バブ77
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ひっそりと建つアパートでは、男鹿が全身を映す大きな鏡の前で困惑の表情を浮かべていた。
彼の前には花のような笑みを浮かべた恋人の響古。
いや、その艶やかな笑顔を前にすれば、桜の花も恥じらいのあまり蕾 に戻ってしまうかもしれない。
そんな魔力を感じさせるほどの満面の笑みだ。
響古は満面の笑みの中で期待に瞳を輝かせて、学ラン姿の彼氏の姿を見ている。
「辰巳、早く制服を着た姿をあたしに見せて。それとも、焦らしてるの……?」
放っておくと響古は今にも身悶えを始めそうだ。
制服のズボンにシャツは着用済み。
あとは学ランを羽織るだけだ。
男鹿は観念して学ランの襟を掴んだ。
袖を通す手助けのために響古が移動する。
彼女の伸ばした手に上着を預けてその場でターンした。
袖を通した丈の短い学ランを、響古が背中から肩に引き上げて、シルエットを整える。
鏡へ向き直った男鹿の隣で、その姿を見つめながら響古がうっとりとした顔で頬に手を当てて、熱っぽい溜め息をついた。
(オレなんかより、響古の方がよっぽどうっとりするっつーの……)
また幾度目か見ることになる冬服の黒。
その動きでふわりと舞うのは、漆黒のごとき響古の髪。
染めてなどいない漆黒の髪はまっすぐに腰下まで流れ落ち、胸元の赤いリボンと相まって彼女を彩る。
「……辰巳?」
「学ランに変わっただけでよぉ、なんでそんなに嬉しいんだよ?」
その途端、響古が可憐に笑った。
「強い人も、かっこいい人も、優しいのも、ツンデレなのも、学ランが似合うのも…」
――後半、ちょっとおかしくねぇ?
「…全部、あたしの一番は辰巳だから」
その笑みは、ちょっとおかしな物言いに対して男鹿が覚えた微かな不審感を一度に蒸発させてしまう威力があった。
夏服から冬服へと替えて、男鹿と響古はアパートから登校した。
アパートから学校までの長い通学路で響古はいつもよりもっと、男鹿に密着していた。
遠くから見れば、いや、近づいて見なければ腕を組んで歩いていると錯覚してしまう距離だ。
「ダッダッダッーダッダッダッー。ダバビデッブッブー」
響古の腕の中で「となりのトトロ」のオープニングテーマを、ベル坊が舌足らずな声で口ずさむ。
「なんだ、ベル坊。今日は、やけにごきげんじゃねーか」
「食べちゃいたいくらいカワイイし、元気いっぱいだね!」
「………」
発言には気をつけようね。
「アダ!!アダダーダブ!!」
「あ?オレ達も歌えってか?」
「ダバッ」
仏頂面な男鹿を舌足らずな声で、一緒に歌おう、と言い出したベル坊を、
「ぶっ殺すぞ」
乾いた笑いをあげただけで斬り捨てた。
「ダッダッダー」
それでもめげず、ベル坊は歌い続ける。
それに響古が乗っかって合唱し始め、
「あーもー、うるせー」
と男鹿がぼやく。
さかみち、トンネル、くさっぱら。
ベル坊の拙い、けれど一音一音噛みしめるように真剣に口ずさむ歌声を、響古の高い声が手を差し伸べるようにほんの少しだけ遅れて追いかける。
いっぽんばしに、でこぼこ、じゃりみち。
どこか、無理矢理な印象があった。
それでも陽気に楽しく、二人は歌う。
くものす、くぐって、くだりみち。
拙い技巧も、言葉には及ばない歌詞も、みんな歌声でカバーする、いい加減な合唱。
――ちっ…ヒルダのやつ…。
「ダッダッダッー」
通行人のサラリーマンが、二人の合唱に心の中でツッコミを入れる。
(トトロ…?)
