銀八先生
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「おーい。ちょっと教科書、とじろ~」
校舎の端に位置する3年Z組の教室に、銀八の気だるい声が聞こえてくる。
教壇に立ち、面倒くさそうに教科書の内容を一応説明していたが、途中で一旦止まった。
不思議そうに首を傾げる生徒達へと、銀八は呼びかける。
「響古から連絡があるので、少し黙ってろよ」
「五分で終わらせるから。じゃ、始めるわ」
隣に立っていた響古が一歩、前に出て、束になった書類を手に深呼吸。
そして神妙な面持ちで口を開いた。
「実は、妙のたて笛が盗まれたの。まさか、小学生が好きな女子のたて笛を盗んで……なんて展開になるとは思わなかったけど、大体の人物は特定できたから、盗んだ人、正直に手をあげなさい。ウソでもいいわよ」
教卓に立ち、笑顔を浮かべている妙に視線を向けつつ、言葉の端々に毒を入れながらリコーダーを盗んだ犯人に向けて続ける。
「あたしと妙で、犯人にどんな罰を与えてやろうと考えた結果、今なら妙も、尻にたて笛をつっこんで『翼をください』をワンコーラス演奏するだけで、許してくれるって。よかったわね~」
最後の言葉は、明らかに特定の人物に向けての言葉だった。
んっふふ、と悪魔の笑いを見せる響古。
いつもの人をもてあそぶ悪魔ではない。
冷酷で残忍そうなという意味での悪魔だった。
こちらはいつもと変わらず楚々とした笑みを浮かべる妙。
しかし、その笑顔の内部には怒りが烈火のごとく渦巻いているはずだ。
それぞれ正反対の表情だが、同方向の刑罰を胸に秘めていたらしい。
「……響古先生、さっきから気になってたんですが、その紙の束はなんですか?」
おそるおそる訊ねてきた新八の質問に、響古は妙と顔を見合わせてから答えた。
「コレ?犯人にどんな罰を与えるか、妙と話し合った内容を書き込んだモノよ」
と軽やかに笑う響古。
びっしりと書き込まれたであろう犯人に与える罰の数々に、生徒達の表情が一気に青ざめる。
いつもの悪魔めいた笑みが、皆にはたまらなく恐かった。
そこへ、腕を組んで土方が抗議する。
「響古先生、そんなマネしたら俺達、一生、翼なんて生えません。マッチの名曲『ケジメなさい』にしてください」
「んー…」
響古が顎に手を当てて考えると、銀八から案が出る。
「わかった。マッチの名曲『ケツ毛ザシャイ』でいこう!」
銀八の発言に、サングラスをかけた長谷川がつっこんだ。
「先生。曲調がよくわかりません。てか、そんな曲、ねーよ」
「しょーがねーな。誰か笛かせ、俺が吹くから」
「先生、私のどーぞ。壊れてて、ファの音しか出せないけど」
そう言って、神楽は袋からチクワを取り出す。
「壊れてるのは、お前の頭だ。おーい、誰でもいいから笛かせ。できれば女子」
下心が見え見えの銀八の発言に、当然生徒達からブーイングが入る。
「嫌です。タバコくさくなりそーだから」
「響古先生がいいでーす」
いつまで経っても犯人が見つからない様子に、苛立った近藤が立ち上がった。
「いい加減にしろよ、女子!先生達は犯人捜そうと必死なんだ!!先生俺の使ってください、大丈夫ッス。ヤニ臭くなっても、俺、二本持ってるんで」
そう言って、懐から取り出したリコーダー……だが、彼は自分用の他にもう一本持っていた。
二人から疑惑の眼差しが向けられる。
「なんで二本も、持ってるんだ」
「なんで二本も、持ってるのかしら」
続けざまの質問。
「…………」
今さらとぼけても意味がなく、近藤の頬が引きつる。
すると、怒気を剥き出しにした妙がリコーダーを手にやって来て……次の瞬間、その罰は執行される。
「えっ!!ちょっと待って!!マジでやんの!?あっ…」
怯える近藤は抵抗するが、それはかなわなかった。
「ぎゃああああ」
