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「どこから入った?」
怒気を含んだ低い声が聞こえ、飛び起きた。
寝ぼける頭を無理矢理回転させ、初めて聞く声の主に慌てて、部屋を見渡す。
薄暗い室内で確認できたものは暖かい色の炎が灯ったランプ、知らない形の窓、波の音。
ここ…わたしの部屋じゃない。
全く知らない部屋のベッドに寝ているのだ。
「え?」
それしか言えないわたしを追い込むように、続けざまに怒鳴り声が響く。
「おい、答えろ。お前どこから入った?海賊か?能力者か?」
怒鳴られても、自分でもわからないんだ。
少し体を起こし、声のする方へ目線を向けると、半裸の男がぼんやり見えた。
あなたは誰?なぜ半裸?ここはどこ?
頭がズキズキと痛みだす。
「ごめんなさい。わたしも驚いてます。えっと…あなたの質問の意味がわからないけど、海賊でも能力者?でもないです。」
現状を説明しながら、こめかみを抑える。
「はぁ?じゃあどうやってこの軍艦のおれの部屋に入った?」
わたしもわからないのに、なんで怒鳴るの?頭も痛いし。少し落ち着いてよ!
自分は被害者かのように、騒ぐ男をぐっと睨む。
「わたしだって昨日自分の家で寝てましたよ!!」
睨みつけた先にいたのは白銀の髪の大男。
本当に誰?わたしだって意味わかんないのにと、思考を巡らせてみても、また怒鳴られる。
「そんな奴が軍艦に乗ってるわけねぇだろ。」
「おい。おれぁ気か長えほうじゃねぇんだ。」
グッと胸ぐらを掴まれ、おしりがベッドから浮いた。
ヒュッと喉が鳴る。
膝がガクガク鳴り、血の気が引いていくのがわかる。
眼の前の男性から、かすかすに煙の匂いがして、夢で匂いまでわかることは無い。
これは現実だ。
ドクンドクンと壊れそうな心臓。
上手く息ができない。
人生でこんな近くで睨まれることなんてあっただろうか。
胸ぐらを掴まれることなんてあっただろうか。
紅い瞳を見たことがあっただろうか。
恐怖から涙が溢れてしまう。
でも、目を逸らすことだけはしたくない。わたしだってわからないんだ。
「お前は誰だ?どこから入った?質問に答えろ。」
怒鳴り声ではなかったが、冷静を装いつつ高圧的な質問が飛んでくる。
「ナマエ。起きたらここに居て、何故かわならない。」
声が震えないように、でも意思が伝わるよう、質問の返答を最小限かつはっきりと口に出す。
強い眼光がわたしを射抜き続けている。
彼もきっと困惑しているはずだが、その瞳からは何も伝ってこなかった。
当然パッと手が離され、踏ん張っていた足から力が抜け、ベッドへへたり込む。
ドでかいため息を吐いた白銀の髪の男は、ポケットからカタツムリのようなものを出し、何か話していた。
カタツムリだよね?
「今すぐ部屋に来い。」そう告げて、カタツムリに付いてる受話器?らしきものを置く。
電話?カタツムリ?