二人が楽しげに合唱し合う間、男鹿は冷静に振り返る。
というのも、気になることがあったからだ。
――結局、あの出馬ってのは何者なんだよ。
今、冷静に振り返ってみると、出馬の態度は蠅王紋の電撃を見せた、何も知らない生徒達のものと違うように思える。
――何も言わず、またどっか行きやがって…。
そして、ヒルダが姿を見せなくなるのはこれが初めてではない。
いくら首を捻っても頭を振っても男鹿には理解できなかった。
――つーか、てめぇ、侍女悪魔としての仕事はどーなってんだ?
「ダバダバー、ブダダー」
難しい歌詞のところを擬音で抜けてフレーズに戻るとベル坊は、歌えたよ、というような自慢げな顔で見つめ、響古も顔を綻ばせて微笑みを返す。
――今朝なんかベル坊の世話、全部オレが(グダクダで響古にやってもらった)やってんだぞ!?
――育児放棄か、このやろう。
「ダバッ」
「だから、歌わねぇつってんだろ!!」
ベル坊に促されて怒鳴る男鹿の姿を、響古が微笑ましげに眺めながら、和やかに進む。
僅かに離れた場所で様子を窺っていた葵は、険しい眼差しを二人の背中へ投げかける。
朝の聖石矢魔学園。
男鹿と響古が学校に着いた直後、待っていたとばかりに女子生徒達が集まった。
二人に向けて一礼した、その態度はまずまず尋常なものだったが、
「ベールちゃん」
「おはよー」
その印象はベル坊に向かったところで一変した。
「あ?」
「…………」
「ニョ?」
親しげな振る舞いに男鹿とベル坊は頓狂な声を漏らし、響古は眉を寄せて無言。
「あー、子連れ番長とその彼女さんだ。うわ、髪サラサラー」
「かわいいー。ベールちゃん」
「ポッキー食べる?」
「アハハ、今日もハダカだー」
「アダ」
「さわってもいいですかー?」
「ずるーい、私もー」
「昨日の試合、見たよー。最後の二人の大技、すごかったー」
フレンドリーな口調だったが、言葉遣いはまだ許容範囲だった。
ただその態度はあまり礼儀正しいとは言えない。
彼女達は、男鹿ではなくベル坊を見ていた。
「……辰巳?」
響古が話しかけると、男鹿はハッとした表情の後、困惑する。
――な…何だ、これは…。
すぐに男鹿の変化に気づき、怪訝な眼差しを彼へ向ける。
一見、注目を集めることに慣れていない彼氏が戸惑っている、それが彼女の気にかかった。
惹かれた、などという戯れ言は端から信じていない。
男鹿の目に宿る揺らぎは、そんな軽薄なものではなかった。
だがそれは、響古にとって見過ごしにできないものだった。
親しげな口調、必要以上に触ってくる手つき、自分以外の女子達に囲まれ、戸惑っている。
響古にはそう感じられた。
彼女達はすぐに会話を続けるべく、次の相手へ身体の向きを変えた。
こんなところで騒ぎを起こすつもりはなかったし、そもそも彼女達には自分が失礼な真似をしたという自覚がなかった。
それは彼女達の感性が鈍いということではなく、今のを失礼だと感じる方が敏感すぎるというべきだろう。
だから彼女達は心構えもなく響古へと目を向けた。
『――っ!?』
その直後、たじろいだ顔を見せてしまったのは、彼女達にとって意外だったに違いない。
しかしそれも致し方のないことだった。
何故ならば、そこには……"黒雪姫"がいた。
冷ややかなという生易しい存在感ではない。
ツンと澄ました表情、と言えば月並みだが、その月並みな表情が喧嘩と同等の攻撃力を保持しているのだ。
