DQ11
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「ねえ聞いてエルザちゃん」
「邪魔しないでくださいますか」
ご機嫌な様子で後ろから抱きついてくるシルビアさんは、絶対酔っ払っていた。
きっとどこかでよろしくやっていたのだろう。
それは別にいいのだ。
ちょっと羨ましいくらいで。
私は今事務仕事中であり、まさにこの人からの依頼に関する書類をまとめている真っ最中。
タイプライターなんて良い物は持っていないので、もちろん全部手書きだ。
当然誤字などのミスは許されない。
…にも関わらず、ご機嫌なおネエ様はさっきからずっと邪魔をしてくる。
本人はかわいい彼女みたいに甘えているつもりらしいが、邪魔なことには変わりない。
シルビアさんはかなりの長身なので余計にそう感じる。
「いいじゃないのよん。むしろお客命令で後にしてほしいくらいだわぁ」
「請求額うっかりゼロ2つくらい足しても良いですか」
「だめよアナタこれは仕事よ。うっかりミスなんて、世間じゃ通用しないわよ」
「うわまじめー」
とは言うものの、控え目に言って言ってることが滅茶苦茶である。
本人に自覚は恐らくない。
「そりゃあこのゴリアテ、真面目が本分ですもの」
「シルビアさん本名、本名」
「アラヤダ」
やっちゃった。と言わんばかりに舌を出す。
かわいいかかわいくないかで言えば、前者。
しかしそれは別腹とありがたく享受するにしても、ちょっとばかりうざい。
そもそもこの方、微妙にそのへんの意識が緩めだ。
世の中には自分のダッセー名前を隠すことに命すら賭した少女がいるらしいのに、
むしろそれすら大した問題でないとすらいうように、堂々と振る舞う。
なんというか自分がある人がなんだよなぁ、羨ましいくらいに。
「話は戻るけど聞いてよぉエルザちゃん」
「仕事終わってからじゃだめ?」
「だぁめ」
イケメン彼氏に言われてみたい系の甘いトーンで拒否される。
加えてそもそもがイケメンなので非常にあざとい。
そして彼はおとめなので、女がどうしたらか萌えるかなんてことは熟知しているらしく、
要は更に割り増しであざとい。
「あら?お顔が真っ赤よ、どうしたの?」
「わかってるくせに」
「わかんないわぁ、全然わかんない」
ぎゅうっと抱きしめる腕に力を込められる。
普段ならこの圧迫感がとっても幸せなのだが、今はむしろ仕事ができなくなる危機を感じる。
なぜか。
このままだとシルビアさんのデザートになりかねないからだ。
どう考えてもべた惚れしているのは私の方なのもあって、求められること自体に悪い気はしない。
しかし今は仕事がある。
さすがに今優先すべきものくらいはわかっているつもりだ。
そのはずなのだが、悪ノリするタイプの酔っ払いにそんな分別は期待できない。
…シラフのシルビアさんなら絶対我慢してくれるんだけどなあ。
「ねえ…なんでなの?」
酒臭い、ということがわかるくらいに近い距離だ。
シルビアさんの吐息が耳にかかって肌が粟立つ。
やばい。
意識しすぎるとか以前に、どうしよう普通に流されてしまいたい。
でも仕事。
危機感が跳ね上がる。
錯乱した頭で考えをまとめる。
おネエ様と今すぐチュッチュしたいです!
違う違う!仕事!
