第四十訓
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人々が寝静まった夜でも、数々の光が街を埋め尽くしている。
雑居ビルの最上階に建つ『ちょんばげローン』という金融会社があった。
「ぬっふっふっふっ。越後屋、おぬしもワルよの~。近江屋もあの世でおぬしを恨んでいよう」
「おたわむれを…あ奴めを殺す算段を整えたのは、アナタ様の方ではありませぬか」
今は亡きライバル会社をこきおろす天人の悪代官と越後屋は、毒のある会話を交わし合う。
彼らは多くの日本人にとって馴染み深いシーンを見事に再現していた。
つまり、越後屋と悪代官の密談である。
「アレェ~、そうだっけ?」
「また、コレとぼけちゃって」
ダッハッハッハッ、と哄笑しているところへ、あの有名な音楽が流れてきた。
突然の音楽に訝って、越後屋は外の方を窺う。
「なんだ?誰かいるのか」
その瞬間、障子紙を突き破って伸びてきた手が首を容赦なく締め上げていく。
「なっ…何奴だァ!!」
自分の身に危険が迫っているらしいと感じたネズミの天人は狼狽する。
越後屋を殺したその人物は障子から手を抜き、美しい声で口を開く。
「祗園精舎の鐘の声。諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、外道畜生、必殺の理 をあらはす」
平家物語の冒頭をアレンジする美声には、弱者の恨みを晴らすために裏の仕事を遂行していく者の生き様が備わっていた。
忍装束を纏い、紫の長い髪に美しい顔立ちのくの一が姿を現す。
右目の下にある泣きぼくろが色っぽい。
「こんばんは。始末屋、さっちゃん見参」
ボキボキ、と指を鳴らすくの一――猿飛 あやめは天人の悪行を暴いていく。
「闇商人、根津三屋。か弱き民衆を食い物にし、己の私腹を肥やすこと、万死に値する。この始末屋さっちゃんが成敗してくれよう」
しかし、彼女が話しかける人物は部屋に置いてある像。
「オイッ!オイッ!こっちだぞ」
気を取り直して悪代官・根津三に向き合うが、
「さァ、覚悟しなさい、根津三屋!」
鏡に移った自分自身に構えていた。
「何しに来たの、お前!」
さっちゃんはどこで捕まえたのか、動物のネズミに話しかける。
「あの、スミマセン、さっきのアレで眼鏡落としちゃって。ちょっと、一緒に探してくれませんか?」
「……」
自分を暗殺しにきたというのに、とんだ間抜けぷっりを見せる始末屋に呆れて何も言えない。
すると、赤い縁の眼鏡が手渡された。
「ホラ」
「あ。スミマセン」
探しものが見つかり、さっちゃんは安堵して眼鏡をかける。
「あー。見えてきた、見えてきた」
明瞭とする視界に広がったのは、周りを包囲する侍。
「…見えなきゃよかった」
真正面の男が気合い一声、刀を横薙ぎに振る。
「曲者 ォォ」
胴と下半身が分断する寸前、さっちゃんは大きく跳び下がった。
男達に背を向けて軽く地を蹴り、岩に跳び乗る。
「あっ!逃げたぞォ!!」
「追えェェ!」
逃走の気配に気づいた男達は追うが、さっちゃんは既に屋根を越えてビルを去っていった。
月明かりを浴びる始末屋は、軽快に屋根を駆けて舌打ちする。
「………しくじったか。仕方ない、出直す…」
目線を後ろに流して後悔していた直後、一歩踏み込んだ屋根が崩壊。
崩落に巻き込まれたさっちゃんはとある民家へと落下した。
突然だが、万事屋の間取りは1LDKだ。
独立した風呂、洗面所、台所、居間の他に寝室として使っている和室が一つ。
その和室に銀時と響古は布団を敷き、神楽はドラえもんよろしく居間の押し入れに寝ているが、この広さに三人が生活していくというのは狭くも感じるところである。
