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今日はスモーカーさんが本部勤務の日。朝から真面目に会議に出て、午後はデスクワーク。
そろそろ日が落ちてきて、終業時間だ。
「スモーカーさん今日定時ですか?」
部下達から上ってきた書類を抱えてにこやかに問いかける。その質問の答えは決まっていると思いつつ、毎回のように聞いてしまう。
これ届きましたと、山のように積まれた書類の隣に新たな山を作るようにドンッと置く。
「定時なわけねぇだろ。お前も残業だ。」
苛立ちを抱えて、忙しなくペンを走らせ、判を押すスモーカーさん。
執務室に籠もる日は、いつもこんなに感じの返答だ。理由はわかっている。溜めに溜めた書類に、次から次へ増える書類。
出社しては、そのほとんどを海に居るか海賊を追いかけていて、デスクワークは二の次の人。秘書のわたしが承認してもいいものと、スモーカーさんが承認しなくてはならないものがあるから、仕方がない。
「ですよね。」
フフフと笑いたくなる表情筋をギュッと引き締める。
残業と言われてもわたしは落ち込むことは無い。残業の間、スモーカーさんと一緒に居られるからと下心があるから。
「コーヒー淹れてきますけど、軽食摂りますか?」
軽食の言葉に反応したのか、手だけは動かしつつ、目線をこちらへ寄越した。
「お前がいつも作るやつ。」
ボソッそう言うと、すぐに目線は書類へ。
いつも作るのは、食べやすさを考慮したボリューミーなサンドイッチか、ハンバーグを挟むサンドイッチ、最近作ったのはおにぎり。
どれだろう?と思いつつ、コーヒーの用意を進める。
スモーカーさんが不在の時はコーヒーメーカーで淹れるけれど、今日はハンドドリップ。
ミルで豆を挽き、カップを2つ用意。ペーパーフィルターをセットし、挽いた豆を入れる。蒸らしてる間、カップからはコーヒーのいい香りが広がった。
少しずつお湯を注ぎながら、食堂へ電伝虫を繋いで、残っている食材の確認。
ハンバーグも残っているらしい。
「スモーカーさん、野菜たっぷりとハンバーグどっちがいいですか?」
「両方。昼飯食ってねぇんだ。」
もう18時になるけど、昼食を摂っていないとは知らなかった。
ずっとコーヒーと葉巻だったのか…
たくさん作ってきますねと、コーヒーをデスクに置いて執務室を出る。
執務室のドアを開け、軽食とは言えない量のサンドイッチ、クラムチャウダー、サラダ、オレンジやグレープフルーツにイチゴを載せたワゴンを押して入室する。
普段香るはずの葉巻の香りがしない。
ということは…
ワゴンを止め、スモーカーさんのデスクを確認する。
そこには左手で頬杖をつき、右手にペンを持ったままうつむき加減になっているスモーカーさんが居た。
顔が見えないから眠っている確証は無いけれど、規則正しい呼吸に合わせて背中が動く。
起こそうか、少し寝かせておこうか…
でもスープ冷めちゃうし。
気配を消し、足音を消してコソコソっとスモーカーさんの隣へ。
ここまで来ても気付かない程、疲れているのか、それとも気を許してくれているのか、わたしに負けるわけがないから気が緩んでいるのか。
俯いているスモーカーさんの顔を覗き込む。
彼の瞼は閉じていた。ちょっとだけ口が開いていて、そこから寝息がかすかに聞こえる。
初めてみる寝顔に胸が高鳴った。
眉間のしわが無くなるとかっこいいな。あってもかっこいいんだけど…
「実は好きなんです。」
面と向かっては言えない言葉が声に出た。とても小さくて囁く程度の音。
聞こえていないからこそ言える胸の内。
聞こえるように言ったわけではないから、もちろん何の反応も無い。ワゴンへ戻って、今着ました!と言わんばかりに、わざと強めにドアを閉めた。
ガチャン!
