第二訓
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「しるか、ボケェェェ!!金がねーなら腎臓なり金玉なり売って、金つくらんかい、クソッたりゃー!!」
「家賃如きでうるせーよウンコババア!!こないだ、アレ…ビデオ直してやったろ!アレでチャラでいいだろうが!!」
朝から家賃の言い争いをしているのは万事屋を経営する銀時と、その下でスナックを経営するお登勢である。
「いいわけねーだろ!五ヵ月分の家賃だぞ!!大体、あのビデオまた壊れて『鬼平犯科長』コンプリート失敗しちまったわい!!」
「バカヤロー諦めんな、きっと、また再放送するさ!!」
「んなこたァいいから、家賃よこせっつーんだよ、この天然パーマメント!!」
元々、空き家だった二階を銀時が『万事屋』して設立。
にもかかわらず、五ヵ月間も滞納している銀時に、大家のお登勢は苦情を申し立てる。
「んだ、コラァ、お前に天然パーマの苦しいがわかるか!!」
特に前髪がうねって横に流れたり、アホ毛が尋常ないくらい跳ねていたり、髪の毛がチクチクして首筋が痒 かったりしますもんね……いえいえ、一般論ですよ?
銀時の首を両腕で締め上げる、ちょうどその時、新八が階段を登って出勤してきた。
「ハア~~~。またやってんのか」
毎度お馴染みとなった騒々しい言い合いに溜め息が漏れる。
――早いもので、僕がここに来て半月。
――フリーターから心機一転、あの男のもとで働き始めた僕だが、万事屋なんていかがしい商売、そう儲かるわけもなく、じり貧の生活は相変わらずだった。
「ちょっと…アンタら、いい加減」
――響古さんはともかく、果たして、このままあの男についていっていいものか。
言い争いを止めようとする真上から、お登勢に投げ飛ばされた銀時が落ちてきた。
恐怖に顔を引きつらせる新八は咄嗟に受け身も取れず、銀時とぶつかり、辺りに悲鳴があがる。
「「ぎゃああああ!!」」
――最近悩んでいる。
「ご愁傷さま」
銀時とお登勢の朝からの言い争いを、万事屋の玄関から眺める響古は今、目撃した不幸な場面に合掌した。
朝から大騒ぎの万事屋、新八は湯呑みに茶を注いで、社長用の大きなデスクに座る銀時に訊ねる。
「どーすんスか。生活費までひっぱがされて…今月の僕の給料、ちゃんと出るんでしょーね。頼みますよ、僕んちの家計だってキツいんだから」
「アンタ、バカ?給料なんて期待して万事屋 来たわけ?第一訓から出直してきなさい」
「なんスか、それ?どーゆう意味!?」
彼の代わりに答えたのは……長く美しい黒髪と黒い瞳、雪のような肌の、外見だけは完璧な美女・響古だった。
店長からも見放された彼に声をかけて優しくしてくれた美女と、今毒を吐く彼女が同一人物だなんて。
不意に、家賃の滞納に悩まされる銀時はつぶやいた。
「腎臓ってよォ、二つもあんの、なんか邪魔じゃない?」
「あら、銀にしてはいい考えね。むしろ、存在自体売ってきて」
「売らんぞォォ!!何恐ろしー事考えてんだ!!なんだ、アンタら二人とも!!」
自分の給料そっちのけで恐ろしいことを考える二人に、新八は声を荒げる。
「カリカリすんなや。金はなァ、がっつく奴の所には入ってこねーもんさ」
気だるげな表情で頬杖をつきながら、リモコンでテレビの電源をつけた。
「ウチ、姉上が今度はスナックで働き始めて、寝る間も惜しんで頑張ってるんスよ…」
だが、銀時は雑音で何も映らないテレビを叩き、響古は全く違うところで驚く。
「え?妙、スナックで働いてるの?」
「アレ?映りワリーな」