「わかった!聞きたい!聞かせて!!」
今にもパンクしそうな思考回路で、結局ほとんど悲鳴をあげるように催促した。
効率としては当然落ちるが、シルビアさんの要求を満たせばなんとかなるんじゃないか。
結果的に仕事に戻れたら良いのだから。
「そんなに聞きたいの?しょうがないわねぇ」
「だからあの…一旦離れて」
「離れる?なんで?」
お前は幼女かと言いたくなるようなピュアな目と質問。
いや三十過ぎの戸籍上性別男性を指して言うのも失礼な話だが。
あまりに透き通った態度に、あなたにドキドキしちゃって堪えれないんですぅなんて言えるはずもなく、
ただなんでもないと取り消すしかなかった。
「今日ね、久しぶりに女子会したのよ」
この時点ですでに言いたいことはあったがご時世なので飲みこんだ。
「そうしたら…ふふ。オンナ同士だもの、ちょっぴりエッチな話もするじゃなぁい?」
「角度がえげつない」
「あら、エルザちゃんだってその場にいたらきっと喜んで話に乗ってたわよ」
違うそういう意味で言ったんじゃない。と心の中でツッコんだ。
じゃあどういう意味と彼の腕の中で追求されるのが嫌だったからだ。
くすくすと笑うシルビアさんは、また声も密やかに、しかし楽しそうに話を続ける。
「それでね、みんなの中で誰がエスっぽいかー、とかエムっぽいかーって話になったのよ」
「スパイの話かと思った」
「違うわよ、もうっ。かわいいわね。
…話は戻るけど真っ先にマルティナちゃんはエス認定されてたわ。
面白かったわよ。あのセーニャちゃんすら間髪入れず!」
「グレイグさまへの態度見てれば仕方ないよね」
「ホントよ。それでそのままグレイグはエムだってことになったわ。ほとんど巻き込み事故だけどね」
本当に事故だ、お気の毒に。
女性が集まるとこういうことが起きるのは珍しくない、とはいえ元上司に心で敬礼。
からの合掌。
「次に決まったのはベロニカちゃんとアタシよ。ムチを使うからエスっぽいって」
本当に成人した人間の会話かというレベルの根拠の雑さだがやはり黙っていた。
「雑よねー」
「あ、シルビアさんもそう思ってたの」
「ベロニカちゃんはまあ気も強いしわかるけど、アタシがわからないわ。
こんなにもみんなに優しいのに…なんでかしらね」
シルビアさんがみんなに優しい人間なのは否定する気もない。
自分で言っちゃったってそりゃ充分許されるとは思う。
「エルザちゃんはなんでだと思う?」
「な、なんでだろー。愛のムチとかなんっ…か…っ」
脇腹をつつっと撫でられる。
ぞわっとくすぐったさが走り、思わず根拠を述べる口が回らなくなる。
「うふふ。どうしたの?」
白々しく訊ねてくる。
だからといって、手は止めてくれない。
「やめ…っ…!そういう、んっ」
そういうところがサドだと言われるゆえんなんだ、と言ってやりたかった。
やわやわとした、くすぐりと愛撫の中間みたいな指の動き。
なんとも言えなさすぎる感覚に逃げ出したいのに、それは絶対許されない。
それでもくすぐったい止まりで辛うじて済む感覚に馴れてくると、今度は爪で引っかかれる。
ただし弱く繊細に。
あるいは文字通り爪弾くように。
しかし、さっきよりずっとはっきりとした感覚に、びくびくと震えてしまう。
「おねがい、やめて…」
と彼の顔の方を見ると、待ってましたと言わんばかりにキスで口を塞がれる。
シルビアさんの手はそれでも動いていて、気づけば胸の辺りまで至ろうとしていた。
少しでも逃げようとする素振りを見せると、抱き締められた。
しばらくそうして、それでもやがて離れて、シルビアさんは満足そうに小さく息をつく。
対して私はだいぶ息が荒くなっている。
その様子を見て、シルビアさんは目を細めた。
「…そうやって一通りああでもない、こうでもないとか言ってたんだけど、
どうしてもわからない人が出てきちゃったのよね」
先ほどのことをまるで無視して話を戻す。