まだあの微笑み――クロユキスマイルのレベルにはほど遠いが、初見の彼女達が平静を失ったとしても恥にはならないプレッシャーを放っていた。
「言いたい事があるなら、あたしが聞いてあげる。さっさとしなさい」
その冷たい表情にふさわしく、響古が口にした台詞はこれだけだった。
「よ、用ってわけじゃ、ないんです」
「だからその、しなさいって言われても」
「別に、そんな大した理由があったわけじゃなくて、えっと」
響古と女子生徒、彼女達の態度は到底平和的と言えるものではなかった。
響古の対応は大人げないものだが、彼女達の振る舞いも礼儀に適っているとは言いがたい。
そういう場違いなバランス感覚に自ら縛られてしまっているのだ。
――気のせーか、どいつもこいつも妙に、なれなれしいよーな…。
徐々に不穏の度を増す空気に、男鹿がオロオロし始める(響古しか話せる女子はおらず、怯えられた事しかないのでとまどっている)。
彼女達は動揺しながら、あたふたしながら響古を褒める、褒めちぎる。
「それにしても篠木さんって、ほんとイイ女ですよね。同い年のはずなのに顔よし、スタイルよし、頭もいいし、スポーツもできる!何より女としての基本がなってるよね」
「そりゃそうでしょ。じゃなきゃ子連れ番長の彼女なんてつとまらないわよ!まぁ、さ。どこからどう見ても、篠木さんに敵うわけないんだから、私達は」
響古はきょとんと見返してくる。
彼女の美貌からは、絶対零度の色が消えている。
女子達はほっと息をついて、予鈴を思い出すと、ぺこりとおじぎをし、二人の脇を通り過ぎる。
と、そこに、
「ベ…ベルちゃんファンクラブです!!」
「写真撮らせて下さい!!」
見慣れない少女が二人、カメラを持ってやや畏まって切り出す。
――ファンクラブ、出来とる。
鼻にポッキーを突っ込まれた男鹿は愕然とし、ピースサインをしてリクエストに応えるベル坊。
「なるほど…みんな、ベル坊目当てでわざわざこっちまで来たわけ」
響古はというと、真っ赤になった二人に握手を求められていた。
彼の前には花のような笑みを浮かべた恋人の響古。
いや、その艶やかな笑顔を前にすれば、桜の花も恥じらいのあまり
そんな魔力を感じさせるほどの満面の笑みだ。
響古は満面の笑みの中で期待に瞳を輝かせて、学ラン姿の彼氏の姿を見ている。
「辰巳、早く制服を着た姿をあたしに見せて。それとも、焦らしてるの……?」
放っておくと響古は今にも身悶えを始めそうだ。
制服のズボンにシャツは着用済み。
あとは学ランを羽織るだけだ。
男鹿は観念して学ランの襟を掴んだ。
袖を通す手助けのために響古が移動する。
彼女の伸ばした手に上着を預けてその場でターンした。
袖を通した丈の短い学ランを、響古が背中から肩に引き上げて、シルエットを整える。
鏡へ向き直った男鹿の隣で、その姿を見つめながら響古がうっとりとした顔で頬に手を当てて、熱っぽい溜め息をついた。
(オレなんかより、響古の方がよっぽどうっとりするっつーの……)
また幾度目か見ることになる冬服の黒。
その動きでふわりと舞うのは、漆黒のごとき響古の髪。
染めてなどいない漆黒の髪はまっすぐに腰下まで流れ落ち、胸元の赤いリボンと相まって彼女を彩る。
「……辰巳?」
「学ランに変わっただけでよぉ、なんでそんなに嬉しいんだよ?」
その途端、響古が可憐に笑った。
「強い人も、かっこいい人も、優しいのも、ツンデレなのも、学ランが似合うのも…」
――後半、ちょっとおかしくねぇ?
