バブ6~9
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壁一面に落書きされている男子トイレで、二人の男が用を足しながら会話をしている最中、驚きの声があがった。
「神崎がやられた!?誰に?姫川か?」
「男鹿だよ、男鹿、子連れオーガ。やべーぞ、あいつ。石矢魔の勢力図をガンガンぬりかえてやがる」
「ま…まじかよ…ん?男鹿といえば"黒雪姫"も一緒にいたんだろ?」
"黒雪姫"――純白の肌と漆黒の瞳、黒衣のような制服を身に纏う美貌の持ち主。
響古の呼び名が出た途端、男達の顔が一気に緩む。
ちなみに、彼らが何故、響古のことを名前で呼ばないかと言うと、
「なんか、俺らとは違うところにいる気がするんだよな」
「そうそう。オーラが違うんだよ。神…みたいな存在?」
絶賛……何より不良校であるこの学校に女子(しかも超綺麗)という噂が瞬く間に広がり、今では不良の憧れの存在である。
まぁ、そう噂されている響古ですが、男鹿の前ではデレデレです。
「いたにはいたらしいが、神崎をやったのは男鹿だ。でも"黒雪姫"もかなりの実力だって聞いたぜ。なんでも、あの邦枝と一戦やり合ったって、女同士の戦い」
「マジかよ」
「しかも男鹿の奴、この所、妙にイラついててな。奴の通った後には、草も生えねー。まさに地獄絵図って噂だ」
「ま…またまた~」
笑って受け流そうとしたが、生憎、苦笑いしかできなかった。
刹那、凄まじい打撃が轟き、真ん中がガラス製の扉から背中に何かを抱えた人影が映る。
その隙間からこっそり窺うと、眠たそうな男の声が届いた。
「あー。ねむい」
バブ6
あれ
目の前に広がる光景は、目を剥くほどの恐ろしいものだった。
廊下に並べるように、男達が一人ずつ壁にめり込まれ、さらに天井からもぶら下がるように男達がめり込まれていた。
――おぱぁ~~~~~~っっ、地獄絵図……っっ!!
よろり、と一歩後ずさった。
それでも、あまりに凄惨な地獄絵図を、じっと目に焼きつけた。
強烈な恐怖に打ちのめされながらも、冷静に場を観察する。
その本人はというと、
「ん?どこだ、ここ?」
無意識+寝不足だった。
「いかんいかん。意識がもーろーとして、変なトコ来ちまったぞ」
ただ今、彼が歩く場所は3年校舎。
1年である男鹿は通れないのだが、それを注意する彼女はいない。
男鹿は今朝の出来事を思い出す。
(――「ごめん、辰巳。一緒に学校行けそうにないから、先行ってて」――)
何気ない学校の行く道、思いがけない人物が現れ、響古は申し訳なさそうに手を合わせて言った。
「くそっ…ベル坊の夜泣きがひどくて、睡眠不足て…笑い話にもならねぇ…今度、響古に交代してもらおう……このヤロー。気持ちよさそーに眠りやがって」
背中ですやすや眠るベル坊を見ながら目を擦る掌に、見慣れない、不可解な紋章が刻まれていた。
「何だ、これ?」
それは赤く、昆虫を模したと思える紋章だったが、男鹿にとっては摩訶不思議な絵だった。
「……?血?」
「ワォ。なんかカッコイイ」
「おぉ…これは、あれだな」
すぐ後ろから、黒髪の少女と金髪の女性がその紋章を見て声をあげる。
「ほほう。確かにこれは…」
さらに、おっさんまでも現れた。
「見事なまでに、あれですなぁ…」
「うむ。あれだ」
「ねーねー。あれってなぁに~?」
背後で続けられる会話に、男鹿は顔を青ざめる。
「さすがですなぁ。まさか、こんなに早く、あれが出てくるとは」
「ゔぉおおおおいっっ!!!」
自分を置く会話に耐えられず、叫びながら後ずさる。
「…っ、てめぇら、何で、ここに。響古も何で普通に話してんだよ!つーか何!?何なの、アレって…!!何、このキモイの!!」
「うーむ。さすがだな」
「ザリガニのよーな飛びつき…さすがです」
驚きに飛び上がる男鹿に、二人の悪魔は冷静に観察する。
(アレだね。ベル坊やヒルダが来てから、ツッコミもこなすようになってきたね、辰巳。by.響古)
響古が呑気に手を振ると、ベル坊のミルクが入った袋を持つヒルダが続ける。
「騒ぐな。忘れ物を届けに来た、坊っちゃまのミルク」
「辰巳、おはよう~」
