人間CP
本当に、ただ光子郎のオフィスを訪ねただけだった。太一はただ光子郎が最近無理をしているという話を聞いて様子を見に来ただけだった。だというのに、いざ出迎えられれば、光子郎は問答無用で太一の手を引き、小さく太一の名前を呼ぶとオフィスへと押し込んだ。
俯いているせいでその表情は見えない。が、声のトーンが普段よりも幾分か低い。その上、太一が何か言おうとするのも聞かず強引にその腕を引く光子郎に、太一は若干の焦りを覚えた。どんな時であっても今まで光子郎はこんな態度を太一に対してとったことはない。少々勝手なところはあれど、太一の事情や都合を無視したりはしない。それだけに太一の困惑は大きかった。
結局何も聞くことができないまま光子郎のオフィスに入れられる。バタンと強く閉められた扉の音にびくりと肩を揺らすと、太一は腕を引かれ、そのままの勢いで光子郎のソファへと押し倒された。
「わ、っ」
「太一さん、」
「こうしろ、…なに」
押し倒され一瞬顔を歪め、すぐさま太一は光子郎を見る。いったい何事かと思ったが、その光子郎の顔を見て、太一は言葉を詰まらせた。
息が荒く、その顔に余裕はまったく見えない。太一の腕をソファに縫い付けるように掴むその手は汗ばんでいて、そこでようやく太一は光子郎が言わんとしていることに気づく。一気に顔に熱が集まった。
「光子郎、まっ、」
「無理、無理です太一さん、我慢できない、抱かせてください」
「っ!」
切羽詰まった表情で早口でそう言う光子郎に、太一は今度こそ言葉を失った。ここまで余裕のない光子郎は見たことがない。いったい何がそうさせたのか。まずいと思って逃げようとするが、光子郎はそれを許してはくれない。
「や、光子郎っ」
「ダメ、太一さん」
「ひ、ぁっ」
ズボン越しに秘部を膝でぐっと押され、太一の口から声が漏れる。足を閉じようとするが、光子郎の足がそれをよしとはしなかった。痛くないように、けれど確実に反応するようにそこに刺激を与えていく。あられもない声が太一から聞こえるたび、光子郎は歯止めが効かなくなっていった。
「太一さん、」
「んん、ふ、ぅ…こ、しろ…んっ」
「は、…ん」
太一の言葉も聞かず、衝動に任せて貪るように口付ける。息苦しさからか微かに開いた隙間に舌を入れ、それでもまだ逃げようとする太一の舌に自分の舌をひたすらに絡ませた。深く、まだ足りないとでも言うかのようにされるキスに太一はその胸を押し返そうとするが、腕が押さえつけられているせいでそれは叶わない。やがて満足したのか光子郎がようやく口を離した時には、太一は完全に息を荒げ、その目に涙をためていた。火照った体はうまく動かず、息ができなかったせいで意識が少し朦朧としている。そんな太一の姿を見て、光子郎は早々にポケットからゴムを取り出し、袋を噛みちぎった。
「太一さん、ここ、挿れさせて」
「ふ、ぅ……?」
頭がうまく回らない。光子郎の言っていることが入ってこない。太一はただただ上がった息を整えるのに必死で、光子郎の声など届いていない。けれど興奮状態で抑えの効かない光子郎は、太一が落ち着くのを待とうともせず、むしろそれをいいことにズボンを脱がせ、シャツを捲り上げた。全てを脱がしている余裕は、今の光子郎にはなかった。
「こーしろ…?」
「…すいません太一さん、僕、今ちょっとおかしいんです」
「なに、ぁ、やっ」
元からオフィスに置いてあったのか、光子郎はローションのボトルを手に取ると太一のそこになんの前触れもなく中身をかけた。急な冷たさに太一が驚いたのもつかの間、光子郎はズボンを放って自分のそれにゴムをつけると、そのままそれをあてがった。太一の体がピクリと震える。
「ま、こうしろっ」
「太一さん、挿れますよ」
「や、だ、まだっ」
「大丈夫ですよ、だって太一さんのここ、欲しいってヒクヒクしてる」
「っ!」
今日の光子郎はやはりおかしい。太一は改めてそう思った。いつもは無理にことを進めようとはしてこない。絶対に太一の話を聞くし、太一が待てと言えば待つ。ならさずに挿れるなんてもってのほかだ。いったいどれだけの負担がかかると思っているのか。それに、光子郎はこんな、太一が嫌がるような恥ずかしい際どいことは言わない。