しかしまあ、男女が同じ部屋に混在して睡眠を取るというのはどうなのか?といった問題は恋人同士であるから、そう不便にも思ったことはない。
「おはよーございま」
朝、自宅である道場から新八が万事屋に出勤してきた。
「アレ?定春、みんなは?」
居間に入ると、片方のソファで定春が占領しており、もう片方のソファで響古が毛布にくるまって寝ていた。
常に時間を正確に守って出勤してくる新八は、時たまこうやって響古すら起きていない万事屋を目にすることがあった。
「――あっ!?」
すると、響古がいきなり声をあげたので新八は驚いた。
「銀ってば返して、あたしの美酒『乱慢』!!」
「えっ!?今の寝言?てか、響古さん!また銀さんと飲みに…」
その時、響古が寝返りを打った。
漏れた仕草と声が、この美女の姿態の艶かしさを演出してしまい、新八の顔は一気に真っ赤になる。
――……銀さんじゃあるまいし。
――何考えてんだ、僕は。
年頃の男子ゆえに躊躇さえすれど、義務感の方が勝っているために起こす。
「響古さん、起きてください。朝ですよ」
「ん~?あと五時間…」
「どんだけ寝るんですか!?普通、五分でしょ!」
「……じゃあ、水持ってきて~。コップ一杯でいいから……」
眠そうにまばたきしながら、響古がつぶやく。
どうやら覚醒に向かいつつあるらしい。
「そんなの、自分で持ってきてくださいよ」
それをあしらいながら、眼鏡を上げて愚痴をこぼす。
「ハァー。ほんとに、グータラな連中だな」
そして、残りの二人も起こしにいく。
「ハーイ、起きてェ~。朝だよ~」
神楽が寝ている押し入れを開ける(壁には、「ピン子」と書かれたサインが額縁で飾られていた)。
「銀さ~ん。結野アナのお天気注意報、始まっちゃいますよ」
銀時が寝ている和室の襖を、勢いよく閉めてしまった。
その戸の向こうには、思いがけず飛び込んできた予想だにしない状況が広がっていたからだ。
「何やってるか、新八」
寝ぼけまなこを擦って、神楽が訊ねる。
「来るなァァァ!!」
突如として声を荒げた新八に、眠気など吹っ飛んだ神楽は好奇心を露にする。
「銀ちゃんに何かあったアルか?ストパーか!管理人と同じストパーになってたアルか!!」
「止めろォォ!!あっちにはうす汚れた世界しか、ひろがってねーぞ!」
和室の前で騒ぐ二人に、響古が酔い覚めの水を飲みながらやって来た。
「うるさいわね~」
まとめず寝たために乱れた髪が、肩にばさばさとかかる。
「銀が管理人と同じストパーになったの~?」
「ダメです!響古さんはあんな世界を見ちゃいけません!ドロドロになりますよ!!」
「?何、意味のわかんないことを…」
必死に訴える新八を怪訝そうに見る。
制止する新八の隙を突いて、神楽が襖を勢いよく開ける。
パァンと家中に響いた襖を開ける音に反応して、
「う~ん」
銀時はまぶしそうに眉を寄せる。
そこには、彼の上に覆いかぶさるようにして見知らぬ女性が一つの布団を共にしていたのだから。
目覚めた銀時は、すぐ近くに映る女性の顔に、
「ん?」
と顔をしかめる。
どこかで、パリン、とガラスの割れる音がした。
納豆を無心に練り続けているのは、先程銀時の隣で寝ていた女性。
慌てるわけでもなく、弁解するでもなく、ただ納豆を練る。
いつもの朝食風景に、かなりの違和感。
誰も言葉を発さない気まずい空間。
一番いたたまれない心境の銀時が、先陣を切って口を開いた。
「………で、誰この人?」
「アンタが連れこんだでしょーが」
冷え切った新八の指摘。
銀時は必死に前夜の記憶を呼び起こした。
「…昨日は……あ、ダメだ。響古と飲みに行ったトコまでしか思い出せねェ」