墨を流したような黒髪の響古の凜と気高い美貌が、染めたというよりは純粋の金髪を持った無表情のヒルダと並べば、見事な花が二輪咲き誇っていた。
「なんだ、あれ」
「オイ、あれ"黒雪姫"だ」
「ゴスロリ?」
勿論、教室にいる男達の視線は二人に集まる。
「オガのヨメじゃね?」
「まじ?」
「でも、オガには"黒雪姫"がいんぞ」
「二人とも、レベルたけーな」
そこに、三人の上級生が通りかかる。
「うはっ、ゲキマブねーちゃん、発見!!」
次に、三人は響古に目を留め、立ち止まった。
「……んん?」
目が、合う。
数秒の沈黙。
三人はお互いに顔を見合わせた後、突然目を楽しそうに輝かせた。
にんまりと嫌らしい笑顔になる。
響古は本能的に嫌な感じを覚えて、頬をひくりと動かした。
「すげーっ、お宝だ、お宝!!」
ナンパ、と響古はすぐに思い至る。
一斉に喋りかけ、そのうちの片方がヒルダに馴れ馴れしく肩を撫でる。
「ダメだよ。こんな所に、そんな格好で来ちゃ~」
「ん?」
一瞬後、片割れが前方を見やると、男鹿の存在に気づく。
「おっ」
「おがぁあああっ!!!」
突然響き渡った絶叫に、男鹿はまばたきする。
「ん?」
「辰巳~!おはよう!」
自分を囲むナンパから抜け出し、艶やかな黒髪をふわりと浮かせて、男鹿の腕に抱きついた。
「…響古?え?アレ?もしかしてアレ、ナンパ?」
この発言に、響古は頬をぷうっと膨らませる。
「もう~。彼女がナンパにあってるのに、それはないんじゃないの?」
「あぁ…最近、ベル坊の夜泣きがひどくて睡眠不足で…」
「マジ?じゃあ、今度あたしにベル坊貸して」
「うん。そーしてくれ、助かる」
夜泣きで寝不足という男鹿の体調を気遣って、響古は言った。
高校生の会話とは思えないを繰り広げる二人。
「スンマッセン、とりあえず、スンマッセン、マジスンマッセン!」
「す…すいません。まさか、あんたの女だっとは」
その間、男達は男鹿に土下座の真っ最中。
「は?」
当然、話を聞いていない男鹿は怪訝そうな顔をした。
「………ここは落ちつかんな」
目を剣呑に細めながら、ヒルダが言う。
いつも持ち歩く傘の柄を握ると、すらりと長剣が抜き放たれる。
「静かにしてやろう」
「へ?」
直後、校舎の一角から盛大な爆発が大気を震わせる。
「行くぞ」
ようやく静かになったと見て、フン、と鼻息をつくと先を促す。
「お…おう」
「わー。容赦ない、あたしも久しぶりにやりたかったのに」
「そーいや、何でお前、そいつらと一緒に出てきたんだ?」
「うん?学校に行く途中で会ったから一緒にね」
他愛なく話しながら、四人は廊下を歩く。
しかし、忘れてはならない。
ヒルダが振り下ろした剣で、壁にはどでかい穴が開き、その向こうには住宅街の風景と美しい空が広がっていた。
――間違いねぇ、ヨメだ。
男達はヒルダを嫁と確信した。
場所を屋上に移し、ヒルダはフェンスに手をかけながら掌に刻まれた紋章を説明する。
「それは、コントラクトスペル…――いわゆる、契約の刻印というやつだ」
「「契約…?」」
揃って首を傾げる二人の隣には、古市が座ってパンを食べていた。
「悪魔と契約を交わした人間は、その体の一部に呪印が刻まれる――…中でも」
――その印は、蠅王紋 、別名[ゼブルスペル]。
――王家の紋だ。
それは赤く、昆虫を模したと思える紋章。
しかし、それは悪魔と契約を交わした者に刻まれる呪印――特に稀有な紋章――なのだと言う。
「光栄に思え。過去、数千年、その紋を刻まれた人間など数える程しかない――つまり、貴様は坊っちゃまに認められ、正式に契約を交わしたという事だ」
ヒルダは無表情の端に一瞬だけ笑みを覗かせ、そしてすぐそれを隠す。
すると、古市が控えめに手を挙げた。
「あの…今さらなんですけど。なんで魔王って、親が必要なんすか?」
素朴な疑問に、男鹿達が一斉に振り向いた。
「――いや。え?あれ?」
その視線に戸惑いながらも、古市はヒルダに訊ねる。
「だって、大魔王の命令で人間を滅ぼしに来たんでしょ?なのに人間を親にするって、変じゃないスか。親がわりっていえば、ヒルダさんがいるんだから。それで十分なんじゃ…」
――たしかに…っ!!
