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太陽が少し顔を出した、そんな時間にやっと支部へ戻ってきた。
昨夜は海賊が港で大暴れし、夜勤メンバーは食事も仮眠も取らずに出動。
海賊だけでなく、酔った民間人も暴れてしまい、てんやわんやだった。
民間人への被害は、無いに越したことはないから、かなり気を遣った戦闘で、こういう時に限って、上司達は遠征とかで不在だったりする。
スモーカーさんもたしぎさんも遠征中で、帰還の予定は10日後だったはず。
お腹も空いたし、眠いし、制服は泥やら返り血で汚れている自分にため息が出る。
みんな同じと言いたいんだけど…わたしは絶賛生理中。
食事を摂らないから鎮痛剤が飲めず、お腹は痛いし、腰は重い。
アドレナリンのおかげで痛みを忘れていたが、今になって夜以上の痛みが出てきてしまった。
「ヤバい」
汗や泥や返り血で汚れに汚れた身体を洗うためシャワールームへ向かっているのだが……
窓からは太陽の光が降り注ぐ廊下。
いつもの夜勤だったら、海から覗く太陽の美しさに「何事も無くて良かった」なんて安心するのだけれど、今日はダメ。光が目に刺さって、更に頭も痛くなる。
そして、歩いても歩いてもシャワールームへ辿り着くことが出来ないのでは無いかと気が遠くなる。
「トイレは近かったのに……シャワールームが遠い……」
左手でお腹を支え、右手で壁を頼りにしながらズルズルと歩く。
「ナマエ?」
辛すぎて何度も何度も思い出していたスモーカーさんの声が聞こえる。
とうとう幻聴か……。
辛い時は、スモーカーさんに甘えたいんだよね。その願望が幻聴まで聞こえさせるなんて……。
小さくため息を吐いた。
「おい。どうした?」
突然、後ろから両肩を掴まれる。
のそのそと後方へ頭を動かすと、今度は幻覚が見えていた。
「…スモーカーさん?幻覚?」
「あ?何言ってんだ?」
グルッと向かいあうように誘導され、目の前には心配してるスモーカーさんの顔。
――スモーカーさん、遠征だったよね?
都合のいい幻覚にしては感覚もあるし、葉巻の匂いもしてリアル過ぎる。
「本物?」
「そうだっつてんだろ。どこか痛むのか?」
昨夜は海賊討伐に出ました。民間人も暴れて大変だったけど、被害はありません。
ご飯も食べてないし、仮眠も無かったんです。仕事だから我慢しますけど。
生理でお腹も腰も頭もめちゃくちゃ痛いです。
ちなみに怪我はしてません。返り血です。
汗臭いんで離れてください。
でも抱き締めてほしいです。
頭に浮かぶ言葉があるのに、「せいり」とだけ口を出た。
「医務室行くか?」
俯いて力無く首を横に振る。先にシャワーを浴びたい。
「引き継ぎは?」
「……まだ」
「おれの部屋で休んでろ」
言葉が早いか、行動が早いかわからないけど、フワッと身体が宙に浮き、背中と膝裏に彼の逞しい腕の感覚がする。
少し驚いて、目の前にある彼のジャケットをギュッと掴み、そこにおでこを滑り込ませた。
「他の奴らには、あとで連絡しておく」
大好きな彼の腕の中は心地よくて、お腹も腰も頭も痛いけど、少し楽になった気がする。
温もりが気持ちいい。
何か返事をした気もするが、よく覚えていない。
仕事しなきゃと思うけれど、安堵のほうが強くて瞼が重たくなり、抗うことをやめた。
汗臭くてごめんなさい……。
「んっ……」
フカフカのベッドに、高い天井。
ここは仮眠室ではない……?