やはり昨晩の行動に関しては、どう帰ってきたのかすら思い出せないのだ。
「なぁ響古、誰この人?」
「知らないわよ、あたしにきかないで。昨日は銀と飲みに行ったトコまでしか思い出せないんだから」
必死に自らの昨晩の行動を振り返る銀時は、響古の言葉に頭を抱えている。
「二人とも飲みに行ったトコまでしか思い出せんのかィ!響古さん、もっとしっかり叱ってやってくださいよ!!」
新八につっこまれてこほんっと咳払いをし、銀時に冷めた視線を送る。
「銀、遊ぶのはいいけど、神楽もいるんだからこういうのは困るわ」
「え?いいんですか?」」
響古がそう言えば、新八は意外そうだった。
なんだか新たな一面を知ったような、そんな顔をしていた。
「え?あたしが口出すことじゃないってわかってるよ」
実際にこういったプライバシーに関する問題は暗黙の了解で、響古は首を突っ込まないようにしていたし、実際に銀時がキャバクラへ行こうが仲間内で遊郭へ行こうが、外で行動する分には我関せずでやってきたのだ。
「あたしと飲んだ後、すぐに他の女のもとへ遊びにいったの?忍者のコスプレまでして…くの一か?くの一プレイか?」
「イイ加減にしろよ、んな事するわけねーだろ!どっちかっていうと、ナースの方がイイ。響古のナース服の方がイイ!」
銀時のエロ妄想に、響古は嫌そうに美貌をしかめた。
「「死ね。ド変態の天パ」」
「てめっ、新八、お前は関係ねーだろ!」
新八も加わって一緒に蔑むと、頬をご飯でいっぱいにした神楽が言う。
「新八、男は若いうちに遊んでた方がいいのヨ」
神楽の母曰く、男は若いうちに遊んでおいた方がいいとのことだが、響古が言いたいのはそういうことではない。
そう、新八が言った通り……"よくも同居人がいるにもかかわわらず"ということだ。
「じゃないと、イイ年こいてから若い女に騙されたり、変な遊びにハマったりするって、マミーが言ってたよ」
雑居ビルの最上階に建つ『ちょんばげローン』という金融会社があった。
「ぬっふっふっふっ。越後屋、おぬしもワルよの~。近江屋もあの世でおぬしを恨んでいよう」
「おたわむれを…あ奴めを殺す算段を整えたのは、アナタ様の方ではありませぬか」
今は亡きライバル会社をこきおろす天人の悪代官と越後屋は、毒のある会話を交わし合う。
彼らは多くの日本人にとって馴染み深いシーンを見事に再現していた。
つまり、越後屋と悪代官の密談である。
「アレェ~、そうだっけ?」
「また、コレとぼけちゃって」
ダッハッハッハッ、と哄笑しているところへ、あの有名な音楽が流れてきた。
突然の音楽に訝って、越後屋は外の方を窺う。
「なんだ?誰かいるのか」
その瞬間、障子紙を突き破って伸びてきた手が首を容赦なく締め上げていく。
「なっ…何奴だァ!!」
自分の身に危険が迫っているらしいと感じたネズミの天人は狼狽する。
越後屋を殺したその人物は障子から手を抜き、美しい声で口を開く。
「祗園精舎の鐘の声。諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、外道畜生、必殺の
平家物語の冒頭をアレンジする美声には、弱者の恨みを晴らすために裏の仕事を遂行していく者の生き様が備わっていた。
忍装束を纏い、紫の長い髪に美しい顔立ちのくの一が姿を現す。
右目の下にある泣きぼくろが色っぽい。
「こんばんは。始末屋、さっちゃん見参」
ボキボキ、と指を鳴らすくの一――猿飛 あやめは天人の悪行を暴いていく。
「闇商人、根津三屋。か弱き民衆を食い物にし、己の私腹を肥やすこと、万死に値する。この始末屋さっちゃんが成敗してくれよう」