世紀末的悲鳴が響き渡る教室、気分を悪くした新八は立ち上がった。
「先生、保健室いっていいですか…」
校舎の端に位置する3年Z組の教室に、銀八の気だるい声が聞こえてくる。
教壇に立ち、面倒くさそうに教科書の内容を一応説明していたが、途中で一旦止まった。
不思議そうに首を傾げる生徒達へと、銀八は呼びかける。
「響古から連絡があるので、少し黙ってろよ」
「五分で終わらせるから。じゃ、始めるわ」
隣に立っていた響古が一歩、前に出て、束になった書類を手に深呼吸。
そして神妙な面持ちで口を開いた。
「実は、妙のたて笛が盗まれたの。まさか、小学生が好きな女子のたて笛を盗んで……なんて展開になるとは思わなかったけど、大体の人物は特定できたから、盗んだ人、正直に手をあげなさい。ウソでもいいわよ」
教卓に立ち、笑顔を浮かべている妙に視線を向けつつ、言葉の端々に毒を入れながらリコーダーを盗んだ犯人に向けて続ける。
「あたしと妙で、犯人にどんな罰を与えてやろうと考えた結果、今なら妙も、尻にたて笛をつっこんで『翼をください』をワンコーラス演奏するだけで、許してくれるって。よかったわね~」
最後の言葉は、明らかに特定の人物に向けての言葉だった。
んっふふ、と悪魔の笑いを見せる響古。
いつもの人をもてあそぶ悪魔ではない。
冷酷で残忍そうなという意味での悪魔だった。
こちらはいつもと変わらず楚々とした笑みを浮かべる妙。
しかし、その笑顔の内部には怒りが烈火のごとく渦巻いているはずだ。
それぞれ正反対の表情だが、同方向の刑罰を胸に秘めていたらしい。
「……響古先生、さっきから気になってたんですが、その紙の束はなんですか?」
おそるおそる訊ねてきた新八の質問に、響古は妙と顔を見合わせてから答えた。
「コレ?犯人にどんな罰を与えるか、妙と話し合った内容を書き込んだモノよ」
と軽やかに笑う響古。
びっしりと書き込まれたであろう犯人に与える罰の数々に、生徒達の表情が一気に青ざめる。
いつもの悪魔めいた笑みが、皆にはたまらなく恐かった。
そこへ、腕を組んで土方が抗議する。
「響古先生、そんなマネしたら俺達、一生、翼なんて生えません。マッチの名曲『ケジメなさい』にしてください」
「んー…」
響古が顎に手を当てて考えると、銀八から案が出る。
「わかった。マッチの名曲『ケツ毛ザシャイ』でいこう!」
銀八の発言に、サングラスをかけた長谷川がつっこんだ。
「先生。曲調がよくわかりません。てか、そんな曲、ねーよ」
「しょーがねーな。誰か笛かせ、俺が吹くから」
「先生、私のどーぞ。壊れてて、ファの音しか出せないけど」
そう言って、神楽は袋からチクワを取り出す。
「壊れてるのは、お前の頭だ。おーい、誰でもいいから笛かせ。できれば女子」
下心が見え見えの銀八の発言に、当然生徒達からブーイングが入る。
「嫌です。タバコくさくなりそーだから」
「響古先生がいいでーす」
いつまで経っても犯人が見つからない様子に、苛立った近藤が立ち上がった。
「いい加減にしろよ、女子!先生達は犯人捜そうと必死なんだ!!先生俺の使ってください、大丈夫ッス。ヤニ臭くなっても、俺、二本持ってるんで」
そう言って、懐から取り出したリコーダー……だが、彼は自分用の他にもう一本持っていた。
二人から疑惑の眼差しが向けられる。
「なんで二本も、持ってるんだ」
「なんで二本も、持ってるのかしら」
続けざまの質問。
「…………」
今さらとぼけても意味がなく、近藤の頬が引きつる。
すると、怒気を剥き出しにした妙がリコーダーを手にやって来て……次の瞬間、その罰は執行される。
「えっ!!ちょっと待って!!マジでやんの!?あっ…」
怯える近藤は抵抗するが、それはかなわなかった。
「ぎゃああああ」
世紀末的悲鳴が響き渡る教室、気分を悪くした新八は立ち上がった。
「先生、保健室いっていいですか…」