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「下がってろ。おれがやる。」
白いジャケットに、デカデカと書かれた『正義』の文字と、規格外の海楼石付の十手。
白銀の髪と、白い葉巻の煙。
何度も何度も見てきた、この大きな背中。
わたしは守られたいんじゃないよ。
隣に立ちたいんだ。
昔みたいに一緒に…
訓練兵時代から同期のスモーカー。
上官への不平不満は、言わなくても良いのに言ってしまう。
言ってしまうじゃないね。
言ってやるの方が正しいかな。
上官に食って掛かるスモーカーをわたしが抑えて、ヒナとドレークが上官をなんとかする構図が出来ていた。
今でもヒナはスモーカーの軍規違反をなんとかしているらしい。
同期3人は悪魔の実の能力者だけど、わたしは普通の人間。
実力差が開き過ぎているは事実。
自分は自分らしく海兵として戦おうと思っていたのに、今度の配属先はローグタウン。
そう。スモーカーの下。
仕事中は、敬語に敬礼。
無駄口は叩かず、彼の欲しい情報を短く正確に伝える。
指示があれば、その様に動き任務に徹底する。
ミスを減らす為に、後輩へのフォローも忘れず、任務を全うする。
年下のたしぎが昇格しても、スモーカーの右腕になっても、わたしは自分の正義を持って戦うだけ。
戦うって何に?って思う。
この頃のわたしは海賊と戦ってなんていなかった。
惨めな冴えない海兵である自分と戦っていたんだ。
何度も退役を考えたし、現場から離れようかも考えた。
ヒナと会えば「敬語はいらない」「ナマエ、もっと自由にしていいのよ」「ツラいなら辞めてもいいのよ?ヒナはいつまでもナマエの友達よ」と、慰めされて、それが更に惨めに思えた。
ヒナからの温かい言葉にも負けないように戦っていた。
結局は自分のことしか考えてなかった。
スモーカーの下で働くことが決まってから、スモーカーには「仕事中、同期と思わないで欲しい」旨を伝えた。
彼は、いつもの顔でいつもの葉巻を蒸して「あぁ。わかった。」とだけ。
涙が出ないように、声が震えないように、動揺がバレないように…宿舎で何度も練習した。
あの時、わたしはちゃんと笑えてたかな?
ちゃんとスモーカーを見れていたかな?
目を覚ますと見慣れない白い部屋に消毒の臭い。
体中が痛い。
わたしはあの後、爆風に巻き込まれたらしい。
軍医から、事の経緯と症状の説明を聞いたが、右耳がおかしい。音が上手く拾えない。
怪我の痛みは我慢できるけれど、耳が聞こえない違和感が気持ち悪い。
その事を告げると、すぐに検査が始まった。
結果的に、命に別状は無いが、右耳の聴力が殆ど無いそうだ。
一時的なものなのか、回復しないのか、それはわからないらしい。
軍医は難しい顔をして「現場には戻してやれない」と…
左耳が拾ったその言葉に、わたしはボロボロと涙を零していた。
自分が泣いている理由も泣いている事実にも理解が追いつかなかった。
ベッドで天井と窓の外を交互見ながら、今後を考えるが、現場に戻れないなら、海軍には居られない。
何か秀でるモノがあれば残れるだろうが、今のわたしには何もなかった。
片耳が聞こえない独身女性を雇ってくれる所なんてあるのだろうか…
地元に帰るべきか…
退職金出るかな…
ナースステーションが近いこの病室は、たくさんの足音や話し声が聞こえて考え事がしにくい。
大きく溜息を吐いて、考え事はやめた。
体も痛いし、ただでさえ集中出来る元気がない。
まずは上官つまり、スモーカーにこの事実を伝えなくては。
退院まで時間があるから、軍医に伝えて病院へ来てもらおう。
コンコンコン!
ドアのノックの音がした。
わたしの病室へ向かってくる足音が聞こえた気はしなかったが、反射的「はい!」と、結構大きめの声が出た。
ガチャっと開いたドアから入って来きのは、白猟のスモーカー。
「意識が戻ったと聞いてな。」
頭を掻きながら、ゆっくりとベッドへ歩いてくる。静かな病室にブーツの音がコツコツと響く。
スモーカーの足音は聞き間違えないのに、なぜ気付かなかったんだろう?
