page.04 予感
「L、どうしたのですか?最近元気がないように見えます」
「ワタリ...」
Bから事件が起こると言われてから
五日が過ぎていた
私は何も出来ずにいる
次第に考える時間も増えていき
口数も減っていたようだ
「Bと、喧嘩でもしましたか?」
「違うよ...」
Bから聞かされた事を
ワタリに喋って良いものなのだろうか...
話したところで
信じて貰えるか疑問だ
「僕のお父さん...Jack=Lawlietの事を...ワタリは知ってる?」
「L...何故その名前を...?」
「...Bから聞いたんだ...」
ワタリは黙り込んでしまった
やはりワタリも...
父の事を知っていたのだろうか...
だから私を
ハウスに連れてきたのか...?
「先日...Haward=Birthdayという人物が殺された事件...あれは...まさか...」
「ワタリ?どうしたの?」
「L、どうやら私は...とんでもない者を、招き入れてしまったようです...」
ワタリが独り言のように呟き
力なく笑った
「先日殺されたHaward=Birthdayの自宅には、Lのお父上がお書きになられた書籍が、大切に保管されていたと聞きました」
「Bも、父さんの本は全部読んだって言ってたよ?」
ワタリは確信したように目を見開いた
「Hawardが殺害されてから大分経ちますが、未だに犯人は捕まっていないのです」
「知ってるよ...だって...」
「ワタリ、今日のおやつはまだかな?」
「「!!??」」
いつから聞いていたのだろう
背後からBに声を掛けられた
「B...いつからいたの?」
「今来たばかりだよ」
Bは口元を緩め
妖しげに微笑んでいる
「L、続きはまた後で話しましょう」
小声でワタリが囁き部屋を出て行った
「どうだいL。捜査は順調かい?」
「僕は別に...探偵じゃないから」
「そうかい。クククッ...」
不気味な笑い声が木霊する
「そのうち、捜査がしたくて堪らなくなるよ」
「?」
Bはそれだけ言うと
ワタリがいるキッチンへ行ってしまった
.