DQ11
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「アタシね、エルザちゃんを泣かせたいの」
「ちょっと待っててシルビアさん。
申し訳ないけど私じゃツッコミきれないから、ベロニカちゃんかグレイグさま呼んでくる」
「やだわエルザちゃん。アタシ、別にボケてるんじゃなくてよ」
普段きらきらした目で夢を語るのと同じ口から出た言動だと思えなかった。
が、すぐに誤解だと知る。
「あ、泣かせるって言っても、悲しませたいって意味じゃないわ。そんなの論外よ。
…ほら!色々あるじゃない。笑い泣きとか、感涙にむせぶとか!」
「エモいってやつですか」
「…なにそれ」
「前カミュくんが言ってたけど、えーっと、正直よくわかんない」
「最近の若者言葉かしらね。自分のついていけなさに泣きそうよ」
眉間を抑え、ゆっくりと首を振るシルビアさんにそうですねと同調する。
最近の流行語は複雑化する上に廃るのが早く、本当についていけない。
いや私若いけど。若いけど。
「…と、そんなことはどうでも良いの。
とにかくアタシは、エルザちゃんが美しく涙を流すところを見たくて仕方ないわ!」
「え、うん…」
ただこれはこれで何かがおかしかった。
私はシルビアさんが好きだ。
愛していると言っても一切過言ではない。
むしろ言葉が足りない。
とはいえ、たまに彼のテンションについていけない時がある。
そこも含めて好きなのは間違いないが、それでもその全てに対応できるかとなると話は全く別だ。
というか、彼に100パーセントついていける人間など存在するのだろうか。
…いたわ。勇者様とか。
「どうしちゃったの?生返事だし、ぼーっとしてるし」
「いや、シルビアさんって面白いねって」
「この流れでその発想になるエルザちゃんも、とっても面白いわよ」
皮肉を言ったら嫌味で返された。
「とにかく…、ね?」
向かいあい、顎のラインをくすぐるように撫でられる。
心地よさに目を細めると、額にキスを落とされた。
そんなくらい至近距離で、優しく優しく…、シルビアさんは微笑む。
「正直言うと、エルザちゃんが欲しいの、とても、それこそ仕方ないくらいに。
…おかしいでしょう?イレブンちゃんには偉そうにクギ刺しといてこんな気持ちに」
「シルビアさんっ」
言葉を遮った。
でも続く気の利いた語彙が見つからない。
ただ、首を横に振るしかない。
一瞬悲しそうに目を逸らすシルビアさんを見てしまい、私は更に首を強く振った。
「わたし、好き。…シルビアさん」
多分野生児でももう少しまともに文章を構成できると思う。
幼稚かつあまりにもひどいという自覚が生まれたのは、それらを発してしまったあとだ。
やってしまった。
これは完全にやってしまった。
恐る恐る、といった風体でシルビアさんを見上げると、
彼は一瞬ぽかんとした顔をしていたが、しかし困ったように笑う。
「そっか、なるほど。わかったわ」
「シルビア、さん?」
シルビアさんは(私が)蕩けそうになるほど甘く微笑む。
王子様スマイルとか生やさしいものじゃない。
頼むから他の人の前では見せないでほしいと懇願したくなるレベルの、魅力的で妖艶なものだった。
「アタシ、もっと色んなエルザちゃんが見たいのね。今のエルザちゃんも、とってもかわいかった」
「ええ?恥ずかしいんだけど…」
「うふふ。むしろそういうやつよ。プロデューサーっていうのも、悪くないわね」
どこまで本気かわからないが、シルビアさんはいつもこんなだ。
「笑顔が一番ステキだとは思うけど、それはまた別腹よ」
こうしてごく簡単に唇を奪われた。
時が止まったような。
長い、長い時間のような気がしたが、実際はそんなでもなかっただろう。
いやむしろシルビアさんが離れてから、それはごく一瞬の出来事だったとすら感じる。
その妙なギャップに混乱して、つい眉間にしわが寄る。
「物足りなかったの?そんな顔して」
「ちが…!、ん」
二度目も、それはもう容易く奪われた。
生々しい感触も、音も、今度はひどくリアルだ。ちゅう、と何度も唇を吸われる。
いっそこのまま食べられてしまいたい、と言う発想は、この場合おかしいだろうか。
目を閉じたままシルビアさんの手を探る。
見つけ次第ぎゅっと握ると一度振りほどかれ、しかしすぐに絡め取られた。
「やん、エルザちゃんったらかわいすぎ」
シルビアさんの呼気が少し荒くなっている。
興奮しているのだろうか…私で。
「やだ、見ないで…恥ずかしい」
シルビアさんの熱を帯びた目と、ゼロ距離に限りなく近い密着度と、
先ほどの変態的な思考のせいで、目の前の彼をまともに見ることができない。
目をそらす。
「ダメよ、よそ見しないで」
「だって…」
「だってもないの。次そんなことしたら…そうね、動けないよう縛っちゃおうかしら」
「え!?」
「冗談よ。エルザちゃんったら緊張してるから。本当にかわいいわね」
シルビアさんはくすくすと笑う。
こんな時に冗談が言えるの本当にすごい。
雰囲気も何もなくつられて笑いそうになる私の耳元で、しかし彼は囁いた。
「それはまた今度に、ね?」
疑問符をいくつ貼り付けても今度は言葉にならなかった。
本当にこの人どこまで本気なんだろう。
質問するより先にシルビアさんは続ける。
