第二十一訓~二十二訓
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「ただいま~」
バイトから帰ってきた響古を、酢昆布をしゃぶりながらテレビを見る神楽とソファを占領して寝る定春が迎えた。
「お帰りヨ、響古」
すると、楽しげな鼻歌が聞こえてくる。
歌っているのは響古だ。
「……どーしたアル、嬉しいことでもあったアルか?」
「――えっ、やっぱりわかっちゃう?」
「にやにやしてるヨ」
神楽の指摘に、ふふ、と響古が人差し指を唇に当てた。
「実はね……スクーター買ったの!今まで貯めてたお金が目標金額に到達!!」
「万事屋にそんなお金あったアルか?」
万事屋の収入を思い浮かべて、少女が首を傾げる。
すると、銀時には公言できない秘密を打ち明けてくれた。
なんでも、バイトのお誘いで貯め込んだ預金通帳があるらしく、最近は『隠し遺産』に手をつけるケースも増えているらしい。
内緒で二人に給料を与えたりする時などに。
「今まで銀の後ろに乗ってたんだけど、新八が来ちゃったから、合計3人も乗るわけにはいかないし……ってことで、あたしも自分専用のスクーター買おうと思ってね」
響古は辺りを見回して銀時の行方を訊ねる。
「ところで、銀は?」
「銀ちゃんなら言われた通り、久々に部屋片付けて、ジャンプ捨てに行ったネ」
「へェ、ちゃんと掃除したんだ」
「さすがの銀ちゃんも掃除したアル。響古の『片付けしておかないと一言も口聞かない』は凄まじいネ」
ふと、思い至ってゴミ収集計画表を見やる。
ゴミの分別は地域によって異なり、雑誌やチラシは資源ゴミに分類される。
にもかかわらず、銀時がジャンプを捨てに行った今日は燃えるゴミの日だ。
「…今日は燃えるゴミの日…」
「響古、銀ちゃんが常識なんか持ち合わせてるわけがないヨ」
神楽は、響古のつぶやきを聞いてやれやれと肩をすくめる。
「そんなことより、最近放火が起こってるって。物騒アルな~」
あっさり話題を変えて世間話をすると、響古は顎に手を当てて深く考え込んでいた。
「……響古?」
不思議そうにまばたきすると、響古はにっこりと笑いかけてきた。
が、よく見ると青筋が立っいる。
「神楽、あたし銀のところに行ってくるから」
神楽はかなり驚いたように、ぎくりと表情を強張らせる。
踵を返して居間を出ていく響古を見送り、
「いってらっしゃいヨ~」
こめかみに汗の筋をつくった神楽は新しい酢昆布をしゃぶった。
歌舞伎町を走る響古は、視界の端に銀色が映ったのに気づいて、
「ん?」
と振り向いた。
そこには、大量のジャンプを捨てようとしている男の姿。
第二十一訓
襟足の長さと子供の憎たらしさは比例する
――何が正しくて、何が間違ってんのか?
