page.08 Michel
部屋を出るとすぐに異常に気付いた
鉄錆のような臭い
臭いを辿ると
Mの部屋の前に着いた
まさか.....
「.......」
ノックをしても返事がない
「入りますよ...?」
探偵としての勘が働く
Mは
もういない...
静かにドアを開けると
そこには無数の血痕と
ベッドのシーツに染み付いた鮮血が
目に飛び込んできた
「これは...」
しかしここは二階
窓から気付かれずに侵入する事など
まず不可能だ
「...B!...Mが...!」
返事がない
二階に
私以外の人の気配がしない
もう一度Mの部屋へ入る
何故
先程気付かなかったのだろう
Mの遺体がないのだ
そして血痕は
窓を伝い外迄続いている
Mのものではない
もう一つの足跡と一緒に
死神に連れ去られた少女
この日
BとMはいなくなった
私の11回目の誕生日
雪が積もっているハウスの外に
痛々しいほどの血の痕を
私は今でも覚えている
「Happy birthday L~Happy birthday~」
死神が唄う声が
遠くから
聴こえたような気がした
どうか...
私も連れて行って...
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