突然の来客に悲鳴を上げる体を無理矢理起こして
「大佐、この度は」
「ナマエ。敬語も敬礼もいらねぇよ。誰も見てねぇし聞いてねぇし、寝ながらでいい。」
言葉を遮られたことで、手間をかけさせてしまった謝罪と症状を伝えないのに言葉が出てこない。
スモーカーが真っ直ぐにわたしを見る。
紅い瞳がわたしを捉えている。
久しぶりに正面から見たけど、見慣れないのは葉巻が無いからかな…と、現実逃避していると、一歩一歩近づいてくる。
「寝てろ。」
わたしのおでこにスモーカーの手が置かれ、頭を枕へ下ろすように促された。反発できずに、ゆっくりと枕へ頭を戻すしかなかった。
どこを見ればいいかわからず、離れていく掌を見ていると、スモーカーはそのままパイプ椅子へ座った。
「症状は軍医から聞いた。右耳の件もだ。」
俯いて後頭部を掻きながら話すスモーカー。
あぁ聞いちゃったんだ。使えない部下でごめんなさい。自分から言うのも辛いけど、他の人伝いで知られるのも気分は良くない。
鼻の奥がツンとして、視界が滲んでくる。涙が溢れないように、必死に天井を見て瞬きを繰り返した。
「すまねぇ。おれが遅かったからだ。」
「違っ!!わたしの力不足だから、スモーカーの責任じゃない!!弱いわたしの責任だから。こんな耳じゃ海兵として働けないから、軍は辞めるから。謝るのは、わたしだから…」
勢いよく捲し立てるように声を出したせいで、咳が止まらない。喉がカラカラに乾いて涙が止まらない。肋骨が折れていることを忘れてた…
苦しくて泣いているのか、口に出した己の不甲斐なさに泣いているのかわからなくなった。
仰向けのまま咳き込むわたしをゆっくり起こして「落ち着け」と背中を擦るスモーカーの手が熱い。
咳が止まり、乱れた呼吸が落ち着いてくる。
それでも、背中を擦るスモーカーが穏やかな声で話し出した。
「お前をローグタウンに呼んだのはおれだ。お前は見てて危なっかしいから、目の届く範囲においておきたかった。モノみてぇに言って悪いが…お前が傷付くのが1番堪える。」
止まったはずの涙がまたポロポロも白いシーツにシミを作っていった。
昔からそうだった。
上官との模擬戦でも、新兵時代も、今も。
スモーカーはいつでも近くに居てくれた。
「そんな事…知らないよ…
わたしが弱いから…いつも…助けて…くれてたん…でしょ…」
「あぁ、言ってねぇからな。
近くに居ればお前が傷つかねぇようのできると思っていてな。お前の為じゃねぇよ。おれ自身の為だ。」
何度あなたの背中を見たことか。
逞しく意志の強い背中を。その背中が大好きだったんだ。
でも、守られる度に「弱い」って言われてる気がしていた。
「そんなの…知らない…」
「あぁ、今初めて言った。
今回の件で、本当に肝が冷えた。悪かった。すすまねぇ。おれの我儘の結果が今のお前だ。助けてやれなくて悪かった。」
ゴシゴシと涙を拭いた。目が腫れるとかはどうでもいい。
スモーカーが謝るということは、泣いて聞くことじゃない。ちゃんと聞かなきゃ。
「…」
「もう現場には出してやれねぇ。」
本日2度目の現場には出れない宣言。
肩の荷が降りたような、悔しいような複雑な気持ちだが、これが事実だ。腹を括ろう。
「退院しても辞めなくていい。お前が望めば、軍にはいられる。」
こんな使えない海兵を?何言ってるの?
「どういうこと?」間抜けで掠れた鼻声が室内に響く。
「上に、掛け合ってきた。
お前の情報処理能力を買ってるのはおれだけじゃねぇ。同期もだが、その上もだ。」
情報処理…能力?
「情報が錯綜する戦場で正確な判断ができるやつは少ねぇ。」
そういえば、一緒の任務の時は必ず意見を聞かれていた…
わたしにとっては、ただ事実を整理整頓しただけだったのに、少しでもスモーカーの役に立っていたの?