泣きそうになりながらそんなことを思うも、光子郎が止まる気配は微塵も感じられなかった。少しつり上がった口角が、太一は初めて怖いと思った。
「太一さん」
「ひ、まっ、ぁ、あ"!?」
「ぅ、ぐ、」
制止の声も聞かず無理矢理壁を押し広げて侵入してくるそれの痛みに、太一の目から涙が流れた。ならさずに挿れたそこにいくらローションがかかっていたところでどうにかなるわけもなく、強烈な痛みが襲う。ナカはキツく、光子郎も動こうとはすれどなかなか思うようには動けず顔を歪ませた。
「太一、さん、力抜いて」
「む、り、…や、ぃ、たい…っ!」
「…太一さん」
「ぅあ、ひっ、んん」
流石にこれでは埒があかないと思ったのか、光子郎はおもむろに太一のそれに手を伸ばした。触れられると思っていなかったところを突然触られて、抑える間も無く声が漏れてしまう。それに触れながら、小さくゆっくりと光子郎は腰を動かしてそこをならしていった。少しずつ和らぐ痛みに、太一の涙が止まる。
「あ、ぁ、んっ」
「、…ほら、太一さんのナカ、もうやわらかいですよ」
「ぃ、うなっ、も、んンッ」
「太一さん、今他に誰もいないから、声出してください」
「ぅ、や…、」
恥ずかしいのか頑なに声を出そうとはしない太一に、光子郎は何を思ったのかふと腰の動きを止める。突然止まった光子郎に太一が閉じていた目を少し開けて、ふ、と息を吐き力を抜いたその瞬間、光子郎が不敵に笑った。ぞくり、と体が反応して、思わず腰を引こうとするが、光子郎の手がそれを遮る。そして掴んだ腰を引き寄せて、いっきに自分の腰を打ち付けた。
「あ、あぁ"っ!?や、ひぁあ、やっ」
「太一さんッ」
「あッ、ひぅ、」
最奥を突き上げられ、耐えきれず嬌声が漏れる。何度も奥の一番イイところを突かれ、太一は背中を仰け反らせた。突然すぎる快楽に意図せず力が入ったのか、光子郎の口から少し苦しげな声が出る。それでも、光子郎は動きを止めない。
「はっ、ぐ、…太一さん、」
「あ、やっ、こ、しろぉ…ひ、あ、イッちゃ、も、イく、ぅ、あアッ!」
一層大きな嬌声とともに、爪先までぴんと伸ばして、ビクビクと小さく体を痙攣させながら、太一が果てた。
「はっ、ぁ…はぁ、……ぇ、ぁ、なに…!?」
「太一さん、まだですよ、まだダメ」
「まっ、て、今まだ、あ、ひぁ、アっ!」
イったばかりで敏感になっているそこを、光子郎がここぞとばかりに再び強く突き上げる。思ってもいなかった衝撃に、太一は目の前がチカチカと光るのを見た。シーツを強く掴み、消えてしまそうな理性を手繰り寄せる。嫌だと、待てと言えども、光子郎は聞かずに続けた。
「あっ、も…ゃ、」
「太一さんッ」
「ぐ、ぁ!?」
耐えきれずふっと意識が途切れても、突き上げられる感覚に無理矢理呼び起こされる。いつまで続くのか見当もつかない光子郎の様子に、太一はとうとう最後の理性を手放した。抵抗を見せていたのが嘘かのように、まだ、まだ足りないと、光子郎に手を伸ばす。
「あ、こーしろっ、おく…も、とっ」
「ッ~~!」
「ひ、や、ぁあアッ!」
「と、まんなっ」
太一の言葉にさらに腰の動きが激しくなる。いよいよ光子郎も余裕も何もなくなって、がっつくように腰を振った。
「ぁ、ふっ、ぅ、イく、やっ」
「はっ、いいですよ太一さん、僕も、やば、っ」
「あ、や、ひぅ、ああァッ!!」
二度目の絶頂に、太一は今度こそ完全に意識を飛ばした。
***
「ほんっとうに、すいませんでした…!!」
「いやぁ、光子郎もあんな風に余裕なくなったりするんだなぁ」
結局太一はちょうど光子郎が太一の体をタオルで拭き終わったところでようやく目を覚ました。起き上がろうとして、しかし尋常でない腰の痛みにソファへ倒れた太一に一番焦ったのはむしろ光子郎で、ソファのそばで深々と頭を下げる。太一は笑ってその姿を見ていた。
「まぁ次からは溜めすぎる前に呼んでくれよ、俺がもたないからさ」
