第1話
夢小説設定
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レバーを下げると、部屋の奥から動物――否、それぞれの動物を繋ぎ合わせた怪物が現れる。
「この賢者の石というのは、まったくたいした代物でな。こういう物も作れるのだよ。合成獣 を見るのは初めてかね?ん?」
合成獣は唸り声をあげながら三人に近づいてくる。
アルが口笛を吹くと、エドは気だるげに、手袋をはめた両手を合わせた。
「こりゃあ丸腰でじゃれあうにはちと、キツそうだな、と」
「あたしもやろうか?」
キョウコが先手を取って聞いた。
エドは一言で期待に応えた。
闘志が唇を歪ませ、獰猛な笑みを浮かべる。
「いや、オレ一人で十分だ。もし、何かあったら援護を頼む」
エドの言葉、それは一聴 、合成獣に立ち向かうには無謀な物言いに聞こえる。
だが――。
「了解」
キョウコは知っている。
彼は――鋼の錬金術師なのだから。
次に、その両手を地面へと置く。
コーネロが不思議そうに眺めると、バシィ、と物々しい音と共に、砂煙と風が舞う。
立ち上がると同時に、エドの両手からは槍が出現する。
錬金術による錬成で、地面から武器の槍を瞬時に作り出したのだ。
その錬成を見たキョウコは、ほう…と感嘆する。
「エドの錬金術、いつ見ても無駄がないよねー」
「うぬ!錬成陣も無しに、敷石から武器を錬成するとは…国家錬金術師の名は伊達ではないという事か!!だが甘い!!」
合成獣はエドへと飛びかかると、鋭い爪で槍を真っ二つにする。
使い物にならなくなった槍。
鋭い爪は左足を掠め、ズボンが裂けた。
「ぐ…」
「うはははは!!どうだ!!鉄をも切断する爪の味は!?」
「エドワード!!」
コーネロの哄笑とロゼの叫び声が地下室に響く。
ところが、エドはにやりと笑った。
「…なんちって!」
次の瞬間、合成獣の鋭い爪が折れ、その腹部に蹴りが突き刺さる。
「あいにくと、特別製でね」
「……ッ!!?」
ギリ、と奥歯を噛みしめる音が鳴る。
コーネロは汗を滲ませながら合成獣に命令した。
「どうした!!爪が立たぬなら、噛み殺せ!!」
「グゥオオオオオッ」
合成獣は再びエドに襲いかかる。
殺気をみなぎらせ、物凄い勢いで迫り、大口を開けて噛みついた。
「ゴウウ、ウウ」
そのまま腕を噛み千切ろうとするが、不意に合成獣が硬直した。
「ウ…!?」
本当なら合成獣にのしかかられて、無惨に腕を噛み千切られていたはず。
それなのに、合成獣はできなかった。
「ガフッ…ウウウ」
次第に、その表情に焦りが出始める。
「ギャウッ、ウ…」
「どうした、ネコ野郎。しっかり味わえよ」
焦りを見せる合成獣に対して、エドは黄金の双眸を怪しく光らせた。
触れれば真底まで凍えてしまいそうな声で、噛み殺すような目つきが、その場にいる人間が動くことも声を出すこともできないほどの恐怖を感じさせるものだった。
「ガフッ!?ガッ…」
恐怖に震える合成獣を、噛みつく腕ごと持ち上げる。
信じられないものを見たかのように、目を見開いてエドを凝視した。
エドは噛みついたままの合成獣の顎を蹴り上げた。
その勢いで、盛大に牙が折れる。
「ロゼ、よく見ておけ」
先程の攻撃で袖口が裂け、右腕が晒される。
「これが、人体錬成を…」
衝撃の光景が飛び込んでくる。
コーネロは後ずさり、ロゼは思わず口許を覆う。
エドは破けた服を、さらに破り去った。
「神様とやらの領域を侵した、咎人 の姿だ!」
破いた服から覗く、右腕と左足が、無骨な鋼の義肢。
肌の色とも全く違う銀色。
その残酷な姿に、悔しさとも悲しみともつかない複雑な感情が、心の内より湧き上がる。
顔は怯えを、身体は震えを隠せない。
それを無理矢理、拳を強く握ることで押し込める。
キョウコは、同じように魂だけの存在であるアルを一瞥して、鋼の義肢を装着するエドを見やる。
コーネロは奥歯を噛みしめ、エドの鋼の義肢を凝視した。