――混沌としたこの世の中じゃ、そいつを決めんのは簡単じゃねェ。
国家が作った法律や所属団体の制定している規律では決めることの難しい、混沌とした世の中。
その場の管理権限がある者の決めたルールや社会的ルールと相反する男は、狭い路地へと足を踏み入れる。
――他人のつくったルールなんざ、あてになるか。
――そんなもんに身を任せてたら、何も自分で決められねェ。
――人形になっちまうぜ。
ゆっくりと疑問を噛みしめるような言葉は、ルールを順守する人達へと向けられていた。
――結局、最後は自分 で決めるしかねーんだ。
――自分のルールで生きてくしかねーのさ。
部屋を掃除し、大量のジャンプを捨てようとゴミ捨て場に佇む男は不意に立ち止まる。
「ジャンプは燃えるゴミで出していいはずだ。だって、読んでたら何か燃えるもん」
死んだ魚のような瞳を輝かせ、自分で考えた、自分のためだけの、自分に有利なルールを遂行する。
「そりゃ、アンタが燃えてるだけだろーがァ!!」
「ごふっ!!」
刹那、黒い羽織を翻した響古が彼の背中へと両足による飛び蹴りを放った。
突然の飛び蹴りに避けられず、前のめりに倒れる。
「嫌な予感がすると思って来てみれば…雑誌は古紙の日の水曜に出せって言ってんだろーが!」
美貌を怒りで引きつらせ、響古は痛みに顔を歪める銀時を睨む。
「アンタ、いつになったらゴミの分別できるようになるの?何でも燃えるゴミの日に出しやがって…」
「燃えないゴミが嫌いなんだよ!何だよ、燃えないって。ホントは燃えるのに、出し惜しみしてるみてーじゃねーか」
銀時は腰をさすりながら立ち上がり、なんとも屁理屈な言い訳を並び立てる。
「奴ら、ホントは燃えられるんだぜ、ダリーからサボってるだけなんだよ!!」
「うるさいうるさい!もう一発、食らいたいの!?」
地区で決まっているゴミの分別にそんないちゃもんをつけてくんな、と言いたいが、その屁理屈な言い訳が苛立たしい。
こんなんでよくここまで育ってきたなこの男、と思わざるを得ないのである。
「とにかく、それ持って帰るわよ」
響古は呆れた溜め息をつくと、銀時に背を向けて続ける。
「最近、ゴミ捨て場で放火が多発してて、規制も厳しくなってんだから…」
銀時は面倒くさそうに頭を掻きながら、ついさっき捨てたジャンプを見やる。
「…………めんどくせェなぁ。しょうがねェ、便所紙にでも使うか…」
その時、背後から火の爆 ぜるような音が聞こえてくる。
「「ん?」」
まさかとは思い、後ろを振り返れば、住人が持ち込んだゴミ袋が燃えていた。
「アレ?ちょっとォ!?」
「ウソォォ!?ここもボヤ騒ぎ?」
すぐ近くで起きた火災に二人は慌てふためく。
「やべーぞ、コレ!!水、水!!」
「あるか、んなもん!!」
二人がいる場所は狭い路地にあるゴミ捨て場。
周囲を見渡しても、水など見当たらない。
響古につっこまれた銀時は、
「ピカーン!!」
小さな豆電球に明かりが灯るように閃いた。
どうやら名案を思いついたらしく、ベルトに手をかける。
「出るかな?いや、大丈夫だ。自分を信じろ」
この謎の行動に、響古は不可解そうに口を開く。
「………銀、何やってるの?」
「いや、俺の聖水で火を消そーと」
銀時は身体ごと振り向いた。
ズボンのファスナーからコンニチハ。
間違いなくモザイクかかるし、角度とか服とかでうまく隠れるが、勿論そんな都合のいいものがある訳ない。
その瞬間、響古は固まった。
びき、とか、そんな音が聞こえそうな固まりっぷりだった。
「に――」
「に?」
「にぎゃああああああっ!!」
銀時が見せつけてしまった衝撃映像のせいか、顔どころか首筋にかけて赤くなって絶叫した。
「一体、何を驚いてんだ?」
銀時はまじまじと自分の股間を見る。
それは、プランプランとぶら下がっていた。
あれだ。
男の子についている棒だ。
「俺の下半身なんか、いつも見てるだろ?大丈夫だ、俺を信じろ」
銀時の股間を見ないようにして、響古が詰め寄る。
「そんな格好で言われても信じたくないわ!人が来たら、どーすんの!?」
「来る前に、俺の聖水で消す!」
「そーゆー問題じゃねェェェェ!!」
直後、二人に向かって消火器が発射される。
火が消えたことによって大量の煙がゴミ捨て場を包む中、聞き覚えのない声がかかる。
「とうとう尻尾つかんだぜ、連続放火魔さんよ~」
そこに現れたのは、ねじり鉢巻をして男のような格好をしている女性だった。
今まで隠れていたのかはわからないが、正直この状況で飛び出してくるとは、なかなか根性のある女性であった。
