page.03 Beyond=Birthday
Bが恐くなり
益々後退りした
「何故逃げるの?」
壁にぶつかり
身動きが出来なくなった私に
Bが近付いて来た
「来ないで...」
「何故だい、L?」
「Bが恐い...」
「恐い?クククッ...」
あの奇妙な笑い声だ
まるで...
死神のような...
「僕は、君の父さんに憧れていた。Jackの本は全て読んだ事があるくらいだ」
「.......」
「だから、そんなJackを殺した父さんが、憎くて仕方なかった」
「だからって...殺す事ないじゃないか...」
「さっきも言っただろう?寿命だったと」
もし本当に
Bに人の寿命が見えるとしたら
あの日言われた言葉は...
私の寿命...
『November2004 5th.』
確かに彼はこう言っていた
「ねえL」
Bは壁に手をつき
私を見下ろしていた
「僕は君に興味があるんだ。名探偵Jackの息子の力がどれ程のものなのか」
「僕は探偵じゃない...」
「でも僕は、Jackが死んだと聞かされたあの日から、あらゆる方法で君を探していた。」
「僕を...?」
「お父さんを刺して家を飛び出してから、色々と調べたんだ」
どうやらBは
私の母の葬儀にも来ていたようだった
亡き母の傍らで泣きわめく私に
ワタリが声を掛けた所も見ていたらしい
それからワタリの名前をネットで検索し
ワイミーズハウスの存在を知ったようだ
「乗り込んできたの...?」
「そうだよL、君に逢いたかった」
Bの手が
頬に触れた
なんて冷たい手なんだろう
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