「そろそろ、ベッドに行きましょうか。…離れられなくしてあげる」
「ちょっと待っててシルビアさん。
申し訳ないけど私じゃツッコミきれないから、ベロニカちゃんかグレイグさま呼んでくる」
「やだわエルザちゃん。アタシ、別にボケてるんじゃなくてよ」
普段きらきらした目で夢を語るのと同じ口から出た言動だと思えなかった。
が、すぐに誤解だと知る。
「あ、泣かせるって言っても、悲しませたいって意味じゃないわ。そんなの論外よ。
…ほら!色々あるじゃない。笑い泣きとか、感涙にむせぶとか!」
「エモいってやつですか」
「…なにそれ」
「前カミュくんが言ってたけど、えーっと、正直よくわかんない」
「最近の若者言葉かしらね。自分のついていけなさに泣きそうよ」
眉間を抑え、ゆっくりと首を振るシルビアさんにそうですねと同調する。
最近の流行語は複雑化する上に廃るのが早く、本当についていけない。
いや私若いけど。若いけど。
「…と、そんなことはどうでも良いの。
とにかくアタシは、エルザちゃんが美しく涙を流すところを見たくて仕方ないわ!」
「え、うん…」
ただこれはこれで何かがおかしかった。
私はシルビアさんが好きだ。
愛していると言っても一切過言ではない。
むしろ言葉が足りない。
とはいえ、たまに彼のテンションについていけない時がある。
そこも含めて好きなのは間違いないが、それでもその全てに対応できるかとなると話は全く別だ。
というか、彼に100パーセントついていける人間など存在するのだろうか。
…いたわ。勇者様とか。
「どうしちゃったの?生返事だし、ぼーっとしてるし」
「いや、シルビアさんって面白いねって」
「この流れでその発想になるエルザちゃんも、とっても面白いわよ」
皮肉を言ったら嫌味で返された。
「とにかく…、ね?」
向かいあい、顎のラインをくすぐるように撫でられる。
心地よさに目を細めると、額にキスを落とされた。
そんなくらい至近距離で、優しく優しく…、シルビアさんは微笑む。
「正直言うと、エルザちゃんが欲しいの、とても、それこそ仕方ないくらいに。
…おかしいでしょう?イレブンちゃんには偉そうにクギ刺しといてこんな気持ちに」
「シルビアさんっ」
言葉を遮った。
でも続く気の利いた語彙が見つからない。
ただ、首を横に振るしかない。
一瞬悲しそうに目を逸らすシルビアさんを見てしまい、私は更に首を強く振った。
「わたし、好き。…シルビアさん」
多分野生児でももう少しまともに文章を構成できると思う。
幼稚かつあまりにもひどいという自覚が生まれたのは、それらを発してしまったあとだ。
やってしまった。
これは完全にやってしまった。
恐る恐る、といった風体でシルビアさんを見上げると、
彼は一瞬ぽかんとした顔をしていたが、しかし困ったように笑う。
「そっか、なるほど。わかったわ」
「シルビア、さん?」
シルビアさんは(私が)蕩けそうになるほど甘く微笑む。
王子様スマイルとか生やさしいものじゃない。
頼むから他の人の前では見せないでほしいと懇願したくなるレベルの、魅力的で妖艶なものだった。
「アタシ、もっと色んなエルザちゃんが見たいのね。今のエルザちゃんも、とってもかわいかった」
「ええ?恥ずかしいんだけど…」
「うふふ。むしろそういうやつよ。プロデューサーっていうのも、悪くないわね」
どこまで本気かわからないが、シルビアさんはいつもこんなだ。
「笑顔が一番ステキだとは思うけど、それはまた別腹よ」
こうしてごく簡単に唇を奪われた。
時が止まったような。
長い、長い時間のような気がしたが、実際はそんなでもなかっただろう。
いやむしろシルビアさんが離れてから、それはごく一瞬の出来事だったとすら感じる。
その妙なギャップに混乱して、つい眉間にしわが寄る。
「物足りなかったの?そんな顔して」
「ちが…!、ん」
二度目も、それはもう容易く奪われた。
生々しい感触も、音も、今度はひどくリアルだ。ちゅう、と何度も唇を吸われる。
いっそこのまま食べられてしまいたい、と言う発想は、この場合おかしいだろうか。
目を閉じたままシルビアさんの手を探る。
見つけ次第ぎゅっと握ると一度振りほどかれ、しかしすぐに絡め取られた。
「やん、エルザちゃんったらかわいすぎ」
シルビアさんの呼気が少し荒くなっている。
興奮しているのだろうか…私で。
「やだ、見ないで…恥ずかしい」
シルビアさんの熱を帯びた目と、ゼロ距離に限りなく近い密着度と、
先ほどの変態的な思考のせいで、目の前の彼をまともに見ることができない。
目をそらす。
「ダメよ、よそ見しないで」
「だって…」
「だってもないの。次そんなことしたら…そうね、動けないよう縛っちゃおうかしら」
「え!?」
「冗談よ。エルザちゃんったら緊張してるから。本当にかわいいわね」
シルビアさんはくすくすと笑う。
こんな時に冗談が言えるの本当にすごい。
雰囲気も何もなくつられて笑いそうになる私の耳元で、しかし彼は囁いた。
「それはまた今度に、ね?」
疑問符をいくつ貼り付けても今度は言葉にならなかった。
本当にこの人どこまで本気なんだろう。
質問するより先にシルビアさんは続ける。
「そろそろ、ベッドに行きましょうか。…離れられなくしてあげる」