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page.08 Michel





「L...好き...」


頬に触れそうなMの手を払う


「やめて下さい。冗談も..ここまで来ると笑えない」


彼女は溜め息をつき

「じゃあ、鏡を見てみたら?」
と言ってきた


鏡に姿を映して
目を疑った


背中には
無数の爪痕が着いていた

躯には
薄いが鬱血した痕が刻まれている


「ね?」
「.......」



背中の爪痕
鬱血した痕が互いに着いた躯

肌を重ねた証拠だ



「何故だ...」
「L、私ね」
「出て行って下さい...」


Mの言葉を遮り
部屋から出て行くよう促す

どうせ彼女が次に口にする言葉は
私が好きだとか
幸せだとかだろう

そんな戯れ言
聞きたくはない


母の声で
私に話掛けるな


お前がいなければ
私は...


「......」


無言で部屋を出て行ったM

もう私は
終わりかもしれない


また闇に囚われた


今回は私だけでなく
Mまでも巻き込んで


母だと錯覚し
覚えてもいない愛の言葉を囁き
甘い言葉を彼女に呟き
手を握り
極上の愛撫で幸せに達した


最低だ

決して赦される事ではない


まるで
夢遊病のような


私はまるで...



「避妊は...避妊はしたのか...」


ゴミ箱を探したが
避妊具は見当たらなかった



「まさか......」




私は
本当に禁忌を犯してしまった


Mを
母だと錯覚し避妊もせず抱いた


私は狂っている













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