DQ11
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奪われるという感覚に不快なものが伴わない場合があるということを、
この年齢までついぞ知ることはなかった。
シルビアさんとのキスはいつからかそんな感じのものばかりになっていた。
もちろん時と場合と場所こそ弁えるが。
しかしそれ以外はいつも不意に、急に、強引に、まさしく奪われる。
今日もそんな感じだった。
何かの折に、くいと顎をあげられて、そのまま。
ちっ、と粘着質な音が僅かに耳を刺激する。
「エルザちゃん…今日は別のこと考えてる」
「わかるの」
「わかるわよ。心ここにあらずって感じだもの」
はぁ、と若干悩ましげにシルビアさんはため息をつく。
「残念だわ。エルザちゃんのお目々がとろっとするの見るの好きなのに」
「え、そんな理由で?」
「どうしたの?」
「いや…ちょうど、なんでいつも急に、その…するのかなって。考えてて」
「あらやだ」
打って変わってシルビアさんの声が上機嫌になる。
「アタシ、もう少しで自分にやきもち焼いちゃうところだったのね」
その言葉の意味を理解しきる前に、再び奪われる。
ボキャブラリーが驚くほどかわいらしいのに、それはひどく性的な感じがする。
かと言っていやらしさはなくて、丁寧で、お菓子のように甘い。
自分自身が綿菓子で、ほわんと膨れるような感覚を覚えると、その心地よさに目が細くなる。
「…私ね、最近シルビアさん以外のことを考えてる方が少ないかも」
雰囲気に酔うに任せてうっかりわざとそんな本音を漏らす。
「それはさすがにどうかと思うわよ」
呆れたのかそのシルビアさんからツッコミが入るが、棘はない。
「またまた。ほんとは嬉しいんでしょ?」
ちょっとだけいじわるに詰め、身を乗りだす。
ある意味、彼が私に惚れてくれているんだという自惚れに近い自信がなければできない言動である。
「そうね」
そして思いの外素直にシルビアさんは認める。
本心なんておくびにも出さないその様は物足りないまでに不変で、過剰なまでに美しかった。
照れるシルビアさんって見てみたかったけれども、どうやらこのぶんでは無理そうである。
「エルザちゃんのことこんなに虜にしちゃって。いくらアタシがステキだからって、申し訳ないくらいだわ」
それどころか、少しも悪びれていない。
むしろ冗談めかしつつも満足そうに柔らかく目を細める。
それにすら鋭く射抜かれる私は、きっともう末期なのだろう。
「怒ってないけど、そう思うなら責任とってほしい…」
なんとなくむず痒くなるものを感じて、シルビアさんから思わず目をそらした。
でもそれはなんか違う気がして、でも恥ずかしくて、ゆっくりと視線だけ戻しながら、付け足す。
消え入りそうなか弱い声しか出なかったけれど。
「なんつって…」
無理にでも冗談にしなければあまりに調子に乗った発言になってしまたったという自己認識だった。
そういう思いだったのに、ちっともシルビアさんは意に介さなかった。
顎に添えてくる手。唇。目線。
その時の彼のすべてがえっちだった。いやらしさは感じないのに。
こうしてまた私は唇を奪われる。
「うふふ。仰せのままに、お姫さま」
この年齢までついぞ知ることはなかった。
シルビアさんとのキスはいつからかそんな感じのものばかりになっていた。
もちろん時と場合と場所こそ弁えるが。
しかしそれ以外はいつも不意に、急に、強引に、まさしく奪われる。
今日もそんな感じだった。
何かの折に、くいと顎をあげられて、そのまま。
ちっ、と粘着質な音が僅かに耳を刺激する。
「エルザちゃん…今日は別のこと考えてる」
「わかるの」
「わかるわよ。心ここにあらずって感じだもの」
はぁ、と若干悩ましげにシルビアさんはため息をつく。
「残念だわ。エルザちゃんのお目々がとろっとするの見るの好きなのに」
「え、そんな理由で?」
「どうしたの?」
「いや…ちょうど、なんでいつも急に、その…するのかなって。考えてて」
「あらやだ」
打って変わってシルビアさんの声が上機嫌になる。
「アタシ、もう少しで自分にやきもち焼いちゃうところだったのね」
その言葉の意味を理解しきる前に、再び奪われる。
ボキャブラリーが驚くほどかわいらしいのに、それはひどく性的な感じがする。
かと言っていやらしさはなくて、丁寧で、お菓子のように甘い。
自分自身が綿菓子で、ほわんと膨れるような感覚を覚えると、その心地よさに目が細くなる。
「…私ね、最近シルビアさん以外のことを考えてる方が少ないかも」
雰囲気に酔うに任せてうっかりわざとそんな本音を漏らす。
「それはさすがにどうかと思うわよ」
呆れたのかそのシルビアさんからツッコミが入るが、棘はない。
「またまた。ほんとは嬉しいんでしょ?」
ちょっとだけいじわるに詰め、身を乗りだす。
ある意味、彼が私に惚れてくれているんだという自惚れに近い自信がなければできない言動である。
「そうね」
そして思いの外素直にシルビアさんは認める。
本心なんておくびにも出さないその様は物足りないまでに不変で、過剰なまでに美しかった。
照れるシルビアさんって見てみたかったけれども、どうやらこのぶんでは無理そうである。
「エルザちゃんのことこんなに虜にしちゃって。いくらアタシがステキだからって、申し訳ないくらいだわ」
それどころか、少しも悪びれていない。
むしろ冗談めかしつつも満足そうに柔らかく目を細める。
それにすら鋭く射抜かれる私は、きっともう末期なのだろう。
「怒ってないけど、そう思うなら責任とってほしい…」
なんとなくむず痒くなるものを感じて、シルビアさんから思わず目をそらした。
でもそれはなんか違う気がして、でも恥ずかしくて、ゆっくりと視線だけ戻しながら、付け足す。
消え入りそうなか弱い声しか出なかったけれど。
「なんつって…」
無理にでも冗談にしなければあまりに調子に乗った発言になってしまたったという自己認識だった。
そういう思いだったのに、ちっともシルビアさんは意に介さなかった。
顎に添えてくる手。唇。目線。
その時の彼のすべてがえっちだった。いやらしさは感じないのに。
こうしてまた私は唇を奪われる。
「うふふ。仰せのままに、お姫さま」