パニックでどうしようも無い時は、どうでもいい疑問を持つと少し気が休まると聞いた気がする。
ほうっと息を吐いて、呼吸を忘れていたことに気づく。
涙を拭おうとするが、ガタガタと震える体は言う事を聞かない。
「今からおれの部下が来る。近くの島におろしてやるから、それまでそいつに従え。」
島?海賊?カタツムリ?気が休まるって言った奴誰だよ。嘘つき。
ヤバい…息が吸えない…
「おい!どうした?おい!」
遠くに聞こえる怒鳴り声。
この人また怒ってるよ。ほんとうるさいな。
「あ。お目覚めになりましたか?」
目が覚めると知らない天井と微かに香る潮の香りと消毒の匂い。
自分のベッドではない、寝心地の悪さ。
掛けられている布団は、どこか湿っぽくて重たい。
そんな状況とあわせて、知らない眼鏡の女の子が居た。
「ここどこ?」
頭が回らないのは相変わらずで、口から出たのは小さな疑問だけ。
ちょっとだけガサついた声。
眼鏡の子は、すぐにベッド横のパイプ椅子に座って、疑問の答えを教えてくれた。
それはもう穏やかに。
「ここは海軍本部の軍艦です。昨日のこと覚えておりますか?」
「海軍?…昨日…?あ!」
ぼーっとしていた頭が海軍の言葉で、急に回転を始めた。
「覚えておりますか。昨夜あなたは過呼吸になって倒れてしまって。ここは救護室です。少しお話し出来ますか?」
「はい」
体を起こそうと動いたが、彼女から寝たままで大丈夫ですよと告げられて、再度ベッドに体を預けた。
「いくつかお詫びしなくてはなりません。1つ目は、勝手に血液検査をさせていただきました。もし病気などがあっての発作では大変なので。」
「2つ目は、ここは海軍の軍艦です。乗船している者は軍人ではありますが、変な気を起こす者が居ないとも限りません。今着用されているものは私の未使用の寝具です。着用の際は、私が担当していますので、そこはご安心ください。」
「3つ目ですが、あなたが身につけていた物含め、所持品はこちらでお預かりしています。」
「この3点は勝手ではありますが、申し訳ありません。しかし、あなたが何者かわからない状況かつ、ここは海の上です。我々の命に関わることは、全て避けたいと思っています。もし、あなたが何かの目的でここへ降り立ったのなら、今一度お考え直しください。」
とても落ち着いた声で話す彼女は、昨日の男言っていた部下なのだろう。
すーっと深く息を吸い、彼女の目をしっかりと見る。
「現状は、わかりました。助けていただいてありがとうございます。
申し訳ないことに、私もわからないんです。夜は自宅のベッドで動画を見ながら寝落ちして、起きたらここです。
私にはそれ以上でもそれ以下でもないんです。信じていただけないでしょうけれど。」
最後は尻すぼみになってしまった。
頭のおかしい事を言っているのは、わかっている。わたしだったら、こんな話は信じない。
それなのに、彼女は小さく頷いた。
「…いえ。血液検査の結果、あなたがこの世界の方で無いことは証明されました。どのタイプでも無かったので。
…先程は、いやらしい言い方をして申し訳ありません。」
「検査?いや、検査してもらう事は問題ないです。しかし…タイプとは血液型ということですか?」
「そうなりますね。どれにも当てはまりませんでした。」
そんなことってある?
本当に知らない世界に来てしまったんだ…
「そっか。そうなんだ。ここは違う世界なんですか…夢かな?」
独り言くらいの小さな声で呟いても、彼女の耳には届いていた。
「ここグランドラインはあり得ないことが起こる海です。なので…我々は受け入れていくつもりですが…あなたは受け入れることは出来そうですか?」
「グランド…わたしの知ってる地名ではないですね…夢ではないなら……受け入れる……そう努力します…」
