みわくのふえ
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『いや違うんです。
私あなたに魅了されてるんですあなたのツッコミが必要なんです、
ツッコんでください』
…なんて言えれば楽なのだが、そんなことができる勇者などどこにいるというのか。
少なくともシルビアさんがついて行ってるリアル勇者様なら言わなさそうだ。
まず無口だし。
「泣くくらい体調悪かったなら、もっと早く言ってほしかったわ。こうなる前にね」
呆れ顔のシルビアさん。
違うんです。
今日も本来なら私元気いっぱいでした。
あなたの笛の音を聞いてから心(頭)がおかしいのです。
とも言えず、悩ましくため息をつくシルビアさんマジ素敵という煩悩が先行してくる。
そもそも看病されておいてこんなこと思うのもいけないのだが、
私がベッドに横たわり、側にシルビアさんが座っているという状況がよくない。
色々とよくない。
私は彼にとにかく何の返事もできなかった。
背を向け。
掛け布団を頭まで被る。
息苦しい中でようやく、ごめんなさいと言えた。
「わかればいいのよ」
シルビアさんは意地っ張りなことに対する謝罪だと受け取ったらしい。
ふつうはそうだろう。
「いやそうじゃなくて」
「エルザちゃん…!?」
でもそうじゃない。
体調は変ではあるが、根本的に悪いわけではない。
頭は悪いけれど。
とにかく、ただあなたに魅了されてるんですごめんなさいツッコんでください、
と言わなければならない。
そう思い起き上がる。
「わたし…っ」
唐突な展開にちょっと戸惑ったシルビアさんの顔。あ、直視できない。
この感情をどう言えば良いのだろう。
スラッシュを三本くらい並べたら説明できるだろうか。
「なんで顔をそらすの?アタシなんか悪いことしたかしら?」
「しました!」
やばい尊い。
ありもしない罪と、その罪悪感に苛まれるシルビアさんかわいい。
と、変態化していく思考。
恥ずかしくて顔を直視できないのに比例するように。
もう無理だ。
破裂しそうなくらい胸が苦しい。
いくらシルビアさんが好きだ、といっても何かの物語じゃないんだから、
こんな重苦しいまでには想っていなかったはずだ。
でも、みわくのふえの音を聞いて魅了され、今に至る。
その時間はあまりにも長い。
いやでも考えてみればそれも当たり前だ。
私はそもそも、ずっと彼に魅了されていたのだから。
もしかしたらみわくのふえは、
本音を引きずり出したに過ぎないのではないのかと今になって思う。
「私、魅了状態なんです、シルビアさん」
「え?」
涙が零れる。
口は笑みを形作る。
胸が苦しい。
何だかんだで状態異常だ、情緒も口調も安定しない。
「だ、大丈夫…でも前みたいに襲ったりしないから」
我慢できない、というのはこういう時に言うのだろう。
私は私のはっきりとした意思をもって、シルビアさんの唇を奪っていた。
「しっかり襲ってるわよエルザちゃん、落ち着いて!」
肩を押され一度離れる。
「助けて」
「魅了って…今日そんなモンスターちゃんと戦って…あ」
私の様子を見て怪訝にしたシルビアさんだったが、すぐに原因に思い至ったようだ。
「なるほどねぇ。アタシのせいってこと」
思わず何度も頷いた。
「だから、ね。早くツッコんで」
「イヤよ」
語尾にハートマークがつきそうなほど、楽しげで愛嬌たっぷりの拒否だった。
そして今度は私が唇を奪われる番で、ゆっくりとねっとりと、しかし優しく蹂躙される。
そのまま、やはりゆっくりとベッドに寝かされる。
もちろんそれでおしまいとはいかなかった。
「それにしても、早くツッコんで、なんてまた随分とダイタンに煽るわね」
私に覆い被さったままシルビアさんはちろりと舌を出す。
目が熱っぽい。興奮してるのか、息も荒い。
総じて淫らしい感じ。
わざとらしい解釈間違いにツッコもうという気すら起きないほどに。
「乗っちゃおうかしら」
「まっ!」
思わず制止をかけようとしたができなかった。
首すじにキスされる。
啄むように、わずかずつ下に降りる。
一々身体がびくびくと反応する。
鎖骨に至り。
そこでシルビアさんが顔をあげる。
笑っていた。
「あら?口の方が良かった?」
仕方ないわねぇとまた口を塞がれる。
舌で口内を弄られながら、身体を撫でられる。
ただそれだけなのに、ぞくぞくする感覚に襲われる。
「シルビアさぁん…」
「すっかりできあがっちゃって。クラクラしちゃう」
いつものシルビアさんではなかった。
優しいおとめ、という印象とはかけ離れた意地悪な笑み。
ただただ凄絶なまでに妖艶で、
その視線に射抜かれるだけであるいは快感が走ってしまう。
「見ないで…」
「イ・ヤ。こんなにもかわいいのに」
