page.07 母の面影
page.07 母の面影
Kと"L"を埋葬してから数ヶ月
穏やかな毎日だった
私は大分回復し
探偵としての意欲を取り戻していた
気付けば私は10歳になっていて
日本語も板についてきた
言葉遣いも表情も
大人びてきたとワタリに言われた
この頃からは
膝を抱えた座り方と
指先で物を掴む癖が当たり前になり
よくBに真似されていた
「何でLは、指先で物を掴むんだい?」
「指紋が付くのを、最小限に抑えたいからです」
「なら、手袋でもしたら?」
「却下です」
端から見たら
私達はどう見えるのだろう?
友達?兄弟?
ここのところBは
冷酷な表情を見せない
いつも私の真似をしては無視されて
それでもくっついてくる
あの死神は
どこへ行ってしまったのだろう?
Bは本当は二重人格で
自分が私に言った事を覚えていないとか...?
色々な考えが頭を巡ったが
平和な日々は楽しかった
事件も起こらないから
緊迫した空気に包まれる事もない
久しぶりに
私は子供のような笑顔を零した
しかし
その幸せは永くは続かない
平穏な日々から
更に半年が経った
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