DQ11
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気がつくと私はねこだった。
例によって依頼を受けて、魔物退治に行ったところまでは覚えている。
魔法使い系の敵だった。
戦った。
そしたらねこさんになっていたんだにゃあ。
駄目だ。
何かの呪いか状態異常なんだろうとは思うけれど、こんなの聞いたことがない。
なまじあったとしても、自力で対処するのは難しいだろう。だってねこだし。
まず状態異常と呪いの違いってなんだっけ。くらいには頭が悪くなっている自覚もある。
最悪一生このままかもしれない。
とすると、ソルティコの町辺りが住みやすいかにゃあ。餌となる魚基準で物を考えるあたり自分にはまだ余裕があるようだ。
「まあ!かわいいねこちゃん!」
住処を割と真剣に考えていた矢先、ソルティコ出身の人が私を見つけた。
ご都合主義だろうがなんだろうがとにかくシルビアさんだ。
だからシルビアさん、と声をあげたが、にゃーという鳴き声にしかならなかった。
「あらかわいい。それ、ご挨拶?こんにちわぁ」
シルビアさんはどうやらねこちゃんにも優しいらしい。
ニ、三歩こちらに歩み寄って、そんなことを言いながら膝を折る。
無理矢理触ろうという気はないみたいだ。
だから私の方から、にゃーと鳴きながら近寄ることにした。
聞いたことのない状態異常?だが、歴戦の猛者である彼なら私のことに気づいてくれるかもしれない。
最悪拾って飼ってほしい。
この人になら安心して身を任せられることはよくわかっている。
いや撫でられたいとかそういうんじゃなく。本当に。フジュンな動機などない。
「人懐っこいわねぇ。それにきれい。
野良じゃないのかしら?
でも、首輪とかはないわね」
シルビアさんの脚に擦り寄る(人間の姿じゃ絶対できない)と、彼はそんな考察を始めた。…残念ながら的外れだ。
もっとも、まさか人間がこうなってるなんて普通は思いもしないだろうから、致し方ないと思う。
シルビアさんは手を伸ばし、私の顎の下辺りを撫でる。
ごろごろごろ、と体内から勝手に謎の音が鳴った。
「アラヤダほんとかわいい。
連れて帰っちゃいたいくらいだわ」
ぜひお願いします!と思う。
大好きなシルビアさんに飼われたいとかいう変態的な願望もないわけではなかったが、
それ以上に、やはりこの姿はただ生きていくだけでも不安だ。
剣も持てない、魔法も使えない。
身軽だしかわいいが、喋ることすらできない。
総じてとにかく頼りない。
…よしとりあえず媚びよう。
チャンスは逃してはいけない。
後ろ向きな方向に前向きに考えながら、シルビアさんの脚に頭をぐりぐりする。
野生動物はとにかく生きるのに必死だ、というのが、身を持ってわかった気がする。
何かが違うとは、自分でも思った。
「ちょっと人懐っこすぎない?」
しまった。不審に思われた。
さすがに躊躇ったが、ここは。
身軽になった身体でシルビアさんに飛びつく。
シルビアさんもつい両腕で受け止めてしまう。抱っこされる形で向き合う。
にゃー、ととにもかくにもかわいく鳴いてみせる。
「まぁいっか!ホントかわいいわねぇ」
シルビアさんとゼロ距離になったことは今までなくはなかったけれど、
いつだって恥ずかしかった。
そしてそれも一瞬のこと。
ぎゅっと抱き締められて背中を撫でられる。
優しく、優しく撫でられる。
思わずうっとりと目を細めた。
「さて、と」
ひとしきりそうした後、満足気なシルビアさんは私を抱きしめたまま。
にっこりと笑った。
歌うように、その言葉を述べながら。
「うふふ。エルザちゃん」
へ。
「何でそんなことになっちゃったの?世界観が違うわよ」
ぽん。と漫画みたいな音がした。
目線が高く、身体が先ほどまでに較べれば重い。しかし何より馴れた感覚。
「シルビ…アさん…」
にゃーという鳴き声も出なかった。
「いつわかったんですか」
「撫でてみたら、なんとなくよ。
でも良かったわ、ツッコミが効いて。
違ったらどうしようかと」
人間に戻ったというのに、私はまた泣いた。
猫になっていた不安とさっきまでの恥ずかしさと恥ずかしさと恥ずかしさで、もう限界だったのだ。
「ごめんなさいね、エルザちゃん。こっちもちょっとイジワルだったわね」
ねこをあやすみたいに背中を叩かれる。
