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「うぉっ」と言う声が聞こえたと同時にバキッとかミシッとかそういった音が聞こえた。
慌てて音のなる方へ向き直して「どうしたの?」と問いかければ、呆然と下を見るのは大声を出した張本人。
「今の音何?どうしたの?」
「はぁー。わりぃ、椅子壊しちまった。」
ボリボリと後頭部を掻く恋人のスモーカー。
「まじで?」
スモーカーが一度しゃがみ込んで、真っ二つに割れた椅子の脚2本と、かろうじて2本の脚がついてる座面を持ち上げ、こちらに見せる。
「わりぃ。ナマエが気に入ってたやつなのに、すまねぇ。」
「気に入ってたけど、もう8年は使ってるから仕方ないよ。」と言いながら、頭を垂れるスモーカーの隣へ。
「弁償させてくれ。」
「これ、一点物だから…」
「それは…本当に悪かった。」と、再度謝罪された。
この日の夕食は、ダイニングテーブルでは無くリビングで。
ふたりで、床に並んで座る。
いつもは向かい合っての食事だから、いつもと違う感じで、わたしは楽しかった。
「ほしいやつ見つけたら言ってくれ。」
「ありがとう。一緒に探しに行ってくれる?」
「あぁ。もちろんだ。」
「ゆっくり探そうね。」
基本的に仏頂面な彼だけど、今日は更に仏頂面。その横顔が拗ねてるように見えて、ちょっと可愛いと思ってしまう。
ヨシヨシと、後頭部を撫でれば、更に居心地が悪いと言いたげな顔をしていた。
壊れてしまった椅子は、一人暮らしを始めてすぐに一目惚れしたダイニングテーブルセット。
学生だったわたしには、簡単に手が出せる物ではなく、諦めても良かったんだけど。
一目惚れしたことは無かったが、このセットに人生で初めての一目惚れをした。
ちなみに2度目の一目惚れは、先程から謝罪ばかりするスモーカー。これは、本人には秘密。
どうしても欲しくて、授業にレポート、サークルの合間にバイト、バイトを重ねる。
心身共に辛かったけど、頑張れたのはダイニングテーブルセットを購入するため。
そのかいあって、20歳になる日にめでたく購入できた。
今なら、簡単に出せる金額なのかもしれない。あの頃出会っていたからこそ、今まで大切にしてこれたんだと思う。
壊れてしまった椅子は8年程使っていて、そのうち約5年はスモーカーが座ることが多かった。
190cm越えで体重100kgくらいのマッチョが5年も使っていれば、壊れるよね。
そして、それだけ長い間一緒に居て、食事を共にしてきたということを実感した。
落ち込んでいる姿を見れば、わたしが大切にしているモノゴトを一緒に大切にしてくれていることもわかる。優しさが伝わってくる。
だから、わたしは怒っても落ち込んでもいなくて、逆に嬉しいくらいだ。
彼の方が落ち込んでいて、変な言い方たけど嬉しかった。
コーヒーのいい香りを楽しみながら、そんな事を思ってしまう。
食後のコーヒーはスモーカーの担当。
豆をミルで引き、ハンドドリップ。
こだわりの強い彼に任せた方が断然美味しいのだ。
コトっといい香りのカップをテーブルに置かれ、お礼を言う。
自分のコーヒーを啜りながら隣に座るスモーカー。
「スモーカー、こういうのいいね。」
「あ?おれが物壊すのがか?」
「違う違う。」
慌ててスモーカーを見れば、少しだけ眉間の皺が深くなっている。
「スモーカーが、わたしの大切なモノを大切にしてくれてるのが、ちゃんと伝わったし、壊れるくらい一緒に居たって実感出来て良かったなって。」
口に出した途端、恥ずかしくなって「コーヒー頂きます」とカップを持つ。
「ナマエが大切なモノをおれが大切にするのは当たり前だろう。壊したのはおれだけどな。純粋にナマエが大切なモンはおれも大切にしてぇんだ。」
それができない人が多いのに、人一倍優しくて真っ直ぐな人だな。
「ありがとう。明日見に行くの付き合ってね?」
「あぁ。どこでも付き合うよ。」
ガシッと頭を掴まれて、そのままスモーカーの胸の方へ引かれる。大きな手の重みが心地よいくて流れに任せた。
右耳に聞こえるトクントクンと規則正しく音。
わたしは右腕をスモーカーの腰に回す。
「ずっと一緒に居ようね。」
「離してやるつもりはねぇぞ。」
「それ怖いよ」って笑う。
チュッと頭にキスを落とされ、フフフとまた笑みが溢れる。