「はい、そうします……」
へらりと笑う太一に、光子郎はひそかに自分だけのオフィスがあってよかったなと改めて思うのだった。
俯いているせいでその表情は見えない。が、声のトーンが普段よりも幾分か低い。その上、太一が何か言おうとするのも聞かず強引にその腕を引く光子郎に、太一は若干の焦りを覚えた。どんな時であっても今まで光子郎はこんな態度を太一に対してとったことはない。少々勝手なところはあれど、太一の事情や都合を無視したりはしない。それだけに太一の困惑は大きかった。
結局何も聞くことができないまま光子郎のオフィスに入れられる。バタンと強く閉められた扉の音にびくりと肩を揺らすと、太一は腕を引かれ、そのままの勢いで光子郎のソファへと押し倒された。
「わ、っ」
「太一さん、」
「こうしろ、…なに」
押し倒され一瞬顔を歪め、すぐさま太一は光子郎を見る。いったい何事かと思ったが、その光子郎の顔を見て、太一は言葉を詰まらせた。
息が荒く、その顔に余裕はまったく見えない。太一の腕をソファに縫い付けるように掴むその手は汗ばんでいて、そこでようやく太一は光子郎が言わんとしていることに気づく。一気に顔に熱が集まった。
「光子郎、まっ、」
「無理、無理です太一さん、我慢できない、抱かせてください」
「っ!」
切羽詰まった表情で早口でそう言う光子郎に、太一は今度こそ言葉を失った。ここまで余裕のない光子郎は見たことがない。いったい何がそうさせたのか。まずいと思って逃げようとするが、光子郎はそれを許してはくれない。
「や、光子郎っ」
「ダメ、太一さん」
「ひ、ぁっ」
ズボン越しに秘部を膝でぐっと押され、太一の口から声が漏れる。足を閉じようとするが、光子郎の足がそれをよしとはしなかった。痛くないように、けれど確実に反応するようにそこに刺激を与えていく。あられもない声が太一から聞こえるたび、光子郎は歯止めが効かなくなっていった。
「太一さん、」
「んん、ふ、ぅ…こ、しろ…んっ」
「は、…ん」
太一の言葉も聞かず、衝動に任せて貪るように口付ける。息苦しさからか微かに開いた隙間に舌を入れ、それでもまだ逃げようとする太一の舌に自分の舌をひたすらに絡ませた。深く、まだ足りないとでも言うかのようにされるキスに太一はその胸を押し返そうとするが、腕が押さえつけられているせいでそれは叶わない。やがて満足したのか光子郎がようやく口を離した時には、太一は完全に息を荒げ、その目に涙をためていた。火照った体はうまく動かず、息ができなかったせいで意識が少し朦朧としている。そんな太一の姿を見て、光子郎は早々にポケットからゴムを取り出し、袋を噛みちぎった。
「太一さん、ここ、挿れさせて」
「ふ、ぅ……?」
頭がうまく回らない。光子郎の言っていることが入ってこない。太一はただただ上がった息を整えるのに必死で、光子郎の声など届いていない。けれど興奮状態で抑えの効かない光子郎は、太一が落ち着くのを待とうともせず、むしろそれをいいことにズボンを脱がせ、シャツを捲り上げた。全てを脱がしている余裕は、今の光子郎にはなかった。
「こーしろ…?」
「…すいません太一さん、僕、今ちょっとおかしいんです」
「なに、ぁ、やっ」
元からオフィスに置いてあったのか、光子郎はローションのボトルを手に取ると太一のそこになんの前触れもなく中身をかけた。急な冷たさに太一が驚いたのもつかの間、光子郎はズボンを放って自分のそれにゴムをつけると、そのままそれをあてがった。太一の体がピクリと震える。
「ま、こうしろっ」
「太一さん、挿れますよ」
「や、だ、まだっ」
「大丈夫ですよ、だって太一さんのここ、欲しいってヒクヒクしてる」
「っ!」
今日の光子郎はやはりおかしい。太一は改めてそう思った。いつもは無理にことを進めようとはしてこない。絶対に太一の話を聞くし、太一が待てと言えば待つ。ならさずに挿れるなんてもってのほかだ。いったいどれだけの負担がかかると思っているのか。それに、光子郎はこんな、太一が嫌がるような恥ずかしい際どいことは言わない。
