プリンシプル
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その日の私の活躍はウルトラC級だったと胸を張れる。雨上がりのナプガーナ密林。
この辺りは天候も不安定で、突然強い雨に降られることがある。
まさに先ほどその被害に遭ったばかりだ。……重なるように二次災害。
ベロニカちゃんが、突如ぬかるみに足を滑らせた。
いち早く気づいたのは隣を歩いていた私。
咄嗟に彼女の手首を掴み、崖から宙に躍っているのを強引に引き戻す。
火事場のバカ力とでも言うのだろうか。
ベロニカちゃんが子どもの体格だったのも幸いし、はたして雑な救出は成功した。
「エルザ!?」
「えっ」
反動で、彼女と入れ替わるように私の眼下は遠かったけれど。
「冗談じゃねえぞ!」
近くにいたカミュくんが、私が先ほどそうしたのと同じように素早く手首を掴んでくれる。
が。ベロニカちゃんの時とは違い、引き戻すということまではできず。
「ああああああ!!!!」
二人して崖下に転がり落ちる。
何気にカミュくんが守ってくれていて、実際怪我なんてしてなくて優しいなと思った。
……いやそうじゃなく。出来事に対し楽天的すぎる頭を叩き起こす。
「ちょっと!二人とも大丈夫!?」
4、5メートルは落ちただろうか。傾斜は傾斜であったため目立った外傷はない。
ただ急ではあったからここから登ることは恐らく不可能だろうけれど。
そんなことを考えながら私は大丈夫と、気が動転気味のベロニカちゃんに返す。
傍らのカミュくんは私の代わりにどこかしら打ちつけてしまったらしい。
痛みに呻きつつも、掠れた声ながらほぼ無傷だと申告してきたので、そのように付け加える。
不幸中の幸いと私が言って良いかわからないが、いずれにしても急を要するほどではないようだ。
逆光で表情はわからなかったけれど、ベロニカちゃんの肩がほっとしたように下りたのは確認できた。
「ねー、そっち登れそうな所ある?」
「うーん、カミュくんはともかく私は難しいかも!」
「そう!じゃあこっちから行くから、ちょっと待ってなさい!」
こういう時は異様に頼りになるお姫様が元気づけてくれる。
「カミュ!エルザはシルビアのなんだから手を出しちゃだめよ!」
「出さねえよ!!!」
結局それが言いたいだけだったか。と空気が弛くなったところで、シルビアさんがパンと手を叩く。
「はいはい、おふざけはここまでよ!カミュちゃん、すぐ行くからエルザちゃんのことをお願いね!」
「……わかったから早く来てくれ」
カミュくんがいつもの調子を取り戻しクールなトーンで返すと、一堂は一旦こちらに背を向ける。
恐らく昇降できる段差などを探しに行ってくれたのだろう。
この辺りは天候も不安定で、突然強い雨に降られることがある。
まさに先ほどその被害に遭ったばかりだ。……重なるように二次災害。
ベロニカちゃんが、突如ぬかるみに足を滑らせた。
いち早く気づいたのは隣を歩いていた私。
咄嗟に彼女の手首を掴み、崖から宙に躍っているのを強引に引き戻す。
火事場のバカ力とでも言うのだろうか。
ベロニカちゃんが子どもの体格だったのも幸いし、はたして雑な救出は成功した。
「エルザ!?」
「えっ」
反動で、彼女と入れ替わるように私の眼下は遠かったけれど。
「冗談じゃねえぞ!」
近くにいたカミュくんが、私が先ほどそうしたのと同じように素早く手首を掴んでくれる。
が。ベロニカちゃんの時とは違い、引き戻すということまではできず。
「ああああああ!!!!」
二人して崖下に転がり落ちる。
何気にカミュくんが守ってくれていて、実際怪我なんてしてなくて優しいなと思った。
……いやそうじゃなく。出来事に対し楽天的すぎる頭を叩き起こす。
「ちょっと!二人とも大丈夫!?」
4、5メートルは落ちただろうか。傾斜は傾斜であったため目立った外傷はない。
ただ急ではあったからここから登ることは恐らく不可能だろうけれど。
そんなことを考えながら私は大丈夫と、気が動転気味のベロニカちゃんに返す。
傍らのカミュくんは私の代わりにどこかしら打ちつけてしまったらしい。
痛みに呻きつつも、掠れた声ながらほぼ無傷だと申告してきたので、そのように付け加える。
不幸中の幸いと私が言って良いかわからないが、いずれにしても急を要するほどではないようだ。
逆光で表情はわからなかったけれど、ベロニカちゃんの肩がほっとしたように下りたのは確認できた。
「ねー、そっち登れそうな所ある?」
「うーん、カミュくんはともかく私は難しいかも!」
「そう!じゃあこっちから行くから、ちょっと待ってなさい!」
こういう時は異様に頼りになるお姫様が元気づけてくれる。
「カミュ!エルザはシルビアのなんだから手を出しちゃだめよ!」
「出さねえよ!!!」
結局それが言いたいだけだったか。と空気が弛くなったところで、シルビアさんがパンと手を叩く。
「はいはい、おふざけはここまでよ!カミュちゃん、すぐ行くからエルザちゃんのことをお願いね!」
「……わかったから早く来てくれ」
カミュくんがいつもの調子を取り戻しクールなトーンで返すと、一堂は一旦こちらに背を向ける。
恐らく昇降できる段差などを探しに行ってくれたのだろう。