どういうことなのか、何がしたかったのかすら理解できないまま、それでも何とかだれ、と切り返す。
「セーニャちゃんよ」
「あー…」
同意をしようとして、声が掠れる。
疲労感がすでに半端ではなかった。
「不思議な子よね。考えれば考えるほど、よくわからなくなっちゃう」
ひょいっと当然のようにお姫様抱っこされ、抗議する間もなくベッドに寝かされる。
「…え?」
シルビアさんがのしかかってくる。
ゆっくりと、私の手を握りながら。
「エルザちゃんはどうかしら?」
くすくすと笑いながら首にキスされる。
私は握られてない方の手をなんとか伸ばし、
珍しくも微妙に乱れたシルビアさんの髪を触ろうとして、しかし諦めた。
仕事の方も、当面諦めるしかない。
「邪魔しないでくださいますか」
ご機嫌な様子で後ろから抱きついてくるシルビアさんは、絶対酔っ払っていた。
きっとどこかでよろしくやっていたのだろう。
それは別にいいのだ。
ちょっと羨ましいくらいで。
私は今事務仕事中であり、まさにこの人からの依頼に関する書類をまとめている真っ最中。
タイプライターなんて良い物は持っていないので、もちろん全部手書きだ。
当然誤字などのミスは許されない。
…にも関わらず、ご機嫌なおネエ様はさっきからずっと邪魔をしてくる。
本人はかわいい彼女みたいに甘えているつもりらしいが、邪魔なことには変わりない。
シルビアさんはかなりの長身なので余計にそう感じる。
「いいじゃないのよん。むしろお客命令で後にしてほしいくらいだわぁ」
「請求額うっかりゼロ2つくらい足しても良いですか」
「だめよアナタこれは仕事よ。うっかりミスなんて、世間じゃ通用しないわよ」
「うわまじめー」
とは言うものの、控え目に言って言ってることが滅茶苦茶である。
本人に自覚は恐らくない。
「そりゃあこのゴリアテ、真面目が本分ですもの」
「シルビアさん本名、本名」
「アラヤダ」
やっちゃった。と言わんばかりに舌を出す。
かわいいかかわいくないかで言えば、前者。
しかしそれは別腹とありがたく享受するにしても、ちょっとばかりうざい。
そもそもこの方、微妙にそのへんの意識が緩めだ。
世の中には自分のダッセー名前を隠すことに命すら賭した少女がいるらしいのに、
むしろそれすら大した問題でないとすらいうように、堂々と振る舞う。
なんというか自分がある人がなんだよなぁ、羨ましいくらいに。
「話は戻るけど聞いてよぉエルザちゃん」
「仕事終わってからじゃだめ?」
「だぁめ」
イケメン彼氏に言われてみたい系の甘いトーンで拒否される。
加えてそもそもがイケメンなので非常にあざとい。
そして彼はおとめなので、女がどうしたらか萌えるかなんてことは熟知しているらしく、
要は更に割り増しであざとい。
「あら?お顔が真っ赤よ、どうしたの?」
「わかってるくせに」
「わかんないわぁ、全然わかんない」
ぎゅうっと抱きしめる腕に力を込められる。
普段ならこの圧迫感がとっても幸せなのだが、今はむしろ仕事ができなくなる危機を感じる。
なぜか。
このままだとシルビアさんのデザートになりかねないからだ。
どう考えてもべた惚れしているのは私の方なのもあって、求められること自体に悪い気はしない。
しかし今は仕事がある。
さすがに今優先すべきものくらいはわかっているつもりだ。
そのはずなのだが、悪ノリするタイプの酔っ払いにそんな分別は期待できない。
…シラフのシルビアさんなら絶対我慢してくれるんだけどなあ。
「ねえ…なんでなの?」
酒臭い、ということがわかるくらいに近い距離だ。
シルビアさんの吐息が耳にかかって肌が粟立つ。
やばい。
意識しすぎるとか以前に、どうしよう普通に流されてしまいたい。
でも仕事。
危機感が跳ね上がる。
錯乱した頭で考えをまとめる。
おネエ様と今すぐチュッチュしたいです!
違う違う!仕事!
