私は今日、見てしまった...。我らがボスであり、私の恋人であるジョルノが女の人といるところを！

いや確かに、もしかしたら仕事の相手だったかもしれない。だけどそれなら、なぜ、普段滅多に見せない笑顔で接していたのか。

｢営業スマイルだとでも言うのか...｣

真剣な顔でそんなことを言う私にナランチャが吹き出した。

｢おめーさっきからブツブツ言ってっけどよォ、気になるんなら聞いてこいよー！｣

ニヤニヤしながらそういうナランチャは、絶対に面白がっている。

｢嫌よ、重い女だって思われたら振られるかもじゃん！そうなったらナランチャが責任取ってくれるとでも言うの...？！｣

そう言えばバツが悪そうにするナランチャ。

｢悪かったよ。でもよォ1人で悩んでたって解決しねーじゃん。本人に聞くのが手っ取り早くねエ？｣

それはそうだけど...そう呟くとナランチャはまー頑張れよ、と言って席を立つ。

外に出てったナランチャを見送り、1人になった部屋でため息をついた。

さっきまでは、悪態をついたりしていたけどなんだか一気に自信が無くなってきた。私より綺麗だったなあ、なんて耽っていると、

｢おや、名前。いたんですね。探しましたよ。｣

いつも通りの余裕そうな笑みを浮かべたジョルノが入ってきた。

｢ジョルノ｣

｢はい。...ふふふどうしました？なんだか、いつも通りの名前じゃないね。｣

貴方のせいよ、そう言いたいけれど、言えなかった。面倒だって思われたくなくて。

｢そんな貴女にこれを。プレゼントです。｣

私の前に差し出したのは、薔薇の花束と、テディベア。

｢可愛いでしょう。知り合いに見繕ってもらったんです。貴女をイメージした特注です。今日知り合いが届けに来てくれたんです...ってなんですか、その顔...｣

泣きそうじゃあ、ないですか。

いつの間にか溜まってた涙はジョルノの言葉で溢れ出した。つまり、あの女の人は届けに来てくれた、だけで...。

｢嬉しいのよジョルノ...ありがとう...｣

｢喜んで頂けて嬉しいです。...でも、貴女は笑顔の方が似合う。｣

そう言うとジョルノは頬に一つ、口付けを落とした。