銀八先生
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3年Z組の教室には、担任である坂田 銀八と副担任の篠木 響古が教卓に立っていた。
教室前方の壁、黒板の上に掲げられた額の中には達筆とは言えない「糖分」という書がある。
「きりーつ。礼」
朝のホームルームを終え、国語の授業が始まった。
教壇では、よく通る声で副担任が生徒に呼びかける。
「はァい。じゃあ、原作の一巻開いてェ」
生徒達は言われた通り、教科書ではなく漫画の単行本を取り出した。
続けて、気だるげな声で担任が今日の授業内容を告げる。
「今日の授業では"銀魂"の意味を解明したい」
二人共、シャツにネクタイ、何故か白衣を羽織っている。
銀八は銀髪に天然パーマ。
眼鏡も白衣もネクタイも、全てだらしなく身につけた、くわえ煙草の男。
響古は艶やかな黒髪を後ろにまとめて、一つのお団子にし、胸元へと垂らしている。
響古はチョークを手に取り、黒板に「ぎんたま」と書いていった。
「えー誰かわかる奴いる?銀魂の意味」
「ハイ、先生!」
そこへ、声をあげたのは牛乳瓶のような眼鏡をかけた神楽だった。
「桂君の長髪が邪魔で黒板が見えません」
前の席に座る男子生徒の、まっすぐに下ろした長い髪が邪魔で黒板の文字が見えないらしい。
銀八は黒髪ロングの桂へと注意する。
「ヅラァ。髪切ってこいって言ったろーが。もしくは取れ」
桂の長髪はたぶん地毛と思われるので、人工の毛髪のように取れたりしない。
「先生、取れません」
「じゃあ、外せ」
「先生、訴えますよ」
あくまでもその長髪をカツラだと注意する担任に、訴訟も辞さない態度で桂は言う。
すると、"銀魂"の意味を真面目に解説していた響古が見兼ねて声をあげる。
「ちょっと銀、せめて『結ぶ』も選択肢に入れてあげましょう」
響古が黒板に書き込んでいるチョークの字も、丁寧で見やすい。
何気に、生徒にはありがたいことだ。
やれやれ、と肩をすくめた銀八は授業へと戻る。
「えー。授業に戻るぞ」
「先生!」
次に手を挙げたのは沖田だ。
「留学生の神楽さんが早弁してます。しかも、ウインナーをこれみよがしに見せつけてきます」
隣の席に座る神楽が昼休みにならないうちに弁当を食べていた。
しかも、おかずのウインナーを堂々と見せつける。
「先生、早弁じゃありません。私の国では、ポップコーンとか食べながら授業してました」
これは早弁ではない、お国柄だと言い放つ神楽へ、銀八は冷ややかに斬り捨てる。
「そーか、帰れ、国に!」
響古が黒板に書き込む手を止めて振り返る。
「神楽、1時間目の授業で早弁は早すぎじゃないの?」
すると、神楽は頬をほのかに染め、
「響…響古先生…私のウインナー、食べますか!?」
教壇にいる響古へ、おかずのウインナーを向けた。
「オイオイ。授業中だぞ」
「うーん……気持ちは嬉しいけど、今は授業中だしねー……アラ?」
響古は何かに気づき、神楽の席へと向かう。
「神楽、ご飯粒がついてるわよ」
「えっ、マジでか。どこアルか……先生?」
戸惑う神楽を、漆黒の瞳でじっと見つめ、響古は不意に右手を上げた。
なよなかな仕草で、神楽の白く丸い頬から顎へのラインを撫で、同時に囁く。
その声は絹のように滑らかだったが、それでいて甘く妖艶に蕩 けていた。
「口許についてる」
そう言って、撫でた手を口許に添えると、ご飯粒を、ぱくり、と食べる。
「ごちそうさま」
二人の空間だけ、百合百合な乙女の花園と化している。
それを無視して、銀八は授業を進める。
「ハイ、じゃあ授業に戻る…」
その時、土方が銀八のくわえ煙草を注意する。
「先生!授業中にタバコはないと思います」
「これはタバコじゃない、ペロペロキャンディだ」
これは煙草ではなく、キャンディだと誤魔化そうとする、やる気のない担任。
「キャンディから煙は出ません」
「それはもの凄くペロペロしてるからだ」
最初のうちは響古が漫画の内容を説明し、要点を黒板に書き、授業のようなものをしていた。
が、次々と話が脱線していき、全く授業が進まず、無駄に流れる時間。
その時、終わりのチャイムが鳴った。
「えー。今、言ったことはテストに出るぞ。ちゃんとノートにとっとけ、以上!」
こうして1時間目の授業は、何も得るもののない不毛な時間の浪費に終わったのであった。