「ちょっと!きーてんの?」
「オ……入った」
画面には、深刻な表情で状況を伝えるアナウンサーと崩落した民家が映し出された。
《――現場謎の生物は、新宿方面へ向かっていると思われます。ご近所にお住まいの方は、速やかに避難することを…》
江戸中のメディアを騒然とさせるニュースに、銀時と響古は関心を向ける。
「オイオイ。またターミナルから宇宙生物 侵入か?」
「最近多いねェ」
「宇宙生物より、今はどーやって生計立てるのか問題スよ」
すると、玄関の呼び鈴が鳴り、一直線に駆けていった銀時が蹴りを放って扉ごと突き破る。
「金なら、もうねーって言ってんだろーが腐れババア!!」
ところが、その人物はお登勢ではなかった。
「あれ?」
首を傾げる銀時の蹴りが男の顔面に突き刺さり、鼻血を出してゆっくりと真後ろに倒れる。
「局長ォォ!!」
「貴様ァァ!!何をするかァァ!!」
改めて周りを見れば、高級そうな黒い服に身を包んだ男達が殺気立った眼差しでこちらを見ている。
銀時が突然に飛び蹴りを食らわすものだから、やられる前にやってしまえな精神で、すっかりその気になって詰め寄っている。
やっちまった。
その一言に尽きる。
なんだかややこしいことになりそうなので戻ろうとする。
「スイマセン、間違えました、出直してきます」
「待てェェェ!!」
飛び蹴りを見舞った光景を見せられて、冗談で通るわけがなかった。
「貴様が万事屋だな。我々と一緒に来てもらおう」
彼の後頭部に銃口が押しつけられる。
「銀、一体なんの騒ぎ…?」
騒ぎを見兼ねて玄関にやって来た響古は、まず不可解そうに形のいい眉を寄せて訊ねた。
その場にいた男達はあまりに場違いな美貌を見て、思わず顔を赤くする。
――わー、メッチャ美人…。
「…あんま、いやらしい目で見ないでくれます?」
黒髪の恋人をジロジロと見られ、銀時はむっとする。
「それにわりーな。知らねー人にはついていくなって、母ちゃんに言われてんだ」
警戒心の露な銀時に続いて、響古が言う。
「お菓子あげるって言われても、ついてっちゃダメだから」
その時、銀時に蹴られた男が鼻血を出して立ち上がった。
「幕府 の言う事には逆らうなとも教わらなかったか」
銀時の顔に緊張が走る。
「オメーら、幕府の…!?」
「入管理局の者だ。アンタに仕事の依頼にきた、万事屋さん」
万事屋の前に停まっているのは黒塗りの高級車。
銀時は普段通りの気の抜けた表情で、響古は硬い表情で、新八は落ち着かない様子で後部座席に座らされる。
「入管理局の長谷川 泰三っていったら、天人の出入国の一切をとり締まってる幕府の重鎮スよ」
新八が助手席に座る男――長谷川についてつぶやいたのは、高級車が出発してしばらくのことだった。
「そんなのが、一体何の用でしょう?」
「何の用ですか、おじさん」
銀時が鼻をほじりながらストレートに訊ねた。
聞きようによっては、ではなく、間違いなく幕府の重鎮に対して失礼な口ぶりだが、ここは長谷川が自制した。
押しかけたのは自分であり、この程度で逆上するのはみっともないと判断する程度の分別は、長谷川の中に残っていた。
「万事屋つったっけ?金さえ積めば、何でもやってくれるって奴がいてさ。ちょっと仕事頼みたくてね」
ただ形を取り繕う必要性は認めなかったようで、長谷川の発した台詞は皮肉げなものだった。
「仕事だァ?幕府 、仕事なんかしてたのか。街、見てみろ。天人どもが好き勝手やってるぜ」
銀時が窓の外で街の風景が後方へと流れていくが、眺めているのはそれではない。
街を悠々と闊歩 する天人達だ。
