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いつもと同じ席、いつもと同じお酒、いつものくだらない話題に声をあげて笑って、いつも通り軽口を言い合って、背中をバシバシ叩いたり…………いつもと同じだと思っていたのに。
「このお酒、飽きてきた」
上陸のたびに、自分の好きなお酒を色々と買い込んでくるけど、今回は似たような種類ばかり買ってしまった。
ほぼ空っぽの瓶を持ち上げて眺める。
「次の島まで2週間くらいあるよい」
「だよねー……マルコのは、強いから呑めないし」
「俺も違うやつも呑みてぇな」
マルコはグラスをゆっくりと回して、琥珀色の酒と氷をカラカラと鳴らした。
「だよね……あ!」
私はキッチンの戸棚から、ゴソゴソと高そうな瓶を引っ張り出す。 ラクヨウが「絶対呑むなよ」ってフリのように大事そうにしていたお酒。
マルコの隣に座り、テーブルにドンと置く。
「マルコ……これ、ラクヨウの大事なお酒。呑んだら怒るかな?」
「ブチギレじゃねぇか?」
マルコが上機嫌に笑って、グラスを口に運ぶ。
「マルコも、呑んでみたくない?」
グラスを口にしたまま、視線だけは私に。でも、マルコのその表情は「やっちまうか?」の部類。
マルコを見上げて、くしゃりと悪戯な笑顔を送った。
「じゃあ……ふたりだけの秘密ね」
そして、唇の前に指を出して「シーッ」と。
一瞬だけ、目を丸くしたマルコは、同じようにニヤリと口角をあげた。
コトンと、グラスをカウンターに置いた音がやけに響いた。
「あぁ……秘密な。」
マルコの目の色が濃くなった気がした。
やけに長いまつ毛が気になって、あれ?なんか近くない?と。
私から目を逸らさずに、ゆっくりと顔を傾けながら近づいている気がした。
急に酒の香りが強くなる。マルコの吐息が近い。
目の前には、いつもより真剣な蒼い目。
私の人差し指に、マルコの厚い唇が押しつけられる。
「っ!!!」
私が指を動かせば、キスできてしまう距離。マルコは、柔らかく微笑む。
そのまま、私の視線を捕らえたまま動かない。
指が熱いのか、マルコの唇の熱なのか。
夜の食堂に二つの呼吸だけが満ちていた。吐息の近さが、互いの鼓動を否応なく伝えている。
指に触れたのなんてたった一瞬なのに、時間が止まったように感じる。
目を伏せて、指をよけるようにして、マルコの左の口角なのか頬なのかわからないような場所へ唇を押し当てた。
マルコの呼吸が乱れる。
ゆっくりと唇を離し、手をカウンターへ置く。
目線を上げられなくて、カウンターの木目を見る。
聞いたことのない低くて胸に響くような声が耳に届いた。
「……なぁ、続きは?」
「このお酒、飽きてきた」
上陸のたびに、自分の好きなお酒を色々と買い込んでくるけど、今回は似たような種類ばかり買ってしまった。
ほぼ空っぽの瓶を持ち上げて眺める。
「次の島まで2週間くらいあるよい」
「だよねー……マルコのは、強いから呑めないし」
「俺も違うやつも呑みてぇな」
マルコはグラスをゆっくりと回して、琥珀色の酒と氷をカラカラと鳴らした。
「だよね……あ!」
私はキッチンの戸棚から、ゴソゴソと高そうな瓶を引っ張り出す。 ラクヨウが「絶対呑むなよ」ってフリのように大事そうにしていたお酒。
マルコの隣に座り、テーブルにドンと置く。
「マルコ……これ、ラクヨウの大事なお酒。呑んだら怒るかな?」
「ブチギレじゃねぇか?」
マルコが上機嫌に笑って、グラスを口に運ぶ。
「マルコも、呑んでみたくない?」
グラスを口にしたまま、視線だけは私に。でも、マルコのその表情は「やっちまうか?」の部類。
マルコを見上げて、くしゃりと悪戯な笑顔を送った。
「じゃあ……ふたりだけの秘密ね」
そして、唇の前に指を出して「シーッ」と。
一瞬だけ、目を丸くしたマルコは、同じようにニヤリと口角をあげた。
コトンと、グラスをカウンターに置いた音がやけに響いた。
「あぁ……秘密な。」
マルコの目の色が濃くなった気がした。
やけに長いまつ毛が気になって、あれ?なんか近くない?と。
私から目を逸らさずに、ゆっくりと顔を傾けながら近づいている気がした。
急に酒の香りが強くなる。マルコの吐息が近い。
目の前には、いつもより真剣な蒼い目。
私の人差し指に、マルコの厚い唇が押しつけられる。
「っ!!!」
私が指を動かせば、キスできてしまう距離。マルコは、柔らかく微笑む。
そのまま、私の視線を捕らえたまま動かない。
指が熱いのか、マルコの唇の熱なのか。
夜の食堂に二つの呼吸だけが満ちていた。吐息の近さが、互いの鼓動を否応なく伝えている。
指に触れたのなんてたった一瞬なのに、時間が止まったように感じる。
目を伏せて、指をよけるようにして、マルコの左の口角なのか頬なのかわからないような場所へ唇を押し当てた。
マルコの呼吸が乱れる。
ゆっくりと唇を離し、手をカウンターへ置く。
目線を上げられなくて、カウンターの木目を見る。
聞いたことのない低くて胸に響くような声が耳に届いた。
「……なぁ、続きは?」
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