頭を起こして部屋を見渡してみる。
ポールハンガーに引っ掛けられているのは、見慣れた正義のジャケット。
スモーカーさんの執務室の寝室ではないか。
クンクンと部屋の匂い嗅げば、葉巻の香りが微かにする。
サイドテーブルへ視線を移すと、お水が入ったデキャンタと電伝虫が見えた。
色々とマズイ。
スモーカーさんとの関係は公にしていない。ただの海兵が海軍将校の部屋で寝ていたと知られたら……
気持ちとは裏腹に緩慢な動きになるが、無理矢理体を起こした。サイドテーブルにはメモと薬もある。
綺麗な文字が並んだメモを手に取る。
『起きたら連絡しろ。薬飲んでおけ。』
どこまでいっても命令口調で、不器用な優しさに笑みが溢れる。
汚れた制服は脱がされていて、彼の香りが残るTシャツを着せられている。
身体は拭いてくれたようで、汗や泥のベタつきは無かった。髪は、ベタベタだったけど。スモーカーさんの枕を汚してしまって申し訳なく思う。
ウトウトしている電伝虫を起こし 電話を掛ける。
「スモーカーさん、起きました」
「調子は?」
「まだ辛いです」
「飯は食えそうか?スープはどうだ?」
「少しなら」
「あぁ、わかった。用意してくる」
「……すいません」
「こういう時は、すいませんじゃねぇだろ?」
「ありがとうございます」
「もう少し寝てろ」
言うことを忘れていた言葉。
「スモーカーさん!……おかえりなさい」
フッと笑う声がした。
「ただいま」
用意してあった水を飲みながら、今朝の事を思い出す。
ヒーローの如く現れたスモーカーさん。
遠征の予定は、10日後に帰還だったはず。なんで帰還したんだろう?
ズキズキとした痛みはまだ強くて、瞼も重い。もう一度、ベッドへ横になろう。
暫くするとドアが開き、トレーを片手にスモーカーさんが入室してきた。トレーには湯気が立ち鼻腔を擽るスープが乗っているのがわかる。
サイドテーブルにトレーを置き、わたしの背中を支えるようにして起こす。こういう気遣いができる所も好きだなーと思ってしまうのは、恋人だから仕方ない。
「食ったら薬飲んどけよ」
「ありがとうございます」
少しだけ食べるつもりが、空腹を思い出して、口に運ぶペースが上がった。
最初は心配そうに見ていたスモーカーさんは、パクパクと食べるわたしを見て安堵したのか、葉巻に火を点ける。
食事している横で葉巻なんて!と思うよりも、きつめな香りはスモーカーさんが帰ってきたんだと実感できて嬉しくなる。
「ごちそうさまでした。お腹いっぱい」
「それだけ食えりゃ大丈夫そうだな」
ほらと鎮痛剤を渡され、苦くて好きじゃないんだよなーと思い渋々お水と一緒に喉へ流し込んだ。
「スモーカーさんありがとうございます。引き継ぎあるんで、戻ります」
「お前、何時かわかってんのか?」
言われるまま、腕の時計を見ると14時を指している。
「ヤバいですよ!引き継ぎも報告書も出してない!」
どうしようと焦ってベッドから這い出るが、スモーカーさんは呆れた視線を送ってくる。
「廊下でぶっ倒れてたと伝えてあるから、大丈夫だろ」
「ええ?」
「ぶっ倒れてたようなもんだっただろ?」
もう少し大人しくしてくれと言わんばかりの盛大なため息を吐かれた。
制服はクリーニングに出されていて、ここにはわたしの着替えが無いらしい。
確かにTシャツの下は、下着と1分丈のショートパンツしか穿いていない。
「…スモーカーさん、迷惑かけてごめんなさい。バレたら大変だろうし……」
色々申し訳無くて、ベッドの上で正座をして頭をペコっとさげた。
椅子から半身を起こしたスモーカーさんに、グシャリと大きな手で撫でられる。決して優しく撫でてくれるわけでは無いが、丁寧に丁寧に撫でてくれる。
「迷惑と思ってねぇよ。体調悪いのに無傷で良かった」
その言葉に、顔を挙げた。
眉毛が少し下がったスモーカーさんと目が合う。
