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フレンド

みんなみんな大好きだって、どうして終わっちゃうのって、終わらないでって言ってくれる。こんなにも嬉しい言葉を紡いでくれる。それがすごく嬉しい。今まで何年も頑張ってよかったって、本当に思う。なのになのに、この日をこのゲストたちと、迎えられなかった。それが何よりも悔しい。僕にはどうしようもないことで、そんな理由でこんな風に終わってしまうことが悲しい。

そう言って泣きじゃくる誰よりも頑張り屋なミッキーを、僕はただなにも言わず、そっと寄り添って肩を抱いた。
何も言わない。けどきっとそれが正解。誰も何も悪くない。しょうがないことだから。僕だってみんなだって悲しいけど、きっと彼の痛みは誰より大きくて計り知れないから。彼はいつだって、何かが終わるたびに誰よりも傷ついてしまうから。
大丈夫だよ、大丈夫。この夢は終わってしまうけど、みんなきっと、君が次の夢を見せてくれるのを、待っててくれるよ。


そうだよ、僕らは、私たちはずっとずっと待っている。どれだけ時間がかかろうと、君がまた夢いっぱいで綺麗で素敵なイマジネーションを見せてくれるのをずっと待っている。


「ほら、見てミッキー。待っててくれる人たちが、こんなにいるよ」

小さな携帯の画面に、限られた文字数で目一杯の愛を紡いでくれる人たちがいる。そこには確かにこのショーと、僕たちへの愛がたくさんたくさん詰まっている。何年もこのショーを見続けてくれた人。たった一度だけでも見てくれた人。いろんな人がいるけど、みんな抱いてくれる思いは同じだ。

「…夢がいっぱいだなぁ」

待っててくれる人たちがいるなら、きっと僕も彼も、みんな。すぐにイマジネーションを見せてくれるよ。必ずみんなにイマジネーションを届けるよ。だってそれが僕たちの仕事で、それこそが僕たちだから。それを誰よりわかっているのは、他でもない彼なのだから。

「ねぇミッキー、ショー、こんなに愛されてて、よかったねぇ」
「うん…うん…ッ、」

今は少しだけ。雨はまだ止まないけれど、止まない雨はないから。
少し休憩したら、またみんなで、たくさんのゲストたちといっしょに。夢を紡いで行こう。
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