泣きそうになりながらそんなことを思うも、光子郎が止まる気配は微塵も感じられなかった。少しつり上がった口角が、太一は初めて怖いと思った。
「太一さん」
「ひ、まっ、ぁ、あ"!?」
「ぅ、ぐ、」
制止の声も聞かず無理矢理壁を押し広げて侵入してくるそれの痛みに、太一の目から涙が流れた。ならさずに挿れたそこにいくらローションがかかっていたところでどうにかなるわけもなく、強烈な痛みが襲う。ナカはキツく、光子郎も動こうとはすれどなかなか思うようには動けず顔を歪ませた。
「太一、さん、力抜いて」
「む、り、…や、ぃ、たい…っ!」
「…太一さん」
「ぅあ、ひっ、んん」
流石にこれでは埒があかないと思ったのか、光子郎はおもむろに太一のそれに手を伸ばした。触れられると思っていなかったところを突然触られて、抑える間も無く声が漏れてしまう。それに触れながら、小さくゆっくりと光子郎は腰を動かしてそこをならしていった。少しずつ和らぐ痛みに、太一の涙が止まる。
「あ、ぁ、んっ」
「、…ほら、太一さんのナカ、もうやわらかいですよ」
「ぃ、うなっ、も、んンッ」
「太一さん、今他に誰もいないから、声出してください」
「ぅ、や…、」
恥ずかしいのか頑なに声を出そうとはしない太一に、光子郎は何を思ったのかふと腰の動きを止める。突然止まった光子郎に太一が閉じていた目を少し開けて、ふ、と息を吐き力を抜いたその瞬間、光子郎が不敵に笑った。ぞくり、と体が反応して、思わず腰を引こうとするが、光子郎の手がそれを遮る。そして掴んだ腰を引き寄せて、いっきに自分の腰を打ち付けた。
「あ、あぁ"っ!?や、ひぁあ、やっ」
「太一さんッ」
「あッ、ひぅ、」
最奥を突き上げられ、耐えきれず嬌声が漏れる。何度も奥の一番イイところを突かれ、太一は背中を仰け反らせた。突然すぎる快楽に意図せず力が入ったのか、光子郎の口から少し苦しげな声が出る。それでも、光子郎は動きを止めない。
「はっ、ぐ、…太一さん、」
「あ、やっ、こ、しろぉ…ひ、あ、イッちゃ、も、イく、ぅ、あアッ!」
一層大きな嬌声とともに、爪先までぴんと伸ばして、ビクビクと小さく体を痙攣させながら、太一が果てた。
「はっ、ぁ…はぁ、……ぇ、ぁ、なに…!?」
「太一さん、まだですよ、まだダメ」
「まっ、て、今まだ、あ、ひぁ、アっ!」
イったばかりで敏感になっているそこを、光子郎がここぞとばかりに再び強く突き上げる。思ってもいなかった衝撃に、太一は目の前がチカチカと光るのを見た。シーツを強く掴み、消えてしまそうな理性を手繰り寄せる。嫌だと、待てと言えども、光子郎は聞かずに続けた。
「あっ、も…ゃ、」
「太一さんッ」
「ぐ、ぁ!?」
耐えきれずふっと意識が途切れても、突き上げられる感覚に無理矢理呼び起こされる。いつまで続くのか見当もつかない光子郎の様子に、太一はとうとう最後の理性を手放した。抵抗を見せていたのが嘘かのように、まだ、まだ足りないと、光子郎に手を伸ばす。
「あ、こーしろっ、おく…も、とっ」
「ッ~~!」
「ひ、や、ぁあアッ!」
「と、まんなっ」
太一の言葉にさらに腰の動きが激しくなる。いよいよ光子郎も余裕も何もなくなって、がっつくように腰を振った。
「ぁ、ふっ、ぅ、イく、やっ」
「はっ、いいですよ太一さん、僕も、やば、っ」
「あ、や、ひぅ、ああァッ!!」
二度目の絶頂に、太一は今度こそ完全に意識を飛ばした。
***
「ほんっとうに、すいませんでした…!!」
「いやぁ、光子郎もあんな風に余裕なくなったりするんだなぁ」
結局太一はちょうど光子郎が太一の体をタオルで拭き終わったところでようやく目を覚ました。起き上がろうとして、しかし尋常でない腰の痛みにソファへ倒れた太一に一番焦ったのはむしろ光子郎で、ソファのそばで深々と頭を下げる。太一は笑ってその姿を見ていた。
「まぁ次からは溜めすぎる前に呼んでくれよ、俺がもたないからさ」
「はい、そうします……」
へらりと笑う太一に、光子郎はひそかに自分だけのオフィスがあってよかったなと改めて思うのだった。