第百三訓
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――アレ?なんだコレ。
――空が真っ白だ。
発端は、突然だった。
気がつけば、地平線の先まで続いていきそうな雪空が視界に飛び込んだ。
――アレ?
――真っ白なのは僕じゃないか。
一瞬の疑問も束の間、新八は自分が凍ったように降り積もる雪の中に倒れていることに気づく。
――アレ?なんで僕、こんな所で寝てるんだっけ。
薄れていく意識の中で、ガンガンと頭痛がする。
――アレ?こんなん前もなかったっけ?アレ?
そして、前にもこんなんあったデジャヴを覚える。
降り積もる雪が、空を、道を、街を白に染め上げていく。
耳を澄ませば、いつもはにぎやかな歌舞伎町からは雑音が消えていた。
「今年の冬は異常気象だかなんだかしらないけどねェ、とんでもない大雪に見舞われちまって、江戸の街も、どこを見ても真っ白さ。ついでに街ゆく連中、どいつもこいつも青白いシケたツラして歩いてやがる。情けない話じゃないかィ」
大雪と寒さにだいぶ堪え、ブルブルと身を丸める江戸の住民達。
今までの活気が嘘のような静けさに、お登勢は悔しそうに唇を噛んだ。
「雨が降れば行水!槍が降ればバンブーダンス!!どんな時も楽しむ余裕を忘れないのが江戸っ子の心意気ってもんだィ!!」
そして顔を上げ、周囲に大声で宣言する。
「つーことで………第1回、チキチキかぶき町雪祭り開催決定ぃぃぃぃ!!」
煙草を吹かして言い放つお登勢が開催した雪の祭典。
大勢の人々が参加し、大量に集めた雪で像をつくる。
「大雪なんざしゃらくせェってんでェ!江戸が一面、雪に白く染まろうが、私らが、かぶき町のネオンで色とりどりに染め返しゃいい!喜びな、江戸にも一つ、祭りが生まれたよ!」
辺りを見渡せば、一度雪山を作ってから削り出したり、雪を積み上げながら形を整えたりしている。
勿論、そこには万事屋四人の姿もあった。
「銀さーん、響古さーん。雪もってきました」
雪玉を丸める、厚着した銀時と厚着に厚着を重ね、防寒に徹した響古のもとへ新八がやって来る。
「おう。そこ、おいとけ」
「いや~。みんなスゴイのつくってますよ、雪像」
「自分の店のPRも兼ねてるからね。かっこうの宣伝ってわけよ」
今日の響古は防寒対策は万全。
黒羽織の上に温かそうなコートに手袋、マフラー。
下は黒タイツにブーツ。
夏服と比べるに視覚的な魅力は減るが、肌が出てないことで、そこには集中せずに全体を見て動作に萌えられるのが冬服のよさ。
――生足もいいけど、黒タイツもイイ!
この姿を見た銀時達の感想。
思わず脚に抱きつきたいような動作に駆られた。
さらに響古が掌に息を吐いて暖める姿や寒さで赤くなった頬なんて悶絶モノ。
銀時はしばらく悶絶したまま動けなくなったらしい。
「…響古さん、なんかここへ来た時よりも丸くなってませんか?」
「………」
苦笑通り越して微笑ましい。
ヌクヌクしながら不機嫌な響古に、本気で可愛いと思い始めた。
「あ、しゃべるのもイヤなんだ…」
その光景を見兼ねた銀時が、雪玉を丸めながら口を開く。
「さっき、しらねー女達が響古を囲んでたぞ」
「…え」
銀時の遠くを見る眼差しに、新八は引きつった笑みを止められなかった。
――キャー!響古さん、カワイイ~。
――なんか丸っこい~、抱きしめてもイイですか?