ダイニングチェアを探すうちに、プロポーズされるのはまた別のお話し。
慌てて音のなる方へ向き直して「どうしたの?」と問いかければ、呆然と下を見るのは大声を出した張本人。
「今の音何?どうしたの?」
「はぁー。わりぃ、椅子壊しちまった。」
ボリボリと後頭部を掻く恋人のスモーカー。
「まじで?」
スモーカーが一度しゃがみ込んで、真っ二つに割れた椅子の脚2本と、かろうじて2本の脚がついてる座面を持ち上げ、こちらに見せる。
「わりぃ。ナマエが気に入ってたやつなのに、すまねぇ。」
「気に入ってたけど、もう8年は使ってるから仕方ないよ。」と言いながら、頭を垂れるスモーカーの隣へ。
「弁償させてくれ。」
「これ、一点物だから…」
「それは…本当に悪かった。」と、再度謝罪された。
この日の夕食は、ダイニングテーブルでは無くリビングで。
ふたりで、床に並んで座る。
いつもは向かい合っての食事だから、いつもと違う感じで、わたしは楽しかった。
「ほしいやつ見つけたら言ってくれ。」
「ありがとう。一緒に探しに行ってくれる?」
「あぁ。もちろんだ。」
「ゆっくり探そうね。」
基本的に仏頂面な彼だけど、今日は更に仏頂面。その横顔が拗ねてるように見えて、ちょっと可愛いと思ってしまう。
ヨシヨシと、後頭部を撫でれば、更に居心地が悪いと言いたげな顔をしていた。
壊れてしまった椅子は、一人暮らしを始めてすぐに一目惚れしたダイニングテーブルセット。
学生だったわたしには、簡単に手が出せる物ではなく、諦めても良かったんだけど。
一目惚れしたことは無かったが、このセットに人生で初めての一目惚れをした。
ちなみに2度目の一目惚れは、先程から謝罪ばかりするスモーカー。これは、本人には秘密。
どうしても欲しくて、授業にレポート、サークルの合間にバイト、バイトを重ねる。
心身共に辛かったけど、頑張れたのはダイニングテーブルセットを購入するため。
そのかいあって、20歳になる日にめでたく購入できた。
今なら、簡単に出せる金額なのかもしれない。あの頃出会っていたからこそ、今まで大切にしてこれたんだと思う。
壊れてしまった椅子は8年程使っていて、そのうち約5年はスモーカーが座ることが多かった。
190cm越えで体重100kgくらいのマッチョが5年も使っていれば、壊れるよね。
そして、それだけ長い間一緒に居て、食事を共にしてきたということを実感した。
落ち込んでいる姿を見れば、わたしが大切にしているモノゴトを一緒に大切にしてくれていることもわかる。優しさが伝わってくる。
だから、わたしは怒っても落ち込んでもいなくて、逆に嬉しいくらいだ。
彼の方が落ち込んでいて、変な言い方たけど嬉しかった。
コーヒーのいい香りを楽しみながら、そんな事を思ってしまう。
食後のコーヒーはスモーカーの担当。
豆をミルで引き、ハンドドリップ。
こだわりの強い彼に任せた方が断然美味しいのだ。
コトっといい香りのカップをテーブルに置かれ、お礼を言う。
自分のコーヒーを啜りながら隣に座るスモーカー。
「スモーカー、こういうのいいね。」
「あ?おれが物壊すのがか?」
「違う違う。」
慌ててスモーカーを見れば、少しだけ眉間の皺が深くなっている。
「スモーカーが、わたしの大切なモノを大切にしてくれてるのが、ちゃんと伝わったし、壊れるくらい一緒に居たって実感出来て良かったなって。」
口に出した途端、恥ずかしくなって「コーヒー頂きます」とカップを持つ。
「ナマエが大切なモノをおれが大切にするのは当たり前だろう。壊したのはおれだけどな。純粋にナマエが大切なモンはおれも大切にしてぇんだ。」
それができない人が多いのに、人一倍優しくて真っ直ぐな人だな。
「ありがとう。明日見に行くの付き合ってね?」
「あぁ。どこでも付き合うよ。」
ガシッと頭を掴まれて、そのままスモーカーの胸の方へ引かれる。大きな手の重みが心地よいくて流れに任せた。
右耳に聞こえるトクントクンと規則正しく音。
わたしは右腕をスモーカーの腰に回す。
「ずっと一緒に居ようね。」
「離してやるつもりはねぇぞ。」
「それ怖いよ」って笑う。
チュッと頭にキスを落とされ、フフフとまた笑みが溢れる。
ダイニングチェアを探すうちに、プロポーズされるのはまた別のお話し。