背中を擦っていた手が止まっていたことに今、気が付いた。
背中にあった右手が、わたしの右肩をグッと抱き寄せた。
「それに…おれはお前の傍に居てぇんだ。」
ドクン!と心臓が鳴った。
聞いたことのない声が、左耳に届いた。
息のかかる距離で聞く初めての声。
甘く痺れるような、でも切ないげな声色。
情報処理が追いつかいまま、「お前は嫌か?」
と矢継ぎ早に言われた。
ホッと息を吐いて頭を左へ倒す。
「嫌じゃないよ。嬉しい。」
スモーカーは何も言わずに、右手の力を更に強めて私の肩口に頭を押し付けてきた。
情けないほど小さな声で「生きててくれて良かった」と。
ローグタウンは今日も海賊がお出でです。
「と、言うわけ。
スモーカー行くの?」
執務室の窓から街並みを見る。
白いジャケットに、デカデカと書かれた『正義』の文字と、規格外の海楼石付の十手。
白銀の髪と、白い葉巻の煙。
わたしの左寄り
「あぁ。すぐ終わる。」
色んなモノを背負ってる、その背中が大好きだよ。
「下がってろ。おれがやる。」
白いジャケットに、デカデカと書かれた『正義』の文字と、規格外の海楼石付の十手。
白銀の髪と、白い葉巻の煙。
何度も何度も見てきた、この大きな背中。
わたしは守られたいんじゃないよ。
隣に立ちたいんだ。
昔みたいに一緒に…
近かったあの背中は、もう遥か遠い。
訓練兵時代から同期のスモーカー。
上官への不平不満なんて、言わなくても良いのに言ってしまう。
言ってしまうじゃないね。
言ってやるの方が正しい。
上官に食って掛かるスモーカーをわたしが抑えて、ヒナとドレークが上官をなんとかする構図が出来ていた。
正論だけじゃやっていけないけれど、それを曲げない強さが彼にはあった。
同期3人は悪魔の実の能力者で、わたしは普通の人間。
実力差が開き過ぎているは事実。
自分は自分らしく海兵として戦おうと思っていたのに、今度の配属先はローグタウン。
そう。スモーカーの下。
仕事中は、敬語に敬礼。
無駄口は叩かず、彼の欲しい情報を短く正確に伝える。
指示があれば、その様に動き任務に徹底する。
ミスを減らす為に、後輩へのフォローも忘れず、任務を全うする。
年下のたしぎが昇格しても、スモーカーの右腕になっても、わたしは自分の正義を持って戦うだけ。
戦うって何に?って思う。
この頃のわたしは海賊と戦ってなんていなかった。
惨めな冴えない海兵である自分と戦っていたんだ。
何度も退役を考えたし、現場から離れようかも考えた。
ヒナと会えば「敬語はいらない」「ナマエ、もっと自由にしていいのよ」「ツラいなら辞めてもいいのよ?ヒナはいつまでもナマエの友達よ」と、慰めされて、それが更に惨めに思えた。
ヒナからの温かい言葉にも負けないように戦っていた。
結局は自分のことしか考えてなかった。
スモーカーの下で働くことが決まってから、スモーカーには「仕事中、同期と思わないで欲しい」旨を伝えた。
彼は、いつもの顔でいつもの葉巻を蒸して「あぁ。わかった。」とだけ。
涙が出ないように、声が震えないように、動揺がバレないように…何度も練習した。
あの時、わたしはちゃんと笑えてたかな?
ちゃんとスモーカーを見れていたかな?
目を覚ますと見慣れない白い部屋に消毒の臭い。
体中が痛い。
わたしはあの後、爆風に巻き込まれたらしい。
軍医から、事の経緯と症状の説明を聞いたが、右耳がおかしい。音が上手く拾えない。
怪我の痛みは我慢できるけれど、耳が聞こえない違和感が気持ち悪い。
その事を告げると、すぐに検査が始まった。
結果的に、命に別状は無いが、右耳の聴力が殆ど無いそうだ。
一時的なものなのか、回復しないのか、それはわからないらしい。
軍医は難しい顔をして「現場には戻してやれない」と…
左耳が拾ったその言葉に、わたしはボロボロと涙を零していた。
自分が泣いている理由も泣いている事実にも理解が追いつかなかった。
ベッドで天井と窓の外を交互見ながら、今後を考える。
現場に戻れないなら、海軍には居られない。
何か秀でるモノがあれば残れるだろうが、今のわたしには何もなかった。
片耳が聞こえない元女軍人を雇ってくれる所なんてあるのだろうか…
地元に帰るべきか…
退職金出るかな…
ナースステーションが近いこの病室は、たくさんの足音や話し声が聞こえて考え事がしにくい。
大きく溜息を吐いて、考え事はやめた。
体も痛いし、ただでさえ集中出来る元気がない。
まずは上官つまり、スモーカーにこの事実を伝えなくては。
退院まで時間があるから、軍医に伝えて病院へ来てもらおう。
コンコンコン!
ドアのノックの音がした。
わたしの病室へ向かってくる足音が聞こえた気はしなかったが、反射的「はい!」と、結構大きめの声が出た。
ガチャっと開いたドアから入って来きのは、白猟のスモーカー。
「意識が戻ったと聞いてな。」
頭を掻きながら、ゆっくりとベッドへ歩いてくる。静かな病室にブーツの音がコツコツと響く。
スモーカーの足音は聞き間違えないのに、なぜ気付かなかったんだろう?