きっぱりばっさり切り捨てられる。
嗜虐性を含んだ目。
きっとこれがこの男の本性なのだろうと霞んで消えつつある理性で思う。
しかし嫌だと思えなかったのは、惚れた弱みではなく、魅了の効果でもなく、
服を脱がせにかかる彼の手つきがあくまで優しいからだ。
それもただ義務感でそうしているわけではなく、ごく自然にこちらをいたわるような。
そういう気持ちが痛いくらいに伝わってくるのがわかるからだ。
「シルビアさん…」
ぼたぼたと涙が溢れる。
決して嫌ではないのに、止まらない。
好きな人に抱かれることが嬉しい、という価値観や感情が、
状態異常で不安定な情緒に、突き刺さりまくった結果だった。
急に手が止まる。
「やっぱり、よくないかしらね」
「ぅ?」
意図せず変な声で聞き返してしまった。
シルビアさんは苦笑する。
「こんなの卑怯だったわ。…エルザちゃん。味方の攻撃はまず通らないのよ。
だからそろそろ、目を醒まして」
ぺちとも鳴らないほど弱く弱く頬を叩かれる。それがツッコミだったらしい。
とはいえ、シルビアさんに対する狂おしいほどの気持ちは嘘のようにあっさりと消え去る。
やはりあれは状態異常だったのだ。
(といっても始めから狂おしいくらい好きではある)
「ごめんなさい…。アタシ、流されかけてた」
丁寧に抱き起こされる。
思わず、言った。
意図せず、消え入りそうな儚い声になってしまった。
「シルビアさん。謝らないで。嫌じゃなかった。嬉しかった」
囁くような言葉に、シルビアさんの目は大袈裟なくらい見開かれる。
それから、柔らかく瞬きをする。
「本気で言ってるの?」
「うん」
「アタシ…あなたにとってひどいことをしたのよ?」
脳内で反芻する。
シルビアさんにベッドから抱き起こされている状況。
密着度。
先ほどまで何をしていたか。何をされていたか。
また頬が熱くなる。
しかしそれでも、全て理解した上で頷く。
羞恥心からさすがに無言だったが。
「…エルザちゃん」
もう一度彼にキスをする。
思えば自分から行くのは今日が初めてだ。
…謎の優越感に近い感情が生まれる。
「バカな子ねぇ。せっかく踏み留まれたのに」
「それも嬉しかったし」
そっと彼の胸に手を、耳を当てる。
布の上からでも脈打つものが感じられた。
「ね。シルビアさん、とってもどきどきしてる」
「それは…」
耳元でごく小さく、問われた。
「もう止まらないでってお願いされてると受け取って良いのね?」
私あなたに魅了されてるんですあなたのツッコミが必要なんです、
ツッコんでください』
…なんて言えれば楽なのだが、そんなことができる勇者などどこにいるというのか。
少なくともシルビアさんがついて行ってるリアル勇者様なら言わなさそうだ。
まず無口だし。
「泣くくらい体調悪かったなら、もっと早く言ってほしかったわ。こうなる前にね」
呆れ顔のシルビアさん。
違うんです。
今日も本来なら私元気いっぱいでした。
あなたの笛の音を聞いてから心(頭)がおかしいのです。
とも言えず、悩ましくため息をつくシルビアさんマジ素敵という煩悩が先行してくる。
そもそも看病されておいてこんなこと思うのもいけないのだが、
私がベッドに横たわり、側にシルビアさんが座っているという状況がよくない。
色々とよくない。
私は彼にとにかく何の返事もできなかった。
背を向け。
掛け布団を頭まで被る。
息苦しい中でようやく、ごめんなさいと言えた。
「わかればいいのよ」
シルビアさんは意地っ張りなことに対する謝罪だと受け取ったらしい。
ふつうはそうだろう。
「いやそうじゃなくて」
「エルザちゃん…!?」
でもそうじゃない。
体調は変ではあるが、根本的に悪いわけではない。
頭は悪いけれど。
とにかく、ただあなたに魅了されてるんですごめんなさいツッコんでください、
と言わなければならない。
そう思い起き上がる。
「わたし…っ」
唐突な展開にちょっと戸惑ったシルビアさんの顔。あ、直視できない。
この感情をどう言えば良いのだろう。
スラッシュを三本くらい並べたら説明できるだろうか。
「なんで顔をそらすの?アタシなんか悪いことしたかしら?」
「しました!」
やばい尊い。
ありもしない罪と、その罪悪感に苛まれるシルビアさんかわいい。
と、変態化していく思考。
恥ずかしくて顔を直視できないのに比例するように。
もう無理だ。
破裂しそうなくらい胸が苦しい。
いくらシルビアさんが好きだ、といっても何かの物語じゃないんだから、
こんな重苦しいまでには想っていなかったはずだ。
でも、みわくのふえの音を聞いて魅了され、今に至る。
その時間はあまりにも長い。
いやでも考えてみればそれも当たり前だ。
私はそもそも、ずっと彼に魅了されていたのだから。
