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日が少し傾いても賑わうプール。子供達、ファミリー、カップル、大人数グループとどこへ行っても人、人、人だった。 私たちも散々遊んで少しだけ休みたくなっていた。
「少し移動するか」
マルコの声に着いていく。
喧騒を避けて選んだのは、プールの隅っこ。少しばかり影になっていて、風が流れている。
人の目がないその場所に、私はふっと肩の力を抜いた。
火照った体に風と日陰がちょうどいい。
その隙を突くように、顔に水しぶきがかかる。思わず声が漏れた。
「マルコっ!急にやめてよ」
「そう言う割には、笑ってるじゃねぇか」
マルコが涼しい顔で肩をすくめる。その余裕そうな表情に、私はムキになって両手で水を掻き上げた。
大量の水が飛ぶ中、マルコは動じることなく、顔で受け止めた。
「仕返し」
「っ!お前、手加減なしかよい」
一瞬目を瞑ってから笑ったマルコ。濡れた髪をかきあげたその指先から、水滴が一筋、頬から首筋を伝い鎖骨へ落ちていく。
私を見下ろす彼の視線に、胸がトクンと跳ねる。
そして、マルコはぺろりと舌を出して挑発するような仕草をする。悪戯をしたいのか、それとも……
顔に熱が集まるのをごまかし、笑いながら逃げようとした瞬間——腕を掴まれた。
引き寄せられた瞬間に体勢が崩れて、気づけば壁際。マルコの腕に抱きとめられていた。
水は生ぬるいはずなのに、触れた場所が熱い。水着越しに伝わる体温が、やけに鮮明だった。
驚いたからなのか、この非日常になのか判断がつかないけれど、息が少しだけ乱れる。
周りに人影はなく、全ての音が遠く感じた刹那。
「……逃さねぇよ」
低い声が耳元で響く。顔を上げると、思っていたよりずっと近くにマルコの顔があった。それはそれはニヤリと悪い笑顔。
「……悪い子にはお仕置きしねぇとな?」
からかうような響きなのに、目の奥は笑っていなかった。
「先に仕掛けて来たのは、マルコでしょ?」
鼻先がつきそうな距離に、マルコは楽しそうに口角をあげた。
私の言葉なんて無視して、近付いてくる唇に「人前だよ」と制止すれば「誰も見てねぇよい」と口をふさがれる。
濡れた唇は、いつもより甘くて、私の言葉ごと奪っていく。
いい大人が、と思うけれど……マルコには抗えないんだよね。
「少し移動するか」
マルコの声に着いていく。
喧騒を避けて選んだのは、プールの隅っこ。少しばかり影になっていて、風が流れている。
人の目がないその場所に、私はふっと肩の力を抜いた。
火照った体に風と日陰がちょうどいい。
その隙を突くように、顔に水しぶきがかかる。思わず声が漏れた。
「マルコっ!急にやめてよ」
「そう言う割には、笑ってるじゃねぇか」
マルコが涼しい顔で肩をすくめる。その余裕そうな表情に、私はムキになって両手で水を掻き上げた。
大量の水が飛ぶ中、マルコは動じることなく、顔で受け止めた。
「仕返し」
「っ!お前、手加減なしかよい」
一瞬目を瞑ってから笑ったマルコ。濡れた髪をかきあげたその指先から、水滴が一筋、頬から首筋を伝い鎖骨へ落ちていく。
私を見下ろす彼の視線に、胸がトクンと跳ねる。
そして、マルコはぺろりと舌を出して挑発するような仕草をする。悪戯をしたいのか、それとも……
顔に熱が集まるのをごまかし、笑いながら逃げようとした瞬間——腕を掴まれた。
引き寄せられた瞬間に体勢が崩れて、気づけば壁際。マルコの腕に抱きとめられていた。
水は生ぬるいはずなのに、触れた場所が熱い。水着越しに伝わる体温が、やけに鮮明だった。
驚いたからなのか、この非日常になのか判断がつかないけれど、息が少しだけ乱れる。
周りに人影はなく、全ての音が遠く感じた刹那。
「……逃さねぇよ」
低い声が耳元で響く。顔を上げると、思っていたよりずっと近くにマルコの顔があった。それはそれはニヤリと悪い笑顔。
「……悪い子にはお仕置きしねぇとな?」
からかうような響きなのに、目の奥は笑っていなかった。
「先に仕掛けて来たのは、マルコでしょ?」
鼻先がつきそうな距離に、マルコは楽しそうに口角をあげた。
私の言葉なんて無視して、近付いてくる唇に「人前だよ」と制止すれば「誰も見てねぇよい」と口をふさがれる。
濡れた唇は、いつもより甘くて、私の言葉ごと奪っていく。
いい大人が、と思うけれど……マルコには抗えないんだよね。
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