突然の来客に悲鳴を上げる体を無理矢理起こして
「大佐、この度は」
「ナマエ。敬語も敬礼もいらねぇよ。誰も見てねぇし聞いてねぇ。寝ながらでいい。」
言葉を遮られたことで、手間をかけさせてしまった謝罪と症状を伝えないといけないのに言葉が出てこない。
スモーカーが真っ直ぐにわたしを見る。
紅い瞳がわたしを捉えている。
久しぶりに正面から見たけど、見慣れないのは葉巻が無いからかな…と、現実逃避していると、一歩一歩近づいてくる。
「寝てろ。」
わたしのおでこにスモーカーの手が置かれ、頭を枕へ下ろすように促された。反発できずに、ゆっくりと枕へ頭を戻すしかなかった。
どこを見ればいいかわからず、離れていく掌を見ていると、スモーカーはそのままパイプ椅子へ座った。
「症状は軍医から聞いた。右耳の件もだ。」
俯いて後頭部を掻きながら話すスモーカー。
あぁ聞いちゃったんだ。使えない部下でごめんなさい。自分から言うのも辛いけど、他の人伝いで知られるのも気分は良くない。
鼻の奥がツンとして、視界が滲んでくる。涙が溢れないように、必死に天井を見て瞬きを繰り返した。
「すまねぇ。おれが遅かったからだ。」
「違っ!!わたしの力不足だから、スモーカーの責任じゃない!!弱いわたしの責任だから。こんな耳じゃ海兵として働けないから、軍は辞めるから。謝るのは、わたしだから…」
勢いよく捲し立てるように声を出したせいで、咳が止まらない。喉がカラカラに乾いて涙が止まらない。肋骨が折れていることを忘れてた…
苦しくて泣いているのか、口に出した己の不甲斐なさに泣いているのかわからなくなった。
仰向けのまま咳き込むわたしをゆっくり起こして「落ち着け」と背中を擦るスモーカーの手が熱い。
咳が止まり、乱れた呼吸が落ち着いてくる。
それでも、背中を擦るスモーカーが穏やかな声で話し出した。
「お前をローグタウンに呼んだのはおれだ。お前は見てて危なっかしいから、目の届く範囲においておきたかった。モノみてぇに言って悪いが…お前が傷付くのが1番堪える。」
止まったはずの涙がまたポロポロも白いシーツにシミを作っていった。
昔からそうだった。
上官との模擬戦でも、新兵時代も、今も。
スモーカーはいつでも近くに居てくれた。あの頃は近くにいる事を純粋に喜んでいた。
「そんな事…知らないよ…
わたしが弱いから…いつも…助けて…くれてたん…でしょ…」
「あぁ、言ってねぇからな。
近くに居ればお前が傷つかねぇようのできると思っていてな。お前の為じゃねぇよ。おれ自身の為だ。」
何度あなたの背中を見たことか。
逞しく意志の強い背中を。その背中が大好きだったんだ。
でも、守られる度に「弱い」って言われてる気がしていた。
「そんなの…知らない…」
「あぁ、今初めて言った。
今回の件で、本当に肝が冷えた。悪かった。おれの我儘の結果が今のお前だ。助けてやれなくてすまない。」
ゴシゴシと涙を拭く。目が腫れるとかはどうでもいい。
スモーカーが謝るということは、泣いて聞くことじゃない。ちゃんと聞かなきゃ。
「…」
「もう現場には出してやれねぇ。」
本日2度目の現場には出れない宣言。
肩の荷が降りたような、悔しいような複雑な気持ちだが、これが事実だ。腹を括ろう。
「退院しても辞めなくていい。お前が望めば、軍にはいられる。」
こんな使えない海兵を?何言ってるの?
「どういうこと?」間抜けで掠れた鼻声が室内に響く。
「上に、掛け合ってきた。
お前の情報処理能力を買ってるのはおれだけじゃねぇ。同期もだが、その上もだ。」
情報処理…能力?
「情報が錯綜する戦場で正確な判断ができるやつは少ねぇ。」
そういえば、一緒の任務の時は必ず意見を聞かれていた…
わたしにとっては、ただ事実を整理整頓しただけだったのに、少しでもスモーカーの役に立っていたのか?