「こりゃ、手厳しいね。俺達もやれることはやってるんだがね」
思いの外 厳しい口調に、長谷川は煙草を吹かして苦笑した。
「なんせ江戸がこれだけ進歩したのも、奴らのおかげだから。おまけに地球 をエラク気に入ってるようだし、無下 には扱えんだろ」
銀時は後頭部に手を添え、響古は足を組んで腕を組み、耳を傾ける。
「既に中枢にも根を張ってるしな。地球から奴らを追い出そうなんて夢はもう見んことだ。俺達にできることは、奴らと共生していくことだけだよ」
「共生ねェ…」
「結局、ビビってるだけじゃない…」
車の中に乗る間、ずっと無言だった響古が気だるげに言う銀時に続けてい声音で告げる。
「お嬢さんも厳しいこと言うねェ」
今初めて知ったような台詞で相槌を打ったが、それは長谷川も予想していた。
「んで、俺らにどうしろっての」
「俺達もあまり、派手に動けん仕事でなァ。公 にすると、幕府の信用がおちかねん」
つまり、幕府の重鎮でも極秘とされる仕事を万事屋に頼みたいということだ。
推測のレベルではなく、確定情報のレベルで。
「実はな、今幕府は外交上の問題で、国を左右する程の危機をむかえてるんだ。央国星の皇子が今地球 に滞在してるんだが、その皇子がちょっと問題を抱えていてな…それが…」
丁寧に告げたからといって、それが銀時達に受容可能な依頼かどうかは別問題だが。
依頼内容がはっきりとしないまま、車は順調に目的地へと向かって走る。
「余のペットがの~いなくなってしまったのじゃ。探し出して捕らえてくれんかのォ」
辿り着いた地で待ってたのは、
「よーしよーし」
猫を撫でる央国星の皇子――なのだが、血色の悪い紫色の肌、お公家さんのような丸型の眉、額の上からは触角(?)が垂れ下がっている。
三人は一斉に踵を返した。
「オイぃぃぃ!!ちょっと待てェェェ!!」
お約束に考えて想像できる展開に慌てた長谷川が三人を引き止め、必死に説得する。
「君ら万事屋だろ?何でもやる万事屋だろ?いや、わかるよ!わかるけどやって!頼むからやって!」
「うるせーな。グラサン叩き割るぞ、うすらハゲ」
「こんな珍妙な生き物が皇子?帰りたいから手ェ放して。でないとグラサン叩き割って、ホントのハゲにするよ」
「家賃如きでうるせーよウンコババア!!こないだ、アレ…ビデオ直してやったろ!アレでチャラでいいだろうが!!」
朝から家賃の言い争いをしているのは万事屋を経営する銀時と、その下でスナックを経営するお登勢である。
「いいわけねーだろ!五ヵ月分の家賃だぞ!!大体、あのビデオまた壊れて『鬼平犯科長』コンプリート失敗しちまったわい!!」
「バカヤロー諦めんな、きっと、また再放送するさ!!」
「んなこたァいいから、家賃よこせっつーんだよ、この天然パーマメント!!」
元々、空き家だった二階を銀時が『万事屋』して設立。
にもかかわらず、五ヵ月間も滞納している銀時に、大家のお登勢は苦情を申し立てる。
「んだ、コラァ、お前に天然パーマの苦しいがわかるか!!」
特に前髪がうねって横に流れたり、アホ毛が尋常ないくらい跳ねていたり、髪の毛がチクチクして首筋が
銀時の首を両腕で締め上げる、ちょうどその時、新八が階段を登って出勤してきた。
「ハア~~~。またやってんのか」
毎度お馴染みとなった騒々しい言い合いに溜め息が漏れる。
――早いもので、僕がここに来て半月。
――フリーターから心機一転、あの男のもとで働き始めた僕だが、万事屋なんていかがしい商売、そう儲かるわけもなく、じり貧の生活は相変わらずだった。
「ちょっと…アンタら、いい加減」
