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page.32 親子




Lがハウスを出る1時間前
ロジャーの元にLから通信が入った


「ロジャー、私です。」
「あぁ。暫くだな。ニアに伝言は伝えておいたぞ。あの子は、本当に優秀だな。」

「はい。そうですね。
ロジャー、メロにも...。いえ...メロに電話を繋いで頂けますか?」
「構わないが...。」

「平気です。ここの電話は逆探も盗聴も出来ないようになっていますから。」
「分かった。繋ごう。」



最後にメロにも一言伝えたかった
メロのこともニアと同じくらい優秀な子供だと思っているから

そしてメロは私が居なくなってから
ハウスの子供達をまとめてくれていた
ツライのはメロも同じはずなのに...



「...もしもし...?」

電話口の向こうから
懐かしい声がする

でも少し違う
...声変わり...?


「Lです。」
「...!?」


「メロ、久々ですね。げんきに...」
「L...!本当にLなんだね!!夢みたいだ....!!Lが僕に電話をくれるなんて!!」


メロは話したいことだらけなのだろう
言葉が止まらなかった


「メロ、あまり時間がありません。聞いて下さい。」
「...ごめんなさい、L...。僕、つい嬉しくて....。」


私は今からメロにある場所に来るように伝えた

ここにはもう戻れないかもしれない...

だから最後に、メロにも逢っておきたい


「分かったよ、L!必ず行く!」
「はい。待っています。」


私はそう言うと電話を切った









「ここだよな...」

Lに指定された場所は、ハウスの時計塔の一番上だった

文字盤の所から外に出れるようになっていて
僕はそこでLを待った


なんて高いんだろう...


「落ちたら死ぬな...。」


そんな独り言を呟いていると
後ろから音がして
振り向くとLが立っていた



「L.....!!!」

僕は駆け寄って抱きつく
しかし返事がない

あれ...?


「...メロ...。このままでは落ちます...。」
「えっ!?」


Lは丁度出入り口の階段のところに立っていて
僕が抱きついたことで後ろに倒れそうな体勢になっていた


「ごめんなさい...!!」


僕は慌ててLから離れると
Lは漸く体勢を立て直した



「メロ、大きくなりましたね。」
「僕も、もう14歳になるんだよ!大人だよ!オ・ト・ナ!!」
「変わってませんね。」


こんなに背も伸びて大人っぽくなったのに...
変わってないなんて...


「それは中身の話ですよ。勿論外見は変わりました。大人っぽくなりましたね。」
「L...!」


「今のメロになら、これはよく似合うと思います。」
「?」


そう言ってLは僕に小さな箱を渡した



「開けてみて下さい。」
「うん。」


Lに言われるままに箱を開ける



「...L。これって...。」
「メロに良く似合うと思います。」


箱の中からはロザリオのネックレスが出てきた
紅い石がついていて
とても綺麗...


「遅くなりましたが、誕生日プレゼントです。この色やデザインは、メロに良く似合う。」
「...ありがとう、L..。僕、凄く嬉しいよ...。」


思わず泣いてしまった

だってもうLには逢えないと思っていたから

そして逢えないと思っていたLが目の前に居て
僕に誕生日のプレゼントをくれるなんて...


「L、大事にするよ...。
僕、前に貰った写真立ても大事にしているんだよ。」
「その件なのですが...」



僕はLからキラ事件のことを聞かされた

だからあの写真立てに飾ってある写真は処分しなくてはならない

僕はLの前では泣く泣く了解をした


しかしLが撮ってくれた僕の写真だけはどうしても処分出来なくて
写真立てに裏返して入れておいた


"Dear Mello"
と記されていた


そしてこの写真は後のキラ事件を大きく進展させることとなる
でもそれは、もう少し先のお話...


















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