page.08 Michel
もう
ハウスを出よう
これ以上
ここに居るわけにはいかない
またMを抱くかもしれない
自分恐い
「ククッ...Good morning~L~Good morning~」
「.......」
もう
Bと会話をする事すらままならない
「どうだったんだい?L」
「.......」
「Mは善かったかい?」
「.......!」
知っている...?
何故だ...?
「昨日の夜、Mに相談されたんだ。『Lに嫌われてるかも』ってね」
「.......」
「だから『部屋に行ってごらんよ』って、アドバイスをしておいたのさ」
「.....!」
お前が...
仕組んだのか...!
「お前が...お前が仕組んだのか...!」
「僕はアドバイスをしただけさ。それに、抱いたのはLの意志じゃないか」
「....っ....」
もう限界だ
こんな感情に振り回されて
周りをどんどん巻き込んで
犠牲を増やすだけなんて
「B...私の寿命が見えるんだろう?」
「ああ、見えるよ」
「お願いだ、私を殺してくれ...B...」
「逃げるのかい?」
「...違う」
「無理だよ。僕にLは殺せない」
「服を整えてリビングへ来て
ワタリが変に思う」
Bはこれだけ告げると
部屋を出て行ってしまった
これがBとの
最後の会話だった
服を整え
躯に着いた痕を擦った
こんな汚らわしいモノ
見るだけで吐き気がする
Mを母だと錯覚し抱いたという事も
思い出すだけで気が狂いそうになる
ワタリには絶対に言えない
言いたくない
私の中で
秘密が出来てしまった
こんな事を唯一の秘密になどしたくなかったが
絶対に誰にも言えない
絶対に....
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