背中を擦っていた手が止まっていたことに今、気が付いた。
背中にあった右手が、わたしの右肩をグッと抱き寄せた。
「それに…おれはお前の傍に居てぇんだ。」
ドクン!と心臓が鳴った。
聞いたことのない声が、左耳に届いた。
息のかかる距離で聞く初めての声。
甘く痺れるような、でも切ないげな声色。
情報処理が追いつかいまま、「お前は嫌か?」
と矢継ぎ早に言われた。
ホッと息を吐いて頭を左へ倒す。
「嫌じゃないよ。嬉しい。」
スモーカーは何も言わずに、右手の力を更に強めて私の肩口に頭を押し付けてきた。
情けないほど小さな声で「生きててくれて良かった」と。
ローグタウンは今日も海賊がお出でです。
「と、言うわけ。
スモーカー行くの?」
執務室の窓から街並みを見る。
白いジャケットに、デカデカと書かれた『正義』の文字と、規格外の海楼石付の十手。
白銀の髪と、白い葉巻の煙。
わたしの左寄り
「あぁ。すぐ終わる。」
色んなモノを背負ってる、その背中が大好きだよ。
白いジャケットに、デカデカと書かれた『正義』の文字と、規格外の海楼石付の十手。
白銀の髪と、白い葉巻の煙。
何度も何度も見てきた、この大きな背中。
わたしは守られたいんじゃないよ。
隣に立ちたいんだ。
昔みたいに一緒に…
訓練兵時代から同期のスモーカー。
上官への不平不満は、言わなくても良いのに言ってしまう。
言ってしまうじゃないね。
言ってやるの方が正しいかな。
上官に食って掛かるスモーカーをわたしが抑えて、ヒナとドレークが上官をなんとかする構図が出来ていた。
今でもヒナはスモーカーの軍規違反をなんとかしているらしい。
同期3人は悪魔の実の能力者だけど、わたしは普通の人間。
実力差が開き過ぎているは事実。
自分は自分らしく海兵として戦おうと思っていたのに、今度の配属先はローグタウン。
そう。スモーカーの下。
仕事中は、敬語に敬礼。
無駄口は叩かず、彼の欲しい情報を短く正確に伝える。
指示があれば、その様に動き任務に徹底する。
ミスを減らす為に、後輩へのフォローも忘れず、任務を全うする。
年下のたしぎが昇格しても、スモーカーの右腕になっても、わたしは自分の正義を持って戦うだけ。
戦うって何に?って思う。
この頃のわたしは海賊と戦ってなんていなかった。
惨めな冴えない海兵である自分と戦っていたんだ。
何度も退役を考えたし、現場から離れようかも考えた。
ヒナと会えば「敬語はいらない」「ナマエ、もっと自由にしていいのよ」「ツラいなら辞めてもいいのよ?ヒナはいつまでもナマエの友達よ」と、慰めされて、それが更に惨めに思えた。
ヒナからの温かい言葉にも負けないように戦っていた。
結局は自分のことしか考えてなかった。
スモーカーの下で働くことが決まってから、スモーカーには「仕事中、同期と思わないで欲しい」旨を伝えた。
彼は、いつもの顔でいつもの葉巻を蒸して「あぁ。わかった。」とだけ。
涙が出ないように、声が震えないように、動揺がバレないように…宿舎で何度も練習した。
あの時、わたしはちゃんと笑えてたかな?
ちゃんとスモーカーを見れていたかな?
目を覚ますと見慣れない白い部屋に消毒の臭い。
体中が痛い。
わたしはあの後、爆風に巻き込まれたらしい。
軍医から、事の経緯と症状の説明を聞いたが、右耳がおかしい。音が上手く拾えない。
怪我の痛みは我慢できるけれど、耳が聞こえない違和感が気持ち悪い。
その事を告げると、すぐに検査が始まった。
結果的に、命に別状は無いが、右耳の聴力が殆ど無いそうだ。
一時的なものなのか、回復しないのか、それはわからないらしい。
軍医は難しい顔をして「現場には戻してやれない」と…
左耳が拾ったその言葉に、わたしはボロボロと涙を零していた。
自分が泣いている理由も泣いている事実にも理解が追いつかなかった。
ベッドで天井と窓の外を交互見ながら、今後を考えるが、現場に戻れないなら、海軍には居られない。
何か秀でるモノがあれば残れるだろうが、今のわたしには何もなかった。
片耳が聞こえない独身女性を雇ってくれる所なんてあるのだろうか…
地元に帰るべきか…
退職金出るかな…
ナースステーションが近いこの病室は、たくさんの足音や話し声が聞こえて考え事がしにくい。
大きく溜息を吐いて、考え事はやめた。
体も痛いし、ただでさえ集中出来る元気がない。
まずは上官つまり、スモーカーにこの事実を伝えなくては。
退院まで時間があるから、軍医に伝えて病院へ来てもらおう。
コンコンコン!
ドアのノックの音がした。
わたしの病室へ向かってくる足音が聞こえた気はしなかったが、反射的「はい!」と、結構大きめの声が出た。
ガチャっと開いたドアから入って来きのは、白猟のスモーカー。
「意識が戻ったと聞いてな。」
頭を掻きながら、ゆっくりとベッドへ歩いてくる。静かな病室にブーツの音がコツコツと響く。
スモーカーの足音は聞き間違えないのに、なぜ気付かなかったんだろう?
