page.04 予感
ワタリが見つけ出したパソコンのディスプレイを見ると
そこには
見覚えのある名前が刻まれていた
「Jack...」
Bが興味を持っている物は
ケーキやチョコレートの他に
JackとLだ
その証拠に
ワタリがピックアップしてくれた資料には
Jackという人物は
一人しかいなかった
Jack=Beams
宝石店に強盗に押し入り逃走を図る
まだ捕まってはいなかった
「ワタリ!きっとこれだよ!Bが起こるって言ってた、事件の犯人だよ!」
「では犯人の近辺に"L"という人物がいるか、探してみましょう」
楽しかった
犯人へ繋がる階段を
駆け上がっている気分だ
推理や謎解きが
こんなにも私をワクワクさせるなんて...
「これですね...」
ワタリは驚くべき速さで
被害者になるであろう"L"の住所を割り出した
「此処から、そう遠くはありませんね」
"L"がいるであろう家は
ワイミーズハウスから車で15分といった所だろうか
「ワタリ、今すぐ行ってみよう!」
「しかし、事件が起こるのはまだ先です」
「構うもんか!僕は"L"に知らせてあげたい!」
「...焦りは禁物です。万が一犯人に情報が漏れたら、被害者が変わるかもしれません」
私はまだ子供で
そこまで頭が回っていなかった
「そうだね...考えてなかったよ...」
「そんな暗い顔をしないで下さい。まずは作戦を立てましょう」
私は無言で頷き
椅子に座り直した
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