その音に合わせて、スモーカーさんの背中がビクッと反応した。
「やべぇ」と言って顔を上げたのは、寝ていてヤバいなのが、書類に涎でも垂らしたのか。
「おはようございます。」
「…寝てた。」
「先に仮眠取りますか?」
「いや、腹が減ってる。」
受け答えはちゃんとしてくれるけど、まだ寝寝起きの雰囲気を纏い、後頭部をポリポリ掻いている姿は、ちょっと可愛い。
こんな厳つい男を可愛いと思うわたしは末期だ。
テーブルへ食事並べて、ソファに向かい合わせに座る。
ボソッと「いただきます。」と手を合わせている彼を更に愛おしく思う。
最初はボーッとしたままサンドイッチを頬張っていたスモーカーさんは、脳が覚醒すると見ていて気持ちいいほどに、パクパクと食べていった。
最後のデザートのフルーツをフォークで刺しながら「お前いつ戻ってきた?」と。
どういう意味かと思ったが、ドアを勢いよく閉めたのがわざとだとバレているのか…
「ドアうるさかったですか?勢いよく閉めちゃったんで。」
イチゴをパクっと口に入れ咀嚼している。
「うるせぇとは思ったが、ナマエはドアをそんな風に閉めねぇから、気になった。」
「すいません。ワゴンで来たから上手く閉められなくて…」
申し訳ないフリして、ちょっと頭を下げた。
さっきの告白はバレてなさそう。
ご馳走さんと言われたから、話しが反れると安堵した直後。
「あれ、わざとだろ?」
してやったという顔のスモーカーさんが居た。
「ち!違いますよ!」
「そんな焦んなって。」
慣れた手つきで葉巻を蒸かしだす。
スモーカーさんのイタズラっぽい顔に、わたしの顔は熱を帯びた。
「言わなくていいのかよ?起きてるおれに。」
ソファに背中を預け、なんとも余裕の表情。
「夢でも見てました?」
平然を裝いつつ反抗してみるが、彼のしたり顔は崩れない。
「夢か。残念だな。」
誤魔化したいのに、耳が熱い。
スモーカーさんがクツクツ笑うから、更に恥ずかしさが増す。
「ナマエ。こっち向けよ。」
楽しそうな声で言われて、ジロリと睨むようにスモーカーさんを見る。
「おれはお前が好きなんだがな。」
葉巻を灰皿に押し付けて、煙になったスモーカーさんはわたしの隣へ座る。
膝同士がくっつく距離にドキドキと心臓が鳴る。
「さて、お前はどうだ?」
その笑顔を隣で見ていたいから、観念します。
「実は大好きです。」
そろそろ日が落ちてきて、終業時間だ。
「スモーカーさん今日定時ですか?」
部下達から上ってきた書類を抱えてにこやかに問いかける。その質問の答えは決まっていると思いつつ、毎回のように聞いてしまう。
これ届きましたと、山のように積まれた書類の隣に新たな山を作るようにドンッと置く。
「定時なわけねぇだろ。お前も残業だ。」
苛立ちを抱えて、忙しなくペンを走らせ、判を押すスモーカーさん。
執務室に籠もる日は、いつもこんなに感じの返答だ。理由はわかっている。溜めに溜めた書類に、次から次へ増える書類。
出社しては、そのほとんどを海に居るか海賊を追いかけていて、デスクワークは二の次の人。秘書のわたしが承認してもいいものと、スモーカーさんが承認しなくてはならないものがあるから、仕方がない。
「ですよね。」
フフフと笑いたくなる表情筋をギュッと引き締める。
残業と言われてもわたしは落ち込むことは無い。残業の間、スモーカーさんと一緒に居られるからと下心があるから。
「コーヒー淹れてきますけど、軽食摂りますか?」
軽食の言葉に反応したのか、手だけは動かしつつ、目線をこちらへ寄越した。
「お前がいつも作るやつ。」
ボソッそう言うと、すぐに目線は書類へ。
いつも作るのは、食べやすさを考慮したボリューミーなサンドイッチか、ハンバーグを挟むサンドイッチ、最近作ったのはおにぎり。
どれだろう?と思いつつ、コーヒーの用意を進める。
スモーカーさんが不在の時はコーヒーメーカーで淹れるけれど、今日はハンドドリップ。
ミルで豆を挽き、カップを2つ用意。ペーパーフィルターをセットし、挽いた豆を入れる。蒸らしてる間、カップからはコーヒーのいい香りが広がった。
少しずつお湯を注ぎながら、食堂へ電伝虫を繋いで、残っている食材の確認。