もしかしたらみわくのふえは、
本音を引きずり出したに過ぎないのではないのかと今になって思う。
「私、魅了状態なんです、シルビアさん」
「え?」
涙が零れる。
口は笑みを形作る。
胸が苦しい。
何だかんだで状態異常だ、情緒も口調も安定しない。
「だ、大丈夫…でも前みたいに襲ったりしないから」
我慢できない、というのはこういう時に言うのだろう。
私は私のはっきりとした意思をもって、シルビアさんの唇を奪っていた。
「しっかり襲ってるわよエルザちゃん、落ち着いて!」
肩を押され一度離れる。
「助けて」
「魅了って…今日そんなモンスターちゃんと戦って…あ」
私の様子を見て怪訝にしたシルビアさんだったが、すぐに原因に思い至ったようだ。
「なるほどねぇ。アタシのせいってこと」
思わず何度も頷いた。
「だから、ね。早くツッコんで」
「イヤよ」
語尾にハートマークがつきそうなほど、楽しげで愛嬌たっぷりの拒否だった。
そして今度は私が唇を奪われる番で、ゆっくりとねっとりと、しかし優しく蹂躙される。
そのまま、やはりゆっくりとベッドに寝かされる。
もちろんそれでおしまいとはいかなかった。
「それにしても、早くツッコんで、なんてまた随分とダイタンに煽るわね」
私に覆い被さったままシルビアさんはちろりと舌を出す。
目が熱っぽい。興奮してるのか、息も荒い。
総じて淫らしい感じ。
わざとらしい解釈間違いにツッコもうという気すら起きないほどに。
「乗っちゃおうかしら」
「まっ!」
思わず制止をかけようとしたができなかった。
首すじにキスされる。
啄むように、わずかずつ下に降りる。
一々身体がびくびくと反応する。
鎖骨に至り。
そこでシルビアさんが顔をあげる。
笑っていた。
「あら?口の方が良かった?」
仕方ないわねぇとまた口を塞がれる。
舌で口内を弄られながら、身体を撫でられる。
ただそれだけなのに、ぞくぞくする感覚に襲われる。
「シルビアさぁん…」
「すっかりできあがっちゃって。クラクラしちゃう」
いつものシルビアさんではなかった。
優しいおとめ、という印象とはかけ離れた意地悪な笑み。
ただただ凄絶なまでに妖艶で、
その視線に射抜かれるだけであるいは快感が走ってしまう。
「見ないで…」
「イ・ヤ。こんなにもかわいいのに」
きっぱりばっさり切り捨てられる。
嗜虐性を含んだ目。
きっとこれがこの男の本性なのだろうと霞んで消えつつある理性で思う。
しかし嫌だと思えなかったのは、惚れた弱みではなく、魅了の効果でもなく、
服を脱がせにかかる彼の手つきがあくまで優しいからだ。
それもただ義務感でそうしているわけではなく、ごく自然にこちらをいたわるような。
そういう気持ちが痛いくらいに伝わってくるのがわかるからだ。
「シルビアさん…」
ぼたぼたと涙が溢れる。
決して嫌ではないのに、止まらない。
好きな人に抱かれることが嬉しい、という価値観や感情が、
状態異常で不安定な情緒に、突き刺さりまくった結果だった。
急に手が止まる。
「やっぱり、よくないかしらね」
「ぅ?」
意図せず変な声で聞き返してしまった。
シルビアさんは苦笑する。
「こんなの卑怯だったわ。…エルザちゃん。味方の攻撃はまず通らないのよ。
だからそろそろ、目を醒まして」
ぺちとも鳴らないほど弱く弱く頬を叩かれる。それがツッコミだったらしい。
とはいえ、シルビアさんに対する狂おしいほどの気持ちは嘘のようにあっさりと消え去る。
やはりあれは状態異常だったのだ。
(といっても始めから狂おしいくらい好きではある)
「ごめんなさい…。アタシ、流されかけてた」
丁寧に抱き起こされる。
思わず、言った。
意図せず、消え入りそうな儚い声になってしまった。
「シルビアさん。謝らないで。嫌じゃなかった。嬉しかった」
囁くような言葉に、シルビアさんの目は大袈裟なくらい見開かれる。
それから、柔らかく瞬きをする。
「本気で言ってるの?」
「うん」
「アタシ…あなたにとってひどいことをしたのよ?」
脳内で反芻する。
シルビアさんにベッドから抱き起こされている状況。
密着度。
先ほどまで何をしていたか。何をされていたか。
また頬が熱くなる。
しかしそれでも、全て理解した上で頷く。
羞恥心からさすがに無言だったが。
「…エルザちゃん」
もう一度彼にキスをする。
思えば自分から行くのは今日が初めてだ。
…謎の優越感に近い感情が生まれる。
「バカな子ねぇ。せっかく踏み留まれたのに」
「それも嬉しかったし」
そっと彼の胸に手を、耳を当てる。
布の上からでも脈打つものが感じられた。
「ね。シルビアさん、とってもどきどきしてる」
「それは…」
耳元でごく小さく、問われた。
「もう止まらないでってお願いされてると受け取って良いのね?」