しかし、彼女が話しかける人物は部屋に置いてある像。
「オイッ!オイッ!こっちだぞ」
気を取り直して悪代官・根津三に向き合うが、
「さァ、覚悟しなさい、根津三屋!」
鏡に移った自分自身に構えていた。
「何しに来たの、お前!」
さっちゃんはどこで捕まえたのか、動物のネズミに話しかける。
「あの、スミマセン、さっきのアレで眼鏡落としちゃって。ちょっと、一緒に探してくれませんか?」
「……」
自分を暗殺しにきたというのに、とんだ間抜けぷっりを見せる始末屋に呆れて何も言えない。
すると、赤い縁の眼鏡が手渡された。
「ホラ」
「あ。スミマセン」
探しものが見つかり、さっちゃんは安堵して眼鏡をかける。
「あー。見えてきた、見えてきた」
明瞭とする視界に広がったのは、周りを包囲する侍。
「…見えなきゃよかった」
真正面の男が気合い一声、刀を横薙ぎに振る。
「
胴と下半身が分断する寸前、さっちゃんは大きく跳び下がった。
男達に背を向けて軽く地を蹴り、岩に跳び乗る。
「あっ!逃げたぞォ!!」
「追えェェ!」
逃走の気配に気づいた男達は追うが、さっちゃんは既に屋根を越えてビルを去っていった。
月明かりを浴びる始末屋は、軽快に屋根を駆けて舌打ちする。
「………しくじったか。仕方ない、出直す…」
目線を後ろに流して後悔していた直後、一歩踏み込んだ屋根が崩壊。
崩落に巻き込まれたさっちゃんはとある民家へと落下した。
突然だが、万事屋の間取りは1LDKだ。
独立した風呂、洗面所、台所、居間の他に寝室として使っている和室が一つ。
その和室に銀時と響古は布団を敷き、神楽はドラえもんよろしく居間の押し入れに寝ているが、この広さに三人が生活していくというのは狭くも感じるところである。
しかしまあ、男女が同じ部屋に混在して睡眠を取るというのはどうなのか?といった問題は恋人同士であるから、そう不便にも思ったことはない。
「おはよーございま」
朝、自宅である道場から新八が万事屋に出勤してきた。
「アレ?定春、みんなは?」
居間に入ると、片方のソファで定春が占領しており、もう片方のソファで響古が毛布にくるまって寝ていた。
常に時間を正確に守って出勤してくる新八は、時たまこうやって響古すら起きていない万事屋を目にすることがあった。
「――あっ!?」
すると、響古がいきなり声をあげたので新八は驚いた。
「銀ってば返して、あたしの美酒『乱慢』!!」
「えっ!?今の寝言?てか、響古さん!また銀さんと飲みに…」
その時、響古が寝返りを打った。
漏れた仕草と声が、この美女の姿態の艶かしさを演出してしまい、新八の顔は一気に真っ赤になる。
――……銀さんじゃあるまいし。
――何考えてんだ、僕は。
年頃の男子ゆえに躊躇さえすれど、義務感の方が勝っているために起こす。
「響古さん、起きてください。朝ですよ」
「ん~?あと五時間…」
「どんだけ寝るんですか!?普通、五分でしょ!」
「……じゃあ、水持ってきて~。コップ一杯でいいから……」
眠そうにまばたきしながら、響古がつぶやく。
どうやら覚醒に向かいつつあるらしい。
「そんなの、自分で持ってきてくださいよ」
それをあしらいながら、眼鏡を上げて愚痴をこぼす。
「ハァー。ほんとに、グータラな連中だな」
そして、残りの二人も起こしにいく。
「ハーイ、起きてェ~。朝だよ~」
神楽が寝ている押し入れを開ける(壁には、「ピン子」と書かれたサインが額縁で飾られていた)。
「銀さ~ん。結野アナのお天気注意報、始まっちゃいますよ」
銀時が寝ている和室の襖を、勢いよく閉めてしまった。
その戸の向こうには、思いがけず飛び込んできた予想だにしない状況が広がっていたからだ。