二人はいきなりハッとした。
今までそのことに気づいてなかったらしい。
「触媒なんですよ」
代わりに、アランドロンが山積みの疑問を片づけるように、根本的なことから答える。
「――つまり、魔王の親というのは、まだ幼さすぎる坊っちゃまが人間界で魔力を発揮するには、触媒となる人間の助けが必要となるのです」
「神崎がやられた!?誰に?姫川か?」
「男鹿だよ、男鹿、子連れオーガ。やべーぞ、あいつ。石矢魔の勢力図をガンガンぬりかえてやがる」
「ま…まじかよ…ん?男鹿といえば"黒雪姫"も一緒にいたんだろ?」
"黒雪姫"――純白の肌と漆黒の瞳、黒衣のような制服を身に纏う美貌の持ち主。
響古の呼び名が出た途端、男達の顔が一気に緩む。
ちなみに、彼らが何故、響古のことを名前で呼ばないかと言うと、
「なんか、俺らとは違うところにいる気がするんだよな」
「そうそう。オーラが違うんだよ。神…みたいな存在?」
絶賛……何より不良校であるこの学校に女子(しかも超綺麗)という噂が瞬く間に広がり、今では不良の憧れの存在である。
まぁ、そう噂されている響古ですが、男鹿の前ではデレデレです。
「いたにはいたらしいが、神崎をやったのは男鹿だ。でも"黒雪姫"もかなりの実力だって聞いたぜ。なんでも、あの邦枝と一戦やり合ったって、女同士の戦い」
「マジかよ」
「しかも男鹿の奴、この所、妙にイラついててな。奴の通った後には、草も生えねー。まさに地獄絵図って噂だ」
「ま…またまた~」
笑って受け流そうとしたが、生憎、苦笑いしかできなかった。
刹那、凄まじい打撃が轟き、真ん中がガラス製の扉から背中に何かを抱えた人影が映る。
その隙間からこっそり窺うと、眠たそうな男の声が届いた。
「あー。ねむい」
バブ6
あれ
目の前に広がる光景は、目を剥くほどの恐ろしいものだった。
廊下に並べるように、男達が一人ずつ壁にめり込まれ、さらに天井からもぶら下がるように男達がめり込まれていた。
――おぱぁ~~~~~~っっ、地獄絵図……っっ!!
よろり、と一歩後ずさった。
それでも、あまりに凄惨な地獄絵図を、じっと目に焼きつけた。
強烈な恐怖に打ちのめされながらも、冷静に場を観察する。
その本人はというと、
「ん?どこだ、ここ?」
無意識+寝不足だった。
「いかんいかん。意識がもーろーとして、変なトコ来ちまったぞ」
ただ今、彼が歩く場所は3年校舎。
1年である男鹿は通れないのだが、それを注意する彼女はいない。
男鹿は今朝の出来事を思い出す。
(――「ごめん、辰巳。一緒に学校行けそうにないから、先行ってて」――)
何気ない学校の行く道、思いがけない人物が現れ、響古は申し訳なさそうに手を合わせて言った。
「くそっ…ベル坊の夜泣きがひどくて、睡眠不足て…笑い話にもならねぇ…今度、響古に交代してもらおう……このヤロー。気持ちよさそーに眠りやがって」
背中ですやすや眠るベル坊を見ながら目を擦る掌に、見慣れない、不可解な紋章が刻まれていた。
「何だ、これ?」
それは赤く、昆虫を模したと思える紋章だったが、男鹿にとっては摩訶不思議な絵だった。
「……?血?」
「ワォ。なんかカッコイイ」
「おぉ…これは、あれだな」
すぐ後ろから、黒髪の少女と金髪の女性がその紋章を見て声をあげる。
「ほほう。確かにこれは…」
さらに、おっさんまでも現れた。
「見事なまでに、あれですなぁ…」
「うむ。あれだ」
「ねーねー。あれってなぁに~?」
背後で続けられる会話に、男鹿は顔を青ざめる。
「さすがですなぁ。まさか、こんなに早く、あれが出てくるとは」
「ゔぉおおおおいっっ!!!」
自分を置く会話に耐えられず、叫びながら後ずさる。
「…っ、てめぇら、何で、ここに。響古も何で普通に話してんだよ!つーか何!?何なの、アレって…!!何、このキモイの!!」
「うーむ。さすがだな」
「ザリガニのよーな飛びつき…さすがです」
驚きに飛び上がる男鹿に、二人の悪魔は冷静に観察する。
(アレだね。ベル坊やヒルダが来てから、ツッコミもこなすようになってきたね、辰巳。by.響古)
響古が呑気に手を振ると、ベル坊のミルクが入った袋を持つヒルダが続ける。
「騒ぐな。忘れ物を届けに来た、坊っちゃまのミルク」
「辰巳、おはよう~」
墨を流したような黒髪の響古の凜と気高い美貌が、染めたというよりは純粋の金髪を持った無表情のヒルダと並べば、見事な花が二輪咲き誇っていた。