「………鋼の義肢"機械鎧 "…ああ、そうか……鋼の錬金術師!!」
躊躇なく右腕と左足の機械鎧をさらけ出すと、頭上にいるコーネロを鋭く見据え、言い放つ。
「降りて来いよ、ド三流。格の違いってやつを見せてやる!!」
「この賢者の石というのは、まったくたいした代物でな。こういう物も作れるのだよ。
合成獣は唸り声をあげながら三人に近づいてくる。
アルが口笛を吹くと、エドは気だるげに、手袋をはめた両手を合わせた。
「こりゃあ丸腰でじゃれあうにはちと、キツそうだな、と」
「あたしもやろうか?」
キョウコが先手を取って聞いた。
エドは一言で期待に応えた。
闘志が唇を歪ませ、獰猛な笑みを浮かべる。
「いや、オレ一人で十分だ。もし、何かあったら援護を頼む」
エドの言葉、それは
だが――。
「了解」
キョウコは知っている。
彼は――鋼の錬金術師なのだから。
次に、その両手を地面へと置く。
コーネロが不思議そうに眺めると、バシィ、と物々しい音と共に、砂煙と風が舞う。
立ち上がると同時に、エドの両手からは槍が出現する。
錬金術による錬成で、地面から武器の槍を瞬時に作り出したのだ。
その錬成を見たキョウコは、ほう…と感嘆する。
「エドの錬金術、いつ見ても無駄がないよねー」
「うぬ!錬成陣も無しに、敷石から武器を錬成するとは…国家錬金術師の名は伊達ではないという事か!!だが甘い!!」
合成獣はエドへと飛びかかると、鋭い爪で槍を真っ二つにする。
使い物にならなくなった槍。
鋭い爪は左足を掠め、ズボンが裂けた。
「ぐ…」
「うはははは!!どうだ!!鉄をも切断する爪の味は!?」
「エドワード!!」
コーネロの哄笑とロゼの叫び声が地下室に響く。
ところが、エドはにやりと笑った。
「…なんちって!」
次の瞬間、合成獣の鋭い爪が折れ、その腹部に蹴りが突き刺さる。
「あいにくと、特別製でね」
「……ッ!!?」
ギリ、と奥歯を噛みしめる音が鳴る。
コーネロは汗を滲ませながら合成獣に命令した。
「どうした!!爪が立たぬなら、噛み殺せ!!」
「グゥオオオオオッ」
合成獣は再びエドに襲いかかる。
殺気をみなぎらせ、物凄い勢いで迫り、大口を開けて噛みついた。
「ゴウウ、ウウ」
そのまま腕を噛み千切ろうとするが、不意に合成獣が硬直した。
「ウ…!?」
本当なら合成獣にのしかかられて、無惨に腕を噛み千切られていたはず。
それなのに、合成獣はできなかった。
「ガフッ…ウウウ」
次第に、その表情に焦りが出始める。
「ギャウッ、ウ…」
「どうした、ネコ野郎。しっかり味わえよ」
焦りを見せる合成獣に対して、エドは黄金の双眸を怪しく光らせた。
触れれば真底まで凍えてしまいそうな声で、噛み殺すような目つきが、その場にいる人間が動くことも声を出すこともできないほどの恐怖を感じさせるものだった。
「ガフッ!?ガッ…」
恐怖に震える合成獣を、噛みつく腕ごと持ち上げる。
信じられないものを見たかのように、目を見開いてエドを凝視した。
エドは噛みついたままの合成獣の顎を蹴り上げた。
その勢いで、盛大に牙が折れる。
「ロゼ、よく見ておけ」
先程の攻撃で袖口が裂け、右腕が晒される。
「これが、人体錬成を…」
衝撃の光景が飛び込んでくる。
コーネロは後ずさり、ロゼは思わず口許を覆う。
エドは破けた服を、さらに破り去った。
「神様とやらの領域を侵した、
破いた服から覗く、右腕と左足が、無骨な鋼の義肢。
肌の色とも全く違う銀色。
その残酷な姿に、悔しさとも悲しみともつかない複雑な感情が、心の内より湧き上がる。
顔は怯えを、身体は震えを隠せない。
それを無理矢理、拳を強く握ることで押し込める。
キョウコは、同じように魂だけの存在であるアルを一瞥して、鋼の義肢を装着するエドを見やる。
コーネロは奥歯を噛みしめ、エドの鋼の義肢を凝視した。
「………鋼の義肢"
躊躇なく右腕と左足の機械鎧をさらけ出すと、頭上にいるコーネロを鋭く見据え、言い放つ。
「降りて来いよ、ド三流。格の違いってやつを見せてやる!!」