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アルファモンは、その性質上自身の存在を周りから認識されていない。彼が姿を見せるのは決まって有事の時のみで、デジタルワールドを管理する神が許可した時のみだ。ロイヤルナイツに所属していることにはなっているが、そのロイヤルナイツからさえも名前以外は知られていない。知るのは神と、唯一の例外のみ。
「ロイヤルナイツって結構やること多いんだな」
「そう見えるなら少しは仕事したらどうだ?」
「いや〜イグドラシルが許可しないからさ〜」
いかにも手伝いたいのは山々だが、とでも言いたげに苦笑して言うアルファモンに、対峙する唯一の例外であるオメガモンは溜息をつく。アルファモンの存在を、オメガモンだけは知っている。彼らは互いが互いの対を成す存在であるから、誰に何を言われずとも互いを知っていた。ロイヤルナイツにいながら何をすることも許可されていないとはいえ、何も知らないままでは有事の際に支障をきたすだろうということから、時々オメガモンがこうしてアルファモンに伝えに会いに来るのだ。アルファモンは他の誰に認識されずとも、そうやってオメガモンが会いに来てくれるならそれだけで十分だと思っていた。
「まったく、こんな報告に意味があるとは思えないが」
「いいじゃないか。俺はこうやってお前の無事が確認できるから嬉しいよ」
「茶化すんじゃない」
オメガモンが呆れたようにそう言えば、アルファモンは心外だと言わんばかりにその顔を近づけた。
「茶化してない。心配しているのは本当のことだ」
それだけはわかっていてほしかった。もしオメガモンの身に何かあったとして、アルファモンはイグドラシルがそれを許可しない限りはどうしたって助けることができないのだから。
「知っている」
「…へ」
「今更改めて言われなくてもそれくらいわかっている。だから私も心置きなく無理ができる」
笑うわけでもなく、至極当然のようにそう言うオメガモンに、飛びついてしまいたい衝動を必死に抑え込んだ。
「…でも、できれば無理はしないでほしいなぁ」
「それは出来ない相談だな」
「ロイヤルナイツって結構やること多いんだな」
「そう見えるなら少しは仕事したらどうだ?」
「いや〜イグドラシルが許可しないからさ〜」
いかにも手伝いたいのは山々だが、とでも言いたげに苦笑して言うアルファモンに、対峙する唯一の例外であるオメガモンは溜息をつく。アルファモンの存在を、オメガモンだけは知っている。彼らは互いが互いの対を成す存在であるから、誰に何を言われずとも互いを知っていた。ロイヤルナイツにいながら何をすることも許可されていないとはいえ、何も知らないままでは有事の際に支障をきたすだろうということから、時々オメガモンがこうしてアルファモンに伝えに会いに来るのだ。アルファモンは他の誰に認識されずとも、そうやってオメガモンが会いに来てくれるならそれだけで十分だと思っていた。
「まったく、こんな報告に意味があるとは思えないが」
「いいじゃないか。俺はこうやってお前の無事が確認できるから嬉しいよ」
「茶化すんじゃない」
オメガモンが呆れたようにそう言えば、アルファモンは心外だと言わんばかりにその顔を近づけた。
「茶化してない。心配しているのは本当のことだ」
それだけはわかっていてほしかった。もしオメガモンの身に何かあったとして、アルファモンはイグドラシルがそれを許可しない限りはどうしたって助けることができないのだから。
「知っている」
「…へ」
「今更改めて言われなくてもそれくらいわかっている。だから私も心置きなく無理ができる」
笑うわけでもなく、至極当然のようにそう言うオメガモンに、飛びついてしまいたい衝動を必死に抑え込んだ。
「…でも、できれば無理はしないでほしいなぁ」
「それは出来ない相談だな」