「この"め組"の辰巳に見つかったからには、てめーら、生きて帰さ…」
威勢よく啖呵 を切る彼女は言葉を失った。
「あの~。あんまり、ジロジロ見ないでくれない?」
視界に飛び込んできたのは、自分の身体から聖水を出して消火する銀時と真っ赤な顔の響古の光景。
「うぉわぁぁぁぁ!!」
女性は悲鳴をあげながら、持っていた消火器を振り下ろした。
火消し屋"め組"に連れてこられた銀時はそう言った。
「だァ~から、それはお前、俺の聖水でな、火を消そーとしてただけなんだっつーの」
「ウソつくんじゃねェェ、この変態放火魔が!」
縄で拘束させられた銀時の目の前には、先程の女性――辰巳が仁王立ちで怒っている。
「汚ねーもん見せやがって。トラウマ決定だよ、チクショー」
ひとしきり罵倒した後、響古へと話しかける。
「お姉さん、アンタにも話を聞きたい…」
「乗りこえてこい!人はトラウマを乗りこえて強くなっていく」
「トラウマ産み落とした奴に言われたくねーよ!!」
「あら、もしかして見たの初めてなの?乗りこえなきゃ、一生男を抱けないわよ」
響古は先程の弱々しい乙女ぶりが嘘のように、澄まし顔を取り戻していた。
が、よく見ると頬が赤らんでいる。
その言葉に図星なのか、真っ赤になった辰巳は銀時の胸ぐらを掴んだ。
「てめー、女だと思ってなめてたら、いてまうぞコラァ!?こちとら、火消しになった時から性別なんざティッシュにくるんで捨てたんだコノヤロー!!」
「だったらオメー、股間の一つや二つ見たって問題ねーだろうが!!ティッシュに優しく包んで捨ててくれや!!」
途端に響古の顔が赤くなり、恥ずかしそうにもじもじする。
思わず、あの時のお姿が浮かび上がってきたのでしょう。
あれはもう、モロ無修正でしたからね。
「俺だって、響古以外の女に見られて、ちょっと恥ずかしーんだからな!」
バイトから帰ってきた響古を、酢昆布をしゃぶりながらテレビを見る神楽とソファを占領して寝る定春が迎えた。
「お帰りヨ、響古」
すると、楽しげな鼻歌が聞こえてくる。
歌っているのは響古だ。
「……どーしたアル、嬉しいことでもあったアルか?」
「――えっ、やっぱりわかっちゃう?」
「にやにやしてるヨ」
神楽の指摘に、ふふ、と響古が人差し指を唇に当てた。
「実はね……スクーター買ったの!今まで貯めてたお金が目標金額に到達!!」
「万事屋にそんなお金あったアルか?」
万事屋の収入を思い浮かべて、少女が首を傾げる。
すると、銀時には公言できない秘密を打ち明けてくれた。
なんでも、バイトのお誘いで貯め込んだ預金通帳があるらしく、最近は『隠し遺産』に手をつけるケースも増えているらしい。
内緒で二人に給料を与えたりする時などに。
「今まで銀の後ろに乗ってたんだけど、新八が来ちゃったから、合計3人も乗るわけにはいかないし……ってことで、あたしも自分専用のスクーター買おうと思ってね」
響古は辺りを見回して銀時の行方を訊ねる。
「ところで、銀は?」
「銀ちゃんなら言われた通り、久々に部屋片付けて、ジャンプ捨てに行ったネ」
「へェ、ちゃんと掃除したんだ」
「さすがの銀ちゃんも掃除したアル。響古の『片付けしておかないと一言も口聞かない』は凄まじいネ」
ふと、思い至ってゴミ収集計画表を見やる。
ゴミの分別は地域によって異なり、雑誌やチラシは資源ゴミに分類される。
にもかかわらず、銀時がジャンプを捨てに行った今日は燃えるゴミの日だ。
「…今日は燃えるゴミの日…」
「響古、銀ちゃんが常識なんか持ち合わせてるわけがないヨ」
神楽は、響古のつぶやきを聞いてやれやれと肩をすくめる。
「そんなことより、最近放火が起こってるって。物騒アルな~」
あっさり話題を変えて世間話をすると、響古は顎に手を当てて深く考え込んでいた。
「……響古?」
不思議そうにまばたきすると、響古はにっこりと笑いかけてきた。
が、よく見ると青筋が立っいる。
「神楽、あたし銀のところに行ってくるから」
神楽はかなり驚いたように、ぎくりと表情を強張らせる。
踵を返して居間を出ていく響古を見送り、
「いってらっしゃいヨ~」
こめかみに汗の筋をつくった神楽は新しい酢昆布をしゃぶった。
歌舞伎町を走る響古は、視界の端に銀色が映ったのに気づいて、
「ん?」
と振り向いた。
そこには、大量のジャンプを捨てようとしている男の姿。
第二十一訓
襟足の長さと子供の憎たらしさは比例する
――何が正しくて、何が間違ってんのか?
