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きっかけは今までに山ほどあったのだろうし、伏線だってきっとたくさんあったのだろうが、それでも自身の感情がここまで顕著になったのは、やはりあの時からだろうなとコマンダーは一人不機嫌そうに一つ舌打ちをする。
宿敵とも呼べるキャプテンF91と合体を果たしたのは、ただの偶然だった。それこそコマンダーは合体していた時の記憶など持ち合わせていなかった。それはキャプテンF91も同じであるようだが、最近になって妙にその時の感覚がじわじわと蘇ってきたせいで、コマンダーは忘れようにも忘れることができないでいるのだ。圧倒的な力、圧倒的な強さ。銀河一つ分にも匹敵する、ともすれば脅威ともなり得る存在。そんなものに、まさか自分とキャプテンF91がなるなどと思ってはいなかった、しかもあんなくだらない偶然で。ただぶつかっただけで合体などどこの漫画の話だと言うのだろう。しかし事実は否定できない。とにかくコマンダーとキャプテンF91という宿敵同士は、合体することで圧倒的な強さを手に入れることができるのだ。
「あいつと一緒ってのが気に食わねぇ」
そう、力を手にするのが自分だけならばよかった。しかしキャプテンF91まで同じ力を手に入れるのは面白くないし、そもそも合体してしまったらどうやって戦えというのだろう。コマンダーが真にぶつかり合いたい相手など、キャプテンF91くらいしかいないというのに。そこまで考えても、コマンダーは気づかない。ただ訳の分からぬ苛立ちを持て余すしかない。その感情の名前を、彼はまったく知らないのだ。
合体して以降妙に近く感じる気配、妙に重なる思考。常に自分の横にキャプテンF91がいるようで、監視されているようで、纏わりつかれているようで。
気に入らない、全く持って、気に食わない。
その感情に、コマンダーはまだ名前をつけられない。そしてキャプテンF91も彼と同じような感覚を共有しているなど、まだ、コマンダーは知らないのだ。それに気づいて少しばかり気分が良くなるのは、まだ、先の話。
宿敵とも呼べるキャプテンF91と合体を果たしたのは、ただの偶然だった。それこそコマンダーは合体していた時の記憶など持ち合わせていなかった。それはキャプテンF91も同じであるようだが、最近になって妙にその時の感覚がじわじわと蘇ってきたせいで、コマンダーは忘れようにも忘れることができないでいるのだ。圧倒的な力、圧倒的な強さ。銀河一つ分にも匹敵する、ともすれば脅威ともなり得る存在。そんなものに、まさか自分とキャプテンF91がなるなどと思ってはいなかった、しかもあんなくだらない偶然で。ただぶつかっただけで合体などどこの漫画の話だと言うのだろう。しかし事実は否定できない。とにかくコマンダーとキャプテンF91という宿敵同士は、合体することで圧倒的な強さを手に入れることができるのだ。
「あいつと一緒ってのが気に食わねぇ」
そう、力を手にするのが自分だけならばよかった。しかしキャプテンF91まで同じ力を手に入れるのは面白くないし、そもそも合体してしまったらどうやって戦えというのだろう。コマンダーが真にぶつかり合いたい相手など、キャプテンF91くらいしかいないというのに。そこまで考えても、コマンダーは気づかない。ただ訳の分からぬ苛立ちを持て余すしかない。その感情の名前を、彼はまったく知らないのだ。
合体して以降妙に近く感じる気配、妙に重なる思考。常に自分の横にキャプテンF91がいるようで、監視されているようで、纏わりつかれているようで。
気に入らない、全く持って、気に食わない。
その感情に、コマンダーはまだ名前をつけられない。そしてキャプテンF91も彼と同じような感覚を共有しているなど、まだ、コマンダーは知らないのだ。それに気づいて少しばかり気分が良くなるのは、まだ、先の話。