人間CP
目が覚めて真っ先に感じる充足感と、胸いっぱいに広がる香りに自然と頬が緩む。自分の腕の中にいる、自分よりも少しだけ小さな温かい存在にヤマトは一層幸せそうに微笑んで、その額へ一つキスを落とす。
「んぅ…」
「…おはよう、太一」
ヤマトの腕の中ですやすやと眠っている太一は小さく身じろぎしたもののそれ以上起きる気配はない。昨日はかなり無理をさせてしまったしなと、ヤマトは昨晩の行為を思い出して苦笑した。太一が本気で嫌がるようであればヤマトは行為を続けることはないし基本的には無理をさせたくないのだが、昨日はそういうわけではなかったからつい自制が利かなくなってしまった。服も纏わないままの太一は少し寒そうに見える。
「待ってろよ」
恐らく寒さを和らげるためにヤマトの腕の中に大人しく収まっていたのだろうが、いつまでもかわいらしい寝顔を見つめているわけにはいかない。こうして太一と体を繋げた次の日のヤマトはやることがたくさんある。太一より先に起きるというのは大前提だが、それと同時にきっとお腹をすかせているだろう太一のために朝食や昼食を作ってやらなければならない。体は寝る前に拭いてやったから問題ないだろう。起こさないようにそっと起き上がり、ベッドから出る。途端、太一は消えてしまった温もりを探すように身じろぎした。
「んん……や、ぁと」
普段は決して見せようとはしない、分かりやすいほどに寂しそうなその表情にヤマトも動きを止める。いつもなら眠っている太一から離れてもこんな動作を見ることはない。ヤマトが隣からいなくなっても、太一は自分で枕やらシーツやらを探し当ててそれを抱きしめて再び深く眠ってしまうからだ。だから純粋に驚いた。何か太一にこうさせるきっかけなどあっただろうかと思ったが、ヤマトには特に心当たりはない。さて、どうするべきかと思案すれば、徐に太一の手がヤマトの腕を探し当てた。
「は、うぉっ」
眠っているとは到底思えないほどの力で腕を引かれベッドに倒れこむ。驚いてヤマトの口からは情けない声が漏れた。
「ん…ふふ、やまと、いたぁ」
「た、たいち、起きて」
「いっつも…おきたらいないから……きょうはだめ…」
「え」
小さな声で楽しそうに笑いながらそう言うと、太一の口からはもう寝息しか聞こえてこなかった。ヤマトは頭を太一に抱きしめられる形で倒れこんでいて、意図せず柔らかな胸が顔に当たってしまっている。傍から見ればいっそかわいそうなほどに顔を真っ赤にしていた。昨晩はもっとすごいことをしていたはずなのになぜそうまで赤くなるのか、ヤマト自身もよくわからなかったが、。腕を外そうと試みても、がっしりとヤマトの頭を抱え込んでいる腕はびくともしない。
(くそ、なんでこいつ女なのに俺より力強いんだ…!)
確かに太一は自分よりスポーツをやっているし人並みより力が強いのはわかるけれど、と悔し気に唸るヤマトがいたことを、幸せそうに眠っている太一は知るはずもなかった。
「俺の朝ごはん」
「いや、お前が離してくれないから、」
「言い訳する男は嫌いです」
「たいち…!!」
「んぅ…」
「…おはよう、太一」
ヤマトの腕の中ですやすやと眠っている太一は小さく身じろぎしたもののそれ以上起きる気配はない。昨日はかなり無理をさせてしまったしなと、ヤマトは昨晩の行為を思い出して苦笑した。太一が本気で嫌がるようであればヤマトは行為を続けることはないし基本的には無理をさせたくないのだが、昨日はそういうわけではなかったからつい自制が利かなくなってしまった。服も纏わないままの太一は少し寒そうに見える。
「待ってろよ」
恐らく寒さを和らげるためにヤマトの腕の中に大人しく収まっていたのだろうが、いつまでもかわいらしい寝顔を見つめているわけにはいかない。こうして太一と体を繋げた次の日のヤマトはやることがたくさんある。太一より先に起きるというのは大前提だが、それと同時にきっとお腹をすかせているだろう太一のために朝食や昼食を作ってやらなければならない。体は寝る前に拭いてやったから問題ないだろう。起こさないようにそっと起き上がり、ベッドから出る。途端、太一は消えてしまった温もりを探すように身じろぎした。
「んん……や、ぁと」
普段は決して見せようとはしない、分かりやすいほどに寂しそうなその表情にヤマトも動きを止める。いつもなら眠っている太一から離れてもこんな動作を見ることはない。ヤマトが隣からいなくなっても、太一は自分で枕やらシーツやらを探し当ててそれを抱きしめて再び深く眠ってしまうからだ。だから純粋に驚いた。何か太一にこうさせるきっかけなどあっただろうかと思ったが、ヤマトには特に心当たりはない。さて、どうするべきかと思案すれば、徐に太一の手がヤマトの腕を探し当てた。
「は、うぉっ」
眠っているとは到底思えないほどの力で腕を引かれベッドに倒れこむ。驚いてヤマトの口からは情けない声が漏れた。
「ん…ふふ、やまと、いたぁ」
「た、たいち、起きて」
「いっつも…おきたらいないから……きょうはだめ…」
「え」
小さな声で楽しそうに笑いながらそう言うと、太一の口からはもう寝息しか聞こえてこなかった。ヤマトは頭を太一に抱きしめられる形で倒れこんでいて、意図せず柔らかな胸が顔に当たってしまっている。傍から見ればいっそかわいそうなほどに顔を真っ赤にしていた。昨晩はもっとすごいことをしていたはずなのになぜそうまで赤くなるのか、ヤマト自身もよくわからなかったが、。腕を外そうと試みても、がっしりとヤマトの頭を抱え込んでいる腕はびくともしない。
(くそ、なんでこいつ女なのに俺より力強いんだ…!)
確かに太一は自分よりスポーツをやっているし人並みより力が強いのはわかるけれど、と悔し気に唸るヤマトがいたことを、幸せそうに眠っている太一は知るはずもなかった。
「俺の朝ごはん」
「いや、お前が離してくれないから、」
「言い訳する男は嫌いです」
「たいち…!!」