DQ11
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あ、これ話題をミスったやつだと確信した。
私としては別に他に主だった感情はなく、ただ好奇心に従っただけの質問だった。
だから剣の手入れの片手間に聞くことができたのだ。
多分これじゃなくて家事をしながらでも、お茶を飲みながらでも、難なら魔物との戦闘中にでも聞けるようなその程度の話題である。
だがしかし、シルビアさんにとってはそうでもなかったようだ。
「そういえば、シルビアさんって結局ハンサムを抱いたの?」
「あの……エルザちゃん?一体何を」
ものすごく怪訝そうなニュアンス。口角こそ上がっているが、普段のようなドヤ感はない。
それが少し不思議だったけどまあそんなこともあるよね、と気にしないことにする。
それより、目の前の剣。磨き上げたそれを掲げ、具合を見る。よしよしもう少しだ。と作業を再開する。
「だって私が言うのも難だけど、あの人めちゃくちゃシルビアさんにご執心だよ。
抱かれでもしなきゃああはならないんじゃないかって思ってさー」
シルビアさんは浮気するタイプではないと確信しているからこそ聞ける話である。
仮に彼とハンサムの間に何かあったとしても、私と付き合う前の話だ。
嫉妬しないとまで言えば嘘になるが、…かといってどんな答えがきても咎める気も理由もなかった。
どこまでもただの好奇心である。
「かるーい元カレの話のノリだよー。言っちゃいなよーシルビアさん。私怒らないよ」
そのタイミングでもう一度剣を掲げる。
我ながら丁寧に磨き上げたその刀身は、窓から差し込む午後の光を反射してきらりと輝いた。
我ながら大満足の仕上がりについうっとりと微笑みながら眺めてしまう。
「あ、あのね、エルザちゃん」
「なあに?」
「自覚ある?まるで説得力がないわよ」
シルビアさんは時々わけがわからないが、今回は意味がわからない。
いつもみたいにきれいに微笑むわけでもなく、ただ困っている。
その意図が本当に汲み取れず、首を傾げた。
やっぱり聞かれたくないことだったかな、と思いながら剣を鞘に納め、自分の荷物を固めている辺りに立てかける。
元の位置に座って、もう一度様子を確認。
杖もきれいにしたし、これで次の戦いの準備は万端である。
「…エルザちゃんって時々怖いわ」
「なんで!?私なんか変なことした?」
「色々とね…」
と、シルビアさんは悩ましげなため息一つ。
なんだか申し訳なくなって、ごめんと短く謝る。
「謝らないで。その…こちらが勝手に危機を感じただけだから」
「きき?」
「ああ!って言っても、別にあなたに後ろめたいことはしてないのよ、本当に」
そう言いながらシルビアさんはこちらによって来る。
すとんと私の隣に腰を下ろし、髪の毛を優しく撫でてくれた。
「くすぐったいよ」
言葉のままのその感覚に、つい身をよじりかける。
「あら。だったらこうしようかしらん」
シルビアさんはそれを許さず、私を抱き寄せた。
柔らかい物腰と言葉遣いに相反するような、がっしりとしたおネエさまの身体。
突然の密着度に、いつもながらどきどきする。
「ね。アタシ、何かエルザちゃんが不安になることしたかしら?ならぜひ教えてほしいのだけど…」
珍しく察しが悪いらしい。
なんか斜め上の質問。
いつもなんだかんだで自信たっぷりの彼らしくない弱々しさをはらんでいるような、そんな感じがした。
私は微笑んだまま、首を振る。
「逆だよ、シルビアさん。あなたといるから安心しきっちゃう」
目が合う。することないのに、困惑の色。
「ごめんね、変なこと聞いて。困らせるつもりはなかったの、ほんと」
少し背伸びをする。こちらは察してくれたのか、シルビアさんの腕の力が緩む。
そのまま乗り出して、彼の唇を奪ってしまう。
「…許してにゃん」
以前なんかの本でそういう言い方をしたらカレシは喜ぶものだと見た気がするので、なんとなく上目遣いで真似してみる。
大して可愛くもないと自分でも思ったが、それでもシルビアさんの目は驚きで一瞬大きくなり――すぐ細くなった。
「他はともかくそれはダメね」
「えっ」
「中途半端なのよ。個人的に許せないわ」
あれ?
