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スモーカーさんとたしぎさんの送別会。
先日、G-5へ配属が決まったふたりの勤務は今日まで。出航は5日後。
お世話になったお礼にと、部隊で盛大な送別会。
身内だけかと思っていたが、上層部の方々も顔を出していた。野犬なんて言われても、本部からわざわざ顔をだすなんて、信頼されている証だな。
クザンさん、ヒナさんに、嵐のよう騒いで帰っていったガープさん。
夕方から始まった送別会も夜が深くなる頃に、寂しさを纏って解散となった。
「スモーカーさん、たしぎさん、ありがとうございました。」
帰りがけのお二人に餞別の品を。
たしぎさんには、眼鏡ケースと眼鏡拭きにドライフラワー。
あっても困らないはずの物を。
スモーカーさんには、しっかり休んで欲しくて安眠枕と、大量のマッチ。
マッチを選んだ理由は、葉巻を蒸す度にわたしを思い出してほしくて。
以前、マッチで味も香りも変わると教えてくれた。
プレゼントは、スモーカーさんが「旨い」と言っていたブランドの物。
香りは1番記憶に残ると聞くし、プレゼントしたマッチで蒸した香りに、わたしを少しでも思い出してほしいと云う下心だ。
お二人共喜んでくださって、たしぎさんとお互い泣きながら抱擁をして別れた。
わたしとスモーカーさんは、自宅方面が一緒。
たまに一緒に帰路に着くことはあったが、今日でそれも最後。
「落ち着いたか?」
ズビズビと鼻を啜るわたしの頭を撫でながら
、葉巻を蒸かすスモーカーさん。
「はい。すいません。」
そろそろ帰るぞと促され、とうとう最後の退勤だ。
涙は引いても、擦ったせいで目元がチリチリと痛む。
この道で、何気ない会話をしたし、たまに笑いあい、たまに泣かされ、たまに励ましてもらい…
スモーカーさんに色々な物を貰った。
そう思ったら、鼻の奥がツーンと痛み何度目かの涙が溢れた。
「また泣いてんのか?」
立ち止まり、わたしの目線に降りてきてくれる。
「すいません。今日は涙腺が…」
「たしぎと仲良かったもんな。」
コクコクと頷く。
たしぎさんとは姉妹のように仲良くしてもらって、プライベートでもたくさん遊んだ。
彼女が居なくなることは、もちろん悲しい。
でも、1番悲しいのはスモーカーさんが居なくなること。
宥めるようにガシガシと頭を撫でられる。
この大きな手に撫でてもらえることは、今後訪れることはない。
大好きな彼の背中も闘う姿も見られなくなる。優しい声も指示を出す時の凛々しい声も聞けなくなる。
スモーカーさんの執務室の葉巻の香りも…
「行かないでぐださい。」
「あ?」
「スモーカーざんが居なくなるの嫌でず。だって、大好きなんです。」
グッと紅い瞳を見る。
想いが通じるとか通じないとか、振られるとか全く考えなかった。
ただ、ただ、スモーカーさんがこの街から去ることが嫌で、それを伝えたかっただけ。
一瞬驚いた後、撫でてくれていた大きな手はゆっくりと離れていった。
途端に温もりが消えて、更に寂しさが増してしまった。
ワンワン泣くわたしと、後頭部を掻くスモーカーさん。
「ごめんなさい。大好きなんです。」
言葉になっていなけれど、1度口に出してしまった想いは止まらない。
両肩を掴まれ「ナマエこっち向け。」と。
スモーカーさんは見たことの無いほど穏やかな顔。
「泣くなよ。な?おれもお前が好きだ。」
瞬きを忘れ、涙が止まった。
「G-5には連れていけねぇが、必ず迎えに来る。都合いいのはわかっているが、待っていてくれるか?」
返事なんて決まっている。でも、上手く声を出せそうにないから、思い切り胸に飛び込み大きな背中を力いっぱい抱き締めた。
大好きなスモーカーさんの匂いが鼻腔を掠める。
「返事と思っていいんだな?」
スモーカーさんの声が少し笑っている。
返事の代わりに腕の力を強めると、「痛てぇよ」と痛くもないのに笑ってくれる。
それがたまらく幸せで、目の前の胸にキスをした。
「おいおい。そこじゃねぇだろ?」
ベリベリと剥がされ、スモーカーさんの温もりが離れていく。
「こっちな?」
顎をクイッと捕まれ、目の前にはスモーカーさんの嬉しそうな笑顔に心臓がギュッと鳴った。
「もう泣くなよ。」
ゆっくり瞼を閉じる。
「好きだ」と囁かれ、わたしの唇に少しカサついた唇が落ちた。
鼻腔を擽る葉巻の香りと、アルコールの香り。
「ずっと待ってますから、出航まで一緒に過ごしたいです。」
