page.07 母の面影
「おかえりなさい。ワタリ。B。」
ワタリとBに囲まれて
Mが座っている
私はMから一番遠い席へ座った
「それではM、自己紹介を」
ワタリに促され
少し照れながらMが立ち上がった
「今日からお世話になります、Michel=Riverです。Mと呼んで下さい。」
Michel...
私の躯が
その名前にだけ反応した
自己紹介は続いているのに
私の頭の中には
まるで入ってこない
Mに対して
自分の躯が熱くなった理由が
ようやく分かった
彼女は
私の亡き母に似ているのだ
容姿も香りも
そして声さえも...
まるで
他界した母と逢っているような
そんな奇妙な感覚に囚われる
「以上で終わります。」
Mの自己紹介に続き
ワタリとBも自己紹介をした
「さぁ、次はLの番だよ」
「はい...」
なるべくMの方を見ないようにして
名前だけの自己紹介をした
「L=Lawlietです...」
「よろしくね。L。」
やめて下さい...
その声で呼ばないで...
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