page.08 Michel
寝る前に本を読むのが習慣で
今日もいつものように本を読んでいた
ただいつもと違うのは
同室のBがいない事
きっとキッチンで
イチゴジャムでもつまみ食いしているのだろう
待っているのも変だと思い
電気を消して寝ようと思ったその時
部屋にノックの音が響いた
「Bですか?」
「...いいえ。Mです」
「...!!」
何故Mが
この時間に部屋を訪ねてくるのだろう
鼓動が速くなった
「...Bに用事ですか?此処にはいませんが...」
「いいえ..Lに話が...」
「眠いんです..明日にして下さい...」
「......」
暫く経っても返事がなく
諦めたのだと思いドアに向かった
まるで...
何かに導かれるように...
.....ガチャ
「...!」
そこには
涙を流して私を見上げるMの姿があった
「Lは...私が嫌いなの...?」
「え...?」
「Lはいつも...私を避けてばかり...」
「......」
事実なだけに
反論が出来ない
「私...何かLに嫌われるような事をしたの...?」
違うんですM...
しかし貴女に全てを打ち明ける事は
私には出来ません...
「貴女の勘違いですよ...おやすみなさい」
「嘘よ!」
いつもは穏やかなMからは想像も出来ないような
悲鳴にも似た声
「嘘よ!何で目を合わせてくれないの?何で話してくれないの?L!」
私にしがみつき
必死に私を揺さぶるM
やめて下さい...
これ以上...
近づかないで下さい...
「Lのバカ!大っ嫌い!」
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