どうしていいのか分からず、彼女から目線を外し天井へ。
布団の中で、両手をきつく握りしめるしかできなかった。
コンコンコン
「はい。」
「おれだ。」
「少しお待ちくださいね。」
眼鏡の女性がわたしに一礼してドアから出ていった。
「お目覚めになられました。入られますか?」
「あぁ」
微かに聞こえる会話。
ドアが開き、入っていきたのは昨夜揉めた男性。
昨日は月明かりとかランプの明かりでしか見えていなかったが、今は昼間。
太陽の光は、たっふりと窓から部屋へ注ぎ込んでくる。
その光の中で見る彼の綺麗な白銀の髪は、光を増幅させキラキラとしていて、眩しかった。
結構顔が怖めで、昨夜はよく言い返したなと思う。
そして、異世界?には体格良い人が居るもんなんだな。
「気分はどうた?」
おもむろにパイプ椅子に座り、こちらをジッと見てくる。
怒鳴り声ではないが、彼の声に昨夜の恐怖が過り、体に力が入ってしまう。
かろうじて出た言葉。
「良くもなく…悪くもない…です。」
さっきまで話せていたのに、今は声が震えてしまう
「昨夜は申し訳無かった。こちらも命張ってるもんで。」
謝罪の後、頭を下げられて少し驚いた。
寝ている事に申し訳なさが募り、体を起こす。
緊張で喉が乾いて声が上擦る。
「わたしこそ、動揺していましたし、倒れてしまったり、介抱していただいて…ご迷惑おかけしました。」
「すまない。」
「すいませんでした。」
ほぼ同時に頭を下げるから、なんだか少し笑えた。
「病み上がりに悪いが、今後の話をさせてくれるか?」
コクッと頷く。
「おれぁスモーカー。後ろの眼鏡はたしぎだ。この船内での生活は、おれかたしぎと共に行動してもらう。」
階級などは覚えなくていいと言われた。
この白銀の大男が、スモーカーさん。
介抱してくれた女性がたしぎさん。
「何かあれば軍医とも話し合ったほうがいいだろう。あとで紹介する。」
この船は海軍の船で、数日前に本部を出航し、2ヶ月の遠征に向かう途中とのこと。
本部には、わたしのことを話しており、帰還した際には元帥と呼ばれる1番偉い方と面会するとなったそう。
基本的には、船内でたしぎさんと過ごすことが多くなるが、彼女が不寝番の時などはスモーカーさんと過ごすことになると。
服が無いので、近くの島で必要な物は購入するよう言われた。
意外と配慮してくれることに驚く。
昨日の件からすると、スモーカーさんは配慮に欠けそうなイメージがあったから。
2ヶ月は船の中で過ごすことが確定した今、自分にできることを探す。
わたしができることは…
「あの、ご迷惑で無ければ血液型のタイプ?を教えてほしいです。」
それまで淡々と説明していたスモーカーさんの瞳に疑心の色が見えた。
「わたし、看護師だったんです。」
怒気を含んだ低い声が聞こえ、飛び起きた。
寝ぼける頭を無理矢理回転させ、初めて聞く声の主に慌てて、部屋を見渡す。
薄暗い室内で確認できたものは暖かい色の炎が灯ったランプ、知らない形の窓、波の音。
ここ…わたしの部屋じゃない。
全く知らない部屋のベッドに寝ているのだ。
「え?」
それしか言えないわたしを追い込むように、続けざまに怒鳴り声が響く。
「おい、答えろ。お前どこから入った?海賊か?能力者か?」
怒鳴られても、自分でもわからないんだ。
少し体を起こし、声のする方へ目線を向けると、半裸の男がぼんやり見えた。
あなたは誰?なぜ半裸?ここはどこ?
頭がズキズキと痛みだす。
「ごめんなさい。わたしも驚いてます。えっと…あなたの質問の意味がわからないけど、海賊でも能力者?でもないです。」
現状を説明しながら、こめかみを抑える。
「はぁ?じゃあどうやってこの軍艦のおれの部屋に入った?」
わたしもわからないのに、なんで怒鳴るの?頭も痛いし。少し落ち着いてよ!
