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フレンド

ずっと隠して生きていくと思っていた。この気持ちは永遠に心に秘めておくものだと思っていた。
だから君が、君の口からその言葉を聞いて、一瞬時が止まったんだ。

「好き、だなんて言ったら君は困るかい?」

想いを自覚したのはもうずっと前のことだった。だけど自覚した途端、僕は消えてしまいたくなった。だって僕にはちゃんと可愛い恋人がいて、彼にはちゃんと息子がいて、どう考えたって、どう足掻いたって抱いてはいけない感情でしかなかった。僕は夢を与える存在ではあるけれど、現実は夢ばかりではないことを知っている。時にはどうしようもないことがあることをよく知っている。だからこそ、その想いは封じてしまわなければいけないと思った。だって公にしてしまったとして、どれだけの人を裏切ってしまうだろう。僕はもう、自分の感情だけで好きに動けるほど、小さな存在ではないのだ、悲しいけれど。
なのに、なのに!君はそうやって顔を赤らめて、照れ臭そうに頬をかきながらそんなことを簡単に言ってのけるのか!
いったい今までの僕の我慢は何だったんだと言いたい。あんなに悲しさも辛さも我慢してきたのに、なんでこの大好きな親友は、そんな壁をいとも容易く壊してしまうのだろう。僕には理解できない。彼が天才だからだろうか。なら僕はさしずめ大馬鹿野郎とでも?勘弁してほしい。夢を与える側なのに、どうして僕は今、親友に夢を与えられようとしているのだろう。
そんなことをぐるぐると考えていると、不意に目頭が熱くなった。何も言わない僕を不思議に思った彼がチラリと視線をよこして、ギョッとする。

「み、ミッキー!?なんで泣いて、あ、そんなに嫌だった…?」

ああもう、なんでなんで!そんな顔をされたら、僕はもう何一つとして我慢できない!

「こ、困らないから、困ってるんじゃないかぁ…!」

だって僕はずっと、君のことを愛していたんだ、グーフィー。
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