私はここぞとばかりにシルビアさんに抱きついたまま、しばらくそうしていた。
例によって依頼を受けて、魔物退治に行ったところまでは覚えている。
魔法使い系の敵だった。
戦った。
そしたらねこさんになっていたんだにゃあ。
駄目だ。
何かの呪いか状態異常なんだろうとは思うけれど、こんなの聞いたことがない。
なまじあったとしても、自力で対処するのは難しいだろう。だってねこだし。
まず状態異常と呪いの違いってなんだっけ。くらいには頭が悪くなっている自覚もある。
最悪一生このままかもしれない。
とすると、ソルティコの町辺りが住みやすいかにゃあ。餌となる魚基準で物を考えるあたり自分にはまだ余裕があるようだ。
「まあ!かわいいねこちゃん!」
住処を割と真剣に考えていた矢先、ソルティコ出身の人が私を見つけた。
ご都合主義だろうがなんだろうがとにかくシルビアさんだ。
だからシルビアさん、と声をあげたが、にゃーという鳴き声にしかならなかった。
「あらかわいい。それ、ご挨拶?こんにちわぁ」
シルビアさんはどうやらねこちゃんにも優しいらしい。
ニ、三歩こちらに歩み寄って、そんなことを言いながら膝を折る。
無理矢理触ろうという気はないみたいだ。
だから私の方から、にゃーと鳴きながら近寄ることにした。
聞いたことのない状態異常?だが、歴戦の猛者である彼なら私のことに気づいてくれるかもしれない。
最悪拾って飼ってほしい。
この人になら安心して身を任せられることはよくわかっている。
いや撫でられたいとかそういうんじゃなく。本当に。フジュンな動機などない。
「人懐っこいわねぇ。それにきれい。
野良じゃないのかしら?
でも、首輪とかはないわね」
シルビアさんの脚に擦り寄る(人間の姿じゃ絶対できない)と、彼はそんな考察を始めた。…残念ながら的外れだ。
もっとも、まさか人間がこうなってるなんて普通は思いもしないだろうから、致し方ないと思う。
シルビアさんは手を伸ばし、私の顎の下辺りを撫でる。
ごろごろごろ、と体内から勝手に謎の音が鳴った。
「アラヤダほんとかわいい。
連れて帰っちゃいたいくらいだわ」
ぜひお願いします!と思う。
大好きなシルビアさんに飼われたいとかいう変態的な願望もないわけではなかったが、
それ以上に、やはりこの姿はただ生きていくだけでも不安だ。
剣も持てない、魔法も使えない。
身軽だしかわいいが、喋ることすらできない。
総じてとにかく頼りない。
…よしとりあえず媚びよう。
チャンスは逃してはいけない。
後ろ向きな方向に前向きに考えながら、シルビアさんの脚に頭をぐりぐりする。
野生動物はとにかく生きるのに必死だ、というのが、身を持ってわかった気がする。
何かが違うとは、自分でも思った。
「ちょっと人懐っこすぎない?」
しまった。不審に思われた。
さすがに躊躇ったが、ここは。
身軽になった身体でシルビアさんに飛びつく。
シルビアさんもつい両腕で受け止めてしまう。抱っこされる形で向き合う。
にゃー、ととにもかくにもかわいく鳴いてみせる。
「まぁいっか!ホントかわいいわねぇ」
シルビアさんとゼロ距離になったことは今までなくはなかったけれど、
いつだって恥ずかしかった。
そしてそれも一瞬のこと。
ぎゅっと抱き締められて背中を撫でられる。
優しく、優しく撫でられる。
思わずうっとりと目を細めた。
「さて、と」
ひとしきりそうした後、満足気なシルビアさんは私を抱きしめたまま。
にっこりと笑った。
歌うように、その言葉を述べながら。
「うふふ。エルザちゃん」
へ。
「何でそんなことになっちゃったの?世界観が違うわよ」
ぽん。と漫画みたいな音がした。
目線が高く、身体が先ほどまでに較べれば重い。しかし何より馴れた感覚。
「シルビ…アさん…」
にゃーという鳴き声も出なかった。
「いつわかったんですか」
「撫でてみたら、なんとなくよ。
でも良かったわ、ツッコミが効いて。
違ったらどうしようかと」
人間に戻ったというのに、私はまた泣いた。
猫になっていた不安とさっきまでの恥ずかしさと恥ずかしさと恥ずかしさで、もう限界だったのだ。
「ごめんなさいね、エルザちゃん。こっちもちょっとイジワルだったわね」
ねこをあやすみたいに背中を叩かれる。
私はここぞとばかりにシルビアさんに抱きついたまま、しばらくそうしていた。