「なんだ、あれ」
「オイ、あれ"黒雪姫"だ」
「ゴスロリ?」
勿論、教室にいる男達の視線は二人に集まる。
「オガのヨメじゃね?」
「まじ?」
「でも、オガには"黒雪姫"がいんぞ」
「二人とも、レベルたけーな」
そこに、三人の上級生が通りかかる。
「うはっ、ゲキマブねーちゃん、発見!!」
次に、三人は響古に目を留め、立ち止まった。
「……んん?」
目が、合う。
数秒の沈黙。
三人はお互いに顔を見合わせた後、突然目を楽しそうに輝かせた。
にんまりと嫌らしい笑顔になる。
響古は本能的に嫌な感じを覚えて、頬をひくりと動かした。
「すげーっ、お宝だ、お宝!!」
ナンパ、と響古はすぐに思い至る。
一斉に喋りかけ、そのうちの片方がヒルダに馴れ馴れしく肩を撫でる。
「ダメだよ。こんな所に、そんな格好で来ちゃ~」
「ん?」
一瞬後、片割れが前方を見やると、男鹿の存在に気づく。
「おっ」
「おがぁあああっ!!!」
突然響き渡った絶叫に、男鹿はまばたきする。
「ん?」
「辰巳~!おはよう!」
自分を囲むナンパから抜け出し、艶やかな黒髪をふわりと浮かせて、男鹿の腕に抱きついた。
「…響古?え?アレ?もしかしてアレ、ナンパ?」
この発言に、響古は頬をぷうっと膨らませる。
「もう~。彼女がナンパにあってるのに、それはないんじゃないの?」
「あぁ…最近、ベル坊の夜泣きがひどくて睡眠不足で…」
「マジ?じゃあ、今度あたしにベル坊貸して」
「うん。そーしてくれ、助かる」
夜泣きで寝不足という男鹿の体調を気遣って、響古は言った。
高校生の会話とは思えないを繰り広げる二人。
「スンマッセン、とりあえず、スンマッセン、マジスンマッセン!」
「す…すいません。まさか、あんたの女だっとは」
その間、男達は男鹿に土下座の真っ最中。
「は?」
当然、話を聞いていない男鹿は怪訝そうな顔をした。
「………ここは落ちつかんな」
目を剣呑に細めながら、ヒルダが言う。
いつも持ち歩く傘の柄を握ると、すらりと長剣が抜き放たれる。
「静かにしてやろう」
「へ?」
直後、校舎の一角から盛大な爆発が大気を震わせる。
「行くぞ」
ようやく静かになったと見て、フン、と鼻息をつくと先を促す。
「お…おう」
「わー。容赦ない、あたしも久しぶりにやりたかったのに」
「そーいや、何でお前、そいつらと一緒に出てきたんだ?」
「うん?学校に行く途中で会ったから一緒にね」
他愛なく話しながら、四人は廊下を歩く。
しかし、忘れてはならない。
ヒルダが振り下ろした剣で、壁にはどでかい穴が開き、その向こうには住宅街の風景と美しい空が広がっていた。
――間違いねぇ、ヨメだ。
男達はヒルダを嫁と確信した。
場所を屋上に移し、ヒルダはフェンスに手をかけながら掌に刻まれた紋章を説明する。
「それは、コントラクトスペル…――いわゆる、契約の刻印というやつだ」
「「契約…?」」
揃って首を傾げる二人の隣には、古市が座ってパンを食べていた。
「悪魔と契約を交わした人間は、その体の一部に呪印が刻まれる――…中でも」
――その印は、
――王家の紋だ。
それは赤く、昆虫を模したと思える紋章。
しかし、それは悪魔と契約を交わした者に刻まれる呪印――特に稀有な紋章――なのだと言う。
「光栄に思え。過去、数千年、その紋を刻まれた人間など数える程しかない――つまり、貴様は坊っちゃまに認められ、正式に契約を交わしたという事だ」
ヒルダは無表情の端に一瞬だけ笑みを覗かせ、そしてすぐそれを隠す。
すると、古市が控えめに手を挙げた。
「あの…今さらなんですけど。なんで魔王って、親が必要なんすか?」
素朴な疑問に、男鹿達が一斉に振り向いた。
「――いや。え?あれ?」
その視線に戸惑いながらも、古市はヒルダに訊ねる。
「だって、大魔王の命令で人間を滅ぼしに来たんでしょ?なのに人間を親にするって、変じゃないスか。親がわりっていえば、ヒルダさんがいるんだから。それで十分なんじゃ…」
――たしかに…っ!!
二人はいきなりハッとした。
今までそのことに気づいてなかったらしい。
「触媒なんですよ」
代わりに、アランドロンが山積みの疑問を片づけるように、根本的なことから答える。
「――つまり、魔王の親というのは、まだ幼さすぎる坊っちゃまが人間界で魔力を発揮するには、触媒となる人間の助けが必要となるのです」