「わかった!聞きたい!聞かせて!!」
今にもパンクしそうな思考回路で、結局ほとんど悲鳴をあげるように催促した。
効率としては当然落ちるが、シルビアさんの要求を満たせばなんとかなるんじゃないか。
結果的に仕事に戻れたら良いのだから。
「そんなに聞きたいの?しょうがないわねぇ」
「だからあの…一旦離れて」
「離れる?なんで?」
お前は幼女かと言いたくなるようなピュアな目と質問。
いや三十過ぎの戸籍上性別男性を指して言うのも失礼な話だが。
あまりに透き通った態度に、あなたにドキドキしちゃって堪えれないんですぅなんて言えるはずもなく、
ただなんでもないと取り消すしかなかった。
「今日ね、久しぶりに女子会したのよ」
この時点ですでに言いたいことはあったがご時世なので飲みこんだ。
「そうしたら…ふふ。オンナ同士だもの、ちょっぴりエッチな話もするじゃなぁい?」
「角度がえげつない」
「あら、エルザちゃんだってその場にいたらきっと喜んで話に乗ってたわよ」
違うそういう意味で言ったんじゃない。と心の中でツッコんだ。
じゃあどういう意味と彼の腕の中で追求されるのが嫌だったからだ。
くすくすと笑うシルビアさんは、また声も密やかに、しかし楽しそうに話を続ける。
「それでね、みんなの中で誰がエスっぽいかー、とかエムっぽいかーって話になったのよ」
「スパイの話かと思った」
「違うわよ、もうっ。かわいいわね。
…話は戻るけど真っ先にマルティナちゃんはエス認定されてたわ。
面白かったわよ。あのセーニャちゃんすら間髪入れず!」
「グレイグさまへの態度見てれば仕方ないよね」
「ホントよ。それでそのままグレイグはエムだってことになったわ。ほとんど巻き込み事故だけどね」
本当に事故だ、お気の毒に。
女性が集まるとこういうことが起きるのは珍しくない、とはいえ元上司に心で敬礼。
からの合掌。
「次に決まったのはベロニカちゃんとアタシよ。ムチを使うからエスっぽいって」
本当に成人した人間の会話かというレベルの根拠の雑さだがやはり黙っていた。
「雑よねー」
「あ、シルビアさんもそう思ってたの」
「ベロニカちゃんはまあ気も強いしわかるけど、アタシがわからないわ。
こんなにもみんなに優しいのに…なんでかしらね」
シルビアさんがみんなに優しい人間なのは否定する気もない。
自分で言っちゃったってそりゃ充分許されるとは思う。
「エルザちゃんはなんでだと思う?」
「な、なんでだろー。愛のムチとかなんっ…か…っ」
脇腹をつつっと撫でられる。
ぞわっとくすぐったさが走り、思わず根拠を述べる口が回らなくなる。
「うふふ。どうしたの?」
白々しく訊ねてくる。
だからといって、手は止めてくれない。
「やめ…っ…!そういう、んっ」
そういうところがサドだと言われるゆえんなんだ、と言ってやりたかった。
やわやわとした、くすぐりと愛撫の中間みたいな指の動き。
なんとも言えなさすぎる感覚に逃げ出したいのに、それは絶対許されない。
それでもくすぐったい止まりで辛うじて済む感覚に馴れてくると、今度は爪で引っかかれる。
ただし弱く繊細に。
あるいは文字通り爪弾くように。
しかし、さっきよりずっとはっきりとした感覚に、びくびくと震えてしまう。
「おねがい、やめて…」
と彼の顔の方を見ると、待ってましたと言わんばかりにキスで口を塞がれる。
シルビアさんの手はそれでも動いていて、気づけば胸の辺りまで至ろうとしていた。
少しでも逃げようとする素振りを見せると、抱き締められた。
しばらくそうして、それでもやがて離れて、シルビアさんは満足そうに小さく息をつく。
対して私はだいぶ息が荒くなっている。
その様子を見て、シルビアさんは目を細めた。
「…そうやって一通りああでもない、こうでもないとか言ってたんだけど、
どうしてもわからない人が出てきちゃったのよね」
先ほどのことをまるで無視して話を戻す。
どういうことなのか、何がしたかったのかすら理解できないまま、それでも何とかだれ、と切り返す。
「セーニャちゃんよ」
「あー…」
同意をしようとして、声が掠れる。
疲労感がすでに半端ではなかった。
「不思議な子よね。考えれば考えるほど、よくわからなくなっちゃう」
ひょいっと当然のようにお姫様抱っこされ、抗議する間もなくベッドに寝かされる。
「…え?」
シルビアさんがのしかかってくる。
ゆっくりと、私の手を握りながら。
「エルザちゃんはどうかしら?」
くすくすと笑いながら首にキスされる。
私は握られてない方の手をなんとか伸ばし、
珍しくも微妙に乱れたシルビアさんの髪を触ろうとして、しかし諦めた。
仕事の方も、当面諦めるしかない。