突然の来客に悲鳴を上げる体を無理矢理起こして
「大佐、この度は」
「ナマエ。敬語も敬礼もいらねぇよ。誰も見てねぇし聞いてねぇし、寝ながらでいい。」
言葉を遮られたことで、手間をかけさせてしまった謝罪と症状を伝えないのに言葉が出てこない。
スモーカーが真っ直ぐにわたしを見る。
紅い瞳がわたしを捉えている。
久しぶりに正面から見たけど、見慣れないのは葉巻が無いからかな…と、現実逃避していると、一歩一歩近づいてくる。
「寝てろ。」
わたしのおでこにスモーカーの手が置かれ、頭を枕へ下ろすように促された。反発できずに、ゆっくりと枕へ頭を戻すしかなかった。
どこを見ればいいかわからず、離れていく掌を見ていると、スモーカーはそのままパイプ椅子へ座った。
「症状は軍医から聞いた。右耳の件もだ。」
俯いて後頭部を掻きながら話すスモーカー。
あぁ聞いちゃったんだ。使えない部下でごめんなさい。自分から言うのも辛いけど、他の人伝いで知られるのも気分は良くない。
鼻の奥がツンとして、視界が滲んでくる。涙が溢れないように、必死に天井を見て瞬きを繰り返した。
「すまねぇ。おれが遅かったからだ。」
「違っ!!わたしの力不足だから、スモーカーの責任じゃない!!弱いわたしの責任だから。こんな耳じゃ海兵として働けないから、軍は辞めるから。謝るのは、わたしだから…」
勢いよく捲し立てるように声を出したせいで、咳が止まらない。喉がカラカラに乾いて涙が止まらない。肋骨が折れていることを忘れてた…
苦しくて泣いているのか、口に出した己の不甲斐なさに泣いているのかわからなくなった。
仰向けのまま咳き込むわたしをゆっくり起こして「落ち着け」と背中を擦るスモーカーの手が熱い。
咳が止まり、乱れた呼吸が落ち着いてくる。
それでも、背中を擦るスモーカーが穏やかな声で話し出した。
「お前をローグタウンに呼んだのはおれだ。お前は見てて危なっかしいから、目の届く範囲においておきたかった。モノみてぇに言って悪いが…お前が傷付くのが1番堪える。」
止まったはずの涙がまたポロポロも白いシーツにシミを作っていった。
昔からそうだった。
上官との模擬戦でも、新兵時代も、今も。
スモーカーはいつでも近くに居てくれた。
「そんな事…知らないよ…
わたしが弱いから…いつも…助けて…くれてたん…でしょ…」
「あぁ、言ってねぇからな。
近くに居ればお前が傷つかねぇようのできると思っていてな。お前の為じゃねぇよ。おれ自身の為だ。」
何度あなたの背中を見たことか。
逞しく意志の強い背中を。その背中が大好きだったんだ。
でも、守られる度に「弱い」って言われてる気がしていた。
「そんなの…知らない…」
「あぁ、今初めて言った。
今回の件で、本当に肝が冷えた。悪かった。すすまねぇ。おれの我儘の結果が今のお前だ。助けてやれなくて悪かった。」
ゴシゴシと涙を拭いた。目が腫れるとかはどうでもいい。
スモーカーが謝るということは、泣いて聞くことじゃない。ちゃんと聞かなきゃ。
「…」
「もう現場には出してやれねぇ。」
本日2度目の現場には出れない宣言。
肩の荷が降りたような、悔しいような複雑な気持ちだが、これが事実だ。腹を括ろう。
「退院しても辞めなくていい。お前が望めば、軍にはいられる。」
こんな使えない海兵を?何言ってるの?
「どういうこと?」間抜けで掠れた鼻声が室内に響く。
「上に、掛け合ってきた。
お前の情報処理能力を買ってるのはおれだけじゃねぇ。同期もだが、その上もだ。」
情報処理…能力?
「情報が錯綜する戦場で正確な判断ができるやつは少ねぇ。」
そういえば、一緒の任務の時は必ず意見を聞かれていた…
わたしにとっては、ただ事実を整理整頓しただけだったのに、少しでもスモーカーの役に立っていたの?
