覚えた。
「ね、エルザちゃん」
ん、とごく近いシルビアさんを見上げる。
「今日のアタシ、ちょっと違うの。わかる?」
その一言に早くも蕩けかかっていた脳が覚醒する。女子たるもの、推しの変化には敏感であれ。
というか女友だち同士だと前髪の長さの変化にも気づけないと割と非難の対象になったりする。
幸い勇者パーティーの女性陣はあまり気にしないけど。
ただし、それはこのおネエ様以外の話。
「んー、今日は」
髪型はいつもと変わらないあの特徴的なシルビアンヘアー(かっこいい)
服装が前衛的なのもいつものことだ(慣れは必要だった)
ここで後ろから抱かれるこの体制だとわかりようがないので、シルビアさんに頼んで身体を反転させる。
顔を近づける。
「やだ、照れちゃう」
「黙って。集中できない」
メイク。アイシャドウあたりは少し怪しい。色がいつもより少し濃い気がする。保留。
マスカラを変えたとか言われたらどうしよう。わかりようがないぞ。
…全部が疑わしくなってきて、でもそれ以上にシルビアさんの顔がやっぱり美しすぎて見惚れてしまう。
ああもう。煩悩を振り払おうにも、その対象が接近することをある意味強要してきているのだから、なんていうかしんどい。
「ん、あれ?」
新しいアクセサリでも買ったのかなと首元をのぞき込んだことで違和感を持つ。
なんかちょっと違う。シンキングタイム。
においだ。いつもの花のにおいではない。香水だ、と気づく。
上品さは残しつつも、前のより更に甘い。
降って湧いた欲求の赴くまま、顔を埋める。頭に霞がかかって、なんだかうっとりした気分になった。
「エルザちゃんにしては気づくの遅かったわねぇ」
「お恥ずかしい限り」
「そこまでは言ってないわよ」
シルビアさんは優しくツッコミを入れると、腕で軽く拘束をしてくる。
背中をそっと撫でてくる気持ちよさに声が出そうになった。
「どうかしら?エルザちゃんは好き?」
「すごい好き。…前のが似合ってるとは思うけど」
今回のはシルビアさんにしてはちょっと甘ったるすぎた。
前のみたいな、甘さはありつつも華やかな感じのほうがこの人には合っているとは思う。
でもそれは飽くまでも客観的な話であり、彼が選んだものであれば基本的に私は全肯定である。
「あら。じゃあ、今回のは時々にしとくわね」
「そうだね、それがいいよ」
あと…。こんなステキなにおいを振り撒かれたらいよいよ私がどうしょうもなくなる。
すでに思考力は低下。とろとろになって、目を閉じてしまいたくなる。
そんな折、現実に引き戻す言動を突如取ったのはやはりシルビアさんだった。
「…さ、もうすぐ出発の時間よ」
「やだぁ、もうちょっと」
もっとシルビアさんを堪能したくてつい駄々を捏ねる。自ら彼の背中に手を回し、離れたくないアピール。
いつもなら大体これで通るのだけど、今はやはり時間がなかった。
「だぁめ」
今日の香水くらい甘ったるく拒否される。
そのくせひどく満足そうで、それで察した。
「続きは、夜のお楽しみよん」
私、今意地悪されてるんだって。
お腹の圧迫感、背中のぬくもり。
自覚をすると、一気に力が抜けてゆく。抵抗は飽くまでも反射的だった証拠のようなもの。
「エルザちゃん!うふふ、捕まえたわ!」
いとも容易く私を捕獲したシルビアさんはご機嫌そのもの。
酔ってるのかこの人と毎回一瞬思うけれど、大抵素面だし今回も例外ではない。
つまりシルビアさんは素面で酔ったような言動ができるのである。
「捕まっちゃった」
わざとと書いてわざとと読むくらいわざとらしく唇を尖らせてみる。
こういう傍から見るとドン引きするような言動をよくするようになったなぁとかすかに羞恥心を覚えた。
「ね、エルザちゃん」
ん、とごく近いシルビアさんを見上げる。
「今日のアタシ、ちょっと違うの。わかる?」
その一言に早くも蕩けかかっていた脳が覚醒する。女子たるもの、推しの変化には敏感であれ。
というか女友だち同士だと前髪の長さの変化にも気づけないと割と非難の対象になったりする。
幸い勇者パーティーの女性陣はあまり気にしないけど。
ただし、それはこのおネエ様以外の話。
「んー、今日は」
髪型はいつもと変わらないあの特徴的なシルビアンヘアー(かっこいい)
服装が前衛的なのもいつものことだ(慣れは必要だった)
ここで後ろから抱かれるこの体制だとわかりようがないので、シルビアさんに頼んで身体を反転させる。
顔を近づける。
「やだ、照れちゃう」
「黙って。集中できない」
メイク。アイシャドウあたりは少し怪しい。色がいつもより少し濃い気がする。保留。
マスカラを変えたとか言われたらどうしよう。わかりようがないぞ。
…全部が疑わしくなってきて、でもそれ以上にシルビアさんの顔がやっぱり美しすぎて見惚れてしまう。
ああもう。煩悩を振り払おうにも、その対象が接近することをある意味強要してきているのだから、なんていうかしんどい。
「ん、あれ?」
新しいアクセサリでも買ったのかなと首元をのぞき込んだことで違和感を持つ。
なんかちょっと違う。シンキングタイム。
においだ。いつもの花のにおいではない。香水だ、と気づく。
上品さは残しつつも、前のより更に甘い。
降って湧いた欲求の赴くまま、顔を埋める。頭に霞がかかって、なんだかうっとりした気分になった。
「エルザちゃんにしては気づくの遅かったわねぇ」
「お恥ずかしい限り」
「そこまでは言ってないわよ」
シルビアさんは優しくツッコミを入れると、腕で軽く拘束をしてくる。
背中をそっと撫でてくる気持ちよさに声が出そうになった。
「どうかしら?エルザちゃんは好き?」
「すごい好き。…前のが似合ってるとは思うけど」
今回のはシルビアさんにしてはちょっと甘ったるすぎた。
前のみたいな、甘さはありつつも華やかな感じのほうがこの人には合っているとは思う。
でもそれは飽くまでも客観的な話であり、彼が選んだものであれば基本的に私は全肯定である。
「あら。じゃあ、今回のは時々にしとくわね」
「そうだね、それがいいよ」
あと…。こんなステキなにおいを振り撒かれたらいよいよ私がどうしょうもなくなる。
すでに思考力は低下。とろとろになって、目を閉じてしまいたくなる。
そんな折、現実に引き戻す言動を突如取ったのはやはりシルビアさんだった。
「…さ、もうすぐ出発の時間よ」
「やだぁ、もうちょっと」
もっとシルビアさんを堪能したくてつい駄々を捏ねる。自ら彼の背中に手を回し、離れたくないアピール。
いつもなら大体これで通るのだけど、今はやはり時間がなかった。
「だぁめ」
今日の香水くらい甘ったるく拒否される。
そのくせひどく満足そうで、それで察した。
「続きは、夜のお楽しみよん」
私、今意地悪されてるんだって。