――あ~、私も私も~。
「……とか。なんか女子高でも見てるような気分だったぜ」
容易に想像がつく、その光景。
響古の周りを女性達が囲み、醸し出される空気は桃色。
甲高い声が響き渡る、その中心には自分の恋人。
銀時はその光景を、どんな心境で眺めていたのだろうか。
新八はつい彼に向けて同情の眼差しを送った。
ついでに、周りの雪像には胡乱げな視線を向ける。
「でもやっぱり、歓楽街ですね。いかがわしい雪像ばっか…まァ、かぶき町らしいですけど」
雪像のデザインで多いのが、着物を崩した色っぽい女性の像だ。
場所を意識してしまうと、連鎖的にいかがわしい思考が頭の中に入ってしまう。
「僕ら万事屋は何をつく…」
「まァ、こんなトコか。あとは真ん中に棒を立てて…」
そこには二つに並んだ雪玉、真ん中に棒を立てれば……さて、何ができるでしょう?
直後、新八は胸に湧き上がった激昂のまま、雪玉を蹴りで粉砕した。
「年齢制限入るぅぅぅ!!」
突然、雪玉を壊された二人は気だるい中に苛立ちを含んだ声音で抗議する。
「オイオイ。なにすんだ、お前は。俺がその左の玉つくるのにどれだけ苦労したかわかってんのか、コラ」
「銀がいい具合に凸凹した玉をつくったのよ。個人差で微妙に大きさが違うんだから」
「アンタらこそ、何考えてんだよ!周りのHなヤツに、何も合わせなくても…」
「銀ちゃん、響古、棒できたヨ」
その時、両腕に大きな棒を担いだ神楽が合流する。
「きゃああああ!!何もってんの、神楽ちゃん!」
幼い少女が持つ棒状の物体に、新八は悲鳴をあげた。
「新八よォ、お前何?何を勘違いしてるかしらないけどよ。これ、アレだよ。ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だよ」
「アームストロング、2回言ったよ!あるわけねーだろ、こんな卑猥な大砲!」
「制限制限て過敏になり過ぎてんだよ、お前は。意識しすぎ」
手の動きと表情は隙を見せず、新八からつっこまれても抜け目なく配置する。
すると響古も、大したことのないように言い放つ。
「心配しなくても『銀紅』はアニメ化ないから。ちゃんと原作はアニメ化されてるから」
「ったく、思春期はエロイ事ばっか考えてるから、棒と玉があれば、スグそっちに話もってくんだよ」
「マジキモイアル。しばらく私に話しかけないで」
「いや…だって、明らかにおかしいよ。アレじゃないとしてさ。じゃあ一体何よソレ?」
男性のシンボルを彷彿とさせる雪像を不安がる新八をよそに、銀時は棒を立て、
「よっ」
神楽は崩れた雪玉を丸める。
「オイオイ何、オメーらも来てたの?」
そこへ、煙草を吹かして長谷川がやって来た。
「あっ、長谷川さん。ちょっとォ、三人止めてくださいよ。とんでもないものつくろうとしてるんです」
長谷川に止めてもらおうと思い、新八は声をかける。
すると、さも当たり前のように万事屋の作品を言い当てた。
「なんだよオイ、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか。完成度高 けーなオイ」
「えええええ!?なんでしってんの!?マジであんの?僕だけしらないの!?」
「江戸城の天守閣を吹き飛ばし、江戸を開国させちまった戌威族の決戦兵器だ」
「何?こんなカッコ悪い大砲にやられたんですか、僕らの国!?」
新八が驚愕する傍ら、神楽はひたすら雪玉を削って丸くする。
(アームストロング砲……幕末三大兵器の一つ。実際に存在していた兵器らしいですよ。by.管理人)
「それよりアンタ、何でこんなトコにいんだ?」
「いや、俺も個人参加で出展するんだよ。なんかグランプリとったら賞金でるらしいじゃん」
長谷川に案内され、四人は彼の作品を見た。
両手を伸ばして立つ、凛々しい裸体の男。
その背には大きく広げた翼。
「うおおおおお!!なんスか、コレェェェ!!なんかわかんないけどスゴイじゃないですかァァ!!」
「いやいや、そんな、たいしたもんじゃねーよ。俺、結構こり性だからさァ、止まらなくなっちゃって。タイトルは『飛翔』」
「いやァ、スゴイですよ。これ、グランプリじゃないっスか?」
純粋な褒め言葉を受けて照れる長谷川の隣で、三人は顔をしかめる。
