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「キラは日本の関東地区にいる」
そう推理し、兄さんは日本へと発った
流石に僕は此処を出る事は許されないから、兄さんを見送った
そして年が明けて半月程経った頃
珍しく兄さんから通信が入った
「久しぶりですね、B」
まだ半月しか離れていないのに、何故かその声はとても懐かしく感じられ、僕は目頭が熱くなった
「実は明日、大学のセンター試験なんです。」
「は?」
「現在私がキラではないかと疑いを掛けている人物がいます。接触するには、同じ大学の中にいるのが一番手っ取り早いかと思いまして...」
「まぁそうだろうけど...。死ぬなよ?仮にも、兄さんがキラだと疑っている人物だろ?
可能性は0じゃない。」
「まぁ5%くらいですね...」
「そんなに...。」
Lは裏社会のトップ
どんな難事件でも解決へと導いてきた
そのLから5%も疑いを掛けられているんだ
ほぼ間違いないだろう
「キラが殺人を行うには顔と名前が必要。ですから、勿論偽名で大学へ通います。」
「まぁ...兄さんの事だから大丈夫だと思うけど...」
「それより...」
「.......?」
なんだろう...?
声が深刻だ...
「私...」
「兄さん...?」
「.......ちゃんと受かるでしょうか...。センター試験...」
「......ぶっ.....!」
相変わらずというか...
兄さんらしいというか...
「いいよ、そういうのは。僕からすれば、外に出れる事を自慢してるようにしか聞こえないけどね~」
「半分くらいは正解です。」
相変わらず素直じゃないねぇ~
「....。私が日本へ来てLとして動いている以上、Bには裏方の仕事しか回せなくてすみません」
「なんだ、そのこと?別に良いよ。寧ろ僕がこうしていられるのは、兄さんのお陰なんだからさ。」
「またハウスに戻れる事があったら、イチゴジャムをお土産に持って行きます。日本のイチゴジャムも、結構イケるんですよ」
「それは楽しみだ。ありがとう。L。」
他愛もない話をして通信を切った
そしてこれが
僕と兄さんの最後の会話だった
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