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自分と彼はよく似ている、と。インペリアルドラモンは決して本人に伝えることはなかったけれどずっとそう思っていた。戦闘におけるセンスや場数はそれこそ天と地ほどの差があるとわかっているが、境遇だけはきっと自分たちの間でしか共有できないものがあったと自負している。だからオメガモンからのスパルタともいえる指導や指示にいつも苦労しながら、それでも必死についてきた。一歩でも近くにいたかった。
「お前は持っている力が大きいのだからそれを完全にコントロールする必要があると、何度も言っているんだがな」
「わかってはいるんだ、わかっては…」
目の前に広がる大きなクレーターはインペリアルドラモンが技の力加減を誤って作ってしまったもの。オメガモンはそれを呆れた顔で眺めながら淡々と語る。インペリアルドラモンはいたたまれなくなって心なしか少し小さく縮こまっているようだった。全てにおいてバランスがとれているオメガモンの前だからこそ、猶更。
「…まぁ、前よりは成長しているんじゃないか」
「本当か!?」
「すぐ調子に乗るな」
「はい…」
かけられた言葉に目を輝かせ顔を上げればオメガモンはまた呆れて呟いた。ぱっと見の大きさだけ見ればインペリアルドラモンの方が圧倒的に大きいのだが、そこには確かな上下関係が見て取れる。どうしたって、オメガモンには敵わないようだ。
「いつか慣れるだろう、それまでは俺も見てやるから」
「…それまでなんて言わずに、俺はずっと組んでいたいのだけど」
「甘えるんじゃない」
軽口の応酬はいつものことだ。いつか彼と組まずに単独で行動するようになるのだろう。けれど隣に彼がいない未来はあまりに想像ができなくて。だからインペリアルドラモンは、一時でも長く共にいられればいいと、唯一人想いを心にとどめている。



そんな、懐かしい夢を見た。
「…おはよう、オメガモン」
何もない、誰もいないその場所で、純白のインペリアルドラモンは寂し気に微笑みながら剣を愛おしそうに撫でた。
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