「ヘェー、スゲーな。コレ何?アンタ自身がモデル?」
「ん?まァ、愛情入れすぎて似てしまったというかなんというか」
「でも、ちょっとアンタにしちゃ筋肉質すぎね?響古、このへん削ぎ落とした方がいいな」
「あいよ」
銀時は渡されたシャベルで脚を削ぎ落とし始めた。
「おいィィィ!!何してんのォォ!!ちょっと勘弁してよ!スゲー微妙なバランスで立ってるから、コレ!」
「あー、そういう所も似てるんだ、アンタに」
「オイ、マダオ。アレもマダオのと似てるアルか」
「コラァァァァ、ダメ、そんなところ指さしたら!!」
神楽が指差す先には、全裸ならではの隠し切れない場所。
響古は神楽の両目を塞いだ。
「ちょっと。うちの神楽に何汚いモン見せてくれてんの」
「待て待て!あれは芸術的な意味でさ。ホラ、美術の教科書とでも裸丸出しで出てくんじゃん」
「猥褻物陳列罪以外の何物でもねーよ」
「アンタらだって、猥褻物つくってたでしょーが!!」
自分達の作品を棚上げする銀時に、お前が言うな、とつっこむ新八。
「クソがァ、年齢制限なんか付けさせねェェ!」
女の子の読者がいるから自重しろと、雪玉をぶつけ始めた。
その横で、響古が不機嫌極まりない目つきでつぶやく。
「…フン。アニメ化?あたしなんか非公式キャラよ、関係ないわ」
原作を元にした創作物の非公式キャラであるとわかりきっている。
もっとも彼女は、自分をそう易々と認めるような可愛い性格ではなかった。
「……玉、用意」
「了解アル、姐さん!」
神楽に握らせた大量の雪玉を、眼前の股間に容赦なく投げつける。
「おいィィィィ、どこにぶつけてんだァァ!!」
「響古ォォ!?ちょっ、痛々しく壊すの止めて!見てられないから!男として見てられない心境だからァァァ!!」
――空が真っ白だ。
発端は、突然だった。
気がつけば、地平線の先まで続いていきそうな雪空が視界に飛び込んだ。
――アレ?
――真っ白なのは僕じゃないか。
一瞬の疑問も束の間、新八は自分が凍ったように降り積もる雪の中に倒れていることに気づく。
――アレ?なんで僕、こんな所で寝てるんだっけ。
薄れていく意識の中で、ガンガンと頭痛がする。
――アレ?こんなん前もなかったっけ?アレ?
そして、前にもこんなんあったデジャヴを覚える。
降り積もる雪が、空を、道を、街を白に染め上げていく。
耳を澄ませば、いつもはにぎやかな歌舞伎町からは雑音が消えていた。
「今年の冬は異常気象だかなんだかしらないけどねェ、とんでもない大雪に見舞われちまって、江戸の街も、どこを見ても真っ白さ。ついでに街ゆく連中、どいつもこいつも青白いシケたツラして歩いてやがる。情けない話じゃないかィ」
大雪と寒さにだいぶ堪え、ブルブルと身を丸める江戸の住民達。
今までの活気が嘘のような静けさに、お登勢は悔しそうに唇を噛んだ。
「雨が降れば行水!槍が降ればバンブーダンス!!どんな時も楽しむ余裕を忘れないのが江戸っ子の心意気ってもんだィ!!」
そして顔を上げ、周囲に大声で宣言する。
「つーことで………第1回、チキチキかぶき町雪祭り開催決定ぃぃぃぃ!!」
煙草を吹かして言い放つお登勢が開催した雪の祭典。
大勢の人々が参加し、大量に集めた雪で像をつくる。
「大雪なんざしゃらくせェってんでェ!江戸が一面、雪に白く染まろうが、私らが、かぶき町のネオンで色とりどりに染め返しゃいい!喜びな、江戸にも一つ、祭りが生まれたよ!」
辺りを見渡せば、一度雪山を作ってから削り出したり、雪を積み上げながら形を整えたりしている。
勿論、そこには万事屋四人の姿もあった。
「銀さーん、響古さーん。雪もってきました」
雪玉を丸める、厚着した銀時と厚着に厚着を重ね、防寒に徹した響古のもとへ新八がやって来る。
「おう。そこ、おいとけ」
「いや~。みんなスゴイのつくってますよ、雪像」
「自分の店のPRも兼ねてるからね。かっこうの宣伝ってわけよ」
今日の響古は防寒対策は万全。
黒羽織の上に温かそうなコートに手袋、マフラー。
下は黒タイツにブーツ。
夏服と比べるに視覚的な魅力は減るが、肌が出てないことで、そこには集中せずに全体を見て動作に萌えられるのが冬服のよさ。
――生足もいいけど、黒タイツもイイ!
