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どこで間違えたのだろうなと、朦朧とする意識の中オメガモンは1人考える。目の前に広がるのは果てのない闇ばかり。今までイグドラシルに仕えてきたオメガモンにとってはあまりにも馴染みのない場所で、際限なく広がる暗闇はどこまでも末恐ろしかった。始めは何故そんな場所に自分がいるのか分からなかった。分かったのはその場所に自分以外の誰かが現れた時。彼がそこに姿を見せた時、ようやくオメガモンは事の顛末を思い出した。
何かが引き金になってしまったのだろうということは分かる。けれどそれが何なのかまではオメガモンにはわからなかった。見慣れた真紅の騎士はそこにはもうすでにおらず、現れたのは見ているだけで凍えそうなほどの紺碧を纏った騎士。かつては温かささえ感じた金色の瞳はどこまでも冷たかった。自由の利かない体、正常に働かない思考。初めて怖いという感情を抱く。目の前にいるのは盟友と誓った友であるのに。
「ずっと一緒だ」
なぜ嬉しそうに微笑んだのか理解できなかった。今頃ロイヤルナイツが探していることだろう。すでにイグドラシルからは敵と認識されているかもしれない。今まで拠り所としていた場所を失ったのに、何が嬉しいのかオメガモンにはわからなかった。逃げてしまいたかった。変わってしまった友からも、この暗闇からも。だから逃げようとした。見つからないうちに、もう彼と会いたくなかった。
「どこへ行く?」
「ッ!?」
背後から聞こえた声があまりにも冷たくて。一瞬足を止めたばかりに、その手に捕らえられてしまう。
「デュークモン…!」
「逃げるつもりだったのか?なぜ?ここならずっと共にいられるのに」
なぜ、なんて。そんなこと、オメガモンこそ聞きたかった。
「離せッ」
「…逃げようとするこんな足はいらないな、いっそ腐らせて切り落としてしまおうか」
その言葉がまったく冗談に聞こえなくて、その目はどこまでも真剣なそれで。そこにかつての友がもういないと悟ったオメガモンは、とうとう抵抗をやめてしまった。
何かが引き金になってしまったのだろうということは分かる。けれどそれが何なのかまではオメガモンにはわからなかった。見慣れた真紅の騎士はそこにはもうすでにおらず、現れたのは見ているだけで凍えそうなほどの紺碧を纏った騎士。かつては温かささえ感じた金色の瞳はどこまでも冷たかった。自由の利かない体、正常に働かない思考。初めて怖いという感情を抱く。目の前にいるのは盟友と誓った友であるのに。
「ずっと一緒だ」
なぜ嬉しそうに微笑んだのか理解できなかった。今頃ロイヤルナイツが探していることだろう。すでにイグドラシルからは敵と認識されているかもしれない。今まで拠り所としていた場所を失ったのに、何が嬉しいのかオメガモンにはわからなかった。逃げてしまいたかった。変わってしまった友からも、この暗闇からも。だから逃げようとした。見つからないうちに、もう彼と会いたくなかった。
「どこへ行く?」
「ッ!?」
背後から聞こえた声があまりにも冷たくて。一瞬足を止めたばかりに、その手に捕らえられてしまう。
「デュークモン…!」
「逃げるつもりだったのか?なぜ?ここならずっと共にいられるのに」
なぜ、なんて。そんなこと、オメガモンこそ聞きたかった。
「離せッ」
「…逃げようとするこんな足はいらないな、いっそ腐らせて切り落としてしまおうか」
その言葉がまったく冗談に聞こえなくて、その目はどこまでも真剣なそれで。そこにかつての友がもういないと悟ったオメガモンは、とうとう抵抗をやめてしまった。