本当に心配かけちゃったんだな。お互い海兵だから、もしもの時があることは覚悟をしている。死に目に会えない可能性だって十二分にある。自分が帰還した際に、ボロボロの恋人が目の前に居たら、心配もするし最悪の覚悟もするだろう…
自分に置き換えると胸がギュッなった。
スモーカーさんの手が後頭部へ動いて、斜め上にグイッと引かれる。次に起こることに期待をしてわたしはゆっくり瞼を閉じた。お互いの無事を確かめるように、何度も唇を重ねる。
今日もお互い無事で良かったと、言葉を交わさなくても唇から伝わってほしい。
「帰りどうしよう」
「送ってやるよ」
「煙で隠してくれる?」
「他の奴らに見せるわけねぇだろ」
昨夜は海賊が港で大暴れし、夜勤メンバーは食事も仮眠も取らずに出動。
海賊だけでなく、酔った民間人も暴れてしまい、てんやわんやだった。
民間人への被害は、無いに越したことはないから、かなり気を遣った戦闘で、こういう時に限って、上司達は遠征とかで不在だったりする。
スモーカーさんもたしぎさんも遠征中で、帰還の予定は10日後だったはず。
お腹も空いたし、眠いし、制服は泥やら返り血で汚れている自分にため息が出る。
みんな同じと言いたいんだけど…わたしは絶賛生理中。
食事を摂らないから鎮痛剤が飲めず、お腹は痛いし、腰は重い。
アドレナリンのおかげで痛みを忘れていたが、今になって夜以上の痛みが出てきてしまった。
「ヤバい」
汗や泥や返り血で汚れに汚れた身体を洗うためシャワールームへ向かっているのだが……
窓からは太陽の光が降り注ぐ廊下。
いつもの夜勤だったら、海から覗く太陽の美しさに「何事も無くて良かった」なんて安心するのだけれど、今日はダメ。光が目に刺さって、更に頭も痛くなる。
そして、歩いても歩いてもシャワールームへ辿り着くことが出来ないのでは無いかと気が遠くなる。
「トイレは近かったのに……シャワールームが遠い……」
左手でお腹を支え、右手で壁を頼りにしながらズルズルと歩く。
「ナマエ?」
辛すぎて何度も何度も思い出していたスモーカーさんの声が聞こえる。
とうとう幻聴か……。
辛い時は、スモーカーさんに甘えたいんだよね。その願望が幻聴まで聞こえさせるなんて……。
小さくため息を吐いた。
「おい。どうした?」
突然、後ろから両肩を掴まれる。
のそのそと後方へ頭を動かすと、今度は幻覚が見えていた。
「…スモーカーさん?幻覚?」
「あ?何言ってんだ?」
グルッと向かいあうように誘導され、目の前には心配してるスモーカーさんの顔。
――スモーカーさん、遠征だったよね?
都合のいい幻覚にしては感覚もあるし、葉巻の匂いもしてリアル過ぎる。
「本物?」
「そうだっつてんだろ。どこか痛むのか?」
昨夜は海賊討伐に出ました。民間人も暴れて大変だったけど、被害はありません。
ご飯も食べてないし、仮眠も無かったんです。仕事だから我慢しますけど。
生理でお腹も腰も頭もめちゃくちゃ痛いです。
ちなみに怪我はしてません。返り血です。
汗臭いんで離れてください。
でも抱き締めてほしいです。
頭に浮かぶ言葉があるのに、「せいり」とだけ口を出た。
「医務室行くか?」
俯いて力無く首を横に振る。先にシャワーを浴びたい。
「引き継ぎは?」
「……まだ」
「おれの部屋で休んでろ」
言葉が早いか、行動が早いかわからないけど、フワッと身体が宙に浮き、背中と膝裏に彼の逞しい腕の感覚がする。
少し驚いて、目の前にある彼のジャケットをギュッと掴み、そこにおでこを滑り込ませた。
「他の奴らには、あとで連絡しておく」
大好きな彼の腕の中は心地よくて、お腹も腰も頭も痛いけど、少し楽になった気がする。
温もりが気持ちいい。
何か返事をした気もするが、よく覚えていない。
仕事しなきゃと思うけれど、安堵のほうが強くて瞼が重たくなり、抗うことをやめた。
汗臭くてごめんなさい……。
「んっ……」
フカフカのベッドに、高い天井。
ここは仮眠室ではない……?
