page.04 予感
Bがハウスに来た日は
とても寒い日だった事を覚えている
そしてあの日...
私の頬に触れたBの手は
もっと冷たかった
Bに事件が起こると宣告されてから
もうすぐ半月が経とうとしていた
事件が起こるであろう2月14日まで
あと半月...
最初の半月の間に
私とワタリは"L"の家を探し
監視カメラを付けたいという話までした
それから何十台もの小型カメラの手配や
犯人を逮捕する為に必要な
手錠や拳銃の用意をした
私達が準備を進めている間
Bは特に変わった様子も見せなかった
一人でいるのが
詰まらなそうには見えなかったし
私達の捜査に口を挟んでくる事もなかった
もしかしたらBは
忘れてしまったのかもしれない
そう思わせるくらい興味がなさそうだった
今思えば
あの態度はBの自信だったのだ
死神の目で見た"L"の寿命は絶対だと
必ず死ぬ運命だと思っていたから
口を出してこなかったのだろう
あっという間に半月が経ち
約束の一週間がきた
「Bはハウスにいて下さい」
ワタリがそう言うとBは頷き
私達を見送ってくれた
外に停めてある車に乗り込む前に
ハウスの二階の窓を見上げたら
Bの歪んだ笑顔が見えた
私はゾクッとして
すぐに目を逸らした
「クククッ...L、お前には止められっこないさ。お前はJackに殺されるんだ。クククッ...自分の父親に殺されたような気分になるだろ...?クククッ....」
死神が独り言を呟いて
愉快に笑っていた
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