――響古さんはともかく、果たして、このままあの男についていっていいものか。
言い争いを止めようとする真上から、お登勢に投げ飛ばされた銀時が落ちてきた。
恐怖に顔を引きつらせる新八は咄嗟に受け身も取れず、銀時とぶつかり、辺りに悲鳴があがる。
「「ぎゃああああ!!」」
――最近悩んでいる。
「ご愁傷さま」
銀時とお登勢の朝からの言い争いを、万事屋の玄関から眺める響古は今、目撃した不幸な場面に合掌した。
朝から大騒ぎの万事屋、新八は湯呑みに茶を注いで、社長用の大きなデスクに座る銀時に訊ねる。
「どーすんスか。生活費までひっぱがされて…今月の僕の給料、ちゃんと出るんでしょーね。頼みますよ、僕んちの家計だってキツいんだから」
「アンタ、バカ?給料なんて期待して
「なんスか、それ?どーゆう意味!?」
彼の代わりに答えたのは……長く美しい黒髪と黒い瞳、雪のような肌の、外見だけは完璧な美女・響古だった。
店長からも見放された彼に声をかけて優しくしてくれた美女と、今毒を吐く彼女が同一人物だなんて。
不意に、家賃の滞納に悩まされる銀時はつぶやいた。
「腎臓ってよォ、二つもあんの、なんか邪魔じゃない?」
「あら、銀にしてはいい考えね。むしろ、存在自体売ってきて」
「売らんぞォォ!!何恐ろしー事考えてんだ!!なんだ、アンタら二人とも!!」
自分の給料そっちのけで恐ろしいことを考える二人に、新八は声を荒げる。
「カリカリすんなや。金はなァ、がっつく奴の所には入ってこねーもんさ」
気だるげな表情で頬杖をつきながら、リモコンでテレビの電源をつけた。
「ウチ、姉上が今度はスナックで働き始めて、寝る間も惜しんで頑張ってるんスよ…」
だが、銀時は雑音で何も映らないテレビを叩き、響古は全く違うところで驚く。
「え?妙、スナックで働いてるの?」
「アレ?映りワリーな」
「ちょっと!きーてんの?」
「オ……入った」
画面には、深刻な表情で状況を伝えるアナウンサーと崩落した民家が映し出された。
《――現場謎の生物は、新宿方面へ向かっていると思われます。ご近所にお住まいの方は、速やかに避難することを…》
江戸中のメディアを騒然とさせるニュースに、銀時と響古は関心を向ける。
「オイオイ。またターミナルから
「最近多いねェ」
「宇宙生物より、今はどーやって生計立てるのか問題スよ」
すると、玄関の呼び鈴が鳴り、一直線に駆けていった銀時が蹴りを放って扉ごと突き破る。
「金なら、もうねーって言ってんだろーが腐れババア!!」
ところが、その人物はお登勢ではなかった。
「あれ?」
首を傾げる銀時の蹴りが男の顔面に突き刺さり、鼻血を出してゆっくりと真後ろに倒れる。
「局長ォォ!!」
「貴様ァァ!!何をするかァァ!!」
改めて周りを見れば、高級そうな黒い服に身を包んだ男達が殺気立った眼差しでこちらを見ている。
銀時が突然に飛び蹴りを食らわすものだから、やられる前にやってしまえな精神で、すっかりその気になって詰め寄っている。
やっちまった。
その一言に尽きる。
なんだかややこしいことになりそうなので戻ろうとする。
「スイマセン、間違えました、出直してきます」
「待てェェェ!!」
飛び蹴りを見舞った光景を見せられて、冗談で通るわけがなかった。
「貴様が万事屋だな。我々と一緒に来てもらおう」
彼の後頭部に銃口が押しつけられる。
「銀、一体なんの騒ぎ…?」
騒ぎを見兼ねて玄関にやって来た響古は、まず不可解そうに形のいい眉を寄せて訊ねた。
その場にいた男達はあまりに場違いな美貌を見て、思わず顔を赤くする。
――わー、メッチャ美人…。