背中を擦っていた手が止まっていたことに今、気が付いた。
背中にあった右手が、わたしの右肩をグッと抱き寄せた。
「それに…おれはお前の傍に居てぇんだ。」
ドクン!と心臓が鳴った。
聞いたことのない声が、左耳に届いた。
息のかかる距離で聞く初めての声。
甘く痺れるような、でも切ないげな声色。
情報処理が追いつかいまま、「お前は嫌か?」
と矢継ぎ早に言われた。
ホッと息を吐いて頭を左へ倒す。
「嫌じゃないよ。嬉しい。」
スモーカーは何も言わずに、右手の力を更に強めて私の肩口に頭を押し付けてきた。
情けないほど小さな声で「生きててくれて良かった」と。
ローグタウンは今日も海賊がお出でです。
「と、言うわけ。
スモーカー行くの?」
執務室の窓から街並みを見る。
白いジャケットに、デカデカと書かれた『正義』の文字と、規格外の海楼石付の十手。
白銀の髪と、白い葉巻の煙。
わたしの左寄り
「あぁ。すぐ終わる。」
色んなモノを背負ってる、その背中が大好きだよ。
「下がってろ。おれがやる。」
白いジャケットに、デカデカと書かれた『正義』の文字と、規格外の海楼石付の十手。
白銀の髪と、白い葉巻の煙。
何度も何度も見てきた、この大きな背中。
わたしは守られたいんじゃないよ。
隣に立ちたいんだ。
昔みたいに一緒に…
近かったあの背中は、もう遥か遠い。
訓練兵時代から同期のスモーカー。
上官への不平不満なんて、言わなくても良いのに言ってしまう。
言ってしまうじゃないね。
言ってやるの方が正しい。
上官に食って掛かるスモーカーをわたしが抑えて、ヒナとドレークが上官をなんとかする構図が出来ていた。
正論だけじゃやっていけないけれど、それを曲げない強さが彼にはあった。
同期3人は悪魔の実の能力者で、わたしは普通の人間。
実力差が開き過ぎているは事実。
自分は自分らしく海兵として戦おうと思っていたのに、今度の配属先はローグタウン。
そう。スモーカーの下。
仕事中は、敬語に敬礼。
無駄口は叩かず、彼の欲しい情報を短く正確に伝える。
指示があれば、その様に動き任務に徹底する。
ミスを減らす為に、後輩へのフォローも忘れず、任務を全うする。
年下のたしぎが昇格しても、スモーカーの右腕になっても、わたしは自分の正義を持って戦うだけ。
戦うって何に?って思う。
この頃のわたしは海賊と戦ってなんていなかった。
惨めな冴えない海兵である自分と戦っていたんだ。
何度も退役を考えたし、現場から離れようかも考えた。
ヒナと会えば「敬語はいらない」「ナマエ、もっと自由にしていいのよ」「ツラいなら辞めてもいいのよ?ヒナはいつまでもナマエの友達よ」と、慰めされて、それが更に惨めに思えた。
ヒナからの温かい言葉にも負けないように戦っていた。
結局は自分のことしか考えてなかった。
スモーカーの下で働くことが決まってから、スモーカーには「仕事中、同期と思わないで欲しい」旨を伝えた。
彼は、いつもの顔でいつもの葉巻を蒸して「あぁ。わかった。」とだけ。
涙が出ないように、声が震えないように、動揺がバレないように…何度も練習した。
あの時、わたしはちゃんと笑えてたかな?
ちゃんとスモーカーを見れていたかな?
目を覚ますと見慣れない白い部屋に消毒の臭い。
体中が痛い。
わたしはあの後、爆風に巻き込まれたらしい。
軍医から、事の経緯と症状の説明を聞いたが、右耳がおかしい。音が上手く拾えない。
怪我の痛みは我慢できるけれど、耳が聞こえない違和感が気持ち悪い。
その事を告げると、すぐに検査が始まった。
結果的に、命に別状は無いが、右耳の聴力が殆ど無いそうだ。
一時的なものなのか、回復しないのか、それはわからないらしい。
軍医は難しい顔をして「現場には戻してやれない」と…
左耳が拾ったその言葉に、わたしはボロボロと涙を零していた。
自分が泣いている理由も泣いている事実にも理解が追いつかなかった。
ベッドで天井と窓の外を交互見ながら、今後を考える。
現場に戻れないなら、海軍には居られない。
何か秀でるモノがあれば残れるだろうが、今のわたしには何もなかった。
片耳が聞こえない元女軍人を雇ってくれる所なんてあるのだろうか…
地元に帰るべきか…
退職金出るかな…
ナースステーションが近いこの病室は、たくさんの足音や話し声が聞こえて考え事がしにくい。
大きく溜息を吐いて、考え事はやめた。
体も痛いし、ただでさえ集中出来る元気がない。
まずは上官つまり、スモーカーにこの事実を伝えなくては。
退院まで時間があるから、軍医に伝えて病院へ来てもらおう。
コンコンコン!
ドアのノックの音がした。
わたしの病室へ向かってくる足音が聞こえた気はしなかったが、反射的「はい!」と、結構大きめの声が出た。
ガチャっと開いたドアから入って来きのは、白猟のスモーカー。
「意識が戻ったと聞いてな。」
頭を掻きながら、ゆっくりとベッドへ歩いてくる。静かな病室にブーツの音がコツコツと響く。
スモーカーの足音は聞き間違えないのに、なぜ気付かなかったんだろう?