「…全部、あたしの一番は辰巳だから」
その笑みは、ちょっとおかしな物言いに対して男鹿が覚えた微かな不審感を一度に蒸発させてしまう威力があった。
夏服から冬服へと替えて、男鹿と響古はアパートから登校した。
アパートから学校までの長い通学路で響古はいつもよりもっと、男鹿に密着していた。
遠くから見れば、いや、近づいて見なければ腕を組んで歩いていると錯覚してしまう距離だ。
「ダッダッダッーダッダッダッー。ダバビデッブッブー」
響古の腕の中で「となりのトトロ」のオープニングテーマを、ベル坊が舌足らずな声で口ずさむ。
「なんだ、ベル坊。今日は、やけにごきげんじゃねーか」
「食べちゃいたいくらいカワイイし、元気いっぱいだね!」
「………」
発言には気をつけようね。
「アダ!!アダダーダブ!!」
「あ?オレ達も歌えってか?」
「ダバッ」
仏頂面な男鹿を舌足らずな声で、一緒に歌おう、と言い出したベル坊を、
「ぶっ殺すぞ」
乾いた笑いをあげただけで斬り捨てた。
「ダッダッダー」
それでもめげず、ベル坊は歌い続ける。
それに響古が乗っかって合唱し始め、
「あーもー、うるせー」
と男鹿がぼやく。
さかみち、トンネル、くさっぱら。
ベル坊の拙い、けれど一音一音噛みしめるように真剣に口ずさむ歌声を、響古の高い声が手を差し伸べるようにほんの少しだけ遅れて追いかける。
いっぽんばしに、でこぼこ、じゃりみち。
どこか、無理矢理な印象があった。
それでも陽気に楽しく、二人は歌う。
くものす、くぐって、くだりみち。
拙い技巧も、言葉には及ばない歌詞も、みんな歌声でカバーする、いい加減な合唱。
――ちっ…ヒルダのやつ…。
「ダッダッダッー」
通行人のサラリーマンが、二人の合唱に心の中でツッコミを入れる。
(トトロ…?)
二人が楽しげに合唱し合う間、男鹿は冷静に振り返る。
というのも、気になることがあったからだ。
――結局、あの出馬ってのは何者なんだよ。
今、冷静に振り返ってみると、出馬の態度は蠅王紋の電撃を見せた、何も知らない生徒達のものと違うように思える。
――何も言わず、またどっか行きやがって…。
そして、ヒルダが姿を見せなくなるのはこれが初めてではない。
いくら首を捻っても頭を振っても男鹿には理解できなかった。
――つーか、てめぇ、侍女悪魔としての仕事はどーなってんだ?
「ダバダバー、ブダダー」
難しい歌詞のところを擬音で抜けてフレーズに戻るとベル坊は、歌えたよ、というような自慢げな顔で見つめ、響古も顔を綻ばせて微笑みを返す。
――今朝なんかベル坊の世話、全部オレが(グダクダで響古にやってもらった)やってんだぞ!?