この姿を見た銀時達の感想。
思わず脚に抱きつきたいような動作に駆られた。
さらに響古が掌に息を吐いて暖める姿や寒さで赤くなった頬なんて悶絶モノ。
銀時はしばらく悶絶したまま動けなくなったらしい。
「…響古さん、なんかここへ来た時よりも丸くなってませんか?」
「………」
苦笑通り越して微笑ましい。
ヌクヌクしながら不機嫌な響古に、本気で可愛いと思い始めた。
「あ、しゃべるのもイヤなんだ…」
その光景を見兼ねた銀時が、雪玉を丸めながら口を開く。
「さっき、しらねー女達が響古を囲んでたぞ」
「…え」
銀時の遠くを見る眼差しに、新八は引きつった笑みを止められなかった。
――キャー!響古さん、カワイイ~。
――なんか丸っこい~、抱きしめてもイイですか?
――あ~、私も私も~。
「……とか。なんか女子高でも見てるような気分だったぜ」
容易に想像がつく、その光景。
響古の周りを女性達が囲み、醸し出される空気は桃色。
甲高い声が響き渡る、その中心には自分の恋人。
銀時はその光景を、どんな心境で眺めていたのだろうか。
新八はつい彼に向けて同情の眼差しを送った。
ついでに、周りの雪像には胡乱げな視線を向ける。
「でもやっぱり、歓楽街ですね。いかがわしい雪像ばっか…まァ、かぶき町らしいですけど」
雪像のデザインで多いのが、着物を崩した色っぽい女性の像だ。
場所を意識してしまうと、連鎖的にいかがわしい思考が頭の中に入ってしまう。
「僕ら万事屋は何をつく…」
「まァ、こんなトコか。あとは真ん中に棒を立てて…」
そこには二つに並んだ雪玉、真ん中に棒を立てれば……さて、何ができるでしょう?
直後、新八は胸に湧き上がった激昂のまま、雪玉を蹴りで粉砕した。
「年齢制限入るぅぅぅ!!」
突然、雪玉を壊された二人は気だるい中に苛立ちを含んだ声音で抗議する。
「オイオイ。なにすんだ、お前は。俺がその左の玉つくるのにどれだけ苦労したかわかってんのか、コラ」
「銀がいい具合に凸凹した玉をつくったのよ。個人差で微妙に大きさが違うんだから」
「アンタらこそ、何考えてんだよ!周りのHなヤツに、何も合わせなくても…」
「銀ちゃん、響古、棒できたヨ」
その時、両腕に大きな棒を担いだ神楽が合流する。
「きゃああああ!!何もってんの、神楽ちゃん!」
幼い少女が持つ棒状の物体に、新八は悲鳴をあげた。
「新八よォ、お前何?何を勘違いしてるかしらないけどよ。これ、アレだよ。ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だよ」
「アームストロング、2回言ったよ!あるわけねーだろ、こんな卑猥な大砲!」
「制限制限て過敏になり過ぎてんだよ、お前は。意識しすぎ」
手の動きと表情は隙を見せず、新八からつっこまれても抜け目なく配置する。
すると響古も、大したことのないように言い放つ。
「心配しなくても『銀紅』はアニメ化ないから。ちゃんと原作はアニメ化されてるから」
「ったく、思春期はエロイ事ばっか考えてるから、棒と玉があれば、スグそっちに話もってくんだよ」
「マジキモイアル。しばらく私に話しかけないで」
「いや…だって、明らかにおかしいよ。アレじゃないとしてさ。じゃあ一体何よソレ?」
男性のシンボルを彷彿とさせる雪像を不安がる新八をよそに、銀時は棒を立て、
「よっ」
神楽は崩れた雪玉を丸める。