皆が席を立つ中、新八は独り言のようにつぶやいた。
「転校しよう…」
教室前方の壁、黒板の上に掲げられた額の中には達筆とは言えない「糖分」という書がある。
「きりーつ。礼」
朝のホームルームを終え、国語の授業が始まった。
教壇では、よく通る声で副担任が生徒に呼びかける。
「はァい。じゃあ、原作の一巻開いてェ」
生徒達は言われた通り、教科書ではなく漫画の単行本を取り出した。
続けて、気だるげな声で担任が今日の授業内容を告げる。
「今日の授業では"銀魂"の意味を解明したい」
二人共、シャツにネクタイ、何故か白衣を羽織っている。
銀八は銀髪に天然パーマ。
眼鏡も白衣もネクタイも、全てだらしなく身につけた、くわえ煙草の男。
響古は艶やかな黒髪を後ろにまとめて、一つのお団子にし、胸元へと垂らしている。
響古はチョークを手に取り、黒板に「ぎんたま」と書いていった。
「えー誰かわかる奴いる?銀魂の意味」
「ハイ、先生!」
そこへ、声をあげたのは牛乳瓶のような眼鏡をかけた神楽だった。
「桂君の長髪が邪魔で黒板が見えません」
前の席に座る男子生徒の、まっすぐに下ろした長い髪が邪魔で黒板の文字が見えないらしい。
銀八は黒髪ロングの桂へと注意する。
「ヅラァ。髪切ってこいって言ったろーが。もしくは取れ」
桂の長髪はたぶん地毛と思われるので、人工の毛髪のように取れたりしない。
「先生、取れません」
「じゃあ、外せ」
「先生、訴えますよ」
あくまでもその長髪をカツラだと注意する担任に、訴訟も辞さない態度で桂は言う。
すると、"銀魂"の意味を真面目に解説していた響古が見兼ねて声をあげる。
「ちょっと銀、せめて『結ぶ』も選択肢に入れてあげましょう」
響古が黒板に書き込んでいるチョークの字も、丁寧で見やすい。
何気に、生徒にはありがたいことだ。
やれやれ、と肩をすくめた銀八は授業へと戻る。
「えー。授業に戻るぞ」
「先生!」
次に手を挙げたのは沖田だ。
「留学生の神楽さんが早弁してます。しかも、ウインナーをこれみよがしに見せつけてきます」
隣の席に座る神楽が昼休みにならないうちに弁当を食べていた。
しかも、おかずのウインナーを堂々と見せつける。
「先生、早弁じゃありません。私の国では、ポップコーンとか食べながら授業してました」
これは早弁ではない、お国柄だと言い放つ神楽へ、銀八は冷ややかに斬り捨てる。
「そーか、帰れ、国に!」
響古が黒板に書き込む手を止めて振り返る。
「神楽、1時間目の授業で早弁は早すぎじゃないの?」
すると、神楽は頬をほのかに染め、
「響…響古先生…私のウインナー、食べますか!?」
教壇にいる響古へ、おかずのウインナーを向けた。
「オイオイ。授業中だぞ」
「うーん……気持ちは嬉しいけど、今は授業中だしねー……アラ?」
響古は何かに気づき、神楽の席へと向かう。
「神楽、ご飯粒がついてるわよ」
「えっ、マジでか。どこアルか……先生?」
戸惑う神楽を、漆黒の瞳でじっと見つめ、響古は不意に右手を上げた。
なよなかな仕草で、神楽の白く丸い頬から顎へのラインを撫で、同時に囁く。
その声は絹のように滑らかだったが、それでいて甘く妖艶に
「口許についてる」
そう言って、撫でた手を口許に添えると、ご飯粒を、ぱくり、と食べる。
「ごちそうさま」
二人の空間だけ、百合百合な乙女の花園と化している。
それを無視して、銀八は授業を進める。
「ハイ、じゃあ授業に戻る…」
その時、土方が銀八のくわえ煙草を注意する。
「先生!授業中にタバコはないと思います」
「これはタバコじゃない、ペロペロキャンディだ」
これは煙草ではなく、キャンディだと誤魔化そうとする、やる気のない担任。
「キャンディから煙は出ません」
「それはもの凄くペロペロしてるからだ」
最初のうちは響古が漫画の内容を説明し、要点を黒板に書き、授業のようなものをしていた。
が、次々と話が脱線していき、全く授業が進まず、無駄に流れる時間。
その時、終わりのチャイムが鳴った。
「えー。今、言ったことはテストに出るぞ。ちゃんとノートにとっとけ、以上!」
こうして1時間目の授業は、何も得るもののない不毛な時間の浪費に終わったのであった。
皆が席を立つ中、新八は独り言のようにつぶやいた。
「転校しよう…」