頭を起こして部屋を見渡してみる。
ポールハンガーに引っ掛けられているのは、見慣れた正義のジャケット。
スモーカーさんの執務室の寝室ではないか。
クンクンと部屋の匂い嗅げば、葉巻の香りが微かにする。
サイドテーブルへ視線を移すと、お水が入ったデキャンタと電伝虫が見えた。
色々とマズイ。
スモーカーさんとの関係は公にしていない。ただの海兵が海軍将校の部屋で寝ていたと知られたら……
気持ちとは裏腹に緩慢な動きになるが、無理矢理体を起こした。サイドテーブルにはメモと薬もある。
綺麗な文字が並んだメモを手に取る。
『起きたら連絡しろ。薬飲んでおけ。』
どこまでいっても命令口調で、不器用な優しさに笑みが溢れる。
汚れた制服は脱がされていて、彼の香りが残るTシャツを着せられている。
身体は拭いてくれたようで、汗や泥のベタつきは無かった。髪は、ベタベタだったけど。スモーカーさんの枕を汚してしまって申し訳なく思う。
ウトウトしている電伝虫を起こし 電話を掛ける。
「スモーカーさん、起きました」
「調子は?」
「まだ辛いです」
「飯は食えそうか?スープはどうだ?」
「少しなら」
「あぁ、わかった。用意してくる」
「……すいません」
「こういう時は、すいませんじゃねぇだろ?」
「ありがとうございます」
「もう少し寝てろ」
言うことを忘れていた言葉。
「スモーカーさん!……おかえりなさい」
フッと笑う声がした。
「ただいま」
用意してあった水を飲みながら、今朝の事を思い出す。
ヒーローの如く現れたスモーカーさん。
遠征の予定は、10日後に帰還だったはず。なんで帰還したんだろう?
ズキズキとした痛みはまだ強くて、瞼も重い。もう一度、ベッドへ横になろう。
暫くするとドアが開き、トレーを片手にスモーカーさんが入室してきた。トレーには湯気が立ち鼻腔を擽るスープが乗っているのがわかる。
サイドテーブルにトレーを置き、わたしの背中を支えるようにして起こす。こういう気遣いができる所も好きだなーと思ってしまうのは、恋人だから仕方ない。
「食ったら薬飲んどけよ」
「ありがとうございます」
少しだけ食べるつもりが、空腹を思い出して、口に運ぶペースが上がった。
最初は心配そうに見ていたスモーカーさんは、パクパクと食べるわたしを見て安堵したのか、葉巻に火を点ける。
食事している横で葉巻なんて!と思うよりも、きつめな香りはスモーカーさんが帰ってきたんだと実感できて嬉しくなる。
「ごちそうさまでした。お腹いっぱい」
「それだけ食えりゃ大丈夫そうだな」
ほらと鎮痛剤を渡され、苦くて好きじゃないんだよなーと思い渋々お水と一緒に喉へ流し込んだ。
「スモーカーさんありがとうございます。引き継ぎあるんで、戻ります」
「お前、何時かわかってんのか?」
言われるまま、腕の時計を見ると14時を指している。
「ヤバいですよ!引き継ぎも報告書も出してない!」
どうしようと焦ってベッドから這い出るが、スモーカーさんは呆れた視線を送ってくる。
「廊下でぶっ倒れてたと伝えてあるから、大丈夫だろ」
「ええ?」
「ぶっ倒れてたようなもんだっただろ?」
もう少し大人しくしてくれと言わんばかりの盛大なため息を吐かれた。
制服はクリーニングに出されていて、ここにはわたしの着替えが無いらしい。
確かにTシャツの下は、下着と1分丈のショートパンツしか穿いていない。
「…スモーカーさん、迷惑かけてごめんなさい。バレたら大変だろうし……」
色々申し訳無くて、ベッドの上で正座をして頭をペコっとさげた。
椅子から半身を起こしたスモーカーさんに、グシャリと大きな手で撫でられる。決して優しく撫でてくれるわけでは無いが、丁寧に丁寧に撫でてくれる。
「迷惑と思ってねぇよ。体調悪いのに無傷で良かった」
その言葉に、顔を挙げた。
眉毛が少し下がったスモーカーさんと目が合う。
本当に心配かけちゃったんだな。お互い海兵だから、もしもの時があることは覚悟をしている。死に目に会えない可能性だって十二分にある。自分が帰還した際に、ボロボロの恋人が目の前に居たら、心配もするし最悪の覚悟もするだろう…
自分に置き換えると胸がギュッなった。
スモーカーさんの手が後頭部へ動いて、斜め上にグイッと引かれる。次に起こることに期待をしてわたしはゆっくり瞼を閉じた。お互いの無事を確かめるように、何度も唇を重ねる。
今日もお互い無事で良かったと、言葉を交わさなくても唇から伝わってほしい。
「帰りどうしよう」
「送ってやるよ」
「煙で隠してくれる?」
「他の奴らに見せるわけねぇだろ」
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