「オイオイ何、オメーらも来てたの?」
そこへ、煙草を吹かして長谷川がやって来た。
「あっ、長谷川さん。ちょっとォ、三人止めてくださいよ。とんでもないものつくろうとしてるんです」
長谷川に止めてもらおうと思い、新八は声をかける。
すると、さも当たり前のように万事屋の作品を言い当てた。
「なんだよオイ、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか。完成度
「えええええ!?なんでしってんの!?マジであんの?僕だけしらないの!?」
「江戸城の天守閣を吹き飛ばし、江戸を開国させちまった戌威族の決戦兵器だ」
「何?こんなカッコ悪い大砲にやられたんですか、僕らの国!?」
新八が驚愕する傍ら、神楽はひたすら雪玉を削って丸くする。
(アームストロング砲……幕末三大兵器の一つ。実際に存在していた兵器らしいですよ。by.管理人)
「それよりアンタ、何でこんなトコにいんだ?」
「いや、俺も個人参加で出展するんだよ。なんかグランプリとったら賞金でるらしいじゃん」
長谷川に案内され、四人は彼の作品を見た。
両手を伸ばして立つ、凛々しい裸体の男。
その背には大きく広げた翼。
「うおおおおお!!なんスか、コレェェェ!!なんかわかんないけどスゴイじゃないですかァァ!!」
「いやいや、そんな、たいしたもんじゃねーよ。俺、結構こり性だからさァ、止まらなくなっちゃって。タイトルは『飛翔』」
「いやァ、スゴイですよ。これ、グランプリじゃないっスか?」
純粋な褒め言葉を受けて照れる長谷川の隣で、三人は顔をしかめる。
「ヘェー、スゲーな。コレ何?アンタ自身がモデル?」
「ん?まァ、愛情入れすぎて似てしまったというかなんというか」
「でも、ちょっとアンタにしちゃ筋肉質すぎね?響古、このへん削ぎ落とした方がいいな」
「あいよ」
銀時は渡されたシャベルで脚を削ぎ落とし始めた。
「おいィィィ!!何してんのォォ!!ちょっと勘弁してよ!スゲー微妙なバランスで立ってるから、コレ!」
「あー、そういう所も似てるんだ、アンタに」
「オイ、マダオ。アレもマダオのと似てるアルか」
「コラァァァァ、ダメ、そんなところ指さしたら!!」
神楽が指差す先には、全裸ならではの隠し切れない場所。
響古は神楽の両目を塞いだ。
「ちょっと。うちの神楽に何汚いモン見せてくれてんの」
「待て待て!あれは芸術的な意味でさ。ホラ、美術の教科書とでも裸丸出しで出てくんじゃん」
「猥褻物陳列罪以外の何物でもねーよ」
「アンタらだって、猥褻物つくってたでしょーが!!」
自分達の作品を棚上げする銀時に、お前が言うな、とつっこむ新八。
「クソがァ、年齢制限なんか付けさせねェェ!」
女の子の読者がいるから自重しろと、雪玉をぶつけ始めた。
その横で、響古が不機嫌極まりない目つきでつぶやく。
「…フン。アニメ化?あたしなんか非公式キャラよ、関係ないわ」
原作を元にした創作物の非公式キャラであるとわかりきっている。
もっとも彼女は、自分をそう易々と認めるような可愛い性格ではなかった。
「……玉、用意」
「了解アル、姐さん!」
神楽に握らせた大量の雪玉を、眼前の股間に容赦なく投げつける。
「おいィィィィ、どこにぶつけてんだァァ!!」
「響古ォォ!?ちょっ、痛々しく壊すの止めて!見てられないから!男として見てられない心境だからァァァ!!」