フレンド
ホセと飲みに行くと、だいたいどちらかが酔いつぶれるまで飲むことが多い。そして今まで酔い潰れた回数は、圧倒的に俺が多かった。なぜならホセは自分が飲む適量をしっかりと弁えているし、そもそもが酒に強いからだ。
けれどさすがに今日ばかりはそうはいかなかったらしい。目の前で頬を真っ赤にして明らかに酔っているホセを見ながら、頬杖をつく。
「ぜっっ…たい……いけると思ったんだけどなぁ」
そう言ってホセは悲しげに表情を歪める。ホセは今日、好意を向けていた女性に手酷く振られてしまったらしい。悲しい話である。突然家を訪ねてきたものだから一体何事かと思えば、有無を言わさず腕を引っ張られ無理矢理店に連れてこられ、ずっと親友の失恋話を聞かされている俺の身にもなってほしい。ここ最近ホセはずっとその女性の話を楽しそうにしていたから、てっきり上手くいってしまうかもなとこっちはずっと焦燥感で死にそうだったのに。そんな風に悲しくてやけ酒をしてしまうほど、彼女のことが好きだったというのだろうか。ホセ、君は特定の相手は作らないタイプではなかったのか。それともそれ俺の勘違い?いやそんなことはいい。そんなことよりも、ホセにこんな表情をさせた相手が許せない。ホセを泣かせていいのは俺だけでいいのに。ホセにこんなに思われて、それを振るなんて、いったいどんな順風満帆な人生を送ってきたんだ相手の女性は。俺だったら、もし俺がその女性だったら、絶対振ったりしないのに。
思考は止まらない。同じような言葉がずっと頭の中をグルグルとしている。俺はこの時酔っていた、紛れもなく。だって普段あまり酔わないホセが酔ってしまうほどの飲み方に付き合ってたのだ。いつも先に酔いつぶれる俺が、酔わないわけがなかった。だからつい、口にしてしまった。
「だから俺にしとけって言ったろ?」
ホセがキョトンとする。俺ははっとして口を塞いだ。今、何を言った?ホセにはばっちり聞かれてしまっただろうか。
ホセが、ゆっくりと口を開く。そして出た言葉は、
「君俺にそんなこと言ったっけ…」
「…いや、言ってないな」
カランバ、順番を間違えた!
けれどさすがに今日ばかりはそうはいかなかったらしい。目の前で頬を真っ赤にして明らかに酔っているホセを見ながら、頬杖をつく。
「ぜっっ…たい……いけると思ったんだけどなぁ」
そう言ってホセは悲しげに表情を歪める。ホセは今日、好意を向けていた女性に手酷く振られてしまったらしい。悲しい話である。突然家を訪ねてきたものだから一体何事かと思えば、有無を言わさず腕を引っ張られ無理矢理店に連れてこられ、ずっと親友の失恋話を聞かされている俺の身にもなってほしい。ここ最近ホセはずっとその女性の話を楽しそうにしていたから、てっきり上手くいってしまうかもなとこっちはずっと焦燥感で死にそうだったのに。そんな風に悲しくてやけ酒をしてしまうほど、彼女のことが好きだったというのだろうか。ホセ、君は特定の相手は作らないタイプではなかったのか。それともそれ俺の勘違い?いやそんなことはいい。そんなことよりも、ホセにこんな表情をさせた相手が許せない。ホセを泣かせていいのは俺だけでいいのに。ホセにこんなに思われて、それを振るなんて、いったいどんな順風満帆な人生を送ってきたんだ相手の女性は。俺だったら、もし俺がその女性だったら、絶対振ったりしないのに。
思考は止まらない。同じような言葉がずっと頭の中をグルグルとしている。俺はこの時酔っていた、紛れもなく。だって普段あまり酔わないホセが酔ってしまうほどの飲み方に付き合ってたのだ。いつも先に酔いつぶれる俺が、酔わないわけがなかった。だからつい、口にしてしまった。
「だから俺にしとけって言ったろ?」
ホセがキョトンとする。俺ははっとして口を塞いだ。今、何を言った?ホセにはばっちり聞かれてしまっただろうか。
ホセが、ゆっくりと口を開く。そして出た言葉は、
「君俺にそんなこと言ったっけ…」
「…いや、言ってないな」
カランバ、順番を間違えた!