遠い海に旅立つあなたに、溢れんばかりの愛を注ぎたい。
先日、G-5へ配属が決まったふたりの勤務は今日まで。出航は5日後。
お世話になったお礼にと、部隊で盛大な送別会。
身内だけかと思っていたが、上層部の方々も顔を出していた。野犬なんて言われても、本部からわざわざ顔をだすなんて、信頼されている証だな。
クザンさん、ヒナさんに、嵐のよう騒いで帰っていったガープさん。
夕方から始まった送別会も夜が深くなる頃に、寂しさを纏って解散となった。
「スモーカーさん、たしぎさん、ありがとうございました。」
帰りがけのお二人に餞別の品を。
たしぎさんには、眼鏡ケースと眼鏡拭きにドライフラワー。
あっても困らないはずの物を。
スモーカーさんには、しっかり休んで欲しくて安眠枕と、大量のマッチ。
マッチを選んだ理由は、葉巻を蒸す度にわたしを思い出してほしくて。
以前、マッチで味も香りも変わると教えてくれた。
プレゼントは、スモーカーさんが「旨い」と言っていたブランドの物。
香りは1番記憶に残ると聞くし、プレゼントしたマッチで蒸した香りに、わたしを少しでも思い出してほしいと云う下心だ。
お二人共喜んでくださって、たしぎさんとお互い泣きながら抱擁をして別れた。
わたしとスモーカーさんは、自宅方面が一緒。
たまに一緒に帰路に着くことはあったが、今日でそれも最後。
「落ち着いたか?」
ズビズビと鼻を啜るわたしの頭を撫でながら
、葉巻を蒸かすスモーカーさん。
「はい。すいません。」
そろそろ帰るぞと促され、とうとう最後の退勤だ。
涙は引いても、擦ったせいで目元がチリチリと痛む。
この道で、何気ない会話をしたし、たまに笑いあい、たまに泣かされ、たまに励ましてもらい…
スモーカーさんに色々な物を貰った。
そう思ったら、鼻の奥がツーンと痛み何度目かの涙が溢れた。
「また泣いてんのか?」
立ち止まり、わたしの目線に降りてきてくれる。
「すいません。今日は涙腺が…」
「たしぎと仲良かったもんな。」
コクコクと頷く。
たしぎさんとは姉妹のように仲良くしてもらって、プライベートでもたくさん遊んだ。
彼女が居なくなることは、もちろん悲しい。
でも、1番悲しいのはスモーカーさんが居なくなること。
宥めるようにガシガシと頭を撫でられる。
この大きな手に撫でてもらえることは、今後訪れることはない。
大好きな彼の背中も闘う姿も見られなくなる。優しい声も指示を出す時の凛々しい声も聞けなくなる。
スモーカーさんの執務室の葉巻の香りも…
「行かないでぐださい。」
「あ?」
「スモーカーざんが居なくなるの嫌でず。だって、大好きなんです。」
グッと紅い瞳を見る。
想いが通じるとか通じないとか、振られるとか全く考えなかった。
ただ、ただ、スモーカーさんがこの街から去ることが嫌で、それを伝えたかっただけ。
一瞬驚いた後、撫でてくれていた大きな手はゆっくりと離れていった。
途端に温もりが消えて、更に寂しさが増してしまった。
ワンワン泣くわたしと、後頭部を掻くスモーカーさん。
「ごめんなさい。大好きなんです。」
言葉になっていなけれど、1度口に出してしまった想いは止まらない。
両肩を掴まれ「ナマエこっち向け。」と。
スモーカーさんは見たことの無いほど穏やかな顔。
「泣くなよ。な?おれもお前が好きだ。」
瞬きを忘れ、涙が止まった。
「G-5には連れていけねぇが、必ず迎えに来る。都合いいのはわかっているが、待っていてくれるか?」
返事なんて決まっている。でも、上手く声を出せそうにないから、思い切り胸に飛び込み大きな背中を力いっぱい抱き締めた。
大好きなスモーカーさんの匂いが鼻腔を掠める。
「返事と思っていいんだな?」
スモーカーさんの声が少し笑っている。
返事の代わりに腕の力を強めると、「痛てぇよ」と痛くもないのに笑ってくれる。
それがたまらく幸せで、目の前の胸にキスをした。
「おいおい。そこじゃねぇだろ?」
ベリベリと剥がされ、スモーカーさんの温もりが離れていく。
「こっちな?」
顎をクイッと捕まれ、目の前にはスモーカーさんの嬉しそうな笑顔に心臓がギュッと鳴った。
「もう泣くなよ。」
ゆっくり瞼を閉じる。
「好きだ」と囁かれ、わたしの唇に少しカサついた唇が落ちた。
鼻腔を擽る葉巻の香りと、アルコールの香り。
「ずっと待ってますから、出航まで一緒に過ごしたいです。」
遠い海に旅立つあなたに、溢れんばかりの愛を注ぎたい。