――混沌としたこの世の中じゃ、そいつを決めんのは簡単じゃねェ。
国家が作った法律や所属団体の制定している規律では決めることの難しい、混沌とした世の中。
その場の管理権限がある者の決めたルールや社会的ルールと相反する男は、狭い路地へと足を踏み入れる。
――他人のつくったルールなんざ、あてになるか。
――そんなもんに身を任せてたら、何も自分で決められねェ。
――人形になっちまうぜ。
ゆっくりと疑問を噛みしめるような言葉は、ルールを順守する人達へと向けられていた。
――結局、最後は
――自分のルールで生きてくしかねーのさ。
部屋を掃除し、大量のジャンプを捨てようとゴミ捨て場に佇む男は不意に立ち止まる。
「ジャンプは燃えるゴミで出していいはずだ。だって、読んでたら何か燃えるもん」
死んだ魚のような瞳を輝かせ、自分で考えた、自分のためだけの、自分に有利なルールを遂行する。
「そりゃ、アンタが燃えてるだけだろーがァ!!」
「ごふっ!!」
刹那、黒い羽織を翻した響古が彼の背中へと両足による飛び蹴りを放った。
突然の飛び蹴りに避けられず、前のめりに倒れる。
「嫌な予感がすると思って来てみれば…雑誌は古紙の日の水曜に出せって言ってんだろーが!」
美貌を怒りで引きつらせ、響古は痛みに顔を歪める銀時を睨む。
「アンタ、いつになったらゴミの分別できるようになるの?何でも燃えるゴミの日に出しやがって…」
「燃えないゴミが嫌いなんだよ!何だよ、燃えないって。ホントは燃えるのに、出し惜しみしてるみてーじゃねーか」
銀時は腰をさすりながら立ち上がり、なんとも屁理屈な言い訳を並び立てる。
「奴ら、ホントは燃えられるんだぜ、ダリーからサボってるだけなんだよ!!」
「うるさいうるさい!もう一発、食らいたいの!?」
地区で決まっているゴミの分別にそんないちゃもんをつけてくんな、と言いたいが、その屁理屈な言い訳が苛立たしい。
こんなんでよくここまで育ってきたなこの男、と思わざるを得ないのである。
「とにかく、それ持って帰るわよ」
響古は呆れた溜め息をつくと、銀時に背を向けて続ける。
「最近、ゴミ捨て場で放火が多発してて、規制も厳しくなってんだから…」
銀時は面倒くさそうに頭を掻きながら、ついさっき捨てたジャンプを見やる。
「…………めんどくせェなぁ。しょうがねェ、便所紙にでも使うか…」
その時、背後から火の
「「ん?」」
まさかとは思い、後ろを振り返れば、住人が持ち込んだゴミ袋が燃えていた。
「アレ?ちょっとォ!?」
「ウソォォ!?ここもボヤ騒ぎ?」
すぐ近くで起きた火災に二人は慌てふためく。
「やべーぞ、コレ!!水、水!!」
「あるか、んなもん!!」
二人がいる場所は狭い路地にあるゴミ捨て場。
周囲を見渡しても、水など見当たらない。
響古につっこまれた銀時は、
「ピカーン!!」
小さな豆電球に明かりが灯るように閃いた。
どうやら名案を思いついたらしく、ベルトに手をかける。
「出るかな?いや、大丈夫だ。自分を信じろ」
この謎の行動に、響古は不可解そうに口を開く。
「………銀、何やってるの?」
「いや、俺の聖水で火を消そーと」