後頭部を掴まれる。逃げられない。
非常に辛辣に言いきったシルビアさんは、そのままキスしてくる。
ほとんど無理矢理だった。
「猫エルザちゃんってところかしら、あえて言えば。これからきっちり仕込んであげるわね」
あ、結構真面目に怒ってる。
形のいい眉を吊り上げるが、口もとは笑んでいる。しかし声は作られず、低い。
「ちょっと…沸点謎すぎない?」
これから成される恐怖に、笑顔で怯えながら声をあげる。シルビアさんはわずかに声色を和らげた。
「安心しきってるとまでいわれて腹立つわけないでしょ。でもそれとこれとは話は別なの」
「納得です。許してにゃんとかもう言いません許してください」
「あら、言ってもいいのよ。かわいく言えるように、たっぷり指導したあとにね」
私としては別に他に主だった感情はなく、ただ好奇心に従っただけの質問だった。
だから剣の手入れの片手間に聞くことができたのだ。
多分これじゃなくて家事をしながらでも、お茶を飲みながらでも、難なら魔物との戦闘中にでも聞けるようなその程度の話題である。
だがしかし、シルビアさんにとってはそうでもなかったようだ。
「そういえば、シルビアさんって結局ハンサムを抱いたの?」
「あの……エルザちゃん?一体何を」
ものすごく怪訝そうなニュアンス。口角こそ上がっているが、普段のようなドヤ感はない。
それが少し不思議だったけどまあそんなこともあるよね、と気にしないことにする。
それより、目の前の剣。磨き上げたそれを掲げ、具合を見る。よしよしもう少しだ。と作業を再開する。
「だって私が言うのも難だけど、あの人めちゃくちゃシルビアさんにご執心だよ。
抱かれでもしなきゃああはならないんじゃないかって思ってさー」
シルビアさんは浮気するタイプではないと確信しているからこそ聞ける話である。
仮に彼とハンサムの間に何かあったとしても、私と付き合う前の話だ。
嫉妬しないとまで言えば嘘になるが、…かといってどんな答えがきても咎める気も理由もなかった。
どこまでもただの好奇心である。
「かるーい元カレの話のノリだよー。言っちゃいなよーシルビアさん。私怒らないよ」
そのタイミングでもう一度剣を掲げる。
我ながら丁寧に磨き上げたその刀身は、窓から差し込む午後の光を反射してきらりと輝いた。
我ながら大満足の仕上がりについうっとりと微笑みながら眺めてしまう。
「あ、あのね、エルザちゃん」
「なあに?」
「自覚ある?まるで説得力がないわよ」
シルビアさんは時々わけがわからないが、今回は意味がわからない。
いつもみたいにきれいに微笑むわけでもなく、ただ困っている。
その意図が本当に汲み取れず、首を傾げた。
やっぱり聞かれたくないことだったかな、と思いながら剣を鞘に納め、自分の荷物を固めている辺りに立てかける。
元の位置に座って、もう一度様子を確認。
杖もきれいにしたし、これで次の戦いの準備は万端である。
「…エルザちゃんって時々怖いわ」
「なんで!?私なんか変なことした?」
「色々とね…」
と、シルビアさんは悩ましげなため息一つ。
なんだか申し訳なくなって、ごめんと短く謝る。
「謝らないで。その…こちらが勝手に危機を感じただけだから」
「きき?」
「ああ!って言っても、別にあなたに後ろめたいことはしてないのよ、本当に」
そう言いながらシルビアさんはこちらによって来る。
すとんと私の隣に腰を下ろし、髪の毛を優しく撫でてくれた。
「くすぐったいよ」
言葉のままのその感覚に、つい身をよじりかける。
「あら。だったらこうしようかしらん」
シルビアさんはそれを許さず、私を抱き寄せた。
柔らかい物腰と言葉遣いに相反するような、がっしりとしたおネエさまの身体。
突然の密着度に、いつもながらどきどきする。
「ね。アタシ、何かエルザちゃんが不安になることしたかしら?ならぜひ教えてほしいのだけど…」
珍しく察しが悪いらしい。
なんか斜め上の質問。
いつもなんだかんだで自信たっぷりの彼らしくない弱々しさをはらんでいるような、そんな感じがした。
私は微笑んだまま、首を振る。
「逆だよ、シルビアさん。あなたといるから安心しきっちゃう」
目が合う。することないのに、困惑の色。
「ごめんね、変なこと聞いて。困らせるつもりはなかったの、ほんと」
少し背伸びをする。こちらは察してくれたのか、シルビアさんの腕の力が緩む。
そのまま乗り出して、彼の唇を奪ってしまう。
「…許してにゃん」
以前なんかの本でそういう言い方をしたらカレシは喜ぶものだと見た気がするので、なんとなく上目遣いで真似してみる。
大して可愛くもないと自分でも思ったが、それでもシルビアさんの目は驚きで一瞬大きくなり――すぐ細くなった。
「他はともかくそれはダメね」
「えっ」
「中途半端なのよ。個人的に許せないわ」
あれ?
後頭部を掴まれる。逃げられない。
非常に辛辣に言いきったシルビアさんは、そのままキスしてくる。
ほとんど無理矢理だった。
「猫エルザちゃんってところかしら、あえて言えば。これからきっちり仕込んであげるわね」
あ、結構真面目に怒ってる。
形のいい眉を吊り上げるが、口もとは笑んでいる。しかし声は作られず、低い。
「ちょっと…沸点謎すぎない?」
これから成される恐怖に、笑顔で怯えながら声をあげる。シルビアさんはわずかに声色を和らげた。
「安心しきってるとまでいわれて腹立つわけないでしょ。でもそれとこれとは話は別なの」
「納得です。許してにゃんとかもう言いません許してください」
「あら、言ってもいいのよ。かわいく言えるように、たっぷり指導したあとにね」