自分は被害者かのように、騒ぐ男をぐっと睨む。
「わたしだって昨日自分の家で寝てましたよ!!」
睨みつけた先にいたのは白銀の髪の大男。
本当に誰?わたしだって意味わかんないのにと、思考を巡らせてみても、また怒鳴られる。
「そんな奴が軍艦に乗ってるわけねぇだろ。」
「おい。おれぁ気か長えほうじゃねぇんだ。」
グッと胸ぐらを掴まれ、おしりがベッドから浮いた。
ヒュッと喉が鳴る。
膝がガクガク鳴り、血の気が引いていくのがわかる。
眼の前の男性から、かすかすに煙の匂いがして、夢で匂いまでわかることは無い。
これは現実だ。
ドクンドクンと壊れそうな心臓。
上手く息ができない。
人生でこんな近くで睨まれることなんてあっただろうか。
胸ぐらを掴まれることなんてあっただろうか。
紅い瞳を見たことがあっただろうか。
恐怖から涙が溢れてしまう。
でも、目を逸らすことだけはしたくない。わたしだってわからないんだ。
「お前は誰だ?どこから入った?質問に答えろ。」
怒鳴り声ではなかったが、冷静を装いつつ高圧的な質問が飛んでくる。
「ナマエ。起きたらここに居て、何故かわならない。」
声が震えないように、でも意思が伝わるよう、質問の返答を最小限かつはっきりと口に出す。
強い眼光がわたしを射抜き続けている。
彼もきっと困惑しているはずだが、その瞳からは何も伝ってこなかった。
当然パッと手が離され、踏ん張っていた足から力が抜け、ベッドへへたり込む。
ドでかいため息を吐いた白銀の髪の男は、ポケットからカタツムリのようなものを出し、何か話していた。
カタツムリだよね?
「今すぐ部屋に来い。」そう告げて、カタツムリに付いてる受話器?らしきものを置く。
電話?カタツムリ?
パニックでどうしようも無い時は、どうでもいい疑問を持つと少し気が休まると聞いた気がする。
ほうっと息を吐いて、呼吸を忘れていたことに気づく。
涙を拭おうとするが、ガタガタと震える体は言う事を聞かない。
「今からおれの部下が来る。近くの島におろしてやるから、それまでそいつに従え。」
島?海賊?カタツムリ?気が休まるって言った奴誰だよ。嘘つき。
ヤバい…息が吸えない…
「おい!どうした?おい!」
遠くに聞こえる怒鳴り声。
この人また怒ってるよ。ほんとうるさいな。
「あ。お目覚めになりましたか?」
目が覚めると知らない天井と微かに香る潮の香りと消毒の匂い。
自分のベッドではない、寝心地の悪さ。
掛けられている布団は、どこか湿っぽくて重たい。
そんな状況とあわせて、知らない眼鏡の女の子が居た。
「ここどこ?」
頭が回らないのは相変わらずで、口から出たのは小さな疑問だけ。
ちょっとだけガサついた声。
眼鏡の子は、すぐにベッド横のパイプ椅子に座って、疑問の答えを教えてくれた。
それはもう穏やかに。
「ここは海軍本部の軍艦です。昨日のこと覚えておりますか?」
「海軍?…昨日…?あ!」
ぼーっとしていた頭が海軍の言葉で、急に回転を始めた。
「覚えておりますか。昨夜あなたは過呼吸になって倒れてしまって。ここは救護室です。少しお話し出来ますか?」
「はい」
体を起こそうと動いたが、彼女から寝たままで大丈夫ですよと告げられて、再度ベッドに体を預けた。
「いくつかお詫びしなくてはなりません。1つ目は、勝手に血液検査をさせていただきました。もし病気などがあっての発作では大変なので。」
「2つ目は、ここは海軍の軍艦です。乗船している者は軍人ではありますが、変な気を起こす者が居ないとも限りません。今着用されているものは私の未使用の寝具です。着用の際は、私が担当していますので、そこはご安心ください。」
「3つ目ですが、あなたが身につけていた物含め、所持品はこちらでお預かりしています。」
「この3点は勝手ではありますが、申し訳ありません。しかし、あなたが何者かわからない状況かつ、ここは海の上です。我々の命に関わることは、全て避けたいと思っています。もし、あなたが何かの目的でここへ降り立ったのなら、今一度お考え直しください。」
とても落ち着いた声で話す彼女は、昨日の男言っていた部下なのだろう。
すーっと深く息を吸い、彼女の目をしっかりと見る。
「現状は、わかりました。助けていただいてありがとうございます。
申し訳ないことに、私もわからないんです。夜は自宅のベッドで動画を見ながら寝落ちして、起きたらここです。
私にはそれ以上でもそれ以下でもないんです。信じていただけないでしょうけれど。」
最後は尻すぼみになってしまった。
頭のおかしい事を言っているのは、わかっている。わたしだったら、こんな話は信じない。
それなのに、彼女は小さく頷いた。
「…いえ。血液検査の結果、あなたがこの世界の方で無いことは証明されました。どのタイプでも無かったので。
…先程は、いやらしい言い方をして申し訳ありません。」
「検査?いや、検査してもらう事は問題ないです。しかし…タイプとは血液型ということですか?」
「そうなりますね。どれにも当てはまりませんでした。」
そんなことってある?