「…あんま、いやらしい目で見ないでくれます?」
黒髪の恋人をジロジロと見られ、銀時はむっとする。
「それにわりーな。知らねー人にはついていくなって、母ちゃんに言われてんだ」
警戒心の露な銀時に続いて、響古が言う。
「お菓子あげるって言われても、ついてっちゃダメだから」
その時、銀時に蹴られた男が鼻血を出して立ち上がった。
「
銀時の顔に緊張が走る。
「オメーら、幕府の…!?」
「入管理局の者だ。アンタに仕事の依頼にきた、万事屋さん」
万事屋の前に停まっているのは黒塗りの高級車。
銀時は普段通りの気の抜けた表情で、響古は硬い表情で、新八は落ち着かない様子で後部座席に座らされる。
「入管理局の長谷川 泰三っていったら、天人の出入国の一切をとり締まってる幕府の重鎮スよ」
新八が助手席に座る男――長谷川についてつぶやいたのは、高級車が出発してしばらくのことだった。
「そんなのが、一体何の用でしょう?」
「何の用ですか、おじさん」
銀時が鼻をほじりながらストレートに訊ねた。
聞きようによっては、ではなく、間違いなく幕府の重鎮に対して失礼な口ぶりだが、ここは長谷川が自制した。
押しかけたのは自分であり、この程度で逆上するのはみっともないと判断する程度の分別は、長谷川の中に残っていた。
「万事屋つったっけ?金さえ積めば、何でもやってくれるって奴がいてさ。ちょっと仕事頼みたくてね」
ただ形を取り繕う必要性は認めなかったようで、長谷川の発した台詞は皮肉げなものだった。
「仕事だァ?
銀時が窓の外で街の風景が後方へと流れていくが、眺めているのはそれではない。
街を悠々と
「こりゃ、手厳しいね。俺達もやれることはやってるんだがね」
思いの
「なんせ江戸がこれだけ進歩したのも、奴らのおかげだから。おまけに
銀時は後頭部に手を添え、響古は足を組んで腕を組み、耳を傾ける。
「既に中枢にも根を張ってるしな。地球から奴らを追い出そうなんて夢はもう見んことだ。俺達にできることは、奴らと共生していくことだけだよ」
「共生ねェ…」
「結局、ビビってるだけじゃない…」
車の中に乗る間、ずっと無言だった響古が気だるげに言う銀時に続けてい声音で告げる。
「お嬢さんも厳しいこと言うねェ」
今初めて知ったような台詞で相槌を打ったが、それは長谷川も予想していた。
「んで、俺らにどうしろっての」
「俺達もあまり、派手に動けん仕事でなァ。
つまり、幕府の重鎮でも極秘とされる仕事を万事屋に頼みたいということだ。
推測のレベルではなく、確定情報のレベルで。
「実はな、今幕府は外交上の問題で、国を左右する程の危機をむかえてるんだ。央国星の皇子が今
丁寧に告げたからといって、それが銀時達に受容可能な依頼かどうかは別問題だが。
依頼内容がはっきりとしないまま、車は順調に目的地へと向かって走る。
「余のペットがの~いなくなってしまったのじゃ。探し出して捕らえてくれんかのォ」
辿り着いた地で待ってたのは、
「よーしよーし」
猫を撫でる央国星の皇子――なのだが、血色の悪い紫色の肌、お公家さんのような丸型の眉、額の上からは触角(?)が垂れ下がっている。
三人は一斉に踵を返した。
「オイぃぃぃ!!ちょっと待てェェェ!!」
お約束に考えて想像できる展開に慌てた長谷川が三人を引き止め、必死に説得する。
「君ら万事屋だろ?何でもやる万事屋だろ?いや、わかるよ!わかるけどやって!頼むからやって!」
「うるせーな。グラサン叩き割るぞ、うすらハゲ」
「こんな珍妙な生き物が皇子?帰りたいから手ェ放して。でないとグラサン叩き割って、ホントのハゲにするよ」