ハンバーグも残っているらしい。
「スモーカーさん、野菜たっぷりとハンバーグどっちがいいですか?」
「両方。昼飯食ってねぇんだ。」
もう18時になるけど、昼食を摂っていないとは知らなかった。
ずっとコーヒーと葉巻だったのか…
たくさん作ってきますねと、コーヒーをデスクに置いて執務室を出る。
執務室のドアを開け、軽食とは言えない量のサンドイッチ、クラムチャウダー、サラダ、オレンジやグレープフルーツにイチゴを載せたワゴンを押して入室する。
普段香るはずの葉巻の香りがしない。
ということは…
ワゴンを止め、スモーカーさんのデスクを確認する。
そこには左手で頬杖をつき、右手にペンを持ったままうつむき加減になっているスモーカーさんが居た。
顔が見えないから眠っている確証は無いけれど、規則正しい呼吸に合わせて背中が動く。
起こそうか、少し寝かせておこうか…
でもスープ冷めちゃうし。
気配を消し、足音を消してコソコソっとスモーカーさんの隣へ。
ここまで来ても気付かない程、疲れているのか、それとも気を許してくれているのか、わたしに負けるわけがないから気が緩んでいるのか。
俯いているスモーカーさんの顔を覗き込む。
彼の瞼は閉じていた。ちょっとだけ口が開いていて、そこから寝息がかすかに聞こえる。
初めてみる寝顔に胸が高鳴った。
眉間のしわが無くなるとかっこいいな。あってもかっこいいんだけど…
「実は好きなんです。」
面と向かっては言えない言葉が声に出た。とても小さくて囁く程度の音。
聞こえていないからこそ言える胸の内。
聞こえるように言ったわけではないから、もちろん何の反応も無い。ワゴンへ戻って、今着ました!と言わんばかりに、わざと強めにドアを閉めた。
ガチャン!
その音に合わせて、スモーカーさんの背中がビクッと反応した。
「やべぇ」と言って顔を上げたのは、寝ていてヤバいなのが、書類に涎でも垂らしたのか。
「おはようございます。」
「…寝てた。」
「先に仮眠取りますか?」
「いや、腹が減ってる。」
受け答えはちゃんとしてくれるけど、まだ寝寝起きの雰囲気を纏い、後頭部をポリポリ掻いている姿は、ちょっと可愛い。
こんな厳つい男を可愛いと思うわたしは末期だ。
テーブルへ食事並べて、ソファに向かい合わせに座る。
ボソッと「いただきます。」と手を合わせている彼を更に愛おしく思う。
最初はボーッとしたままサンドイッチを頬張っていたスモーカーさんは、脳が覚醒すると見ていて気持ちいいほどに、パクパクと食べていった。
最後のデザートのフルーツをフォークで刺しながら「お前いつ戻ってきた?」と。
どういう意味かと思ったが、ドアを勢いよく閉めたのがわざとだとバレているのか…
「ドアうるさかったですか?勢いよく閉めちゃったんで。」
イチゴをパクっと口に入れ咀嚼している。
「うるせぇとは思ったが、ナマエはドアをそんな風に閉めねぇから、気になった。」
「すいません。ワゴンで来たから上手く閉められなくて…」
申し訳ないフリして、ちょっと頭を下げた。
さっきの告白はバレてなさそう。
ご馳走さんと言われたから、話しが反れると安堵した直後。
「あれ、わざとだろ?」
してやったという顔のスモーカーさんが居た。
「ち!違いますよ!」
「そんな焦んなって。」
慣れた手つきで葉巻を蒸かしだす。
スモーカーさんのイタズラっぽい顔に、わたしの顔は熱を帯びた。
「言わなくていいのかよ?起きてるおれに。」
ソファに背中を預け、なんとも余裕の表情。
「夢でも見てました?」
平然を裝いつつ反抗してみるが、彼のしたり顔は崩れない。
「夢か。残念だな。」
誤魔化したいのに、耳が熱い。
スモーカーさんがクツクツ笑うから、更に恥ずかしさが増す。
「ナマエ。こっち向けよ。」
楽しそうな声で言われて、ジロリと睨むようにスモーカーさんを見る。
「おれはお前が好きなんだがな。」
葉巻を灰皿に押し付けて、煙になったスモーカーさんはわたしの隣へ座る。
膝同士がくっつく距離にドキドキと心臓が鳴る。
「さて、お前はどうだ?」
その笑顔を隣で見ていたいから、観念します。
「実は大好きです。」