突然の来客に悲鳴を上げる体を無理矢理起こして
「大佐、この度は」
「ナマエ。敬語も敬礼もいらねぇよ。誰も見てねぇし聞いてねぇ。寝ながらでいい。」
言葉を遮られたことで、手間をかけさせてしまった謝罪と症状を伝えないといけないのに言葉が出てこない。
スモーカーが真っ直ぐにわたしを見る。
紅い瞳がわたしを捉えている。
久しぶりに正面から見たけど、見慣れないのは葉巻が無いからかな…と、現実逃避していると、一歩一歩近づいてくる。
「寝てろ。」
わたしのおでこにスモーカーの手が置かれ、頭を枕へ下ろすように促された。反発できずに、ゆっくりと枕へ頭を戻すしかなかった。
どこを見ればいいかわからず、離れていく掌を見ていると、スモーカーはそのままパイプ椅子へ座った。
「症状は軍医から聞いた。右耳の件もだ。」
俯いて後頭部を掻きながら話すスモーカー。
あぁ聞いちゃったんだ。使えない部下でごめんなさい。自分から言うのも辛いけど、他の人伝いで知られるのも気分は良くない。
鼻の奥がツンとして、視界が滲んでくる。涙が溢れないように、必死に天井を見て瞬きを繰り返した。
「すまねぇ。おれが遅かったからだ。」
「違っ!!わたしの力不足だから、スモーカーの責任じゃない!!弱いわたしの責任だから。こんな耳じゃ海兵として働けないから、軍は辞めるから。謝るのは、わたしだから…」
勢いよく捲し立てるように声を出したせいで、咳が止まらない。喉がカラカラに乾いて涙が止まらない。肋骨が折れていることを忘れてた…
苦しくて泣いているのか、口に出した己の不甲斐なさに泣いているのかわからなくなった。
仰向けのまま咳き込むわたしをゆっくり起こして「落ち着け」と背中を擦るスモーカーの手が熱い。
咳が止まり、乱れた呼吸が落ち着いてくる。
それでも、背中を擦るスモーカーが穏やかな声で話し出した。
「お前をローグタウンに呼んだのはおれだ。お前は見てて危なっかしいから、目の届く範囲においておきたかった。モノみてぇに言って悪いが…お前が傷付くのが1番堪える。」
止まったはずの涙がまたポロポロも白いシーツにシミを作っていった。
昔からそうだった。
上官との模擬戦でも、新兵時代も、今も。
スモーカーはいつでも近くに居てくれた。あの頃は近くにいる事を純粋に喜んでいた。
「そんな事…知らないよ…
わたしが弱いから…いつも…助けて…くれてたん…でしょ…」
「あぁ、言ってねぇからな。
近くに居ればお前が傷つかねぇようのできると思っていてな。お前の為じゃねぇよ。おれ自身の為だ。」
何度あなたの背中を見たことか。
逞しく意志の強い背中を。その背中が大好きだったんだ。
でも、守られる度に「弱い」って言われてる気がしていた。
「そんなの…知らない…」
「あぁ、今初めて言った。
今回の件で、本当に肝が冷えた。悪かった。おれの我儘の結果が今のお前だ。助けてやれなくてすまない。」
ゴシゴシと涙を拭く。目が腫れるとかはどうでもいい。
スモーカーが謝るということは、泣いて聞くことじゃない。ちゃんと聞かなきゃ。
「…」
「もう現場には出してやれねぇ。」
本日2度目の現場には出れない宣言。
肩の荷が降りたような、悔しいような複雑な気持ちだが、これが事実だ。腹を括ろう。
「退院しても辞めなくていい。お前が望めば、軍にはいられる。」
こんな使えない海兵を?何言ってるの?
「どういうこと?」間抜けで掠れた鼻声が室内に響く。
「上に、掛け合ってきた。
お前の情報処理能力を買ってるのはおれだけじゃねぇ。同期もだが、その上もだ。」
情報処理…能力?
「情報が錯綜する戦場で正確な判断ができるやつは少ねぇ。」
そういえば、一緒の任務の時は必ず意見を聞かれていた…
わたしにとっては、ただ事実を整理整頓しただけだったのに、少しでもスモーカーの役に立っていたのか?
背中を擦っていた手が止まっていたことに今、気が付いた。
背中にあった右手が、わたしの右肩をグッと抱き寄せた。
「それに…おれはお前の傍に居てぇんだ。」
ドクン!と心臓が鳴った。
聞いたことのない声が、左耳に届いた。
息のかかる距離で聞く初めての声。
甘く痺れるような、でも切ないげな声色。
情報処理が追いつかいまま、「お前は嫌か?」
と矢継ぎ早に言われた。
ホッと息を吐いて頭を左へ倒す。
「嫌じゃないよ。嬉しい。」
スモーカーは何も言わずに、右手の力を更に強めて私の肩口に頭を押し付けてきた。
情けないほど小さな声で「生きててくれて良かった」と。
ローグタウンは今日も海賊がお出でです。
「と、言うわけ。
スモーカー行くの?」
執務室の窓から街並みを見る。
白いジャケットに、デカデカと書かれた『正義』の文字と、規格外の海楼石付の十手。
白銀の髪と、白い葉巻の煙。
わたしの左寄り
「あぁ。すぐ終わる。」
色んなモノを背負ってる、その背中が大好きだよ。
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