――育児放棄か、このやろう。
「ダバッ」
「だから、歌わねぇつってんだろ!!」
ベル坊に促されて怒鳴る男鹿の姿を、響古が微笑ましげに眺めながら、和やかに進む。
僅かに離れた場所で様子を窺っていた葵は、険しい眼差しを二人の背中へ投げかける。
朝の聖石矢魔学園。
男鹿と響古が学校に着いた直後、待っていたとばかりに女子生徒達が集まった。
二人に向けて一礼した、その態度はまずまず尋常なものだったが、
「ベールちゃん」
「おはよー」
その印象はベル坊に向かったところで一変した。
「あ?」
「…………」
「ニョ?」
親しげな振る舞いに男鹿とベル坊は頓狂な声を漏らし、響古は眉を寄せて無言。
「あー、子連れ番長とその彼女さんだ。うわ、髪サラサラー」
「かわいいー。ベールちゃん」
「ポッキー食べる?」
「アハハ、今日もハダカだー」
「アダ」
「さわってもいいですかー?」
「ずるーい、私もー」
「昨日の試合、見たよー。最後の二人の大技、すごかったー」
フレンドリーな口調だったが、言葉遣いはまだ許容範囲だった。
ただその態度はあまり礼儀正しいとは言えない。
彼女達は、男鹿ではなくベル坊を見ていた。
「……辰巳?」
響古が話しかけると、男鹿はハッとした表情の後、困惑する。
――な…何だ、これは…。
すぐに男鹿の変化に気づき、怪訝な眼差しを彼へ向ける。
一見、注目を集めることに慣れていない彼氏が戸惑っている、それが彼女の気にかかった。
惹かれた、などという戯れ言は端から信じていない。
男鹿の目に宿る揺らぎは、そんな軽薄なものではなかった。
だがそれは、響古にとって見過ごしにできないものだった。
親しげな口調、必要以上に触ってくる手つき、自分以外の女子達に囲まれ、戸惑っている。
響古にはそう感じられた。
彼女達はすぐに会話を続けるべく、次の相手へ身体の向きを変えた。
こんなところで騒ぎを起こすつもりはなかったし、そもそも彼女達には自分が失礼な真似をしたという自覚がなかった。
それは彼女達の感性が鈍いということではなく、今のを失礼だと感じる方が敏感すぎるというべきだろう。
だから彼女達は心構えもなく響古へと目を向けた。
『――っ!?』
その直後、たじろいだ顔を見せてしまったのは、彼女達にとって意外だったに違いない。
しかしそれも致し方のないことだった。
何故ならば、そこには……"黒雪姫"がいた。
冷ややかなという生易しい存在感ではない。
ツンと澄ました表情、と言えば月並みだが、その月並みな表情が喧嘩と同等の攻撃力を保持しているのだ。
まだあの微笑み――クロユキスマイルのレベルにはほど遠いが、初見の彼女達が平静を失ったとしても恥にはならないプレッシャーを放っていた。
「言いたい事があるなら、あたしが聞いてあげる。さっさとしなさい」
その冷たい表情にふさわしく、響古が口にした台詞はこれだけだった。
「よ、用ってわけじゃ、ないんです」
「だからその、しなさいって言われても」
「別に、そんな大した理由があったわけじゃなくて、えっと」
響古と女子生徒、彼女達の態度は到底平和的と言えるものではなかった。
響古の対応は大人げないものだが、彼女達の振る舞いも礼儀に適っているとは言いがたい。
そういう場違いなバランス感覚に自ら縛られてしまっているのだ。
――気のせーか、どいつもこいつも妙に、なれなれしいよーな…。
徐々に不穏の度を増す空気に、男鹿がオロオロし始める(響古しか話せる女子はおらず、怯えられた事しかないのでとまどっている)。
彼女達は動揺しながら、あたふたしながら響古を褒める、褒めちぎる。
「それにしても篠木さんって、ほんとイイ女ですよね。同い年のはずなのに顔よし、スタイルよし、頭もいいし、スポーツもできる!何より女としての基本がなってるよね」
「そりゃそうでしょ。じゃなきゃ子連れ番長の彼女なんてつとまらないわよ!まぁ、さ。どこからどう見ても、篠木さんに敵うわけないんだから、私達は」
響古はきょとんと見返してくる。
彼女の美貌からは、絶対零度の色が消えている。
女子達はほっと息をついて、予鈴を思い出すと、ぺこりとおじぎをし、二人の脇を通り過ぎる。
と、そこに、
「ベ…ベルちゃんファンクラブです!!」
「写真撮らせて下さい!!」
見慣れない少女が二人、カメラを持ってやや畏まって切り出す。
――ファンクラブ、出来とる。
鼻にポッキーを突っ込まれた男鹿は愕然とし、ピースサインをしてリクエストに応えるベル坊。
「なるほど…みんな、ベル坊目当てでわざわざこっちまで来たわけ」
響古はというと、真っ赤になった二人に握手を求められていた。