「何やってるか、新八」
寝ぼけまなこを擦って、神楽が訊ねる。
「来るなァァァ!!」
突如として声を荒げた新八に、眠気など吹っ飛んだ神楽は好奇心を露にする。
「銀ちゃんに何かあったアルか?ストパーか!管理人と同じストパーになってたアルか!!」
「止めろォォ!!あっちにはうす汚れた世界しか、ひろがってねーぞ!」
和室の前で騒ぐ二人に、響古が酔い覚めの水を飲みながらやって来た。
「うるさいわね~」
まとめず寝たために乱れた髪が、肩にばさばさとかかる。
「銀が管理人と同じストパーになったの~?」
「ダメです!響古さんはあんな世界を見ちゃいけません!ドロドロになりますよ!!」
「?何、意味のわかんないことを…」
必死に訴える新八を怪訝そうに見る。
制止する新八の隙を突いて、神楽が襖を勢いよく開ける。
パァンと家中に響いた襖を開ける音に反応して、
「う~ん」
銀時はまぶしそうに眉を寄せる。
そこには、彼の上に覆いかぶさるようにして見知らぬ女性が一つの布団を共にしていたのだから。
目覚めた銀時は、すぐ近くに映る女性の顔に、
「ん?」
と顔をしかめる。
どこかで、パリン、とガラスの割れる音がした。
納豆を無心に練り続けているのは、先程銀時の隣で寝ていた女性。
慌てるわけでもなく、弁解するでもなく、ただ納豆を練る。
いつもの朝食風景に、かなりの違和感。
誰も言葉を発さない気まずい空間。
一番いたたまれない心境の銀時が、先陣を切って口を開いた。
「………で、誰この人?」
「アンタが連れこんだでしょーが」
冷え切った新八の指摘。
銀時は必死に前夜の記憶を呼び起こした。
「…昨日は……あ、ダメだ。響古と飲みに行ったトコまでしか思い出せねェ」
やはり昨晩の行動に関しては、どう帰ってきたのかすら思い出せないのだ。
「なぁ響古、誰この人?」
「知らないわよ、あたしにきかないで。昨日は銀と飲みに行ったトコまでしか思い出せないんだから」
必死に自らの昨晩の行動を振り返る銀時は、響古の言葉に頭を抱えている。
「二人とも飲みに行ったトコまでしか思い出せんのかィ!響古さん、もっとしっかり叱ってやってくださいよ!!」
新八につっこまれてこほんっと咳払いをし、銀時に冷めた視線を送る。
「銀、遊ぶのはいいけど、神楽もいるんだからこういうのは困るわ」
「え?いいんですか?」」
響古がそう言えば、新八は意外そうだった。
なんだか新たな一面を知ったような、そんな顔をしていた。
「え?あたしが口出すことじゃないってわかってるよ」
実際にこういったプライバシーに関する問題は暗黙の了解で、響古は首を突っ込まないようにしていたし、実際に銀時がキャバクラへ行こうが仲間内で遊郭へ行こうが、外で行動する分には我関せずでやってきたのだ。
「あたしと飲んだ後、すぐに他の女のもとへ遊びにいったの?忍者のコスプレまでして…くの一か?くの一プレイか?」
「イイ加減にしろよ、んな事するわけねーだろ!どっちかっていうと、ナースの方がイイ。響古のナース服の方がイイ!」
銀時のエロ妄想に、響古は嫌そうに美貌をしかめた。
「「死ね。ド変態の天パ」」
「てめっ、新八、お前は関係ねーだろ!」
新八も加わって一緒に蔑むと、頬をご飯でいっぱいにした神楽が言う。
「新八、男は若いうちに遊んでた方がいいのヨ」
神楽の母曰く、男は若いうちに遊んでおいた方がいいとのことだが、響古が言いたいのはそういうことではない。
そう、新八が言った通り……"よくも同居人がいるにもかかわわらず"ということだ。
「じゃないと、イイ年こいてから若い女に騙されたり、変な遊びにハマったりするって、マミーが言ってたよ」