本当に知らない世界に来てしまったんだ…
「そっか。そうなんだ。ここは違う世界なんですか…夢かな?」
独り言くらいの小さな声で呟いても、彼女の耳には届いていた。
「ここグランドラインはあり得ないことが起こる海です。なので…我々は受け入れていくつもりですが…あなたは受け入れることは出来そうですか?」
「グランド…わたしの知ってる地名ではないですね…夢ではないなら……受け入れる……そう努力します…」
どうしていいのか分からず、彼女から目線を外し天井へ。
布団の中で、両手をきつく握りしめるしかできなかった。
コンコンコン
「はい。」
「おれだ。」
「少しお待ちくださいね。」
眼鏡の女性がわたしに一礼してドアから出ていった。
「お目覚めになられました。入られますか?」
「あぁ」
微かに聞こえる会話。
ドアが開き、入っていきたのは昨夜揉めた男性。
昨日は月明かりとかランプの明かりでしか見えていなかったが、今は昼間。
太陽の光は、たっふりと窓から部屋へ注ぎ込んでくる。
その光の中で見る彼の綺麗な白銀の髪は、光を増幅させキラキラとしていて、眩しかった。
結構顔が怖めで、昨夜はよく言い返したなと思う。
そして、異世界?には体格良い人が居るもんなんだな。
「気分はどうた?」
おもむろにパイプ椅子に座り、こちらをジッと見てくる。
怒鳴り声ではないが、彼の声に昨夜の恐怖が過り、体に力が入ってしまう。
かろうじて出た言葉。
「良くもなく…悪くもない…です。」
さっきまで話せていたのに、今は声が震えてしまう
「昨夜は申し訳無かった。こちらも命張ってるもんで。」
謝罪の後、頭を下げられて少し驚いた。
寝ている事に申し訳なさが募り、体を起こす。
緊張で喉が乾いて声が上擦る。
「わたしこそ、動揺していましたし、倒れてしまったり、介抱していただいて…ご迷惑おかけしました。」
「すまない。」
「すいませんでした。」
ほぼ同時に頭を下げるから、なんだか少し笑えた。
「病み上がりに悪いが、今後の話をさせてくれるか?」
コクッと頷く。
「おれぁスモーカー。後ろの眼鏡はたしぎだ。この船内での生活は、おれかたしぎと共に行動してもらう。」
階級などは覚えなくていいと言われた。
この白銀の大男が、スモーカーさん。
介抱してくれた女性がたしぎさん。
「何かあれば軍医とも話し合ったほうがいいだろう。あとで紹介する。」
この船は海軍の船で、数日前に本部を出航し、2ヶ月の遠征に向かう途中とのこと。
本部には、わたしのことを話しており、帰還した際には元帥と呼ばれる1番偉い方と面会するとなったそう。
基本的には、船内でたしぎさんと過ごすことが多くなるが、彼女が不寝番の時などはスモーカーさんと過ごすことになると。
服が無いので、近くの島で必要な物は購入するよう言われた。
意外と配慮してくれることに驚く。
昨日の件からすると、スモーカーさんは配慮に欠けそうなイメージがあったから。
2ヶ月は船の中で過ごすことが確定した今、自分にできることを探す。
わたしができることは…
「あの、ご迷惑で無ければ血液型のタイプ?を教えてほしいです。」
それまで淡々と説明していたスモーカーさんの瞳に疑心の色が見えた。
「わたし、看護師だったんです。」