銀時は身体ごと振り向いた。
ズボンのファスナーからコンニチハ。
間違いなくモザイクかかるし、角度とか服とかでうまく隠れるが、勿論そんな都合のいいものがある訳ない。
その瞬間、響古は固まった。
びき、とか、そんな音が聞こえそうな固まりっぷりだった。
「に――」
「に?」
「にぎゃああああああっ!!」
銀時が見せつけてしまった衝撃映像のせいか、顔どころか首筋にかけて赤くなって絶叫した。
「一体、何を驚いてんだ?」
銀時はまじまじと自分の股間を見る。
それは、プランプランとぶら下がっていた。
あれだ。
男の子についている棒だ。
「俺の下半身なんか、いつも見てるだろ?大丈夫だ、俺を信じろ」
銀時の股間を見ないようにして、響古が詰め寄る。
「そんな格好で言われても信じたくないわ!人が来たら、どーすんの!?」
「来る前に、俺の聖水で消す!」
「そーゆー問題じゃねェェェェ!!」
直後、二人に向かって消火器が発射される。
火が消えたことによって大量の煙がゴミ捨て場を包む中、聞き覚えのない声がかかる。
「とうとう尻尾つかんだぜ、連続放火魔さんよ~」
そこに現れたのは、ねじり鉢巻をして男のような格好をしている女性だった。
今まで隠れていたのかはわからないが、正直この状況で飛び出してくるとは、なかなか根性のある女性であった。
「この"め組"の辰巳に見つかったからには、てめーら、生きて帰さ…」
威勢よく
「あの~。あんまり、ジロジロ見ないでくれない?」
視界に飛び込んできたのは、自分の身体から聖水を出して消火する銀時と真っ赤な顔の響古の光景。
「うぉわぁぁぁぁ!!」
女性は悲鳴をあげながら、持っていた消火器を振り下ろした。
火消し屋"め組"に連れてこられた銀時はそう言った。
「だァ~から、それはお前、俺の聖水でな、火を消そーとしてただけなんだっつーの」
「ウソつくんじゃねェェ、この変態放火魔が!」
縄で拘束させられた銀時の目の前には、先程の女性――辰巳が仁王立ちで怒っている。
「汚ねーもん見せやがって。トラウマ決定だよ、チクショー」
ひとしきり罵倒した後、響古へと話しかける。
「お姉さん、アンタにも話を聞きたい…」
「乗りこえてこい!人はトラウマを乗りこえて強くなっていく」
「トラウマ産み落とした奴に言われたくねーよ!!」
「あら、もしかして見たの初めてなの?乗りこえなきゃ、一生男を抱けないわよ」
響古は先程の弱々しい乙女ぶりが嘘のように、澄まし顔を取り戻していた。
が、よく見ると頬が赤らんでいる。
その言葉に図星なのか、真っ赤になった辰巳は銀時の胸ぐらを掴んだ。
「てめー、女だと思ってなめてたら、いてまうぞコラァ!?こちとら、火消しになった時から性別なんざティッシュにくるんで捨てたんだコノヤロー!!」
「だったらオメー、股間の一つや二つ見たって問題ねーだろうが!!ティッシュに優しく包んで捨ててくれや!!」
途端に響古の顔が赤くなり、恥ずかしそうにもじもじする。
思わず、あの時のお姿が浮かび上がってきたのでしょう。
あれはもう、モロ無修正でしたからね。
「俺だって、響古以外の女に見られて、ちょっと恥ずかしーんだからな!」